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月100円から始められる!初心者も安心して続けられる積立投資の魅力

月100円から始められる!初心者も安心して続けられる積立投資の魅力
【監修者】頼藤 太希 (株式会社Money&You 代表取締役 マネーコンサルタント)

監修者

株式会社Money&You 代表取締役 マネーコンサルタント

頼藤 太希

中央大学商学部客員講師。早稲田大学オープンカレッジ講師。慶應義塾大学経済学部卒業後、外資系生命保険会社にて資産運用リスク管理業務に従事。 2015年に(株)Money&Youを創業し、現職へ。女性向けWebメディア『FP Cafe』や『Mocha(モカ)』を運営すると同時に、資産運用・税金・Fintech・キャッシュレスなどに関する執筆・監修、書籍、講演などを通して日本人のマネーリテラシー向上に注力している。 『定年後ずっと困らないお金の話』(大和書房)、『マンガと図解 はじめての資産運用』(宝島社)、『はじめてのNISA&iDeCo』(成美堂出版)など著書累計120万部超。 日本証券アナリスト協会検定会員。宅地建物取引士。ファイナンシャルプランナー(AFP)。日本アクチュアリー会研究会員。

「投資はお金に余裕がある人がやるもの」と思っていませんか? 積立投資ならまとまった資金がなくても、金融機関によっては月100円からスタートできるので、「まずは一歩踏み出してみたい」という方におすすめです。本記事では、積立投資の魅力、初心者でも安心して続けられる理由、そして制度の活用方法まで、わかりやすく解説していきます。

まとまった資金がなくても、積立投資は始められる

まとまった資金がなくても、積立投資は始められる

「投資」と聞くと、50万円や100万円など、ある程度大きな金額をイメージする方もいるでしょう。しかし、「積立投資」は、毎月一定の金額を継続して投資する方法で、金融機関によっては月々100円といった少額から始めることができるため、家計に合わせて気軽にスタートできます。

例えば「将来旅行に行くための資産づくりに向けて運用にもチャレンジしてみたい」と考えている方も、毎月無理のない範囲でコツコツ積立投資をすれば、資産形成を着実に進めることができます。

積立投資で選ぶ商品は、自分で選択できます。選ぶ際に重要なのは、自分の「リスク許容度」に合ったものを選ぶこと。投資は相場変動によって利益を得るだけでなく、損失が生じることもあります。リスク許容度とは、価格変動による損失に対して「どの程度許容できるか」という度合いを示します。

リスクを抑えて積立投資をする代表的な選択肢としては、「インデックス型投資信託」が挙げられます。投資信託とは、多くの投資家から集めた資金をまとめて、運用のプロが株式などの資産に分散投資する仕組みを取った金融商品です。

なかでもインデックス型投資信託は、日経平均株価やS&P500といった株式市場の動きを示す指数に連動するように運用されるため、ニュースで値動きが確認しやすく、個別企業の分析なしでも長期的な成長が期待できます。

投資信託には「信託報酬」という、運用会社などに支払う手数料がかかります。この信託報酬はできるだけ低い商品を選ぶことが大切です。
例えば、ベンチマークが同じインデックス型投資信託を長期間運用するとして、信託報酬が0.66%と0.0575%の商品を比較した場合、コスト差の影響によって、10年後、20年後の資産額に大きな差が出る可能性があります。
しかし、最近は信託報酬だけでなく、その他の手数料を含めた「実質コスト」をしっかりと確認し、比較検討することが重要になってきています。

ドルコスト平均法」で価格変動リスクを抑える

「ドルコスト平均法」で価格変動リスクを抑える

積立投資の大きなメリットのひとつに、「ドルコスト平均法」の効果が期待できる点が挙げられます。

ドルコスト平均法とは、毎月一定金額で同じ商品を買い続けることで、価格が高いときには自動的に購入量が少なくなり、価格が安いときには購入量が多くなるため、平均購入価格が平準化される(ならされて安定しやすくなる)、という投資方法です。

積立投資の仕組みを利用すれば、意図せずともこのドルコスト平均法の実践につながります。その結果、長期間で見ると価格変動による影響を受けにくくなります。

例えば、もし相場が大きく下落したとしても、自動的により多くの口数を購入できるため、そのあとの相場回復時には、値上がり益を得やすくなります

[図表]ドルコスト平均法(イメージ)

