フローリングには、大きく分けて無垢と複合の2種類があります。一般的に多く普及しているのは複合タイプで、基材から表面まですべて自然木で作られている無垢タイプよりも安価です。各フローリングの特徴や相場価格、床リフォームする際の注意点について解説します。
1.2種類のフローリングについて
フローリングには以下の2種類があります。
- 無垢フローリング
- 複合フローリング
一般的に多く採用されているのは複合フローリングです。無垢フローリングは複合フローリングよりも高価なことに加えて、定期的なメンテナンスが必要であることから利用する方は少ない傾向にあるでしょう。それぞれの特徴について以下で詳しく解説します。
1-1.無垢フローリングの特徴
無垢フローリングとは、丸太から切り出した木材をそのまま使用するフローリングのことを指します。肌触りが良く高級感があり、木の香りを感じられることが特徴です。使用する木材は同じでも色や木目柄が異なり、経年劣化とともに味わい深いデザインとなるのも無垢フローリングの魅力です。無垢フローリングは水をよく吸う性質があることから、傷や凹みを補修しやすい特徴もあります。
一方で、水をよく吸うことによって割れやねじれ、反りや膨張が起こりやすい点が難点です。水や傷に弱いため、キッチンやお風呂場、洗面台などの床材には適していません。また、床暖房には利用できないケースが多々あります。
・無垢フローリングは定期的なメンテナンスが必要
無垢フローリングは汚れや水に弱いため、定期的にメンテナンスをする必要があります。1ヵ月に1回程度、固くしぼった雑巾で水拭きをしましょう。汚れがある場合は、乾いた雑巾でクリーナーを伸ばしながら全体的に汚れを落とします。
ワックスやオイルがけは1年に1回程度したほうが良いでしょう。人が頻繁に通る場所や何度も水拭きしたところは、もう少しワックスがけの頻度を増やしても良いかもしれません。なお、汚れにくくするためにウレタン塗装をする手もありますが、木の質感が低減する点には注意が必要です。
1-2.複合フローリングの特徴
複合フローリングとは、合板や集成材の上に木や特殊シートを張り合わせたフローリングのことです。デザインが豊富なうえに水や傷に強く、割れや反り、収縮などのリスクも少ないという特徴があります。耐衝撃性、抗アレルゲンなどの機能を備えた製品もあり、幼い子どもやペットがいる家庭に適しています。ただし、一度ついた傷や凹みは無垢フローリングのように補修できません。複合フローリングには以下の3種類があります。それぞれの特徴について以下のとおりです。
- シートタイプ
- 挽き板タイプ
- 突き板タイプ
・シートタイプ
シートタイプとは、樹脂や紙に印刷したシートを合板などの上に貼り合わせたタイプのものを指します。安価でお手入れが簡単な点がシートタイプの特徴です。ツルツルした質感のものが多いですが、中には天然木のような質感を再現しているものもあります。木目調のみならず、大理石調などさまざまなデザインを楽しみたい方におすすめです。ただし、一度傷がついたら修復しにくい点が難点といえます。
・挽き板タイプ
挽き板タイプとは、合板などの上に2〜3mm程度の厚さに挽いた自然木を貼ったものを指します。表面に厚みがあることから、無垢フローリングのような質感を楽しめるでしょう。基材には合板などを使用しているため、反りや割れなどに強く、床暖房にも利用可能です。挽き板タイプは、無垢フローリングと複合フローリングの長所を併せ持つタイプのフローリングだといえます。
・突き板タイプ
突き板タイプとは、挽き板タイプよりも薄い0.3〜1mm程度に切った天然木を合板などの上に張り合わせたものを指し、「天然木化粧合板」と呼ばれることもあります。木目を活かす塗装を施した製品が多く、カラーバリエーションが豊富です。天然木を使う表面部分が薄いことから、挽き板タイプよりも手頃な価格で利用できます。
2.フローリングに利用される主な木材
無垢フローリングには、主に材質が柔らかい針葉樹が利用されます。以下は無垢フローリングによく使われる代表的な針葉樹の一例です。
- スギ
- ヒノキ
- アカマツ
針葉樹は肌触りが良く材質が柔らかいため、フローリングに利用すると足への負担を軽減できます。また、調湿作用によって夏は湿気を吸収し冬は湿気を放出するため、季節を問わず快適に過ごせるでしょう。木の香りやぬくもりを感じられる点も魅力のひとつです。
複合フローリングには、主に広葉樹が利用されます。広葉樹の特徴は、傷がつきにくく収縮が起こりにくいことです。複合フローリングに利用される広葉樹の一例を以下でまとめました。
- ウォルナット
- ブラックチェリー
- メープル(楓)
- チェスナット(栗)
- チーク
- オーク(楢)
- タモ(アッシュ)
- ローズウッド
3.フローリングの相場価格
フローリングの相場価格は以下のとおりです。
フローリングの種類 | 1㎡の相場価格 | 6畳(11㎡)あたりの価格 |
無垢フローリング | 9,000円〜 | 約9.9万円~ |
複合フローリング | 7,000円〜 | 約7.7万円~ |
無垢フローリングは複合フローリングよりも値段が高い傾向です。無垢フローリングの価格は、木の種類や木目、節の有無などでも大きく変わります。例えば、ヒノキやスギは節が少ないほど高額です。
