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シロアリ駆除ってどんなことをするの?被害に遭いやすい家や予防方法を解説

シロアリ駆除ってどんなことをするの被害に遭いやすい家や予防方法を解説
セゾンのくらし大研究 編集部

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床下に潜むシロアリは、被害が目に見えない分対策を怠ってしまいがちです。いつか点検を行おうと思っていても、何年も先延ばしになっていませんか?気付いた頃にはシロアリに食害されて大きな被害が出ていることもあります。

このコラムではシロアリの被害やご自身でできる駆除方法、予防方法などについて紹介していきます。家の築年数関係なくシロアリ駆除に関して知りたい方はぜひ参考にしてください。

シロアリとは? 

1.シロアリとは?

シロアリはアリの仲間だと思っている方も多いでしょう。しかし、シロアリはアリとは食性や生態が異なるのです。まずはシロアリの生態や種類、発生時期について見ていきましょう。

シロアリの生態

シロアリは名前や外見からアリの仲間だと思われがちですが、全く異なる昆虫です。シロアリはゴキブリの仲間で、シロアリの腐った木を食べる習性はキゴキブリ属に由来するといわれています。

一方で、アリはハチから進化した昆虫で、胴体やくびれが似通っているのが特徴です。異なる昆虫でありながら、社会生活を行う生態や形状、大きさなどが類似していることから同じような名前が付けられました。

シロアリの巣の中では、巣を作るシロアリ、生活を支えるシロアリ、外敵から巣を守るシロアリなど役割が分かれています。その中に木材を食害する役割を持つシロアリもいるのです。

シロアリの種類

シロアリは日本だけでも22種類のシロアリが生息しているといわれています。そのほとんどが土壌改良に重要な役割をしており、家屋に被害を及ぼしているシロアリは5種類のみです。

その中でも1番多いのが黒色をしたヤマトシロアリで、北海道の一部の寒冷地域を除いて日本全国に生息しています。ヤマトシロアリよりも厄介なのが、千葉県や神奈川県の沿岸部、伊豆諸島など日本の温暖地域に生息する茶褐色のイエシロアリです。

イエシロアリはヤマトシロアリよりも活発なため、建物の被害も大きくなってしまいます。

その他、輸入家具と一緒に日本へ来た外来種のアメリカカンザイシロアリが代表的です。

シロアリの発生時期

シロアリの発生時期は限定されておらず1年中活動しています。シロアリは決まった産卵時期がなく、シロアリの数を減らさないように女王アリが常に産卵をしているのです。

しかし、女王アリが産卵を続けると巣の中はシロアリでいっぱいになってしまうので、一部のシロアリが羽アリとなり巣から飛び立ちます。

羽アリの発生時期は種類によって異なり、ヤマトシロアリは4〜5月、イエシロアリは6〜7月、アメリカカンザイシロアリは6〜9月頃と春から夏にかけて発生するのが特徴です。

シロアリは多くの昆虫と違い、冬眠しないため冬でも活動をします。シロアリは暖かい環境を好み、冬は活動が鈍るといわれていましたが、暖房器具の発達により床下が温かいため、冬でも変わらず元気に活動するのです。

シロアリが繁殖するとどんな害がある?

2.シロアリが繁殖するとどんな害がある?

ここからは住宅にシロアリが繁殖するとどのような被害があるのか紹介していきます。

シロアリに噛まれる恐れがある

シロアリを直接触ってしまうと、噛まれる恐れがあります。日本に生息しているシロアリは、ほとんど毒を持っていませんが、稀にアレルギー反応であるアナフィラキシー・ショックを引き起こす場合があります。

アナフィラキシー・ショックは、じんましんや息苦しさなど、人によって症状はさまざまですが、血圧低下により意識を失う命の危険もあるので、シロアリを見つけても素手で駆除をすることはやめておきましょう。

カビが発生しやすくなる

シロアリが家に住み着くとカビが発生しやすくなります。そもそもシロアリは湿気のある暗い場所を好むので、湿気が多い床下はシロアリにとって最適な住処です。

湿気の多い場所でシロアリは床下の木材だけでなく、壁の内側にある断熱材も食害し隙間が増え、そこからカビが発生しやすくなります。近年増えている高気密や高断熱の家は、基礎に断熱材が施されているので注意が必要です。

家の耐震性が下がる

家の柱や床下の土台部分を食い尽くすシロアリを放置していると、家の耐震性が下がって地震が起こった時に被害が大きくなってしまい大変危険です。

阪神淡路大震災では崩壊した多くの家が、シロアリによって侵食されていたといわれています。それだけシロアリの影響は耐震性の低下に直結するのです。

住む方への精神的ダメージ

家の中にシロアリが巣を作っているとわかった場合、家に直接被害が起こっていなくても精神的なダメージが大きくなります。

「今地震が起きたら崩壊するかもしれない」「家の中に侵入してきたらどうしよう」と夜も眠れないほどに悩んでしまうかもしれません。シロアリの被害は物理的なものだけでなく、私達の精神面にも少なからず影響してきます。

