2025年度も国の大型リフォーム補助金「住宅省エネ2025キャンペーン」として継続しています。この記事では、リフォームを検討している持ち家世帯、マンション所有者、大家さん向けに、最大280万円の補助を受けられる本制度の最新情報から、申請方法、そして損しないための併用術をご紹介します。最後までお読みいただくことで、お得に理想の省エネリフォームを実現し、快適な住まいを手に入れるための道筋が、きっと見えてくるでしょう。
- 住宅省エネ2025キャンペーンは国土交通省・環境省・経済産業省が連携する大型補助金制度で、最大280万円の補助が受けられる
- 4つの補助事業(子育てグリーン住宅支援事業、先進的窓リノベ2025事業、給湯省エネ2025事業、賃貸集合給湯省エネ2025事業)がそれぞれ異なる補助内容を提供している
- 申請は2025年3月31日から開始され、ワンストップ申請により複数の補助金を併用できる仕組みがある
- 登録事業者による代理申請が可能で、申請には必要書類の準備と注意点の把握が重要である


住宅省エネ2025キャンペーンとは?4つの補助事業の概要

住宅省エネ2025キャンペーンは、2024年11月22日以降に着工したリフォーム工事が対象となる国の大型補助金制度です。
2050年のカーボンニュートラル実現に向けた住宅の省エネ化を推進するため、国土交通省、経済産業省、環境省の3省庁が連携し、それぞれの専門分野に応じた以下の4つの補助事業を展開しています。これにより、住宅所有者は複数の補助金を効率的に活用できるよう設計されています。
【住宅省エネ2025キャンペーン 4つの補助事業の概要】
補助事業名 | 担当省庁 | 対象物件 | 申請方法 | 補助対象 | 補助額 |
---|---|---|---|---|---|
先進的窓リノベ2025事業 | 環境省 | 既存住宅(リフォーム) | 「窓リノベ事業者」が申請(一般消費者は直接申請不可)。事業者は統括アカウント取得・事業者登録が必要。 | 高性能な断熱窓・ドアへの改修 | 最大200万円/戸(窓の大きさやグレードにより変動) |
子育てグリーン住宅支援事業 | 国土交通省・環境省 | 新築住宅・既存住宅(リフォーム) | 事業者が申請 | ・新築:高性能省エネ住宅 ・リフォーム:必須工事2種類以上の実施 | ・新築:最大160万円/戸 ・リフォーム:最大60万円/戸 |
給湯省エネ2025事業 | 経済産業省 | 新築・既存住宅 | 「給湯省エネ事業者」が申請 | 高効率給湯器の設置(エコキュート、ハイブリッド、エネファーム) | 最大20万円/台 |
賃貸集合給湯省エネ2025事業 | 経済産業省 | 既存賃貸集合住宅 | 「賃貸集合給湯省エネ事業者」が申請 | 従来型給湯器からエコジョーズ・エコフィールへの交換 | 最大10万円/台 |
国土交通省・環境省・経済産業省が連携する大型補助金制度
2024年度より、日本の家庭の省エネ強化のため、国土交通省、環境省、経済産業省の3省庁が連携し、4つの補助金制度がワンストップで利用できる制度が始まりました。これは、各家庭の省エネリフォーム費用を強力に支援するものです。この連携の最大の特長は、「ワンストップ申請」という仕組みにあります。
従来、複数の補助金を利用する際には、それぞれの省庁や事業ごとに申請手続きを行う必要がありましたが、この制度では、リフォームを行う消費者は、一つの窓口で複数の補助金をまとめて申請できます。これにより、消費者の手続きの負担が大幅に軽減され、より効率的に複数の補助金を活用できるようになりました。
各省庁がそれぞれの専門性を活かしつつ、共通の目標である「家庭の省エネ化」に向けて協調することで、消費者がより手軽に省エネリフォームに取り組める環境が整備されています。これは、個々の消費者の経済的負担を軽減するだけでなく、日本全体のエネルギー効率向上とCO2排出量削減にも大きく貢献する意義深い取り組みといえます。
2025年度の予算規模と2024年度からの変更点
2025年度の住宅省エネキャンペーンは、2024年度に引き続き大規模な予算が確保されています。
窓リノベの予算は昨年同等の1,350億円で、子育てグリーン住宅支援事業へと名称変更した制度も昨年同等の予算2,250億円となっています。給湯省エネ2025事業と賃貸集合給湯省エネ2025事業については、予算上限に達し次第、受付終了となっており、具体的な予算額は公表されていません。
