起業したいけれど何から始めたら良いのか分からず、初めの1歩を踏み出せていない方も多いでしょう。そこで今回は、起業するためのステップや起業アイディアの見つけ方などを詳しくご紹介します。
起業したいけれど知識がない、どこに相談したら良いのか分からない、主婦や学生でも起業できるのか知りたいという方はぜひ参考にしてみてください。
1.そもそも起業とは?

起業というと、社長や代表者など逸脱した才能のある方々が行うものだと思っている方が多いでしょう。しかし、どのような方でも起業はできます。そもそも起業とは、社会的な課題の解決に役立つ事業を起こし、新しいサービスを提供していくことです。
株式会社や個人事業主などの事業形態は関係ありません。もっとこうだったら不自由しないのに、こういうサービスがあれば便利なのに、といったユーザーの意見を元に、企業やサービスが成り立っているのです。
2.主婦や学生でも起業できる?
起業をしてみたいけれど、主婦だから、学生だからと諦めていませんか。起業は、主婦でも学生でも可能です。一昔前であれば、オフィスを用意し、パソコンやコピー機などの設備を整え、従業員を雇うといった、しっかりと形を整えてから起業するスタイルが主流でした。
しかし、IT化の進んだ現代では、Webサービスやアプリ開発などパソコン1台で完結するビジネスであれば、自宅にいながら自分一人で起業することができます。
主婦の方は、結婚や出産、育児、介護などによって社会復帰がなかなか難しいことから、自由に働くスタイルを選べる起業がおすすめです。普段、育児や介護などで家にいる時間が長い主婦の方は、起業することによって社会とのつながりを感じられるでしょう。さらに、主婦目線で事業を立ち上げられることも、主婦の方が起業するメリットです。
学生でも、パソコンやWebサイトが使える環境があれば、起業はできます。学生のように若いうちに起業すると、万が一失敗してもまだまだ多くのチャンスが残されていますし、インターネットに慣れている方が多いでしょう。さらに、若い脳を持っていることから、新しい経験や知識を取り入れやすいのも、学生が起業するメリットのひとつです。
3.起業アイディアの見つけ方

起業するには、まずどのようなサービスを提供するのか、どのような商品を売るのかなどの起業アイディアが必要になります。すでに具体的なビジョンがある場合は良いですが、まだ方向性が決まっていない方は、以下でご紹介する起業アイディアの見つけ方を参考にしてみてください。
3-1.困っている方の声を聴く
そもそも起業は、社会的な課題解決のために行います。そのため、困っている方の声を聴いて悩みを解決できるサービスや商品の提供を考えるのがおすすめです。まずは身近な方の困っていることを聞いて、自身のスキルでその悩みが解決できるかを考えましょう。
もし自身では解決できないような悩みでも、他の方とタッグを組んで起業することで解決できる場合もあります。
3-2.時代の流れやトレンドを考える
大きな時代の流れの中で、次はどのようなものが流行るのか、トレンドをチェックすることも起業アイディアを見つけるうえで重要です。明日の株価は分からなくても、長期的な予測はある程度できます。
これまでの時代の流れを書き出しつつ、これからの長期的な時代の流れやトレンドを予想することで、起業アイディアの元になる、人々のニーズを捉えることができるでしょう。
3-3.自分の好きなことや得意なことから考える
起業アイディアを見つけるには、自分の好きなことや得意なことから考えるのもおすすめです。例えば、アイスが好きなら「こだわりのアイス屋を経営する」「全国のアイス屋を掲載した雑誌を作る」など自分の好きなことを仕事にできます。さらに、今まで培ってきたスキルや持っている資格を活かして事業を起こすという方法も良いでしょう。
一般的なスキルや資格を持っている場合は、競合となる事業が多いことが予測されるため、プラスαで個性を出せる要素を見つけるのがポイントです。
3-4.ニッチな市場に目を向ける
すでに多くの方が手をつけている分母が大きい事業は、目新しさに欠けるだけでなく、多くの競合他社がいることになります。そのため、まだ誰も手をつけていないようなニッチな市場に目を向けることで、大きなビジネスチャンスを掴める可能性があるでしょう。さらに、分母が少ない事業なら、リピーターを確保しやすいといえます。
3-5.SNSを活用する
SNSを活用することも、起業アイディアを見つけるのにとても有効です。SNSを使って、情報収集したり、興味のある方へDMなどを利用して連絡を取ったりすることで、起業アイディアが生まれる可能性があります。
さらに、思い浮かんだ起業アイディアを、SNS上でつながりのある方に聞いて反応を見てみましょう。多くの方から良い反応があれば新しい事業として考えるのもおすすめです。
4.何から始めたら良いの?起業するためのステップを紹介

