30万円を借りるためには、カードローンやキャッシングなどが利用できます。しかしサービスによって条件や手数料が違うため、どの方法を選択すべきか迷う方や、審査を通過できるか心配という方も多いのではないでしょうか。そこで本コラムでは、ご自身に合った方法を選択するために、以下の内容を説明します。ぜひ参考にしてください。
- カードローンとキャッシングの比較
- カードローンの審査を通過するためのポイント
- 手数料の計算方法
- 審査なしで30万円借りる方法
30万円借りたい時はクレジットカード会社のカードローンがおすすめ
ここでは、カードローンとキャッシングの比較して、それぞれの特徴を説明します。比較のポイントは、融資利率を含めた支払総額、借入をするための審査にかかる時間です。
カードローンとキャッシングの融資利率比較
カードローンとキャッシングの融資利率を比較します。以下の表は、セゾンカードのキャッシングと、カードローン「MONEY CARD」の融資利率(実質年率)の比較です。融資利率は年率の数字となっています。
セゾンカードのキャッシング | 12.0%~18.0% |
カードローン「MONEY CARD」 | 6.47%~17.7% |
融資利率はカードローンの方が低く設定されています。キャッシングは、クレジットカードにキャッシング枠がついていれば、ATM等からお金を引き出せる便利で簡単なサービスです。しかし、カードローンと比べると融資利率が高く設定されているため、融資利率を含めた返済総額が多くなってしまいます。
以下の表は、30万円を3ヵ月で返済した場合の支払額をシミュレーションした結果です。カードローンの方が支払総額で6,658円安くなることがわかります。
毎月の返済額 | 支払総額 | |
セゾンカードのキャッシング 融資利率18.0% 定額リボルビング方式(10万円) | 100,000円×3ヵ月14,590円×1ヵ月 | 314,590円 |
カードローン「MONEY CARD」 融資利率15.0% 定額リボルビング方式 100万円コース | 102,510円×3ヵ月 | 307,530円 |
参照元:マネーカードのシミュレーション | 「キャッシング」のご返済シミュレーション
カードローンの融資利率と審査時間の比較
カードローンを提供する3つの業態の融資利率と審査時間を比較します。以下の表は、3つの業態の一般的な融資利率と、審査にかかる時間をまとめたものです。
一般的な融資利率 (実質年率) | 審査時間 | |
クレジットカード会社 | 17.7%程度 | 最短即日 |
消費者金融 | 18.0%程度 | 最短即日 |
銀行カードローン | 14.0%程度 | 数日程度 |
融資利率面では、銀行カードローンが最も低く、消費者金融が最も高く設定されています。審査時間の面では、銀行カードローンが数日必要なのに対し、ほかは最短即日となっています。このことから審査に必要な時間が短く融資利率が比較的低い、クレジットカード会社のカードローンが利用しやすいと言えるでしょう。
カードローンで30万円借りる際には審査が必須
カードローンで30万円を借りる場合、審査を通過することが必須条件です。カードローンを取り扱う貸金業者は、貸金業法や利息制限法という法律の規制を受けています。法律で規制している理由は、借り主を多重債務に陥ることから守るためです。
法律による規制は主に「貸付金額の上限」と「利息の上限」です。貸付は「総量規制」と言って貸金業者は利用者の年収の1/3を超えた貸付を行えないことになっています。また利息は、以下のとおり、貸付金額に応じた上限が定められています。
- 元本の金額が10万円未満のときの上限融資利率 → 年20%
- 元本の金額が10万円以上から100万円未満のとき上限融資利率 → 年18%
- 元本の金額が100万円以上のときの上限融資利率 → 年15%
このように法律の規制に準じた貸付を行うために、利用者の審査が必要となるのです。
カードローンの審査を通過するための4条件
カードローンを利用する際に避けられないのが審査です。審査は、利用者の返済能力の有無を確認するためのものです。ここでは、返済能力の判断基準となる4つのポイントを説明します。
毎月安定した収入がある
カードローンを利用するには、毎月安定した収入が必要です。多くの場合カードローンの申込み条件として明記されています。安定した収入があれば、完済まで毎月の支払いができると判断できるからです。一方、収入が安定していない場合は、返済遅延のリスクがあると判断されてしまいます。
安定した収入があることを証明するため、契約の際に「収入証明書類」の提出が必要です。ただし借入が50万以下の場合は、提出不要の場合があります。収入証明書類と認められている書類は、各社大きく違いはありません。クレディセゾンの場合は、以下の書類を提出する必要があります。
- 給与明細書
- 源泉徴収票支払調書
- 年金証書(裁定通知書、支払額変更通知書)
- 年金振込通知書
- 納税通知書(課税明細書)
- 課税証明書(所得証明書)
- 確定申告書(青色申告決算書、収支内訳書)
借入額が収入の1/3を超えていない
借入額は、自身の収入の1/3以内におさえなくていけません。これは「総量規制」と言い、貸金業法で定められています。貸金業者は、この基準を超えて貸付できないこととなっています。複数の会社から借入をしている場合、借入額はすべての貸金業者からの借入額を合計した金額になることに注意が必要です。
