「iPhoneを使っていると本体が熱くなる」「iPhoneが熱くなって使いにくい」と悩むことはありませんか。iPhoneが素手で持てないほど熱くなるのは、非常に危険な状態です。iPhoneは精密機器なので、それに対して間違った対処法を取ると故障するリスクがあります。そこでこのコラムでは、以下の内容について解説します。iPhoneが熱くなることを防ぐために心掛けたい注意点も書いてありますので、ぜひ最後までお読みください。
- iPhoneが熱くなる原因
- iPhoneが熱くなるときの対処法
- iPhoneが熱くなるときにやってはいけないこと
- iPhoneが熱くなると発生するリスク
iPhoneが熱くなる6つの原因
iPhoneが熱くなるときに正しく対処するためには、原因を知ることが重要です。こちらでは6つの原因を紹介するので、ご自身のiPhoneを確認しながらお読みください。
CPUに大きな負荷がかかっている
CPUとは、コンピューターが処理を行う際に用いる「演算処理装置」です。CPUへの負荷が大きくなると発熱量が増えるので、冷却が追い付かなくなりiPhoneが熱くなります。特にゲームは綺麗なグラフィックの使用やオンラインでの複数人プレイによってCPUの負荷が非常に大きくなる傾向にあります。さらに、以下のような操作はCPUへの負荷増大に影響を与えるといわれています。
- 複数のアプリを同時に開く
- 写真・動画・アプリなどiPhone内に多くのデータを保存する
- GPS機能の付いたマップを使用する
そこで、iPhoneが熱くなるのを防ぐために、普段から以下のようなことを心掛けるのも大切です。
- アプリはこまめに閉じる
- 写真などはバックアップを取って削除する
- CPUへの負荷が大きいアプリの長時間利用を避ける
CPUは「iPhoneの脳」と表現できるほど重要な装置です。熱くなったときは「CPUに負荷がかかり過ぎていないか」を確認しましょう。
気温や室温が高い・直射日光が当たっている
使用環境が高温だと、iPhoneが熱くなる場合があります。iPhoneは、0℃〜35℃の環境で使用されることを想定して作られています。35℃以上の場所では、iPhoneを使用しないようにしましょう。
例えば、夏場に車内に放置したりポケットの中に入れたままにしたりすると、iPhoneが高温になり温度警告の画面が表示されます。するとiPhoneの温度が下がるまで、一定時間機能が制限されます。さらに、直射日光が当たる場所に置くこともiPhoneが熱くなる要因です。
参考:Apple:iPhone、iPad、iPod touch が高温または低温になりすぎた場合
最新iOSにアップデートした
iPhoneのオペレーティングシステムであるiOSを最新にすることで、iPhoneが熱くなる場合があります。iOSは、定期的に新しいバージョンが実装されています。
iOSは、基本的に最新のバージョンであることが推奨されていますが、古い機種を使用している場合は注意が必要です。iOSのアップデートに対応しきれず、CPUやバッテリーへの負荷を増やしてしまう可能性があります。CPUやバッテリーへの負荷は、iPhoneが熱くなる大きな原因です。古い機種を使用している場合は「本当にiOSをアップデートする必要があるのか」をよく検討しましょう。
充電しながら使用している
充電する際に発生する熱と、iPhone本体を使用する際に発生する熱が重なると温度が上がります。以下の場合は、特に注意が必要です。さらに、充電中にiPhoneを使用すると、バッテリーに負荷がかかり劣化を招きます。バッテリーの劣化もiPhoneの温度上昇を引き起こすので、充電しながらの使用には気をつけましょう。
- Appleの純正品でない充電器を使用している
- iPad用の充電器を使用している
- 充電ケーブルが劣化している
バッテリーが劣化している
バッテリーが劣化している場合、CPUへの負荷が少なくてもiPhoneが熱くなります。バッテリーが劣化する原因は、以下のとおりです。
- 充電回数が多い
- 高温多湿での使用が多い
- バッテリー残量が0%の時間が長い
- 経年劣化
バッテリーの状態は、以下の手順で確認できます。
設定→バッテリー
バッテリーの状態
最大容量・「バッテリーに関する重要なメッセージ」を確認
最大容量が80%以下、もしくは「バッテリーに関する重要なメッセージ」が表示される場合はバッテリーが劣化しています。機種変更や、バッテリー交換を検討しましょう。
参考:Apple:iPhone のバッテリーとパフォーマンス
放熱を妨げるiPhoneケースを使っている