複合フローリングもタイプによって値段が大きく異なります。天然木を利用する挽き板タイプや突き板タイプは、シートタイプよりも高価です。挽き板タイプはより厚みのある天然木を利用するため、突き板タイプよりも値段が上がります。他にも表面に傷防止のコーティングがされているものなど、機能性が付加された製品はより高額になるでしょう。
3-1.フローリングの価格は工事方法によって大きく異なる
フローリングのリフォームにかかる費用は、工事方法によって大きく異なります。以下はフローリングの主な工事方法です。
- 張り替え工法
- 重ね張り工法
張り替え工法は、既存の床を解体して張り替えます。解体費がかさむことから工事費用は高額です。一方、重ね張り工法は既存のフローリングの上に新しいフローリングをそのまま上張りするため、張り替え工法よりも安く済みます。
4.フローリングを替える際の2つの注意点
フローリングを替える際は、以下2つの点に注意しましょう。
- マンションは管理規約(防音に関する規約など)を守る
- 畳やカーペットからフローリングに替える際は高くつく
マンションの管理規約において防音に関する規約が定められていることが多々あります。防音対策として、遮音フローリングや遮音マットを活用すると良いでしょう。ここでは、フローリングを替える際の2つの注意点を詳しく解説します。
4-1.マンションは防音の規定を守る
マンションのフローリングを替える際は、まず管理規約を確認しましょう。防音について細かく定められているケースが多いです。中にはフローリングを替えること自体、禁止されているところもあります。フローリングを替えることが可能な場合は、後々トラブルにならないよう規約を細かく確認したり管理組合と話し合ったりしながら床リフォームを進めましょう。
・マンションには遮音フローリングや遮音マットを利用しよう
防音レベルが細かく設定されている場合は、遮音フローリングや遮音マットを活用しましょう。遮音フローリングとは、フローリングと防音用のクッション材が一体となったフローリングのことです。音をカーペットのように吸収してくれるため、階下への防音対策ができます。ただし、デザインの種類は少なく、価格は1㎡あたり1万円以上と高額です。
さまざまなデザインから選びたい方は、遮音マットを利用すると良いでしょう。遮音マットは防音性に優れた基材の1つで、その上に無垢フローリングや複合フローリングを施工します。ただし、フローリングの費用に加えて遮音マットの費用がかかる点には注意が必要です。
4-2.畳やカーペットからフローリングに替える際は高くつく
畳やカーペットからフローリングに替える際は、張り替え工法を利用するため高くつきます。フローリングは畳やカーペットよりも防音性に劣ることから下地処理をするケースが多く、その分費用が上乗せされるでしょう。なお、フローリングからフローリングに替える際は重ね張り工法を選択できますが、既存の床の状態が悪いときには利用できません。この場合は張り替え工法で施工するため、費用がかさむ点に注意が必要です。
5.フローリングの見分け方
フローリングを替えるにあたって、現在のフローリングがどのタイプであるかを知っておくことは大切です。何も考えずに好きなようにフローリングを選んでしまうと、イメージと違ったり無駄に高くついたりします。そのため、現在のフローリングがどのタイプであるかを確認しておきましょう。以下でフローリングの見分け方を解説します。
5-1.無垢フローリングと複合フローリングの見分け方
無垢フローリングと複合フローリングの見分けは、木目で判断がつくケースが多いでしょう。無垢フローリングには天然木がそのまま用いられるため、木目はランダムです。一方、複合フローリングの木目はきれいに揃っています。複合フローリングには、1つの木材から薄くスライスした同じ木目の板が何枚も使われることが要因です。天然木を使わないシートタイプも、見た目を重視することから木目がきれいに揃っているものが多い傾向です。
ただし、無垢フローリングと挽き板タイプを見分けることは容易ではありません。挽き板タイプにはのこぎりで切った木材が使われ、無垢フローリングのようなランダムな木目の流れができるケースが多くあるためです。見た目で判断がつかない場合は、施工会社などに聞くことをおすすめします。
5-2.挽き板・突き板タイプとシートタイプの見分け方
複合フローリングでも、挽き板・突き板タイプとシートタイプでは見た目や質感が異なります。挽き板・突き板タイプには天然木が使用されていることから、表面にわずかな筋や凸凹を確認できるでしょう。一方、シートタイプは木材ではありえないツルツルした質感を感じられます。少々傷んでいる場合はさらに見分けがつきやすく、水膨れやシートが剥がれたような傷があるものはシートタイプです。
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おわりに
フローリングには無垢と複合の2種類がありますが、それぞれ特徴や相場価格が異なります。高級感や木のぬくもりを求める方は無垢フローリング、一般的なフローリングで事足りる方は複合フローリングを選択すると良いでしょう。
床リフォームを検討されている方は、まずは現在住んでいる自宅のフローリングを確認しましょう。自身で判断がつかない場合は、施工会社やリフォーム会社を頼りましょう。