ご自宅にネズミが出たとき、駆除方法が分からずそのまま放置してしまったという経験のある方もいるでしょう。ネズミを見かけた場合、きちんと処理しておかないと後の生活に影響が出ることがあります。
本コラムでは、ネズミの駆除方法を大きく3つに分けてご紹介します。冒頭では基本のネズミ対策のおさらいもチェック。ネズミ駆除に関する知識を身に付けたい方に向けて、いざというときに役立つ情報を詳しく解説していきます。
ネズミを退治しないとどうなる?
ネズミ退治を怠ると、健康や経済面に被害が生じるリスクがあります。決して大げさではなく、不衛生な環境下で活動するネズミは、人体に影響を及ぼすさまざまな菌を保有している生物であるためです。
そのため、ネズミを介して発症する感染症、ネズミの寄生虫が原因となる病気、ネズミに噛まれて症状が出るケースなど、健康面への被害は複数挙げられます。また、ネズミ自体の姿を見ることや、ネズミの足音・鳴き声を聞くことに嫌悪感を抱くなど、精神的な被害も考えられます。
経済的な面への被害は、建物や家財、食料に関係するものです。ネズミが壁や家具をかじったり、ご自宅で保管している食材を餌にしたりすると、経済的な被害が生じることになります。ネズミがかじったものが複数の建物で共有する電気配線であれば、漏電により火災が発生する可能性もあります。
このためネズミを退治せず放置することには大きなリスクがあるといえるでしょう。もしもご自宅でネズミを見かけたら、駆除について考える必要があります。
駆除の基本!ネズミ対策について
まずは駆除の基本であるネズミ対策についてチェックしましょう。ネズミが発生しやすい場所や発生のサインを知ることで、出にくくなる環境を作ります。
ネズミが発生しやすい場所や発生のサインを知ろう
ネズミが発生しやすい場所は、キッチンや食品のストックを置いているところ、天井裏などです。ネズミのエサになる物があったり、ネズミが巣作りしやすかったりする場所には注意が必要です。
ネズミの発生のサインについては、糞やかじった跡がヒントになります。日本でよく見かけるドブネズミを例にすると、糞の大きさは1センチから2センチと肉眼で確認できる大きさです。フンは太くて丸みがあり、臭いが強いのが特徴ですが、ネズミの種類が変わると大きさや特徴も異なります。
糞以外では、食品や柱、壁面などにネズミがかじった跡がないか確認してみましょう。発生のサインを見逃さないために、ネズミの通路になりそうな場所にも注意が必要です。
ネズミが出にくくなる予防法とは
ネズミが出にくくなる予防法では、エサを絶つ、通路を遮断する、巣を作らせない、という3点を心掛けることが大切です。
まずはエサを断つ工夫から始めましょう。食品は冷蔵庫で保管するか、密閉容器を活用します。調理で出る生ごみは、こまめな処理や密閉されたごみ容器に入れることでネズミのエサにならないようにしましょう。
通路の遮断については、ネズミの侵入経路と移動経路を断つ必要があります。ネズミは1.5センチくらいのわずかな隙間も通れるので、セメントやコーキング材、金網などを使って隙間をなくすことが大切です。エアコンの配管貫通や換気扇、排水口など、ネズミが通れそうな隙間を確認してみましょう。
紙や布、ビニールなどはネズミの巣の材料になります。ご自宅にある不要な物は処分し、巣を作らせないようにすることも予防法のひとつです。
ネズミ駆除の方法 その1“物理的防除”
ネズミの駆除方法のひとつに、物理的防除があります。ネズミを捕獲したり、出入口をふさいだりすることで、物理的にネズミを駆除する方法です。
ネズミを捕獲する
ネズミを捕獲するには、捕獲器や粘着シートを使います。
捕獲器は、ネズミのエサになるものをおとりにして捕獲するための道具です。ネズミが食べ慣れている食品や、実際に被害に遭ったことのある食品をおとりに使いましょう。捕獲器を設置するのは、ネズミの出入り口や移動経路となる場所です。
しばらくネズミが捕まらなくても、ネズミの警戒心が解けるまで捕獲器を動かさないようにしましょう。ほかにも、仕掛けを作動させずにエサに慣れさせたり、物陰を作ったりすることも捕獲のコツです。
粘着シートを使う場合は、なるべく多くのシートを使いましょう。ネズミはジャンプ力が高いので、粘着シートを設置していても飛び越える可能性があります。広い範囲に隙間なく設置することが捕獲率を上げるポイントです。糞が落ちている場所など、発生のサインがあれば重点的に設置しましょう。
