土地や建物などの資産を所有している方は、毎年「固定資産税」を支払う必要があります。長期間に渡って支払う税金だからこそ、少しでもお得に支払いたいと考える方も多いでしょう。しかし、固定資産税を口座振替や現金払いで納付する場合、意外なデメリットがあることをご存知でしょうか。
今回は、固定資産税の支払い方法について詳しく解説します。それぞれの方法にメリットとデメリットがあるため、選び方次第で家計の負担を軽減することも可能です。この記事を読むことで、お得に固定資産税を支払う方法がわかります。
固定資産税は、土地や建物などの不動産を所有する方に毎年課される税金です。納付方法には現金払いや口座振替、クレジットカード払い、電子マネー払いなど、さまざまな方法があります。
現金支払いや口座振替には気軽に支払えるメリットがありますが、ポイント還元などの特典を受けられない点がデメリットです。一方、クレジットカード払いや電子マネー払いを利用すれば、ポイント還元などの特典を受けられるため、固定資産税の支払いをよりお得にすることが可能です。この記事を参考に、固定資産税の支払い方法を見直してみてください。

そもそも固定資産税とは

固定資産税とは、土地や建物などを所有している方に課される地方税です。
固定資産税には「原則として年4回に分けて納付する」「納付期限を超えると延滞金が発生する」といった決まりがあります。まずは、固定資産税の概要を押さえておきましょう。
固定資産税は毎年課税される
固定資産税は、所有不動産の課税標準額が一定額以上(土地30万円、家屋20万円、償却資産150万円)の場合、毎年必ず支払わなければならない税金です。固定資産税の金額は、所有する不動産の評価額(固定資産税評価額)に基づいて決定されます。納税義務者は、毎年1月1日時点で不動産を所有している方であり、一般的には4〜6月頃に納付書が送付されますが、自治体によって異なるケースがあります。また、所有不動産が市街化区域に所在する場合は、都市計画税も併せて支払う必要があるため、事前に確認しておきましょう。
固定資産税の標準税率は評価額の1.4%、都市計画税の税率は最高で0.3%ですが、いずれも自治体によって異なる場合があります。固定資産税と都市計画税がそれぞれいくらなのかは、固定資産税の納税通知書に記載されています。
基本は1年に4回の分納
固定資産税は、基本的に年4回に分けて納付します。各期の納付期限は自治体によって異なるため、納付書や各自治体の公式WEBサイトで確認しておきましょう。また、4回の分納だけでなく、一括払いで納付する方法もあります。
ただし、一括払いが可能な自治体は限られており、一括払いにしたからといって割引などのメリットはありません。
納付期限を超えた場合はどうなる?
納付期限を超えると、延滞金を支払わなければいけません。延滞金率は、納期限の翌日から1ヵ月以内は年2.4%、1ヵ月を超えると年8.7%(2025年12月31日までの率)となります。ただし、延滞金が1,000円未満の場合は免除されることがあります。
納付期限を過ぎると、約20日以内に督促状が届きます。それでも納付されない場合、最終的には財産の差し押さえが行われる可能性もあるため、注意が必要です。ただし、病気などのやむを得ない事情で支払いが困難な場合は、自治体の窓口に相談することで、延滞金の減免や支払い猶予が認められることがあります。
納付期限を超えてからの支払い方法は、窓口支払い、クレジットカード支払いなど、各市区町村によって対応が異なるので、お住まいの自治体の役場窓口へ確認すると良いでしょう。
固定資産税の支払い方法別 メリット・デメリット