[図表]ドルコスト平均法(イメージ)

「ドルコスト平均法」の効果として、相場が一度下落したあとに、購入時の値段まで完全に回復しなくても利益が出る可能性があります。これは、安いときに自動的に多く購入できて、平均購入価格が抑えられるためです。

積立投資は「仕組み化」で続けやすく、将来の安心につながる

積立投資は「仕組み化」で続けやすく、将来の安心につながる

積立投資は、設定さえ済めば、あとは自動で引き落とし・購入が行われます。この「仕組み化」が、継続の最大のポイントです。仕組み化によって、忙しい方でも「ほったらかし」で投資を継続することができます。

機械的に積立投資を続けられるため、短期的な相場の動向に感情を左右されることなく、精神的な負担を減らすことができるのも大きなメリットです

「今、相場が上がっているからもっと買おうか」「下がってきたから売ってしまおうか」といった迷いに振り回されることなく、時間をかけてじっくりと資産形成を進めることができます。

[図表]毎月10,000円、30,000円、50,000円を年利4%で20年間積み立てた場合のシミュレーション
(イメージ)

[図表]毎月10,000円、30,000円、50,000円を年利4%で20年間積み立てた場合のシミュレーション

(イメージ)

上記グラフのように将来の資産がどれくらいになるのか、積立シミュレーションで試算してみるのも良いでしょう。例えば、毎月10,000円、30,000円、50,000円を年利4%で20年間積み立てた場合、それぞれ将来どれくらいの資産になるのかを知ることが、目標設定の参考になります。
ただし、実際には相場は常に上下しますので、グラフのように直線的に増えることはありません。ましてや確実に増えることを保証するものでもありません。その点を留意しながらシミュレーション結果はチェックするようにしましょう。

※年金を運用しているGPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)の資産別期待リターンをもとに試算

制度を活用すれば非課税で積立投資ができる

制度を活用すれば非課税で積立投資ができる

積立投資を始めるなら、NISA(少額投資非課税制度)を活用するのがおすすめです。NISAを利用すれば、投資によって得た利益に税金がかからず、非課税で運用することができます。年齢制限もないため、60代や70代の方でも活用可能です。

NISAの対象商品は、金融庁が定めた基準を満たした手数料の低い投資信託が中心です。

老後資金が目的なら、iDeCoも有効です。掛金が全額所得控除となり節税に役立ちますが、原則60歳まで引き出せず、加入年齢に制限があります。

どちらの制度を利用するか迷う場合は、まずは非課税期間に制限がなく、年齢上限もなく、比較的自由に資金を引き出しやすいNISAから始めるのがベターです

投資できる金額や投資期間に余裕があるのであれば、併用するのも手です。年収が高く、所得税率が20%以上の方は、所得控除による節税効果を活かせます。

繰上償還の危険性がないかは定期的に確認しましょう。繰上償還とは、運用が予定より早く終了し資金が戻されることを指し、損失がある場合は回復のチャンスを失うこともあります。
損失を抱えているタイミングで繰上償還となると、回復を待つことができず、資産を増やす機会を失ってしまう場合もあります。
繰上償還を防ぐためには、運用実績が安定したファンドを選ぶ、資金流出の状況や「純資産総額」(50億円以上が目安)をチェックすることが有効です。定期確認が難しい場合は、資産規模の大きいファンドを選ぶと安心です。

おわりに

積立投資は、少額から手軽に始められ、初心者でも続けやすい資産形成の方法です。非課税制度(NISA・iDeCo)を活用し、自分にあった商品選びを心がければ、リスクを抑えつつ効率的に運用することも可能です。

積立投資が気になった方は、証券口座を開設してみましょう。スマホやパソコンから簡単に申し込めます。口座ができたら、手数料の低いインデックス型投資信託を選んで、少額からでもよいので、ぜひ積み立てを始めてみてください。

将来の安心のために、できることから少しずつ行動していきましょう。

※本記事は公開時点の情報に基づき作成されています。記事公開後に制度などが変更される場合がありますので、それぞれホームページなどで最新情報をご確認ください。

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