これらのキャンペーンは、2024年度比で若干利用条件が厳しくなっている傾向があります。制度は毎年変更され、打ち切りになる可能性もあるため、定期的にチェックしましょう。予算の消化状況は、「住宅省エネ2025キャンペーン」のサイトで確認することも可能です。ただし、あくまでも予算の消化状況は概算なので、利用を希望するのであれば早めの準備と申請を検討してください。
2024年度 | 2025年度 | |
---|---|---|
内窓の補助額 | 維持 | 縮小 |
窓のグレード | S・A・Bグレード | S・Aグレードのみ(Bグレード廃止) |
窓のサイズ区分 | 極小サイズあり | 極小サイズ廃止 |
最低申請金額 | 2万円 | 5万円に引き上げ |
住宅設備のみの申請 | 子育てエコホーム支援事業で可 | 子育てグリーン住宅支援事業では原則不可(必須工事との併用が要件) |
リフォーム補助金2025の最大補助額は280万円
住宅省エネ2025キャンペーンでは、複数の補助事業を組み合わせることで、最大280万円という高額な補助金を受け取ることが可能です。
併用パターン | 先進的窓リノベ2025 | 子育てグリーン住宅 | 給湯省エネ2025 | 合計補助額 |
---|---|---|---|---|
パターン1:最大額280万円 (全事業フル活用) | 最大200万円 | 最大60万円 | 最大20万円 | 280万円 |
パターン2:窓+子育て (断熱重視) | 最大200万円 | 最大60万円 | – | 260万円 |
パターン3:窓+給湯 (省エネ設備重視) | 最大200万円 | – | 最大20万円 | 220万円 |
パターン4:子育て+給湯(総合リフォーム) | – | 最大60万円 | 最大20万円 | 80万円 |
補助金額は工事内容や選択する製品の性能によって変動します。例えば、高断熱窓の設置とエコキュートの導入、さらに浴室のリフォームを同時に行うことで、上記のように複数の補助金を効率的に活用できます。
【簡易シミュレーション例】
- 内窓設置(大サイズ、Sグレード)4箇所:6.5万円 × 4 = 26万円(先進的窓リノベ)
- 高断熱浴槽・節湯水栓・浴室乾燥機設置:6.1万円(子育てグリーン住宅)
- エコキュート設置(A要件):13万円(給湯省エネ)
- 合計補助額:26万円 + 6.1万円 + 13万円 = 45.1万円
このように、ご自身の検討しているリフォーム内容に合わせて、どの補助金が適用されるか、おおよその補助額はいくらになるか、事前にシミュレーションしてみることをおすすめします。
4つの補助事業別の補助金額と対象工事

住宅省エネ2025キャンペーンは、多岐にわたる省エネリフォームを支援するため、国が主導する4つの補助事業によって構成されています。これらの事業はそれぞれ独自の対象工事と補助金額を設定しており、ご自身のライフスタイルや住宅の状況に合わせて、最適な補助金を見つけることが可能です。補助金申請を成功させるためには、各事業の対象範囲、製品の性能基準、そして複数の補助金を組み合わせる際のルールを正確に理解しておくことが重要です。
また、複数の補助事業を併用する際は注意が必要です。同一の工事に対して、複数の国の補助金を重複して申請することはできません。
例えば、同じ窓の断熱改修で「先進的窓リノベ2025事業」と「子育てグリーン住宅支援事業」の両方から補助を受けることはできません。このような誤りを避けるためにも、各事業の詳細と、最適な組み合わせ方を事前に確認しておきましょう。
子育てグリーン住宅支援事業の補助内容
子育てグリーン住宅支援事業は、世帯を問わずすべての世帯が省エネ性能の高い住宅にリフォームする際に利用できる補助金です。2025年度からは特に、住宅設備のみの単独申請が原則として廃止され、住宅全体の省エネ性能向上に繋がる必須工事との併用が必須となりました。
この事業の最大のポイントは、単独のエコ設備導入だけでなく、住宅全体の省エネ性能向上に繋がる必須工事を組み合わせることで、より高額な補助金が受けられる点にあります。
【子育てグリーン住宅支援事業 補助内容一覧表】
工事区分 | 工事内容の例 | 補助金額の例 | Sタイプ (上限60万円) | Aタイプ (上限40万円) |
---|---|---|---|---|