iPhoneを衝撃から守るためにケースは使うべきです。ところが、ケースの材質や構造によっては放熱を妨げ、iPhoneが熱くなる原因になることがあります。特に、レザー製のケースやブック型は熱がこもりやすいといわれています。メッシュ素材のものや、軽い金属製のケースを使用するようにしましょう。また、夏場だけケースを外すことも効果的です。
iPhoneが熱くなるときの7つの対処法
iPhoneが熱くなってしまったとき、具体的にはどうすれば良いのでしょうか。こちらではiPhoneが熱くなるときの対処法を簡単にできることから紹介していきます。ぜひ試してみてください。
iPhoneの電源を切って冷やす
iPhoneが熱くなってきたら、電源を切って冷やしましょう。重要なのは、冷やし方です。iPhoneを冷やす方法は、以下のとおりです。
- iPhoneケースを外す
- 直射日光の当たらない涼しい場所に置く
- 金属の上に置く
- うちわなどで扇ぐ
- スマホ用の冷却ファンや冷却シートを使用する
iPhoneを冷やす際に、以下の方法は避けましょう。iPhoneが急激に冷えてしまうので、内部で結露が発生し、故障の原因になります。
- 保冷剤を使用する
- 冷蔵庫に入れる
- 冷房の風邪に直接当てる
ストレージ容量を整理する
iPhone内部のデータ量が多いと、CPUへの負担が増えてしまいます。そのため、iPhoneのストレージ容量を整理して減らすことは、iPhoneの温度上昇防止に効果的です。ストレージを確認・整理する方法は以下のとおりです。
「設定」→「一般」→「iPhoneストレージ」
使わないアプリのアンインストールや、写真の「最近削除した項目」の削除、「非使用のAppを削除」ができる場合は実行しましょう。また、iCloudを使用して写真やビデオのバックアップをとり、iPhone内では削除することでも、ストレージを減らせます。
参考:Apple:iPhone、iPad、iPod touch のストレージを確認する方法
アプリの自動更新をオフにする
アプリは定期的にアップデートされ、新しい機能が追加されたりバグの修正が行われたりします。アプリのアップデートは、iPhoneを快適に利用するために必要な作業です。一方で、機能の追加に伴ってデータ量も増えるので、ストレージが圧迫されてiPhoneが熱くなる原因になります。
あまり使用しないアプリが自動的にアップデートされてしまうと、気づかないうちにiPhoneのストレージが増えていきます。iPhoneが熱くなるのを防ぐためには、アプリの自動更新はオフにすることをおすすめします。アプリの自動更新をオフにする手順は、以下のとおりです。
「設定」→「一般」→「Appのバックグラウンド更新」をオフにする
自動更新をオフにした場合、アプリのアップデートを、毎回手動で行わなければいけなくなる点には注意しましょう。
キャッシュをクリアする
「キャッシュ」とは、アプリなどで表示したデータを一時的に保存することで、次回以降に同じ処理をスムーズに行う仕組みです。キャッシュ1つ当たりのデータ量は非常に少ないのですが、蓄積することでiPhoneのストレージを圧迫する原因になります。使用する頻度が高いアプリはキャッシュが蓄積しやすいので、定期的に削除しましょう。Safariのキャッシュをクリアする方法は、以下のとおりです。
下記の要領で、使用頻度の高いアプリのキャッシュをクリアしましょう。なおキャッシュデータを削除すると、一時的に頻繁に利用するアプリへのアクセスが遅くなることがあります。
【Safari】
設定からSafariを選択
履歴とWebサイトデータを消去
履歴とデータを消去
iPhoneを初期化する
iPhone本体を初期化すると、内部に溜まった熱が放熱され、問題が解決することがあります。しかしiPhone本体を初期化すると、すべての設定・アプリ・データが失われてしまいます。なので、実行前に必ずバックアップを取っておきましょう。
iPhone本体を初期化する手順は、以下のとおりです。初期化する前にはバックアップを取るだけでなく、Apple Watchなどのペアリングを解除する必要があります。大切なデータを守るためにも、初期化は慎重に行いましょう。
「設定」→「一般」→「リセット」→「すべてのコンテンツと設定を消去」→赤文字で再度「すべてのコンテンツと設定を消去」と出るのでタップ
参考:Apple:iPhone、iPad、iPod touch を初期化する (消去する) 方法
リカバリーモードを試す