では、起業するには何から始めると良いのでしょうか。以下では、起業するためのステップをご紹介します。
4-1.【どうして】起業したい理由を明確にする
まずは、どうして起業したいのか、という理由を明確にしましょう。「とにかく現状を変えたい」「自由になりたい」といった個人の利己的思考が先立ってしまうと、本来起業という言葉が持っている意味にそぐわないものとなってしまいます。
起業するということは、ご自身の時間やお金を費やし、雇用や納税などの社会的責任を負って、社員の生活を支えることです。そのため、単純な理由だけでは事業を継続してはいけません。初めにどうして起業したいのかをよく考える必要があります。
4-2.【誰に何を】どのような相手に対しどのようなサービスを提供するのかを考える
次に、どのような相手に対しどのようなサービスを提供するのか考えていきます。すでに世の中には便利なサービスや商品があふれていて、実績や市場シェアを持った大きな企業と全く同じサービスや商品を提供しても、競争に負けてしまう可能性が高いです。
反対に、誰も手をつけていないようなサービスや商品の提供は、市場の開拓に時間がかかる場合があります。そのため、すでに存在するサービスや商品の一歩先を読んだ、他人が思いつかないようなアプローチを意識することで、他社との差別化ができるでしょう。
4-3.【どのようにして】起業の形態を決める
起業の形態は主に、法人・個人事業主・フランチャイズです。法人は、株式会社や合同会社などとして設立し、銀行から融資を受ける際や顧客からの信頼獲得には、一定以上の効果が見込めます。個人事業主とは、税務署に開業届を提出して、個人で事業を行う形態のことです。
個人事業主のメリットは、開業が簡単にできるという点ですが、社会的信用は薄いため、銀行からの融資を受けにくいといったデメリットがあります。フランチャイズとは、本部である企業からブランド名や経営ノウハウをもらって事業を行う形態です。
権利に対して発生するロイヤリティを払う必要がありますが、すでに確立されたブランドイメージのある状態で事業を行うことができることがメリットといえます。
4-4.【資金はどうする:その1】資金はどのようにして調達するか考える
起業の形態が決まったら、資金はどのようにして調達するのか考えましょう。以下では、資金集めの方法をいくつかご紹介します。
・日本政策金融公庫
起業するための資金調達方法のひとつとして、日本政策金融金庫からの融資が挙げられます。日本政策金融金庫の審査は、比較的通りやすいとされているため、初めて融資を受ける方におすすめです。また、日本政策金融金庫は、融資の際だけでなく、創業前支援や創業後支援などもあるため活用してみましょう。
・制度融資
制度融資とは、金融機関・信用保証協会・地方自治体が連携して行う融資のことを指しています。地方自治体は利子補給を行っているため、利用者の負担を軽減することが可能です。
・自治体の起業支援制度
起業のための資金を調達する方法のひとつに、自治体の起業支援制度を利用する方法が挙げられます。自治体の補助金や助成金は返済の必要がないため、申請できるものがあったら利用するのがおすすめです。
・クラウドファンディング
クラウドファンディングは、インターネット上で不特定多数の人から資金を集める方法です。事業内容の社会貢献度の高さや将来性を訴えることで資金を募るため、資金集めの段階でマーケティングができます。
・ベンチャー・キャピタル
ベンチャー・キャピタルとは、未上場のスタートアップ企業やベンチャー企業などの、成長が予測される企業に投資を行い、将来、その企業が上場した時に株式を売ることで資金を得る投資会社や投資ファンドのことです。得た資金は返済する義務はありません。
・不動産担保ローン
起業のために資金調達するには、事業者向け不動産担保ローンもおすすめです。不動産担保ローンとは、所有している不動産を担保に入れて、融資を受けられるローンのことを指しています。
セゾンファンデックスの不動産担保ローンの融資額は、100万~5億円と少額融資から高額融資までカバーできる点が特徴です。また、融資年率は2.75~9.9%と低金利なので、個人事業主や法人経営者に人気となっています。気になる方は、以下から問い合わせてみてください。
4-5.【資金はどうする:その2】必要な資金がいくらなのか算出する
起業する前に、いくらくらいの資金が必要なのか計算してみましょう。個人事業主の場合は開業届を出すことが主な手続きなので、大きな費用は発生しません。しかし、法人を設立する場合、株式会社で「約25万円+資本金」、合同会社で「約10万円+資本金」が必要です。
さらに、店舗を構える場合は、敷金や礼金、設備費、広告宣伝費などを用意しなければなりません。起業後は、通信費や人件費、店舗を構える場合は家賃などが必要です。起業後すぐに安定して利益を得られるとは限らないので、必要資金を多く見積もっておくと安心でしょう。
4-6.【どのような手続き】手続きをする