必須① 開口部の断熱 | 内窓設置、外窓交換 ガラス交換、断熱ドア | 1.1~3.4万円/箇所 0.4~1.4万円/枚 | 3種類すべて必須 | 2種類以上必須 |
必須② 躯体の断熱 | 外壁の断熱(部分・全体)、屋根・天井の断熱、床の断熱 | 3.0~16.9万円/戸 | 3種類すべて必須 | 2種類以上必須 |
必須③ エコ住宅設備 | 太陽熱利用システム、節水型トイレ、高断熱浴槽、高効率給湯器など | 3~6.4万円/戸または0.6~2.3万円/台 | 3種類すべて必須 | 2種類以上必須 |
任意 子育て | ビルトイン食器洗機・自動調理対応コンロ、掃除しやすいレンジフードなど | 1.1~9.1万円/戸または0.3~12.5/箇所 | 必須工事と併せて申請可能 | 必須工事と併せて申請可能 |
任意 防災性向上改善 | 外窓交換など | 1.6~4.1万円/箇所または0.7~1.8万円/マイ | 必須工事と併せて申請可能 | 必須工事と併せて申請可能 |
任意 バリアフリー | 手すり設置、段差解消、廊下幅の拡張など | 0.3~11.3万円/戸 | 必須工事と併せて申請可能 | 必須工事と併せて申請可能 |
任意 空気清浄・換気機能の設置 | 空気清浄機能・換気機能付きエアコンなどの設置 | 2.0~2.7万円/台 | 必須工事と併せて申請可能 | 必須工事と併せて申請可能 |
任意 リフォーム瑕疵保険等への加入 | 国土交通大臣が指定する住宅瑕疵担保責任保険法人が取り扱う保険への加入が対象 | 0.7万円 | 必須工事と併せて申請可能 | 必須工事と併せて申請可能 |
子育てグリーン住宅支援事業を活用した、水回りリフォームの事例を紹介します。
水回りリフォームで使える主な補助対象の一例
場所 | 設備・工事 | 補助金額 | 備考 |
---|---|---|---|
浴室 | 高断熱浴槽+節湯水栓+浴室乾燥機 | 合計6.1万円 | 必須③のエコ設備+任意の浴室乾燥機 |
キッチン | 節湯水栓、食洗機、レンジフード(高効率)、ビルトインコンロ(高効率) | 設備の種類や性能によって異なる | 必須③または任意工事 |
トイレ | 節水型トイレ | 1.9~2.7万円 | 必須③のエコ設備 |
この事業では、必須工事を最低2種類以上実施することが補助金交付の要件となります。例えば、「エコ住宅設備の設置」のみでは補助金を受けられません。「開口部や躯体の断熱」と組み合わせて計画しましょう。
先進的窓リノベ2025事業の補助内容
先進的窓リノベ2025事業は、住宅の窓やドアの断熱性能を大幅に向上させることを目的とした補助金です。窓のサイズや選択する製品の性能(グレード)、施工方法によって補助額が変動するため、ご自身の計画に合わせた具体的な金額を確認しましょう。
【先進的窓リノベ2025事業 補助金額一覧】
■内窓設置の補助金額
窓のサイズ | 補助金額(円/箇所) |
---|---|
小サイズ | 1.2~4.6万 |
中サイズ | 1.8~7.2万 |
大サイズ | 2.6~10.6万 |
■外窓交換の補助金額
窓のサイズ/施工方法 | 補助金額(円/箇所) |
---|---|
最小 | 4.6~11.2万 |
最大 | 9.2~26.6万 |
■ガラス交換の補助金額
ガラスのサイズ | 補助金額(円/枚) |
---|---|
小 | 0.5~1.1万 |
中サイズ | 1.9~.3.4万 |
大サイズ | 3.0~5.5万 |
■断熱ドア交換の補助金額(窓と同時施工の場合のみ対象)
ドアのサイズ | 補助金額(円/個) |
---|---|
小~中 | 4.6~16.3万 |
大サイズ | 9.2~22.0万 |
窓の断熱性能は、「熱貫流率(UWG値)」という指標で評価され、Uw値1.9以下など、一定の基準を満たす高性能な製品が補助対象となります。補助金額は、この熱貫流率に応じて分類され、高性能であるほど補助金額も高くなります。
【注意点:断熱ドア交換の例外ルール】
ドア単独での交換工事は、たとえ高性能な断熱ドアを使用していても補助対象外となるため、注意が必要です。ただし、断熱ドアの交換は、原則として窓の断熱改修と同時に実施し、同一の契約で申請する場合に限り、補助の対象となります。
給湯省エネ2025事業の補助内容
給湯省エネ2025事業は、家庭で使用する給湯器を高効率なものに交換する費用を補助します。エコキュート、ハイブリッド給湯機、エネファームといった高効率給湯器ごとの基本補助額、性能による加算額、そして既存機器の撤去に対する加算について見ていきましょう。