固定資産税の支払い方法には、口座振替やクレジットカード決済など6つの選択肢があります。それぞれの方法には異なるメリットとデメリットがあるため、自分に合った支払い方法を選ぶことが大切です。
口座振替
口座振替は、一度手続きを行えば、毎年の納付時期に自動的に口座から固定資産税が引き落とされる仕組みです。忙しい方や支払いを忘れがちな方にとって便利な選択肢といえます。
メリット
- 一度手続きすれば、毎年自動で引き落としされるため、支払い忘れのリスクが少ない
- 支払いのたびに手間がかからず、窓口に行く必要がない
- 手数料がかからない自治体が多い(ただし事前に確認したほうが安全)
デメリット
- 口座の残高を常に確認しておく必要がある
- 引き落とし日に残高が不足していると、納付書による別途支払いが必要になる
- 手続き完了までに時間がかかるため、すぐに口座振替を開始することはできない
現金
現金払いは、各市区町村役場の窓口や金融機関、郵便局、コンビニに納付書を持参して直接支払う方法です。特別な手続きが不要で、その場で領収書を受け取れるため、手軽に支払いたい方に向いています。
メリット
- 口座振替やスマホ決済の設定が不要で、納付書を持参するだけで支払える
- 支払い時にその場で領収書を受け取れるため、支払いの確認がしやすい
- 手数料がかからない
デメリット
- ポイント還元や特典が一切受けられない
- 支払い窓口まで行く必要があり、時間と手間がかかる
- まとまった額の現金を用意する必要がある
ペイジー(Pay-easy)
ペイジーマークが付いている納付書であれば、固定資産税のペイジー支払いもできます。
ペイジーは、インターネットバンキングやモバイルバンキングを利用して税金や公共料金を支払えるサービスで、パソコンやスマホから手軽に利用できます。
メリット
- 自宅にいながら、スマホやパソコンを使って簡単に支払える
- ATMでも手軽に支払える
- 手数料がかからない
デメリット
- 対応していない自治体がある
- ポイント還元などの特典が一切ない
- ペイジーの操作に慣れていない方にとっては使いにくい
スマホ決済
納付書のバーコードを読み込むことで、PayPayなどのスマホ決済で固定資産税を支払うこともできます。
スマホ決済なら手数料不要で支払いが可能なうえ、利用する決済サービスに応じたポイント還元も受けられます。ただし、スマホ決済に対応していない自治体がある点や、納付書1枚あたりの支払額には上限がある点には注意が必要です。
メリット
- スマホ1台で、手軽にどこからでも支払える
- 各スマホ決済サービスのポイント還元を受けられる
- 手数料がかからない
デメリット
- 対応していない自治体がある
- 納付書1枚につき300,000円までしか支払えない
- ポイント還元の条件がサービスごとに異なる
クレジットカード
一部の市区町村では、クレジットカードを使って固定資産税を支払えます。クレジットカード払いは、パソコンやスマートフォンからオンライン上で手続きする方法で、時間や場所を問わず、いつでも気軽に支払いが可能です。
また、利用するクレジットカードの種類によってはポイント還元も受けられるため、クレジットカード払いに対応している自治体では、お得な支払い方法です。
ただし、クレジットカード決済で固定資産税を支払う際には、決済手数料を負担する必要があります。手数料の額は自治体によって異なりますが、一般的には10,000円当たり80円前後の負担が必要です。また、クレジットカードの種類によっては税金の支払いでポイント還元を受けられない場合や、還元率が下がる場合があります。
メリット
- いつでもどこでも、インターネット上で支払い可能
- クレジットカードの種類によってはポイント還元が受けられる(事前に確認したほうがよい)
デメリット
- 決済手数料がかかる(10,000円につき約80円)
- 一部の自治体でしか利用できない
電子マネー
WAONやnanacoなどの電子マネーを利用して固定資産税を支払うこともできます。これらの電子マネーにクレジットカードからチャージすることで、ポイントを貯めつつ固定資産税を支払えます。
ただし、電子マネーのチャージ上限金額は50,000円のため、高額な固定資産税を支払う際には不向きです。また、クレジットカード以外の方法でチャージしても、ポイント還元を受けられない点にも注意が必要です。
メリット
- クレジットカードからのチャージでポイントを貯められる
- 決済手数料がかからない
デメリット
- 一般的にチャージ上限は50,000円のため、それ以上の支払いには不向き
- クレジットカード以外の方法でチャージした場合はポイント還元が受けられない
固定資産税をお得に支払うおすすめの方法とは