ネズミは人がいないときや就寝中に行動するので、出掛ける前や寝る前の設置がおすすめです。また、捕獲器や粘着シートを設置したらこまめに捕獲状態を確認しなければいけません。ネズミが捕まった状態でそのまま放置すると、腐敗して悪臭やダニの原因になります。
ネズミを捕獲する方法のメリットとデメリット
ネズミの捕獲器には、かご式、バネ式、踏板式などがあります。例えば、かご式ならエサをセットしやすい、バネ式なら捕獲時の衝撃でネズミが死ぬケースが多く殺処分の必要がない、など種類別にメリットが異なります。繰り返し使える捕獲器を選べば、経済的にネズミを駆除できるでしょう。
ネズミの捕獲に粘着シートを使うメリットには、一度に複数のネズミを捕獲できること、シート自体が安価なこと、などがあります。また、スーパーやホームセンターでも購入できるので、手軽に入手できるところもメリットといえるでしょう。
ネズミを捕獲する方法のデメリットは、捕獲したネズミをご自身で処理しなければいけないことです。捕獲器と粘着シートのどちらを使ったとしても、後処理のことを考えておく必要があります。捕獲したネズミが生きていれば殺処分、死んでいても腐敗していれば処理が難しくなります。
他にも、ネズミが警戒していれば罠にかからない、ペットを飼っていれば間違って罠にかからないようにする必要がある、などもデメリットです。
ネズミの出入口や通路をふさぐ
ネズミの侵入口となる場所を確認し、物理的に侵入させないようにする方法もあります。より効果的に侵入口をふさぐには、ネズミ駆除に特化した部材を使いましょう。例えば、忌避成分を含むパテ、ネズミがかみ切れない金属板、ネズミが通れない目合いに作られた金網などです。ダンボールや木材で侵入口をふさぐと、かじられて突破される可能性があります。
侵入口をふさぐ場合は、屋内にいるネズミを駆除してからにしましょう。行き場を失ったネズミが他の場所に移動してしまいます。
出入口や通路をふさぐ方法のメリットとデメリット
ネズミの出入口や通路をふさぐ方法には、直接的には死骸が出ないというメリットがあります。同じ物理的防除でも、ネズミを直接捕獲するとご自身で処理しなければいけません。そのため、ネズミの処理が難しい方には大きなメリットといえるでしょう。ほかにも、ご自身でふさぐことができる、ふさぐ箇所が少ない場合は手間とコストがあまりかからない、などもメリットです。
ネズミの侵入を完全に防ぐには、建物の中を細かく確認してすべての侵入口をふさぐ必要があります。侵入口をすべてふさがないと効果が出にくい、という点はデメリットといえるでしょう。
ネズミ駆除の方法 その2“化学的駆除”
ネズミ退治に効くもののひとつに、毒エサがあります。化学的駆除に当たるネズミ駆除の方法、毒エサについてチェックしていきましょう。
ネズミ駆除用の毒エサについて
ネズミが好むエサに殺鼠剤を混ぜたものが毒エサです。ネズミが食べるとすぐに効果が現れる即効タイプと、何度か食べることで効果が現れる蓄積タイプがあります。
警戒心の高いネズミはなかなか毒エサを食べないことがあるので、慣れさせるための工夫が必要です。例えば、毒エサの設置を考えている場所にネズミの好きなエサを置いて、食べること自体に慣れさせてみましょう。ネズミがエサを食べる様子があれば、そのあと毒エサに差し替えます。ほかにも、毒エサにネズミの好きなものを混ぜて食いつきを良くする方法もあります。
ネズミが何日も毒エサを食べなくても、一度設置したら場所を動かさずそのまま様子を見ましょう。ネズミの食いつきが良くなるよう、工夫しながら試してください。
ネズミ駆除に毒エサを使うメリットとデメリット
ネズミの駆除に毒エサを使うメリットは、駆除率の高さと駆除効率の良さです。ネズミを駆除したい方にとっては大きなメリットですが、駆除後の処理にはデメリットも含まれています。
毒エサを食べたネズミがその場で死ななかった場合、死骸の発見が難しいことがあります。死骸を放置すれば腐敗し、悪臭の原因になるでしょう。また、ペットや小さな子どもがいる場合、誤飲の可能性も考慮しなければいけません。
毒エサのメリットをより大きくするためには、いくつかのコツを知っておくと良いでしょう。毒エサ以外のエサになるものを置かない、ネズミのエサ場や通路に設置する、複数の場所に設置する、などが設置のコツです。ネズミが毒エサを食べやすい環境作りに目を向けることが大切です。