【給湯省エネ2025事業 補助金額一覧】
■高効率給湯器の基本補助額と性能加算
給湯器の種類 | 基本補助額 | 性能加算後の補助額 | 加算要件 |
---|---|---|---|
エコキュート (ヒートポンプ給湯器) | 6万円/台 | 最大7万円/台 | A要件+4万円 B要件+6万円 両方満たすと7万円 |
ハイブリッド給湯機 | 8万円/台 | 最大7万円/台 | A要件+5万円 B要件+5万円 両方満たすと7万円 |
エネファーム (家庭用燃料電池) | 16万円/台 | 4万円/台 | C要件を満たすこと |
■撤去加算(高効率給湯器の導入と併せて実施する場合)
撤去する機器 | 撤去加算額 | 上限台数 |
---|---|---|
蓄熱暖房機 | 8万円/台 | 2台まで |
電気温水器 | 4万円/台 | 補助を受ける台数まで |
■実際の補助金活用例
リフォーム内容 | 補助金の内訳 | 補助金合計 |
---|---|---|
三菱エコキュート設置 (A要件満たす) | 基本補助額6万円+A要件を満たすため+4万円 | 10万円 |
エネファーム設置+電気温水器撤去 | 基本補助額16万円+電気温水器除去+4万円 | 20万円 |
補助対象となる給湯器は、それぞれ定められたエネルギー消費効率などの性能基準を満たす必要があります。導入を検討している給湯器が補助対象となるか、必ず給湯省エネ事業の公式サイトで、メーカーや製品の型番を確認しましょう。公式サイトには、補助対象製品の検索ページが設けられており、導入前に適合製品を確認することも可能です。
賃貸集合給湯省エネ2025事業の補助内容
賃貸集合給湯省エネ2025事業は、賃貸集合住宅のオーナーを対象とした補助金制度です。この事業の目的は、各住戸の給湯器を高効率なものへ交換することで、物件全体の省エネ性能を高め、入居者の光熱費負担を軽減することにあります。個人の住宅所有者向けの給湯省エネ事業とは異なり、賃貸物件に特化した要件が設定されています。
この補助金の主な対象工事は、既存の給湯器を、高効率なガス給湯器である「エコジョーズ」や高効率な石油給湯器である「エコフィール」へ取り替えるものです。具体的には、追焚機能のない給湯器への交換には1台あたり5万円、追焚機能のある給湯器への交換には1台あたり7万円の補助金(基本額)が交付されます。
さらに、高効率給湯器への交換に伴い、ドレン排水の設置など特定の追加工事を行った場合は、1台あたり3万円が加算され、給湯器の基本補助額と合わせて合計で8万円から10万円の補助が受けられます。
リフォーム補助金2025の申請方法と受付期間

住宅省エネ2025キャンペーンの補助金申請は、基本的に工事を依頼する「登録事業者(施工業者)」が行います。施主(依頼者)は、事業者との連携がスムーズな補助金活用に繋がります。ここでは、申請の基本的な流れから、受付期間、複数の補助金を併用する方法、そして申請時の注意点までを詳しく解説します。
手順 | 時期 | 登録事業者(施工業者)の役割 | 施主(依頼者)の役割 |
---|---|---|---|
1. 事前準備 | 着工前 | ・住宅省エネ2025キャンペーンへの事業者登録 ・補助対象製品の確認 ・見積書の作成 | ・登録事業者の確認 ・2025年補助金利用の意思表示 ・見積内容の確認 |
2. 契約締結 | 着工前 | ・工事請負契約の締結 | ・契約内容の確認と締結 |
3. 着工・施工 | 2024年11月22日以降 | ・補助対象工事の実施 | ・工事の進捗確認 |
4. 工事完了 | 申請前 | ・工事完了後の写真撮影 ・補助金申請に必要な書類の準備 | ・工事完了の確認 |
5. 補助金申請 | 2025年3月31日~12月31日 | ・オンラインでの補助金申請手続き | ・必要書類の提供(本人確認書類など) |
6. 交付決定 | 申請後 | ・交付決定通知の受領 | ・補助金受領口座の確認 |
【重要】予算枠上限で予定よりも早く補助金が打ち切りになるリスクあり!
これらの補助金制度は予算に限りがあるため、予算上限に達し次第、期間内であっても早期に終了する可能性があります。リフォームを検討している場合は、早めに登録事業者と相談し、計画を進めることをおすすめします。
2025年3月31日から申請開始!いつから・いつまで申請可能?