シロアリに注意するべき家の特徴

3.シロアリに注意するべき家の特徴

ここではシロアリに狙われやすい家の特徴について紹介していきます。

新築から5年以上経過した家

新築の防虫効果は約5年といわれています。これは木造だけでなく、コンクリート住宅でも5年を経過するとシロアリに狙われる可能性が高くなるのです。

築年数が10年、20年、30年と経過するほどシロアリ被害に遭う確率は上昇していくので、築年数が5年以上経過している家は一度専門会社に点検をしてもらうと良いでしょう。

床下の換気ができていない家

シロアリは湿気のある場所を好むため、床下の換気ができていない家はシロアリにとって絶好の住処です。床下が湿気やすい家の特徴として、床下と地面との間に適度な広さがない作りになっている家が挙げられます。

床下に適度な広さがないと、風通しが悪くなり湿気やすくなるのです。また基礎コンクリートの換気口が少ない家も、換気が充分にできていない可能性があります。

換気口の前に物を置くのも風の通り道を邪魔するため、何も置かないことが大切です。床下の高さや、換気口の数は簡単に変えられないので、床下の湿気が気になる場合は、床下換気扇を設置すると良いでしょう。

戸建の木造住宅

シロアリは木を好むため、戸建ての木造住宅は注意が必要です。シロアリは床下の木材だけでなく、屋根裏や壁、柱なども食害していきます。屋根裏が被害を受ければ雨漏りにつながり、家を支える壁や柱が被害を受ければ耐震性が落ちるなど、二次被害の恐れがあるのです。

押し入れがカビ臭い家

押し入れがカビ臭い場合はシロアリの住処になりやすいので気をつけましょう。カビがシロアリ発生の直接の原因ではありませんが、カビの発生はシロアリの好む湿気が多い環境になっていることを意味します。

押し入れは空気がこもり湿気やすいので、空気の通り道を作るためにすのこを敷いたり、除湿剤を使用したりして湿気を防ぎましょう。

川や池が近くにある家

近くに川や池などの湿地帯がある家はシロアリが発生しやすくなります。シロアリの発生原因は家屋の状態だけでなく、周囲に湿地帯があることで家の地盤である土が水分を吸収して、床下に湿気が発生しやすくなるのです。

周囲の自然環境は変えられないので、定期的に専門会社に依頼してシロアリ点検をすることをおすすめします。

基礎部分に断熱材を使用している家

最近の住宅構造は、高気密・高断熱となっており、基礎部分に断熱材が使用されています。断熱材が使用されることで部屋の中で快適に暮らせる一方、断熱材と基礎の隙間や周辺も適度に暖かく、シロアリにとっても快適な環境となるのです。

高気密・高断熱で家を建てた方は、築年数に関わらずシロアリ被害を受けやすいことを念頭に置いておきましょう。

シロアリ防除の保証期間を経過している家

住宅を建てた時にシロアリ被害を予防する処理が行われますが、薬剤の効果は5年程度だといわれており、保証期間も5年が一般的です。保証期間を経過しているとシロアリ被害に遭いやすくなるので、5年に1回はシロアリ防除処理を行うようにしましょう。

ただし、防除処理に使用する薬剤が変更となり、保証期間が短くなる場合もあります。家を建てた時やシロアリ駆除を依頼した時など、その都度保証期間を確認するようにしましょう。

シロアリ駆除方法は?

4.シロアリ駆除方法は?

ここではシロアリ駆除の方法を紹介していきます。

殺虫剤のスプレーでシロアリ駆除はできる?

殺虫スプレーでシロアリを駆除するのはおすすめできません。殺虫スプレーをした箇所のシロアリは駆除できますが、スプレーを回避したシロアリは他の場所に移動してしまうのです。

これは殺虫スプレーの虫を寄せ付けにくくする忌避効果が原因であり、シロアリは家の至る所に散らばるため、被害箇所も拡散する可能性があります。

また、市販の殺虫スプレーの忌避効果は1週間程度だといわれており、効果が切れればシロアリが戻ってくることも考えられるのです。殺虫スプレーをしても一部のシロアリしか駆除できず、被害が広がったり駆除しづらくなったりするのでおすすめではありません。

薬剤散布による駆除方法(バリア工法)

ご自身でできるシロアリの駆除方法のひとつに薬剤散布するバリア工法があります。多くのシロアリは床下の土から侵入してくるため、侵入経路の床下に薬剤を散布してシロアリを駆除する方法です。

シロアリが生息する場所に薬剤を撒くので高い駆除効果が期待できます。しかしながらバリア工法は、木部部分と土壌部分の両方に散布する必要があり、20坪の広さだと作業に2〜3日掛かってしまうのが難点です。

作業時間を短縮しようと薬剤の散布を適当に行ってしまうと、シロアリの駆除がしっかりとできないので丁寧に行うようにしましょう。

薬剤散布と聞くと人に害のあるイメージがありますが、「公益社団法人日本しろあり対策協会」で安全性のテストを通過し、認可された薬剤がほとんどです。

しかし、使用量を間違えると人体に影響が出る場合もあります。大人では問題がない量でも、胎児や子どもに影響が出る場合も考えられるので、妊婦や子どもがいるご家庭はご自身で駆除しようとせず、専門会社に依頼して薬の強さや人体に影響がないかを確認しておくと安心です。