固定資産税そのものを減額することはできませんが、支払い方法を工夫することで、ポイント還元などの特典を受けることが可能です。現金で支払うよりもお得な方法を活用し、少しでも家計の負担を軽減しましょう。
クレジットカードを使って支払う
固定資産税の支払いで最もポイント還元率が高いのは、クレジットカードを利用する方法です。クレジットカードの種類によってポイントの還元率は異なりますが、他の支払い方法と比べて特典が大きくなる傾向があります。
さらに、クレジットカード会社が実施するキャンペーン期間などを活用すれば、より多くのポイントを獲得することも可能です。手数料を負担する必要はありますが、還元されるポイントが手数料を上回る場合はお得です。事前に手数料とポイント還元率を確認してから利用すると良いでしょう。
クレジットカードから電子マネーへチャージして支払う
クレジットカードと電子マネーを組み合わせる方法もお得な支払い方法です。
クレジットカードで電子マネーにチャージすることで、チャージした金額に応じてポイントが貯まります。その後、電子マネーで固定資産税を支払えば手数料もかからないため、実質的にポイント分だけお得に支払いができます。例えば、WAONやnanacoなどの電子マネーは、クレジットカードでのチャージが可能であり、支払い時の手数料も不要です。
ただし、電子マネーのチャージには上限がある点や、クレジットカード以外の方法でチャージするとポイントが貯まらない点には注意しましょう。
スマホ決済は手数料が不要でポイントも貯められる
スマホ決済を利用することで、固定資産税の支払いでもポイント還元を受けられます。PayPayやLINE Pay、au PAYなど、バーコード決済に対応しているスマホアプリで支払いができます。スマホ決済は手数料が一切かからないうえ、決済するだけでポイントが還元されるため、日常的にスマホ決済サービスを利用している方には特におすすめです。貯めたポイントを固定資産税の支払いにも使えるので、普段からポイントを貯めている方は利用を検討しても良いでしょう。
ポイントが付いてお得なものの…現金以外の支払いでの注意点
クレジットカード支払いやスマホ決済などを利用すれば、ポイント還元を受けてお得に固定資産税を支払えます。しかし、キャッシュレス決済にはいくつかの注意点もあります。
固定資産税の支払い方法を選択する際は、注意点も考慮した上で自分に合った支払い方法を選びましょう。
手数料が必要
クレジットカードで固定資産税を支払う場合、決済手数料が発生します。決済手数料は自治体によって金額が異なるため、公式WEBサイトなどで確認しましょう。
例えば、東京都の場合、10,000円までは37円、以降10,000円ごとに75円が加算(消費税別)されます。
金融機関の窓口などでは使えない
クレジットカード、電子マネー、スマホ決済はオンラインでの手続きのみ対応しているため、金融機関や窓口での支払いの際に利用できません。
例えば、コンビニで「固定資産税をPayPayで支払いたい」と伝えても支払えないので注意しましょう。同様に、自治体の窓口や金融機関の窓口でもキャッシュレス決済で固定資産税を支払うことはできません。
領収書が発行されない

クレジットカードやスマホ決済で固定資産税を支払う場合、領収書は発行されません。そのため、領収書が必要な方は注意が必要です。領収書が不要な場合であれば特に問題はありませんが、車の登録手続きや融資の審査などですぐに税金の支払い証明が必要になる場合があります。
なお、クレジットカードやスマホ決済を利用した場合でも、納税証明書は発行できます。ただし、発行までに1〜2週間程かかる可能性があるため、すぐに証明が必要な際には不向きです。
すべての自治体でキャッシュレス決済ができるわけではない
固定資産税の支払いに対応するキャッシュレス決済の導入自治体は増加傾向にあります。しかし、すべての自治体が対応しているわけではないため、注意が必要です。
お住まいの市区町村の公式WEBサイトなどで、事前に確認しておくことをおすすめします。
固定資産税の支払いにおすすめ!SAISON CARD Digital
固定資産税の支払いには「SAISON CARD Digital」がおすすめです。SAISON CARD Digitalを利用すると、1,000円につき1ポイントの「永久不滅ポイント」が貯まります。固定資産税のような大きな金額の支払いでも、ポイント還元を受けることができ、家計の負担を軽減できます。
さらに、永久不滅ポイントは「ポイントdeお買い物サービス」を利用することで、支払金額に充当することも可能です。そのため、普段の生活で貯めたポイントを固定資産税の支払いに充てられます。
SAISON CARD Digitalは、nanacoカードと連携することでnanacoへのチャージも可能です。nanacoへのチャージでポイントを貯めつつ、決済手数料不要でお得に支払うことができます。固定資産税をお得に支払うなら「クレジットカード+電子マネー支払い」を利用しましょう。
SAISON CARD Digitalは最短5分で手続きが完了するので、お得に固定資産税を支払うために、申し込みを検討してみてはいかがでしょうか。

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おわりに ^
固定資産税を現金支払いや口座振替で支払っている方も多いかもしれません。しかし、クレジットカードや電子マネーを利用することでポイントが貯まるため、現金や口座振替よりもお得に固定資産税を支払えます。
ただし、クレジットカードで支払う際には、ポイント還元率がカード会社によって異なることや、決済手数料が発生することも理解しておきましょう。固定資産税は、一定以上の不動産や土地を所有している限り毎年発生する税金です。少しでも家計の負担を軽減するために、支払い方法を見直してみてはいかがでしょうか。
※本記事は公開時点の情報に基づき作成されています。記事公開後に制度などが変更される場合がありますので、それぞれホームページなどで最新情報をご確認ください。