iPhone本体を初期化しても解決しない場合は、リカバリーモードにすると解決することがあります。注意すべきは、リカバリーモードはiPhoneのみでは行えず、PCが必要な点です。また、iTunesが最新バージョンかどうかを実行する前に確認しましょう。
iTunesを起動している場合は、実行前に閉じる必要があります。リカバリーモードにする手順は、以下のとおりです。機種によって手順が異なるので、ご自身の機種に合った方法で行いましょう。
【iPhone8以降】
- 音量を上げるボタンを押す
- 音量を下げるボタンを押す
- 「iTunesに接続」と出るまで電源ボタンを長押し
【iPhone7・iPhone7Plus】
- 音量を下げるボタン・電源ボタンを同時に押す
- 「iTunesに接続」と出るまで長押し
【iPhone6s以前の機種】
- 電源ボタン・ホームボタンを同時に押す
- 「iTunesに接続」と出るまで長押し
これ以降の手順は、全機種共通です。
- 「復元」「アップデート」と表示されるので「アップデート」を選択
- ソフトウェアのダウンロードを待つ
- リカバリーモードへと移行
- iPhoneの設定をする
リカバリーモードにするとデータはすべて消えてしまうので、事前にバックアップを忘れずに取ることが重要です。
バッテリー交換・機種変更をする
どの対処法を試しても、iPhoneが熱い場合は以下の原因が考えられます。
- バッテリーの劣化が進行している
- 機種が古すぎる
この場合は、バッテリー交換・機種変更を行わないと解決できません。iPhoneが熱いまま使用を続けると様々なリスクがあります。そのまま使用すると発火の危険もあるので、速やかにバッテリー交換・機種変更を検討しましょう。
iPhoneが熱くなるときにやってはいけないこと2選
iPhoneが熱くなっているときに不適切な対応をすると、故障や事故の発生に繋がります。こちらで紹介することは、やらないようにしましょう。
熱いまま使用する
「iPhoneが熱い」という状態はバッテリーやCPUに負荷がかかっています。そのまま使用を続けるとCPUの処理が追い付かなくなり、アプリや本体の電源が突然落ちてしまう可能性があります。
さらに、iPhoneが熱い状態のまま使用を続けると、バッテリーの劣化が進んでしまうかもしれません。iPhoneが熱くなるときは使用をやめ、適切な対処法を取るようにしましょう。
急激に冷やす
iPhoneが熱くなっているときに冷やすのは効果的ですが、急激に温度を下げてはいけません。具体的には、以下の方法で冷やすことは避けましょう。急激な温度差によってiPhone内部で結露が起こり、故障する可能性があります。iPhoneを冷やすときは、時間をかけて冷やすことが重要です。
- 保冷剤を使用する
- 冷房の風に直接当てる
- 冷蔵庫に入れる
iPhoneが熱くなると発生する3つのリスク
iPhoneを熱い状態のまま使用すると、様々なリスクが発生します。こちらで説明するリスクは、ご自身の安全にも関わる重要なことです。ぜひ最後までお読みください。
充電が早く減るようになる
iPhoneのバッテリーは熱に弱いため、熱いまま使用すると劣化が進みます。バッテリーの劣化は充電の最大容量を減らしてしまうので、充電が早く減るようになります。iPhoneの充電が早く減ると、必要なときに使用できなくなる可能性があります。iPhoneの充電を長持ちさせるためにも、熱いまま使用するのは避けましょう。
発火・爆発の可能性がある
iPhoneを熱いまま使用すると、発火・爆発する危険性があります。特に、Appleの純正品でない充電器や、劣化したケーブルを使っていてiPhoneが熱くなっている場合に注意しましょう。iPhoneが発火・爆発すると、最悪の場合使用者が死に至ることがあります。ご自身の安全のためにも、iPhoneを熱いまま使用することはやめましょう。
参考:Apple:iPhoneの安全性に関する重要な情報
アプリや本体の電源が落ちてしまう
iPhoneが熱いときは、CPUに大きな負荷がかかっています。CPUへの負荷が大きくなりすぎると処理が追いつかなくなるので、アプリやiPhone本体が突然落ちてしまうかもしれません。アプリやiPhone本体が突然落ちると、データを破損する可能性があります。大切なデータを守るためにも、iPhoneを熱いまま使用しないようにしましょう。
おわりに
iPhoneが熱くなるときは、原因を知り適切な対処法を取ることが重要です。また、iPhoneを熱いまま使用することは非常に危険です。安全に使用するためにも、普段からiPhoneが熱くならないよう心掛けましょう。
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