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引き戸と開き戸のメリット・デメリットは?リフォーム方法と費用についてもご紹介

引き戸と開き戸のメリット・デメリットは?リフォーム方法と費用についてもご紹介
セゾンのくらし大研究 編集部

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豊かなくらしに必要な「お金」「健康」「家族」に関する困りごとや悩みごとを解決するために役立つ情報を、編集部メンバーが選りすぐってお届けします。

毎日何度も開け閉めするドアや扉。玄関やリビング、寝室、トイレなど、ドアや扉は部屋の出入り口として大切なものです。そんなドアや扉には、引き戸と開き戸があります。このコラムでは、引き戸と開き戸のメリットやデメリット、それぞれがどんな部屋に適しているかご紹介します。リフォーム費用についてもお届けするので、部屋のドアや扉が使いにくいという場合には、参考にしてみてください。

このコラムのまとめ

引き戸と開き戸は、どちらにするかによって使い勝手や住み心地が変わってきます。引き戸は、戸を左右にスライドさせて開閉するもので、開き戸は、ドアノブを回し前後に開閉するものです。引き戸は、簡単に開け閉めできるため、バリアフリーにしたい場合にも取り入れられます。開き戸は、気密性や遮音性が高いためプライベートな空間におすすめです。場所や目的に合わせて適したドアを選ぶことが、快適な暮らしにつながります。部屋のドアや扉が使いにくいという場合には、家族の生活や将来の暮らしをイメージしてリフォームしましょう。

くらしのセゾンが提供する「介護・バリアフリーリフォーム」は、誰もが安全に、安心して暮らすことを目的とした住宅リフォームです。今回ご紹介した扉の設置や手すりの取り付けなどの小規模なリフォームから、間取り変更や浴室のまるごと取り替えなどの大規模な工事まで対応します。「どのような生活を実現したいか」、ぜひその思いをお聞かせください。専門スタッフが丁寧にヒアリングし、ご家族の「できる」と「したい」を支援できる環境を整えます。

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引き戸・開き戸の違いとは?

1.引き戸・開き戸の違いとは?

まずは、引き戸と開き戸の違いについて見ていきましょう。

引き戸とは

「引き戸」とは、レール上を左右にスライドさせ開閉する扉のことです。引き戸には「片引き戸」「引き込み戸」「引き違い戸」「引き分け戸」の4種類があり、必要なスペースや戸の枚数が異なります。

「片引き戸」

片側に開閉するタイプの扉。戸の枚数は、1枚のものが多く2枚以上の戸が連動するものもあります。壁に戸をスライドさせるスペースが必要です。

「引き込み戸」

壁の中に戸を収納できるスペース(戸袋)がある扉を指します。片引き戸では、スライドスペース部分の壁に家具などを置けませんが、引き込み戸なら、通常の壁のように使うことが可能です。

「引き違い戸」

床に2本のレールを敷き、2枚の戸を左右に動かす扉です。複数の戸と溝やレールを使うため、片引き戸より多くのスペースを必要とします。押入れなどにも使われる扉です。

「引き分け戸」

真ん中から2枚の戸を両側にスライドさせて開閉する扉をいいます。溝やレールは1本ですが、2枚分の戸を両側にスライドするためのスペースが必要。扉を開いたときの開放感が特徴です。

開き戸とは

開き戸とは前後に開閉するドアのことです。戸は、軸を中心に弧を描いて開くため、開く側にスペースが必要になります。日本の住宅の開き戸の多くは、外開きになっているのが一般的です。

開き戸には、片開きタイプと両開きタイプがあります。片開きタイプは、1枚の戸を開閉するドアで、両開きタイプは、2枚の戸を中心から両側に開閉するドアです。

引き戸のメリット・デメリット

2.引き戸のメリット・デメリット

ここでは、引き戸のメリットとデメリットについて見ていきましょう。

【メリット】スペースを取らない

引き戸は、壁に戸をスライドさせて使うため、省スペースで部屋を広く使うことができます。前後に開閉する開き戸と違い、開く側にスペースを必要としないのが特徴です。

そのため、扉を開いたときに近くにいる人にぶつかる心配がありません。キッチンや洗面所など、家族が頻繁に出入りする場所でも安心して使えるでしょう。

【メリット】誰でも使いやすい

引き戸は、開閉が簡単なのもメリットのひとつです。開き戸のようにドアノブを回しながら扉を動かす必要がなく、横にスライドさせるだけで開閉することができます。身体の動きを少なくできるのがうれしいポイントです。

戸がゆっくり閉まるように設計された引き戸を選べば、戸に手を挟んでケガをするリスクも軽減できます。小さな子どもや身体の不自由な高齢者、車いすを使用している方でも開け閉めしやすいでしょう。車椅子でも移動がしやすく、バリアフリーにしたいという場合にもおすすめです。