ネズミ駆除の方法 その3“環境的防除”
毒エサ以外でネズミ退治に効くものには、超音波器があります。ここでは環境的防除の方法をチェックしていきましょう。
ネズミ駆除用の超音波器について
ネズミ駆除用の超音波器は、ネズミが嫌がる超音波を発生させる道具です。超音波がネズミにストレスを与える環境を作り、他の場所へ移動させます。
超音波器から発生する超音波は、ネズミだけが聞こえる周波数に設定されています。その結果、ネズミが居心地の悪さを感じて移動する、という仕組みです。人間には聞き取れない周波数に設定されているので、人体への被害がなく安心してネズミの駆除に使用できます。
超音波器にはコンセントタイプや電池タイプがあり、用途に応じて選べます。電池タイプは電池切れの確認が必要なので、長く使いたい方はコンセントタイプを選ぶと良いでしょう。他にも、ネズミが慣れないよう周波数を変えられるもの、電磁波を同時に発生させられるものもあります。
ネズミ駆除に超音波器を使うメリットとデメリット
ネズミの駆除に超音波器を使う方法のメリットとして、設置の簡単さと手に入れやすさが挙げられます。電源を入れて置いておくだけ、という手軽さはネズミの駆除に慣れていない方でも挑戦しやすいでしょう。
また、薬剤を使うときのような危険性がなく、専門知識が必要ないところもメリットです。超音波器はホームセンターや通販で購入できます。価格は数千円から10,000円程度ですが、購入すれば長く使い続けられ、電気代もほとんどかかりません。
一方で、ネズミが超音波に慣れる可能性がある、設置場所が多いほどコストがかかる、というデメリットもあります。ネズミが超音波に慣れると、ストレスを感じるものの危険性がないと判断し、効果が薄れてしまいます。そのため、周波数を定期的に変更したり、他の対処法と組み合わせたりする工夫が必要です。
また、超音波器を複数台用意するにはコストがかかります。設置したい場所がいくつもある方にはデメリットになるでしょう。
プロに任せると安心!ネズミ駆除は専門会社に依頼しよう
ご自身で試せるネズミ駆除の方法はいくつかありますが、確実性を求める方にはプロである専門会社に依頼するのがおすすめです。専門会社への依頼を検討するときに役立つ情報をご紹介します。
ネズミ駆除は専門会社に依頼すべき?
ネズミ駆除をご自身でやるときに気になるのが、きちんと駆除できず効果を実感できないケースです。
例えば物理的防除では、なかなかネズミを捕獲できなかったり、通路を防ぎきれていなかったりする可能性があります。他の方法でも、ご自身で行った場合はプロよりも失敗する可能性が高いことも考えておきましょう。
ネズミ駆除を専門会社に依頼するメリットは、安全かつ徹底的に駆除できること、再発防止につながること、駆除にかかる時間が少ないことなどです。専門会社はネズミ駆除に関する知識と実績を持つプロなので、ご自身で駆除するよりも確実でスピーディーに対応してもらえます。
また、ネズミ駆除で大きな課題となる死骸の処理をご自身でしなくても良い、という点もメリットといえるでしょう。
ネズミ駆除の専門会社選びについて
専門会社を選ぶときは、費用や補償、実績などが注目ポイントです。費用については、建物のタイプやどの専門会社を選ぶかによって変わりますが、相場は数万円から数十万円です。
決して安価ではないため、専門会社選びには慎重になる必要があります。費用以外にも、補償やアフターフォローが充実している、ネズミ駆除の実績がある、などが安心して依頼できる専門会社の見極めポイントです。
見積もりは複数の専門会社に依頼しましょう。費用や補償、実績などを比較して、ニーズに合う専門会社を選びます。見積もりの依頼時は、対応エリアの確認とスタッフの対応をチェックすることも忘れないようにしましょう。
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おわりに
ネズミを退治せずに放置すると、健康面や経済面に被害が及ぶなど安全な暮らしに影響が出ます。ネズミが出た場合は駆除方法を考え、同時にネズミ対策も行っていきましょう。
ネズミを駆除するときは、ご自身に合う方法を選ぶことが大切です。例えば手軽さや効果の高さなど、ご自身の中での優先度と照らし合わせてから駆除方法を選ぶと良いでしょう。「自分での駆除が難しい」「ネズミを確実に駆除したい」という方は、専門会社への依頼も検討してみてください。