2025年度の住宅省エネキャンペーンは、2025年3月31日から申請受付が開始されています。また、原則として、2024年11月22日以降に着工したリフォーム工事が対象となります。
各補助事業の申請スケジュールは以下の通りです。
【各補助事業の申請スケジュール】
補助事業名 | 着工日 | 申請予約(任意) | 本申請期間 | ワンストップ申請 |
---|---|---|---|---|
子育てグリーン住宅支援事業 | 2024年11月22日以降 | 2025年3月31日~2025年11月14日まで | 2025年3月31日~2025年12月31日まで(予算上限に達し次第終了) | 2025年4月28日~ |
先進的窓リノベ2025事業 | 2024年11月22日以降 | 2025年3月31日~2025年11月14日まで | 2025年3月31日~2025年12月31日まで(予算上限に達し次第終了) | 2025年4月28日~ |
給湯省エネ2025事業 | 2024年11月22日以降 | 2025年3月31日~2025年11月14日まで | 2025年3月31日~2025年12月31日まで(予算上限に達し次第終了) | 2025年4月28日~ |
賃貸集合給湯省エネ2025事業 | 2024年11月22日以降 | 2025年3月31日~2025年11月14日まで | 2025年3月31日~2025年12月31日まで(予算上限に達し次第終了) | 2025年4月28日~ |
申請予約制度は、工事期間中の予算確保を目的とした任意の制度です。2025年3月31日から11月14日まで受け付けており、予約により一定期間補助金が確保されます。
工事契約締結後であれば着工前でも予約可能で、特に工期の長いリフォームや予算枯渇リスクを避けたい場合に有効です。ただし、予約だけでは補助金は確定せず、期間内に必ず交付申請を行い、審査を通過する必要があります。過去の制度では予算が早期枯渇した事例もあるため、安心してリフォームを進めたい方におすすめの制度です。
また、ワンストップ申請は2025年4月28日から開始され、複数の補助事業を一度の手続きで申請できる制度です。通常申請が3月31日開始なので、約1ヶ月遅れてスタートします。
通常申請では各制度に個別申請し、補助額の最適化も手動で行う必要があります。一方、ワンストップ申請では複数制度を同時申請でき、システムが自動的に最も有利な補助額となるよう振り分けてくれます。
ワンストップ申請で複数の補助金を併用する方法
住宅省エネ2025キャンペーンの大きな特徴は、複数の補助事業をワンストップで申請できる点です。
これにより、最も有利な補助額となるようシステムが自動的に補助金を振り分けてくれるため、申請手続きの手間を大幅に削減できます。ここでは、各補助事業の組み合わせパターンと、補助金を最大限に活用するための注意点について詳しく見ていきましょう。
【併用可能な組み合わせパターン】
併用パターン | 組み合わせ内容 | 最大補助額 | 活用例 |
---|---|---|---|
3事業併用 | 窓リノベ+子育てグリーン+給湯省エネ | 最大280万円 | 窓の断熱改修+外壁断熱+エコキュート設置 |
2事業併用① | 窓リノベ+子育てグリーン | 最大260万円 | 窓の断熱改修+浴室リフォーム |
2事業併用② | 窓リノベ+給湯省エネ | 最大220万円 | 窓の断熱改修+高効率給湯器設置 |
2事業併用③ | 子育てグリーン+給湯省エネ | 最大80万円 | 浴室・トイレリフォーム+高効率給湯器設置 |
2事業併用④ | 子育てグリーン+賃貸集合給湯省エネ | 最大67万円 | 賃貸住宅の給湯器交換+水回りリフォーム |
異なる補助金制度であっても、同じ工事に対して二重に補助金を受け取ることはできません。同一工事が重複したときの、正しい申請方法の一例を紹介します。
重複申請不可パターン(同一工事の重複)
工事内容 | 申請不可の組み合わせ | 理由 | 正しい申請方法 |
---|---|---|---|
同じ窓の改修 | 窓リノベ × 子育てグリーン | 同一箇所の重複申請 | より補助額の高い窓リノベで申請 |
1台の給湯器 | 給湯省エネ × 子育てグリーン | 同一箇所の重複申請 | 給湯省エネで申請 |
同じドアの交換 | 窓リノベ × 子育てグリーン | 同一箇所の重複申請 | 窓リノベで申請 |
登録事業者による代理申請の流れ
住宅省エネ2025キャンペーンの補助金申請は、リフォーム工事を発注する施主(依頼者)が直接行うのではなく、工事を行う登録事業者が代理で行う仕組みです。そのため、補助金活用を前提としてリフォームを計画する際は、必ず住宅省エネ2025キャンペーンに登録している施工業者を選ぶ必要があります。
【登録事業者の探し方】
検索方法 | 手順・ポイント | |
---|---|---|
公式サイトで検索 | 住宅省エネ2025キャンペーン公式サイトの「登録事業者検索」から地域・工事内容で検索 | ・対応可能な補助事業 ・施工実績 ・所在地 |
