資源価格の上昇や円安により、食料品や日用品、電気代など、さまざまな物の値段が上がっています。複数の要因が絡んでいるため、いつまで続くのか分からない状況です。出費が増えたことで、家計のやり繰りに頭を悩ませている方も多いのではないでしょうか。
このコラムでは物価高騰の原因について解説します。ご家庭に合った対策もわかり、家計管理を見直すことができるでしょう。
- 物価が高騰する原因は「資源価格の上昇」と「円安の進行」にある
- 物価高騰は円安に歯止めがかかればある程度は落ち着くとの見方もあるが、いつまで続くかは予測できない
- 家計の負担を軽減するために、節約や副業、資産運用など、ご自身に合った対策に早めに取り組むことが大切
- 医療費や結婚式のご祝儀など、急な出費にはクレジットカードのキャッシングやカードローンがおすすめ
身近な生活にまでおよぶ物価上昇の影響
電気代や食料品、日用品など、生活するために必要な物の値段が上がっています。一度だけの値上げのみならず、再値上げやステルス値上げ(価格は同じで内容量を減らすこと)も後を絶ちません。始めに、どのような品の物価が上昇しているのか解説します。
生活インフラ費への影響
生活インフラである電気や水道、ガスの価格は大きく影響を受けています。2023年7月分の消費者物価指数(総務省が毎月発表する価格の変動を示す指標、2020年=100とする)は光熱・水道で105.8でした。
2023年1月に124.5を更新し、そこからは低下しているものの、今後も影響を注視する必要があるでしょう。
値上げが続く食品関連
2023年6月から値上げされた品目は3,575品目となり、ハイペースな値上げが続いています。具体的には調味料が1,674品目、加工食品が1,612品目、菓子が158品目、酒類・飲料が94品目、乳製品が37品目。調味料では家庭用つゆ・だし製品やチューブ練りわさび製品、加工食品では即席めん製品などが対象となりました。
原材料の価格が高騰すると、値上げは経済活動に大きく影響するため、レストランやコンビニ業界にも大打撃となり、外食を控える傾向となるでしょう。家庭でどのような対策ができるか考えることが大切。
原材料が高騰化する紙
自宅や職場、学校など、あらゆる場面で欠かせないトイレットペーパーやティッシュペーパーも値上がりしています。例えば大手製紙会社ではトイレットペーパーやティッシュペーパーなど家庭用紙製品を2023年1月21日出荷分から現行価格より20%以上値上げしました。
生活必需品の値上げにより、ふるさと納税ではトイレットペーパーやティッシュペーパーを返礼品としてもらえる自治体に寄付し、節約する方もいます。
物価高騰の原因は?
物価高騰の原因には「資源価格の上昇」と「円安の進行」があります。ここでは値上げがなぜ起こっているのか、具体的な理由について解説しましょう。
資源価格が上昇している
エネルギーや原材料の価格が高騰しています。例えば8月21日時点のガソリン・軽油・灯油の店頭現金小売価格は14週連続で上がっており、レギュラーガソリンは183.7円/リットル、軽油は163.1円/リットル、灯油は122.2円/リットルでした。
資源価格が上昇すると、企業はその分を商品価格に転嫁する場合があります。買い物の際には値上げしていないか確認し、値上げしていれば一番安く売っているお店を探し回るなど、対策が必要です。
円安が進行している
2022年から円安傾向になり、2022年10月には一時1ドル=150円を超えました。2023年8月1日現在も140円台で、油断できない状況です。
日本は食品や製品の多くを外国から輸入しており、日本の企業側から考えると、円安であればあるほど、輸入時のコストが高くなってしまいます。
資源価格の上昇が起きる原因は?
石油やガスといった資源価格の高騰は「ウクライナ侵攻」や「人口増加」「気候変動や新型コロナウイルスの発生」「アメリカと日本の金融対策の違い」など、さまざまな要因が複雑に絡み合っています。ここでは具体的な原因について学んでいきましょう。
ウクライナ・ロシアの戦争
ロシアは世界的な資源大国で、石油や天然ガスを多く外国に輸出しています。2022年2月24日から始まったロシアによるウクライナ侵攻により、各国がロシアの石油やガスなどの輸入を禁止・制限する制裁を課しました。
ロシアにとっては経済的に痛手となりましたが、日本を含めた各国にとっても石油やガスを用いる商品の値段が上がり、企業や個人は打撃を受けています。
世界的な人口増加
世界的に人口が増加し、資源の需要が増えていることも要因の一つです。供給量が間に合わなくなると、価格が高騰してしまいます。
国連の推計によると、世界の人口は2030年までに85億人に達し、2050年には97億人になる見通しです。日本では少子高齢化により人口は減少していきますが、世界全体では真逆の現象が起こっています。
気候変動やコロナなどの突発的要因
世界各地で発生している最大規模の気候変動も資源価格に大きく影響しています。例えば気候変動により水が不足する地域が増え、農作物の育成が危ぶまれています。大規模なハリケーンや台風なども甚大な損失をもたらしている状況です。
加えて新型コロナウイルスの感染拡大以来、巣ごもり消費が活発になり、輸送の需要が多くなりました。トイレットペーパーの買いだめで商品価格が上がるなど、私たちの生活に大きな影響をもたらしています。
日本とアメリカの金融対策の違い
アメリカでは金融引き締めを行っているのに対し、日本は金融緩和を継続しています。金融引き締めとは政策金利を引き上げたり、保有国債などを売却したりし、経済活動を抑制すること。金融緩和はその逆の政策を意味します。
日米の金利差が開き、日本の金利が低くなると、金利の高いドルを買い、円を売る動きが進み、円安が進んでしまうのです。
物価高騰が続くのはいつまで?