例えば、年収100万円の方は他貸金業者から借入がなければ30万の借入は総量規制の範囲内です。しかし、すでに他貸金業者から30万円借りている場合に、新たに30万円を借りようとしても総量規制の上限を越えてしまいます。借入額が2社合計で合計60万円となり、年収の1/3を超えてしまうからです。
ただし、貸金業法による総量規制が適用されるのは「貸金業者」だけです。ちなみに、銀行は貸金業者には該当しません。
信用情報に傷がない
クレジットカードやローンの支払いの遅延や未払いの記録が「外部信用情報」に登録されている場合、審査を通過できない可能性があります。外部信用情報とは、利用者のクレジットカードやローンの契約情報や支払状況等が登録されたものです。外部信用情報に問題があった場合、支払能力がないと判断される可能性があります。
外部信用情報は契約期間中及び契約終了後一定期間保存されています。その外部信用情報は、情報管理している外部信用情報機関に加盟していれば、他社も照会することができます。
年齢が20~80歳である
カードローンの申込みには、多くの場合20歳〜80歳という年齢制限があります。しかし2022年4月から成年年齢が18歳に引き下げられたことによって、下限年齢に変更の可能性があります。
年齢上限は多くの場合75歳です。しかし定期収入があることを条件に、80歳まで契約できるカードローンもあります。セゾンファンデックスの「かんたん安心カードローン」は、80歳まで契約ができる数少ないサービスです。申込み当日に借入可能で、返済の際のATM手数料が無料という大変便利なカードローンです。
審査なしで30万円借りたい時の3つの方法
カードローンの審査を通過できない方に、審査なしで30万円借りる方法を3つ説明します。公的な借入制度もありますので、ぜひ参考にしてください。
クレジットカードのキャッシング枠
クレジットカードをお持ちの方は「キャッシング枠」の利用が可能か確認しましょう。キャッシング枠が設定されていれば、借入する際の審査は不要です。ただし、新たにキャッシング枠をつける場合には審査が必要となります。
またキャッシング枠があった場合でも、利用限度額に注意が必要です。クレジットカードの契約によっては、利用限度額がショッピング枠とキャッシング枠を合わせた金額となっている場合もあります。利用限度額50万円に対して、ショッピング枠で30万円使っていた場合、キャッシングで利用できる金額は20万円までとなります。
関連記事:【これで解決】クレジットカードのキャッシングができない理由は5つ!対処方法を合わせて紹介
生命保険の契約者貸付制度
生命保険に加入している方は「契約者貸付制度」の利用が可能か確認しましょう。契約者貸付制度とは、生命保険を途中解約した際に支払われる解約返戻金を担保として、保険会社が貸付を行う制度です。
契約者貸付制度は、解約返戻金のある生命保険でなければ利用できません。解約返戻金は、保険の満期後にお金が戻ってくる積立型保険に備わっています。そのため、掛け捨て型の医療保険等には貸付制度はありません。解約返戻金のある主な保険は、以下の4つです。
- 終身保険
- 養老保険
- 学資保険
- 個人年金保険
借入可能額は解約返戻金の7割〜9割が一般的です。解約返戻金は、保険の支払期間が長いほど多くあります。しかし借入ができる金額は保険会社によって異なります。正確な金額は保険会社に確認してください。また借入金額の振込までには、1週間〜2週間程度かかるようです。
生活福祉資金貸付制度
キャッシングや生命保険の契約者貸付制度が利用できない方は「生活福祉資金貸付制度」の利用をご検討ください。生活福祉資金貸付制度とは、低所得者や高齢者、障がい者等を経済的に支えることを目的とした福祉制度です。利用の要件は主に以下の4点です。
- 市町村民税非課税となっている低所得世帯であること
- 住居があること(ない場合は住居確保給付金の申請をする)
- 自立相談支援事業などの支援を受けること
- ほかの公的な貸付を受けられないこと
制度は目的に応じて大きく4つの資金が準備されており、それぞれ借入可能額や利用使途が違います。主な内容を以下の表にまとめましたので、参考にしてください。
総合支援資金 | 生活再建を総合的に支援する資金 ・敷金、礼金等住宅の賃貸契約を結ぶために必要な費用(40万円以内) ・滞納している公共料金の立替、債務整理に必要な費用(60万円以内)など |
福祉支援資金 | 仕事や生活に必要な費用を支援する資金(580万円以内) ・障がい者用の車の購入に必要な費用 ・介護サービス等を受けるために必要な費用 など |
教育支援資金 | 子どもの教育に必要な資金 ・高校、大学等に必要な費用(大学月6.5万円以内など) ・高校、大学等の入学に必要な費用(50万円以内)など |
不動産担保型生活資金 | 不動産を担保として生活に必要な資金を借り入れる (土地及び建物の評価額の70%程度) |
詳しくは、厚生労働省「生活福祉資金貸付条件等一覧」をご確認ください。
おわりに
30万円を借りる方法は、融資利率や審査スピードの面からクレジットカード会社のカードローンがおすすめです。ローンの融資利率や審査時間、年齢制限にはカードによって違いがあります。急ぎの場合、融資利率をおさえたい場合などに応じて、自身にあったカードローンを選ぶことが大事です。