起業するにはどのような手続きが必要なのでしょうか。以下では、法人設立・個人事業主・フランチャイズの手続き方法をご紹介します。
・法人設立
法人を設立する場合、企業の基本情報や規則などが記された定款を作成し、公証人役場で認証を受けます。次に、資本金の払込をし、登記申請書類が作成できたら、定款や資本金の払込証明書などの必要書類と一緒に法務局へ提出しましょう。法務局で設立登記ができたら、年金事務所にて保険加入の手続きをします。
・個人事業主
個人事業主として起業する場合は、「開業届」を税務署に、「事業開始等申告書」を都道府県税事務所と市町村に提出します。個人事業主として起業する場合、経費をプライベートと分けて管理しやすくするために、事業用として法人用のクレジットカードを作成しておくと良いでしょう。
クレディセゾンでも事業用として使える法人用カードを用意しており、セゾン・アメリカン・エキスプレス・カードの中で最高クラスの法人カードである「セゾンプラチナ・ビジネス・アメリカン・エキスプレス・カード」がおすすめです。レストラン優待やコンシェルジュサービスがついていたり、年間200万円以上利用すると次年度の年会費が半額になったりなど、さまざまな特典が受けられます。
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・フランチャイズ
フランチャイズは、個人事業主として開業することになるため、開業届を提出すると手続きが完了です。フランチャイズ店としてよく目にするのは、コンビニや飲食が主ですが、ハウスクリーニングや結婚相談所、学習塾などのフランチャイズ店もあります。
5.起業のリスクを避けるポイント
起業した際、誰もがリスクは避けたいものです。以下では、起業のリスクを避けるポイントをご紹介します。
5-1.副業として始める
初めて起業する場合、スキル不足や環境の違いによって思うような成果が出せないこともあるでしょう。そのような事態が起きても大丈夫なように、副業として始めるのがおすすめです。売上が一定以上になったタイミングで独立すると安心でしょう。
5-2.ユーザーニーズを把握する
起業する際は、市場から求められているユーザーニーズに沿ってサービスや商品を提供していくことが基本です。ユーザーニーズを無視していると、早い段階で撤退することになりかねません。そのため、ユーザーニーズの把握は、起業のリスクを避ける大切なポイントといえます。
5-3.最低限のコストでスタートする
初期段階から高額のお金をかけてスタートすると、売上が伴わなかった時、苦しい思いをする可能性があります。そのため、最低限のコストでスタートする方が安心です。
5-4.変化に柔軟に対応する

市場の流行やニーズは時代とともに変化し続けていますが、そのような外部環境の変化に対応できないと、時代遅れのサービスとなってしまうでしょう。さらに、経営が危ぶまれた時に、事業存続のため柔軟に形を変えていくことが必要になる場合もあります。
6.起業したいと思ったら誰かに相談しよう
起業をするには、膨大な量の内容を選択していかなければなりません。起業を検討している場合は、一人で考えずに誰かに相談しましょう。以下では、おすすめの相談先をご紹介します。
6-1.商工会議所
商工会議所は、全国にある、経営について相談できる窓口です。起業に関する手続きをしてくれたり、あらゆる質問に答えたりしてくれます。
6-2.日本政策金融公庫
日本政策金融公庫は、民間の金融機関から融資を受けることが難しい中小企業やこれから起業をしようとしている方へ積極的に融資をしています。また、「創業サポートデスク」では、無料で起業に関する相談が可能です。
6-3.中小企業支援センター
中小企業支援センターは、起業家セミナーの開催や、これから起業する方を応援するインキュベートルームの運営などを行っています。中小企業支援センターは、各都道府県にありますので、ぜひ利用してみましょう。
おわりに
起業は、ハードルが高いものとして捉えていた方も多いでしょう。しかし、企業形態によっては、高額な資金がなくても、簡単な手続きだけで起業できる場合があるのです。起業したいと考えている方は、ぜひこの記事を参考に、初めの一歩を踏み出してみませんか。