物価高騰の要因は多く、いつまで続くかは不透明です。帝国データバンクの調査によると、2023年9月は2,014品目、2023年10月には4,262品目の値上げが予定されています。
円安に歯止めがかかればある程度は落ち着くとの見方もありますが、ウクライナ侵攻などもあり、先行きは分かりません。
家計への負担を軽減するために、節約や副業、資産運用など、ご自身に合った対策に早めに取り組むことが大切になるでしょう。
私たちができる物価高騰への対策は?
「支出を減らすこと」と「収入を増やすこと」に分けて、対策に取り組むことで、家計は改善されるでしょう。子どもや住宅ローンの有無などによってご家庭ごとに適切な対策は異なるため、ご家族と充分に話し合って対策を決めることをおすすめします。
節約
電気やガス代、生命保険・損害保険料、スマートフォン代、食費、燃料費などを見直すことで、支出を大きく減らせる可能性があります。例えば電気やガス代であればより安いプランに変更したり、長く使っている家電であれば、省エネの家電に買い替えたりするのがおすすめ。節水シャワーヘッドにすることで、年間の水道代を大きく削減できることもあります。
また、居住費やスマートフォンなどの通信費、保険や子どものおけいこ事などの固定費の見直しも検討しましょう。一度削減すると長く効果があります。
食費に関してはご家庭で「コンビニに行かない」とルールを決めることや、買い過ぎ防止のため買う物を決めてからスーパーに行くことも良いでしょう。「キャッシュレス決済で貯めるポイントを統一する」なども効果的です。
車を使う場合には、「近所の用事程度であれば自転車を使う」など、ご家族でアイディアを出し合ってみましょう。
収入を増やす
可能であれば副業を始め、収入を増やすことも検討しましょう。在宅ワークなど、スキマ時間でできる仕事はたくさんあります。クラウドソーシングであれば即金性が高く、簡単に仕事を見つけられるでしょう。パートタイマーであれば、勤務時間を増やすことも効果的です。
ただし子育てや家事の時間が少なくなるなど、生活に影響するのであれば、慎重に検討した方が良いでしょう。また会社員であれば副業禁止ではないか確認してから始めましょう。
資産運用
NISAの活用や外貨預金、投資信託、債券といった資産運用を始めてみるのもおすすめです。つみたて投資をすることで長期的に見ると、時間を味方につけたドルコスト法で資産が増える可能性も。少額から始められるものやポイントで投資できるものもあります。証券会社によっては投資により特定のポイントを貯められ、お得に買い物ができるのも魅力です。
ただし投資にはリスクがあり、元本割れするおそれもあります。本やWEBサイトで投資について勉強し、プロに相談するなど、しっかりと理解したうえで始めましょう。
生活費以外の急な出費にも家計の備えを
普通に生活していても交通事故にあったり家電が故障したりと、何かとトラブルに巻き込まれるものです。急な出費を想定し備えておくことで、トラブルが発生しても家計を上手に回せるでしょう。
急な出費で代表的なもの
毎日の生活費のほかにも、急な入院や冠婚葬祭、車や家電の故障などで以下のようなお金が発生する可能性もあります。
- 病気や事故での手術、入院代
- 結婚式のご祝儀
- 葬式の香典
- 車の買い替え費用
- 家電の買い替え費用
- 車検代
- 賃貸物件の更新料
- 忘年会や新年会の費用
- 引っ越し費用
費用によっては国や自治体の制度を使うことで、金額を抑えられるケースもあります。代表的なのが高額療養費制度(医療費が高額になった際に一定の金額(自己負担分)を超えた部分が後で払い戻されるもの)です。
状況によっては急な出費で数十万〜数百万円もかかることもあるため、お金を準備する方法を知っておくことが大切でしょう。
急な出費にも対応できる最短で資金調達する方法
急な出費には「クレジットカードのキャッシング」や「カードローン」がおすすめです。最短即日で最寄りのATMを利用しお金を準備できます。
クレジットカードのキャッシングはカード申し込み時にキャッシング枠を設定していれば、すぐに利用可能です。カードローンの金利はクレジットカードのキャッシングよりも低いのが特徴です。
ただしどちらも金利が発生し、借入状況によっては返済額が高額になる可能性もあります。借入金額は必要最低限にし、計画的に返済しましょう。
急な出費でお困りであれば、セゾンファンデックスの「かんたん安心ローン」はいかがでしょうか。融資金額は1万〜500万円、融資年率は6.5〜17.8%となっています。コンビニATMで24時間利用できるため、すぐにお金を用意したい方にぴったりです。WEBサイトでの申し込みは24時間受け付けておりますので、お困りの方はぜひ「かんたん安心カードローン」をご利用ください。
電気やガス、食料品や日用品などの値段が上がり、個人や企業の経済活動に大きく影響しています。物価高騰の原因には、資源価格の上昇や円安の進行が考えられます。物価高騰はいつまで続くか不透明で、今後もさらなる値上げが予想されるため、各ご家庭で対策を考えることが大切です。
おわりに
物価高騰の対策には「固定費や変動費の節約」や「副業で収入を上げること」「資産運用」などがあります。また急な出費に備えてカードローンやクレジットカードのキャッシング枠も検討しておくと安心でしょう。