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損切りとは? しなかった場合どのような事態を招くかや目安のタイミングなどを徹底解説

損切りとは? しなかった場合どのような事態を招くかや目安のタイミングなどを徹底解説
セゾンのくらし大研究 編集部

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投資では利益が出ることもあれば、損失が出ることもあります。損失を抑えるために、「損切り」という方法があることも知っておきましょう。

この記事では、これから投資を始めたい初心者のために、損切りについて説明します。損切りにも意味があることを理解し、取引する際には損切りの目安やタイミングを考えておくのがおすすめです。

この記事を読んでわかること
  • 損切りとは、投資において含み損が出ている状態で資産を売却し、損失を確定させる手法
  • 損切りしなかった場合、損失がふくらむだけでなく、他の銘柄に投資できないなどのデメリットがある
  • 損切りのタイミングに迷わないよう、あらかじめ損失額などを基準に自分でルールを決めておくのがおすすめ
  • むやみに損切りして損切り貧乏にならないよう損切りのルールも見直しが必要

損切りとは?

損切りとは?

株式やFXなどの投資では、損切りを行う場面があります。

損切りとは、含み損が出ている状態で株式等の投資資産を売却し、損失を確定させることです。含み損とは、投資資産の価格が購入時よりも下がっており、売却したら損失が出る状態を意味します。

損切りは、ロスカット、ストップロスとも呼ばれます。

たとえば、株価500円のときに100株購入した株式が、株価400円に下がっているとしましょう。株価400円の間に売却すれば、損失は1万円で確定し、それ以上に損失がふくらむことはありません。つまり、損切りすれば、損失を最小限に抑えられる可能性があります。

投資をするなら、当然ながら利益を得たいでしょう。しかし、株価が下がり続けているような場合には、損切りをして他の銘柄に投資した方が、結局は得することも多いです。

損切りしなかった場合どうなる?

損切りしなかった場合どうなる?

損切りをすれば、その時点で損失が確定してしまいます。損失が出てしまうのは惜しいと思う方も多いでしょう。損失を受け入れることには、誰でも抵抗感を感じるかもしれません。

損切りをしないのも選択肢のひとつです。株式投資においては、株価が下がって含み損が出ているのにそのままにしておくことを、塩漬けと呼びます。迷った場合、塩漬けにするのもひとつの方法です。

損切りするかどうかは悩むところではないでしょうか。しかし、損切りには意味があります。ここでは、株式投資において、損切りを行わずに塩漬けを選んだ場合にどうなるか考えてみましょう。

損失が大きくなる

塩漬けにする一番のデメリットは、損失が拡大してしまう可能性が高いことです。たとえ株価が下がっていても、「近い将来また上がるのでは?」と期待してしまうでしょう。売却後、株価が上がったら後悔するかもしれません。

しかし、株価はなかなか期待通りには動きません。株価の下落が一時的で、再び上がるという根拠があればそれでも良いでしょう。そういった根拠がないなら、含み損が出ている状態で保有し続けることは、リスクにしかなりません。速やかに損切りした方が賢明です。

メンタルの負担が大きくなる

株を塩漬けにしている期間は、心穏やかに過ごせません。保有している株式の価格が下がっているということは、資産が減っているということです。メンタルへのダメージは大きくなってしまうでしょう。心理的な負担が大きければ、仕事やプライベートに影響が出てしまうかもしれません。

株価の下落が続くようなことがあれば、焦ってしまうのが通常です。焦ると冷静な判断ができなくなり、悪循環となってしまいます。たとえば、損失を取り戻そうと無謀な取引をして、さらに損失がふくらんでしまうことになりかねません。

その他の投資機会を逃す

株式投資で利益を得たいなら、有望な銘柄を選ぶべきでしょう。株価が下がっている銘柄を塩漬けにしていると、いつまでもその銘柄に拘束されてしまいます。売却すれば他の有望な銘柄に投資することも可能です。損切りの決断ができないばかりに、利益を得られる機会を逃してしまうことも考えられます。

損切りをすると一時的に損失が出てしまうのはやむを得ません。しかし、株式投資はそれで終わりではなく、その後取り返すチャンスはあります。現時点での損失にこだわり過ぎず、長い目で損得を考えることが大切です。

損切のタイミングを決めるポイント

損切のタイミングを決めるポイント

投資した資産の価格が下がり続けている場合、そのままでは損失が膨らんでしまいます。どこかで損切りを考えた方が良いでしょう。しかし、実際損切りするとなると、そのタイミングに悩んでしまうかもしれません。

損切りをいつするかで悩まないようにするために、投資するときには損切りのルールを作っておくのがおすすめです。ここからは、損切りのタイミングについて、何を基準にすべきか解説します。ご自身の投資スタイルに合わせた損切りの方法を見つけてください。