【メリット】扉を開いたままにしてひとつの空間として楽しめる

2-3.【メリット】扉を開いたままにしてひとつの空間として楽しめる

引き戸は、戸を完全に開けると開放感を味わえます。引き戸を開け、部屋と部屋をつなぐことで、ひとつの空間を楽しめるでしょう。戸を閉めてしまえば、部屋を小分けにすることもできます。子ども部屋が必要になるまではリビング空間として、子どもが成長したら子ども部屋にすることも可能です。

【デメリット】開き戸に比べて2倍の幅が必要

引き戸は、戸をスライドさせて引き込むスペースが必要です。そのため、開き戸に比べて2倍の横幅が必要になります。戸を引き込むスペースには、スイッチやコンセントの設置ができません。引き戸を設置する場合には、設備の配置に気を付けましょう。

【デメリット】開き戸に比べて遮音性・気密性が劣る

引き戸は、開き戸に比べ遮音性と気密性に劣ります。隣の部屋の音が聞こえやすく、冷暖房の効きが悪くなることもあるでしょう。寝室の場合、隣の部屋の光が気になるということもあるかもしれません。

しかし、気密性が低いということは、通気性が良いということ。湿気がこもりやすく、風通しを良くしたい場所にはおすすめです。

開き戸のメリット・デメリット

3.開き戸のメリット・デメリット

次に、開き戸のメリットとデメリットについて紹介します。

【メリット】気密性・遮音性に優れている

開き戸は、戸をスライドさせるレールがないため、引き戸に比べて気密性が高くなります。そのため、引き戸の部屋に比べ冷暖房の効きが良く、室内を快適な状態に保つことが可能です。また、遮音性にも優れており、音漏れも気になりにくくなります。

【メリット】レールがないため手入れが簡単

開き戸には、引き戸のようにレールがないため、床面をフラットに仕上げることができます。そのため、レースに埃が溜まるといったことがなく清掃やお手入れが簡単です。よく開け閉めする扉は、どうしても、埃や髪の毛などが溜まりやすくなります。掃除を簡単に済ませたい場合は、開き戸がおすすめです。

【デメリット】扉の可動域の確保が必要

3-3.【デメリット】扉の可動域の確保が必要

開き戸は、ドアを前後に動かし開閉するため、可動域の確保が必要です。そのため、ドアの近くには物を置くことができません。ドアの可動域がデッドスペースになるのがデメリットといえるでしょう。ドアの近くに家具などを配置してしまうと、扉と接触してしまう可能性があります。

【デメリット】引き戸に比べて開け閉めしづらい

開き戸は、引き戸に比べて開け閉めがしづらい点もデメリットです。高齢者やベビーカー、車いすを使用する場面では、開け閉めの動作が大きく使いづらくなります。開き戸を手前に引かなければならないときには、車いすやベビーカーを後ろにバックさせなければなりません。

【デメリット】指を挟むなどの事故の可能性がある

開き戸は、指を挟むなどの事故につながる可能性があります。特に小さな子どもがいる家庭では注意が必要です。また、開き戸は、風の影響で勝手に閉まってしまうこともあります。頻繁に出入りする場所や窓を開けているときには、ストッパーなどでドアを固定しておく必要があるでしょう。

【デメリット】高齢者が転倒する原因になりうる

3-6.【デメリット】高齢者が転倒する原因になりうる

開き戸を開けるときには、反対側に人がいないか確認して開けないと、ドアに身体をぶつけたり、転倒してしまったりすることもあります。高齢者や小さな子どもがいる家庭では、特に注意が必要です。

引き戸と開き戸どちらが適しているの?

引き戸と開き戸のメリットとデメリットを踏まえて、それぞれがどんな部屋に向いているか見ていきましょう。

引き戸が適した部屋

横にスライドさせるだけで開閉できる引き戸は、高齢者や身体が不自由な方が使う部屋におすすめです。

扉を開閉する際に、前後に移動する必要がないため、スムーズに部屋に移動することができます。車椅子でも通りやすいので、将来的にバリアフリーにしたい場合にもおすすめです。

また、リビングの隣の部屋など、戸を開きっぱなしにして部屋を広く使いたい場所にも引き戸が向いています。引き戸を完全に開けてしまえば、部屋全体に開放感を出せ、部屋を広く感じさせてくれるでしょう。お風呂の脱衣所など風通しを良くしたい場所にも、引き戸がおすすめです。

開き戸が適した部屋

4-2.開き戸が適した部屋

気密性と遮音性に優れた開き戸は、寝室や書斎などプライベートなスペースに向いています。隣の部屋の光や音を気にせずに、睡眠や仕事をすることができるでしょう。冷暖房も効きやすいため、快適に過ごすことができます。また、ピアノなどの楽器を練習する部屋は、防音性を考え開き戸にすると良いでしょう。