餌を地面に設置する(ベイト工法)

シロアリ駆除には毒エサを設置するベイト工法もあります。シロアリにベイト剤という毒エサを巣に持ち帰らせて、巣の中のシロアリも退治する駆除方法です。使用方法はベイト剤をシロアリの通る道に一定間隔に設置していくだけなので、ご自身でできるシロアリ対策です。

ベイト剤には薬剤の部分と薬剤の入れ物であるベイトステーションがセットになっています。設置後2ヵ月ほどしたら、ベイトステーションを覗いてシロアリがエサを食べているか確認をします。

ただし、何度も確認をすると警戒心の強いシロアリに逃げられてしまう可能性があるので、ベイトステーションを確認するのは1ヵ月に1回程度にしましょう。

シロアリがベイトステーションでベイト剤を食べている最中であれば駆除が進んでいる証拠です。もしベイト剤が少なくなっていたら、設置済みのベイトステーションの横に新しく設置します。

反対に、ベイトステーションを設置してから6ヵ月経過してもベイト剤が減っていないようであれば設置場所が悪い可能性があるので、設置箇所を変更するようにしましょう。

専門会社に依頼する

ご自身でシロアリを駆除しようとすると、手間や時間がかかってしまうのも事実です。忙しい方や、確実にシロアリを駆除したい方は専門会社に依頼するのをおすすめします。

価格は施工内容、保証内容によって異なりますが、ホームセンターでは1坪当たり10,000円前後、個人事業者であれば1坪当たり6,000〜10,000円です。

くらしのセゾンが提供する「害虫駆除」は、ご家庭のシロアリ、ゴキブリ、ハチ、ムカデ、ヤスデなどの害虫、ネズミやハトをはじめとした害獣の駆除サービスです。

施工場所は「床下」、「天井裏」など、日常で目にしない箇所が多いため「わかりやすい説明」を心掛けております。また、使用する薬剤は人と環境に配慮した安全性の高い低臭性の製品を使用するため、安心してご利用いただけます。

ご要望に合わせて防止策もご提案しますので、お気軽にご相談ください。

害虫駆除の詳細はこちら

シロアリ駆除費用の雑損控除

5.シロアリ駆除費用の雑損控除

シロアリ駆除の費用は、確定申告や還付申告の時に申告すると、所得税から一定額が控除されます。この雑損控除を受けるための条件のひとつに「害虫などの生物による異常な災害」があり、シロアリ被害はこれに該当するのです。

雑損控除の対象にはシロアリ駆除の費用だけでなく、シロアリ被害に遭った建物や家具の修繕費も含まれます。シロアリ駆除費用と建物や家具の修繕費がその年の所得金額を上回り、1回で控除できない場合は最大で3年間繰り越しが可能です。

他にも、雑損控除を受けるためにはクリアすべき条件があるので、ご自身が雑損控除の対象なのかは国税庁のWEBサイトで確認しておきましょう。

手軽にできる!シロアリの予防方法

6.手軽にできる!シロアリの予防方法

ここでは簡単にできるシロアリの予防方法を紹介します。

家の周りに木材や荷物を置かない

シロアリ予防のためには家の周りに木材や荷物を置かないようにしましょう。シロアリのエサになる木材を置いておくと、シロアリは仲間に知らせて数百頭という大群を呼び寄せてしまいます。

また、コロナ禍の影響により通販を利用する機会が増え、開封した段ボールを外に保管している方も多いでしょう。しかし段ボールもシロアリの大好物なので、絶対に外には置かないようにしてください。

家の基礎の周りの日当たりと風通しを良くする

シロアリは湿気が多く暗い場所を好むため、基礎周りの日当たりを良くしてシロアリを寄せ付けないようにしましょう。通気口の周りに植木や物置などを置いてしまうと、風通しや日当たりが悪くなりシロアリの好む環境を作り出してしまいます。

通気口の周りに物を置いている場合は場所を移動することをおすすめします。基礎付近の除湿には、床下の湿度を適度に保つ調湿剤を用いて、シロアリだけでなくダニやカビの繁殖も防ぎましょう。

水漏れがあれば修理する

水漏れを放置していると木部が腐食して、シロアリが好むエサを作り出してしまいます。水漏れだけでなく、雨漏りがある場合もシロアリ被害を誘発する可能性があるのです。

水漏れや雨漏りはシロアリの他にもカビの発生や家の強度を低くする可能性もあるので早めに修理しましょう。

おわりに 

シロアリに巣を作られてしまうと数は膨大に増え、家は食害されて大きな被害に発展しかねません。床下の被害は確認しないと気付きにくく、気付いた頃には食害が進んでいたということも考えられます。

築年数の経過した家だけでなく、家の構造や周辺環境によっては新築住宅にも被害は起こりえるので、しっかりとした対策が必要です。シロアリの好む環境を作り出さないよう換気や日当たりを良くしつつ、定期的にシロアリ点検を受けるようにしましょう。

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