複数社に問い合わせ | 複数のリフォーム会社に、補助金利用の意向を伝えて相談し、補助金制度への理解度や対応実績を確認する | ・補助金申請の実績 ・提案内容と見積もりが明確か ・担当者の知識レベルや説明の丁寧さ |
比較検討のポイント | 補助金申請手続きに慣れているか、施主への説明が丁寧で分かりやすいか、信頼できる実績があるか | ・メリットばかりでなくデメリットも教えてくれるか ・実績や口コミ、評判 |
代理申請における役割分担
段階 | 登録事業者(施工業者)の役割 | 施主の役割 | 必要な協力事項 |
---|---|---|---|
1.事前相談 | ・補助対象工事の提案 ・補助金額の試算 ・スケジュール説明 | ・希望工事の伝達 ・予算の相談 ・質問事項の確認 | 施主:要望を明確に伝える 業者:分かりやすく説明 |
2.契約準備 | ・工事請負契約書の作成 | ・契約内容の確認と署名・捺印 | 双方:内容に齟齬がないか確認 |
3.書類準備 | ・工事証明書の発行 ・補助対象製品の型番・性能証明書(メーカー発行) ・その他、申請に必要な工事関連書類の収集 | ・本人確認書類の準備 ・住民票の写しなど、登録事業者から依頼された個人情報の提供 | 施主:速やかに必要書類を提出 |
4.申請手続き | ・オンラインシステムでの入力 ・必要書類のアップロード ・申請内容の施主への確認依頼 | ・申請内容の最終確認と同意 | 施主:内容確認後、同意を示す |
5.補助金受領 | ・補助金の受領(施主へ還元) | ・補助金入金口座の確認 | 施主:入金確認、業者:適正な還元 |
このように、登録事業者が申請のほとんどの手続きを進めてくれますが、施主は必要な情報の提供や書類の確認・準備をスムーズに行うことで、補助金受領までの期間を短縮することができます。
必要書類と申請時の注意点
補助金申請をスムーズに進めるためには、必要な書類を事前に把握し、漏れなく準備することが大切です。主な必要書類は以下の通りです。これらの書類の中には、住宅省エネ2025キャンペーンの公式サイトから、ダウンロードできる様式が用意されている場合があります。
- 工事請負契約書の写し: リフォーム工事の内容や費用が明記された契約書
- 工事証明書: 登録事業者が発行する、補助対象工事が適切に実施されたことを証明する書類
- 補助対象製品の型番・性能が確認できる書類: メーカーの仕様書、カタログ、性能証明書など
- リフォーム箇所の施工前・施工後の写真: 補助対象工事の実施を証明するための書類
- 本人確認書類: 施主の運転免許証やマイナンバーカードなどの写し
- 住民票の写し: 提出を求められる場合があります
補助金を申請する際、補助金額の合計が5万円以上でないと申請できません。小規模なリフォームでは対象外になる可能性があるため注意が必要です。
また、補助金は工事が完了した後に申請する「事後申請」が基本です。工事を完了する前の申請はできませんので、工事が完了し、必要な写真撮影や書類がすべて揃った時点で申請手続きを行ってください。
申請期間は各事業とも2025年3月31日から始まり、遅くとも2025年12月31日には終了しますが、予算上限に達し次第、期間内であっても早期に受付が締め切られます。特に年度末に近づくにつれて申請が集中し、予算切れのリスクが高まるため、工事完了から申請までのスケジュールには余裕を持たせ、迅速な手続きを心がけるようにしましょう。
都道府県・市区町村の補助金との併用方法

リフォーム補助金には、国が実施する「住宅省エネ2025キャンペーン」の他に、各都道府県や市区町村が独自に設けている制度があります。これらの地方自治体の補助金は、国の補助金とは財源が異なるため、原則として併用が可能な場合があります。
これにより、さらに多くの補助金を受け取れるチャンスが生まれますが、併用の可否や条件は自治体によって異なるため、事前に確認が必要です。
【併用可否の基本ルール】
併用パターン | 可否 |
---|---|
国の補助金 × 都道府県の補助金 | ○ 併用可 |
国の補助金 × 市区町村の補助金 | ○ 併用可 |
都道府県 × 市区町村の補助金 | △自治体により異なる |
国の補助金同士(同一工事への重複申請) | ×不可 |
【注意点】併用時の補助金額の調整(控除)
地方自治体の補助金と国の補助金を併用する場合、地方自治体によっては、国の補助金で賄われた金額を控除(差し引く)して補助金を算出する場合があります。例えば、「国の補助金を差し引いた残りの工事費用に対して〇%補助」といった形で算出されることがあります。事前に必ず各自治体の要綱を確認し、合計でいくらの補助が受けられるか確認しましょう。
地方自治体の補助金情報は、インターネットや直接窓口で調べることができます。申請タイミングも国の補助金とは異なる場合があるため、計画的に情報収集を進めることが重要です。
【自治体補助金の調べ方】