損失額で判断する

損切りラインの決め方として、最もシンプルなのは損失額を基準にする方法です。投資を始めるときには、いくら損失が出たら売却するかを決めておきましょう。

たとえば、「損失額が1万円に達したら損切りする」というルールを決めておきます。この場合、損失額が1万円に到達したタイミングで速やかに売却するだけです。「投資資金に対して含み損が10%になった時点で損切りする」といった決め方でも良いでしょう。

損失額を基準とするルールなら、初心者でも迷うことなく損切りができます。実際に売却するときに迷いが生じるかもしれませんが、自分で決めたルールは守ることを徹底しましょう。

値幅で判断する

FXの損切りに関しては、値幅(pips)で判断するのもひとつの方法です。この場合の値幅とは、新規で注文が成立した時の為替レートからの差額を指します。

たとえば、「買値から1円下がったら損切りする」などのルールを作っておくなどです。値幅を基準にするときには、直近の安値や100円、105円などのキリのいい数字、5%下がったタイミングなどの決め方があります。

ただし、設定する値幅を小さくしても、取引数量が多ければ損失が大きくなってしまいます。値幅を基準にする場合でも、許容できる最大の損失額を決めておいた方が良いでしょう。

トレンド分析を基準にする

株価や為替の動向を予想する方法として、テクニカル分析という方法があります。テクニカル分析とは、過去の値動きを表したチャートを使った分析手法です。テクニカル分析では、チャートからトレンドやパターンを把握したうえで、今後の値動きを予想します。

トレンドから値動きを予想する場合には、移動平均線を使います。移動平均線とは一定期間の価格(通常は終値)の平均値を結んだものです。トレンド分析を基準に、「チャートが移動平均線を下回ったタイミングで損切りする」などと決めておく方法もあります。

損切りする際の注意点

損切りする際の注意点

損切りは、損失を最小限にするために行いますが、失敗すると逆効果になりかねません。損切りする際には何に注意をしておいたらいいか確認しておきましょう。

両建てはしない

両建てとは、信用取引(証券会社に委託保証金を預け、それを担保に売買を行う方法)において使われる手法で、同じ銘柄の売りポジションと買いポジションの両方を保有することです。FXでも、損失回避のために、同じ通貨ペアの両建てをする手法が用いられることがあります。

株の信用取引では、両建てすると、株価が上昇したときには買いポジションを決済し、株価が下落したときには売りポジションを決済することで利益が得られます。つまり、両建てにより損失を回避できるというわけです。一方、FXの場合には、両建てにより必ずしも損失を回避できるとは限りません。

FXで両建てをすると、スプレッド(コスト)がかかってしまいます。また、FXではスワップポイント(通貨間の金利差)も関係してくるため、為替相場による損益だけから決済のタイミングを判断するのは難しいでしょう。FXで損切りを考えるときには、両建てという手法は避けた方が無難です。

無計画なナンピンはしない

ナンピンとは、投資において、損失を平均化するための手法です。株式投資でナンピンする場合には、株価が下がっているときに敢えて同じ銘柄を買い足します。ナンピン買いをすれば、平均取得単価を下げ、利益が出るハードルも下げられるでしょう。

たとえば、株価1,000円のときに100株購入した場合、平均取得単価は1,000円です。株価が600円に下がったときに追加で100株購入すると、平均取得単価は800円となります。つまり、ナンピン買いした後は、株価が800円を超えれば利益が出ることになるのです。

ナンピン買いは、計画的に行うことが大切です。ナンピン買いすると保有している株式数が増えるため、株価が下がった場合の損失も大きくなってしまいます。ナンピン買いをするなら、何回までといったルールを決めておくのがおすすめです。

むやみに損切しない

損失を少なくするために、損切りすることは大切です。しかし、たとえ損失が小さい時点での売却でも、積み重なれば大きな損失になりかねません。損切りを積み重ねて損失が大きくなってしまった状態を「損切り貧乏」と呼ぶこともあります。

損切り貧乏になってしまうのは、損切りのルールが適切でないことが原因です。損切りによって損失がふくらんでいるようなら、どのタイミングで損切りするかのルールを見直してみましょう。

おわりに 

損切りとは、含み損が出ている状態で株式等を売却することです。損切りすれば損失が確定しますが、損失を最小限に抑えられる可能性があります。最終的に利益が得られるよう、損切りしなければならない場面もある点を認識しておくことが大切です。

投資初心者の場合には、損切りの判断も難しいのが普通です。投資に慣れていない方は、損切りのタイミングを気にせずに済むよう、積み立て投資から始めるのがおすすめです。初心者向けのサービスを利用して、少しずつ投資に慣れていきましょう。

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