玄関

玄関には、引き戸が向いている場合と開き戸が向いている場合があります。

引き戸が向いている場合

玄関周りのスペースが狭い場合は、引き戸が向いています。左右に戸を動かして開閉するため、玄関を広く使うことができるでしょう。

また、引き戸は開き戸と比べ間口が広いため、車いすやベビーカーを使う家庭や荷物を運ぶことが多い場合に向いています。家に出入りするときや荷物を運ぶときに、扉を開けっぱなしにしておくことができるのも引き戸の特徴です。

開き戸が向いている場合

気密性と遮音性を重視したい場合には、開き戸を選ぶと良いでしょう。開き戸の場合、レールがなく戸の四方をしっかり閉めることができるため気密性が高くなります。虫の侵入なども、引き戸に比べ少なくなるでしょう。大通りや線路の近くなど騒音が気になる場合にも、遮音性の高い開き戸が向いています。

引き戸にするリフォーム費用の相場

ここでは、引き戸にリフォームしたい場合の費用相場を、場所別に見ていきましょう。引き戸には、戸が1枚の片引き戸と引き込み戸、戸が2枚以上必要な引き違い戸や両引き戸があり、戸の枚数が増えると、その分費用は高くなります。

玄関のリフォーム費用

玄関を開き戸から片引き戸にリフォームする場合、既存のドア枠をそのまま使うことが可能です。しかし、玄関用の引き戸は価格が高いため、既存のドア枠をそのまま使ったとしても30万円前後かかります。

また、壁に手を加える必要がある場合には、50万円前後かかってくるでしょう。戸を収納するスペースが必要な引き込み戸にリフォームする場合には、60万円前後の費用がかかり、2枚の戸を使う引き違い戸や両引き戸にする場合には、60万円から100万円ほどかかります。

浴室のリフォーム費用

5-2.浴室のリフォーム費用

浴室を引き戸にリフォームする場合、既存のドア枠をそのまま使う工法では10万円前後かかります。ドア枠の交換が必要な場合には、13万円から16万円を見積もっておく必要があるでしょう。ただし、浴室ドアのリフォーム費用は、ドア材やドア枠のグレードやサイズによって異なってきます。

室内ドアのリフォーム費用

室内のドアを開き戸から引き戸にするときの費用の相場は、20万円から40万円です。バリアフリーを目的としてリフォームする場合には、壁を壊して間口を広くする必要があるため、費用は高くなります。

バリアフリーに特化した引き戸には、高齢者でも簡単に開けることができたり、勢い良く閉まったりしないようストッパーが付属しているものもあり、リフォーム価格相場は、20万円から50万円です。

開き戸にするリフォーム費用の相場

次に開き戸にリフォームしたい場合の費用相場を、場所別に見ていきましょう。

玄関のリフォーム費用

6-1.玄関のリフォーム費用

玄関を開き戸にするときの費用相場は、30万円から40万円程度です。引き戸から開き戸にする場合には、既存の扉よりも小さくしなければならないケースがあります。サイズの小さい開き戸にする場合には、ドアを固定する壁を作らなければなりません。その場合、30万円から60万円の追加費用がかかります。

浴室のリフォーム費用

浴室を開き戸にリフォームする際には、既存のドア枠を使える状態で5万円前後、ドア枠の交換が必要な場合には、7万円から10万円の費用がかかり、ドア材やドア枠によっても費用は異なってきます。

室内ドアのリフォーム費用

室内ドアを引き戸から開き戸にリフォームする費用相場は、10万円から30万円程度です。既存のドアとサイズの異なるドアに交換する場合、周辺の壁の工事が必要になり、リフォーム費用が高くなります。

扉のリフォームは「介護・バリアフリーリフォーム」へ

5.内部までしっかり掃除したい場合はプロにお任せ!

くらしのセゾンが提供する「介護・バリアフリーリフォーム」は、誰もが安全に、安心して暮らすことを目的とした住宅リフォームです。今回ご紹介した扉の設置や手すりの取り付けなどの小規模なリフォームから、間取り変更や浴室のまるごと取り替えなどの大規模な工事まで対応します。「どのような生活を実現したいか」、ぜひその思いをお聞かせください。専門スタッフが丁寧にヒアリングし、ご家族の「できる」と「したい」を支援できる環境を整えます。

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おわりに 

引き戸と開き戸のメリットやデメリット、リフォーム費用について紹介しました。どのような部屋に引き戸や開き戸を選べば良いかお分かりいただけましたでしょうか。場所や目的に合わせて適したドアを選ぶことで使い勝手が良くなります。部屋のドアや扉が使いにくいという場合には、家族の生活や将来の暮らしをイメージしてリフォームしてみてください。バリアフリーに特化したリフォーム会社を選べば、住宅改修と福祉用具をセットで考えてくれるので安心です。

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