調査方法 | 具体的な手順 | メリット・注意点 |
---|---|---|
自治体公式サイト | ①「○○県(市) リフォーム補助金」で検索 ②住宅課・環境課等のページを確認 ③補助金一覧や申請要項をダウンロード | ・最新情報が確実 ・詳細な要件を確認可能 ・更新が遅い場合あり |
自治体窓口へ直接問合せ | 居住地の自治体窓口(住宅課、環境課など)に直接電話または訪問して相談する | ・個別のケースに合わせた相談が可能 ・情報が確実 |
リフォーム業者経由 | 登録事業者であるリフォーム会社に、地方自治体の補助金についても相談する | ・専門知識を持つ業者が調べてくれる ・情報が偏る可能性も |
一括検索サイト | リフォーム補助金情報を提供するポータルサイトで、地域別に検索する | ・手軽に情報収集が可能 ・情報が古い場合がある |
【国と自治体の申請タイミング比較】
項目 | 国の補助金 (住宅省エネ2025) | 地方自治体の補助金 | 併用時の注意点 |
---|---|---|---|
申請時期 | 工事完了後 (事後申請) | 事前申請が必要な場合が多い | 自治体補助金は、着工前に申請が必要なケースが多いため、国の補助金との申請順序を慎重に確認する |
申請期間 | 2025年3月31日~12月31日 | 各自治体で異なる | 自治体補助金は期間が短い場合や、予算が少ない場合があるため、早めの申請が必須 |
交付決定 | 申請後に交付決定 | 申請後に交付決定 | 交付決定時期がずれる場合があるため、資金計画に含める際は注意 |
予算枠 | 大規模予算 (各事業1,000億円超) | 小規模~中規模予算 | 予算上限に達し次第終了するため、早めの申請が特に重要 |
東京都・埼玉県・千葉県・神奈川県の独自補助金
国の補助金制度に加えて、お住まいの地域である都道府県が独自に設けているリフォーム補助金も活用できる場合があります。ここでは、東京都、埼玉県、千葉県、神奈川県の主要なリフォーム補助金について、その概要と特徴をご紹介します。
【都道府県別のリフォーム補助金の例】
東京都 | 埼玉県 | 千葉県 | 神奈川県 | |
---|---|---|---|---|
制度名 | 東京都既存住宅省エネ診断・設計等支援事業 | 家庭における省エネ・再エネ活用設備導入補助金 | 再生可能エネルギー等設備の導入補助金(戸建て・集合住宅) | 神奈川県既存住宅省エネ改修事業費補助金 |
対象者 | 都内の既存住宅所有者 | 県内在住の個人 | 県内在住の個人、法人 | 県内在住の個人、法人 |
対象事業 | 省エネ診断、設計、改修工事(断熱改修、高効率設備導入など) | 太陽光発電、蓄電池、エコキュート、V2H、ZEH等 | 太陽光発電、蓄電池、ZEH、燃料電池等 | 断熱改修、高効率給湯器、高効率エアコンなど |
補助金額 | 上限300万円(診断・設計:上限20万円、改修:上限280万円) | 設備の種類による(例:太陽光10万円/kW、蓄電池60万円) | 設備の種類による(例:太陽光10万円、蓄電池10万円) | 上限50万円(省エネ改修費の1/3以内) |
申請期間 | 通年(予算なくなり次第終了) | 毎年4月~3月(予算なくなり次第終了) | 毎年4月~3月(予算なくなり次第終了) | 毎年4月~3月(予算なくなり次第終了) |
申請方法 | 事前申請必須、登録事業者経由 | 事前申請必須、郵送または電子申請 | 事前申請必須、郵送または電子申請 | 事前申請必須、郵送または電子申請 |
各都県の補助金制度は、多くの場合、事前申請が必須となっています。国の補助金が工事完了後の申請であるのに対し、地方自治体では着工前の申請が必要となるケースが多いため、申請時期の違いに特に注意が必要です。必ず着工前に、両方の補助金の申請要件とタイミングを確認しましょう。
横浜市・さいたま市・神戸市など政令指定都市の補助制度
政令指定都市においても、独自の住宅リフォーム補助制度が数多く実施されています。これらの制度は、地域特有のニーズや環境施策に基づいており、国の補助金と併用することで、さらに手厚い支援を受けられる可能性があります。
- 横浜市:「横浜市既存住宅省エネ改修補助事業」など、省エネ性能向上に特化した補助金があります。断熱改修や高効率設備の導入などが対象となることが多いです。
- さいたま市:「さいたま市住宅省エネ改修補助金」など、省エネ性能の高い住宅への改修を促進しています。
- 神戸市:「神戸市既存建築物省エネ改修補助金」など、省エネ化やバリアフリー化を支援する制度があります。
これらの制度は、国の補助金との併用が可能な場合が多いですが、申請窓口や手続き方法、補助対象、補助金額などが異なります。市区町村レベルの補助金は、都道府県の補助金とも併用できる場合がありますが、自治体によって併用不可のルールが設けられていることもあるため、必ず各市の担当部署(住宅課、環境課など)に直接問い合わせて確認しましょう。
マンションリフォームで使える地方自治体の補助金
マンションのリフォームにおいても、地方自治体の補助金を利用できる場合がありますが、一戸建てとは異なり、専有部分と共用部分の区別を理解しておくことが重要です。
【専有部と共用部の定義と範囲】
区分 | 定義 | 具体的な場所・設備 | リフォーム申請 |
---|---|---|---|
専有部分 | 居住者が単独で所有する部分 | 居室、キッチン、浴室、トイレ、室内壁、窓の室内側、個別の給湯器、インターホンなど | 居住者が単独で申請可能(管理組合の同意不要な場合が多い) |
共用部分 | 居住者全体で共有する部分 | エントランス、廊下、階段、エレベーター、屋上、外壁、窓のサッシ(外側)、共用給排水管など | 管理組合の決議が必要、管理組合が申請主体となる |
マンションリフォームで補助金を使う場合、専有部分の改修(内窓設置や高効率給湯器への交換など)には、国の補助金や各自治体の専有部分向け補助金が使えることがあります。しかし、外壁の断熱改修や共用給排水管の交換といった共用部分の改修は、管理組合の決議が必要で、補助金も管理組合が申請主体となる制度に限られます。
マンションリフォーム特有の注意点として、まず管理規約の確認は必須です。リフォーム内容が規約に違反しないか、特に窓のサッシ交換や外壁に関わる工事は制限設けられている場合があるので、必ずチェックしましょう。また、窓や給湯器の交換など、外観に影響したり共用部分に接続したりする工事は、事前に管理組合への相談と同意が必要になることがあるため、補助金申請の前に、これらのプロセスも計画に入れておきましょう。
加えて、自治体の補助金は専有部分のみが対象か、共用部分も含まれるかなど、補助対象範囲が異なるため、事前に確認しておくことが大切です。
セゾンのリフォームローンで補助金活用をさらにお得に

リフォーム費用は高額になりがちで、補助金を活用しても自己資金だけではまかなえないケースもあるでしょう。そんな時に検討したいのがリフォームローンです。補助金とローンを併用すれば、資金計画にゆとりが生まれ、希望のリフォームを実現しやすくなります。
例えば、総額300万円のリフォームで200万円の補助金が受け取れる場合、残りの100万円をローンでまかなうといった柔軟な計画が立てられます。
セゾンのリフォームローンは、スピーディーな審査により計画をスムーズに進められます。高額なリフォームにも対応できる借入限度額が設定されており、来店不要、担保や保証人も不要でWEB上から申し込みが可能です。
補助金は工事完了後に支給されるため、入金までに数ヶ月かかることがありますが、ローンの返済は、一般的に融資実行後すぐに始まるため、補助金入金までは自己資金で一時的に対応しなければいけません。自己資金が少なくて補助金を活用したリフォームを迷っているかたでも、リフォームローンを利用すれば前倒しでリフォームをする後押しになるかもしれません。
リフォームローンについて詳しく知りたい場合は、セゾンのリフォームローン公式サイトをご覧ください。


おわりに
国の大型補助金と地方自治体の制度を賢く組み合わせ、さらにはリフォームローンの活用も検討することで、費用負担を抑えながらお得に理想の省エネリフォームを実現できる可能性があります。
まずは、ご自身の検討しているリフォームがどの補助金の対象になるのか、そしてどれくらいの補助額が見込めるのかを確認することから始めましょう。
信頼できる登録事業者と相談したうえで、最適なプランで賢く補助金を活用し、快適な住まいを手に入れてください。
【リフォーム補助金2025活用 最初にやるべきことチェックリスト】
フェーズ | チェック項目 | 確認内容 |
---|---|---|
【STEP1】情報収集・確認 | 希望するリフォーム内容を整理 | □ 窓・断熱 □ 水回り □ 給湯器 □ その他 |
対象となる補助事業を確認 | □ 窓リノベ □ 子育てグリーン □ 給湯省エネ □ 賃貸集合 | |
最大補助額と条件を把握 | □ 各事業の上限額確認 □ 併用可能な組み合わせ確認 | |
地方自治体の補助金を調査 | □ 都道府県の制度 □ 市区町村の制度 □ 併用可否 | |
【STEP2】準備・計画 | 登録事業者を探す | □ 公式サイトで検索 □ 複数社に問い合わせ □ 実績確認 |
概算見積もりを取得 | □ 3社以上から取得 □ 補助金適用額を明記 □ 工期確認 | |
資金計画を立てる | □ 自己資金の確認 □ ローン必要額の試算 □ 支払時期確認 | |
【STEP3】実行準備 | 必要書類をリストアップ | □ 本人確認書類 □ 住民票 □ その他自治体指定書類 |
申請スケジュールを確認 | □ 着工予定日 □ 完工予定 □ 申請期限 | |
自治体補助金の事前申請 | □ 申請時期の確認 □ 必要に応じて先行申請 □ 交付決定待ち |
※本記事は公開時点の情報に基づき作成されています。記事公開後に制度などが変更される場合がありますので、それぞれホームページなどで最新情報をご確認ください。