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市場規模が拡大中!暗号資産投資で気を付けるべきことは?

市場規模が拡大中!暗号資産投資で気を付けるべきことは?
田代 昌之 (金融文筆家)

監修者

金融文筆家

田代 昌之

1979年生まれ、北海道出身。
中央大学文学部史学科日本史学科卒業。
新光証券(現みずほ証券)やシティバンクなどを経て、金融情報会社に入社。アナリスト業務やコンプライアンス業務、暗号資産交換業者や証券会社の経営に従事した後、2024年フリーに。
酒と古地図と歴史をこよなく愛しており、ラジオNIKKEIでパーソナリティを務めている。
保有資格:証券外務員一種、暗号資産等関連デリバティブ外務員、内部管理責任者、IFTA国際検定テクニカルアナリスト3次資格(MFTA®)、マネロン対策実務二級、衛生管理者一種

2025年に再び米国大統領に就任したトランプ大統領が、暗号資産を支援したことで注目が高まった暗号資産。時期によっては市場価格が大きく上昇することもあり、暗号資産投資に関心を持った方も多いでしょう。

しかし、株式などの投資とは異なる性質を持つため、注意するべき点が少なくありません。まずは、暗号資産の基礎と最新動向を把握しておきましょう。

財産的価値を持つ電子データ「暗号資産」

財産的価値を持つ電子データ「暗号資産」

暗号資産とは、ネット上で取引される財産的価値を持つ電子データのことです。所有権を所有者から他者へと移転させることが可能で、現実の通貨との交換や代金の決済手段として利用できます。

電子マネーもお金として使える電子データですが、電子マネーは円やドルなどの法定通貨を基準とする一方で、暗号資産は法定通貨のように流通を管理する中央銀行のような存在を持たない点が相違点です。

暗号資産と一口に言っても、さまざまな種類があります。

「ビットコイン」や「イーサリアム」が代表的ですが、世界初の暗号資産であるビットコインが誕生した2009年1月以降、その種類は増加し続けており、現在では世界に3,700万種類以上の暗号資産が存在するといわれています。

暗号資産を入手するためには、購入するほかに「マイニング」という方法もあります。マイニングとは、暗号資産の取引データが正しいかを検算する作業のことで、正確かつ速く検算できた事業者に報酬として暗号資産が与えられます。

初期は個人がマイニングを行っていましたが、2015年ごろから法人がビジネスとして参入し始めました。

暗号資産の種類によって、発行枚数に上限を設けている資産と、発行上限がない資産があります。発行上限があるものは需給をコントロールする目的で、「半減期」と呼ばれるマイニングで得られる報酬が半分になる時期が設定されている種類もあります。

財産的価値を持つ電子データ「暗号資産」
[図解]ビットコインと通貨の違い

20代から30代の男性が暗号資産取引を実践しているメインの年代です。

株式投資のように、企業の業績や最新の経済動向などを調べる必要がないため、ゲーム感覚でエントリーしやすい点が若い世代に受け入れられているのだと考えられます

ほとんどの方は投資目的で所有しているので、決済に利用するケースは稀だと思われます。

ただし、2025年10月からは、暗号資産の一種である「ステーブルコイン」が日本で発行が開始されました。今回のステーブルコインは発行元が日本の国債を保有しており、それを担保にしているため、日本円との交換が可能です。

今後、新しい決済方法として、利用の拡大が進んでいくと考えられています。

最高値を更新!暗号資産市場が過熱する背景

最高値を更新!暗号資産市場が過熱する背景

暗号資産の代表格であるビットコインは、2025年8月に米ドル建てで1BTC(ビットコイン)=約12万ドル、円建てでは1BTC=約1,800万円となり、いずれも過去最高値となりました。

2010年5月に歴史上初めて暗号資産による取引が成立した際は、ピザ2枚と10,000BTCとの交換が成立しており、当時は1BTC=0.2円程度であったといわれています。これを踏まえると、いかにわずか10年余りで大きく上昇したかがわかります。

暗号資産の時価総額は「暗号資産の発行量 × 市場価格」で表されます。暗号資産1枚当たりの価格が値上がりしたり、発行枚数が増えたりすることで、市場規模は拡大していきます。2025年10月時点で暗号資産全体の時価総額は4兆900億ドルに達しました。

最も人気の高いビットコインは、暗号資産全体の時価総額の半分以上を占めています

最高値を更新!暗号資産市場が過熱する背景
[図解]ビットコインの価格推移

米国では2024年にビットコインの値動きに連動する現物ETFが販売開始されており、これまでセキュリティ上の懸念などを理由にコインを直接保有することをためらっていた投資家が一気に参入しました。このような背景が、価格上昇の要因として挙げられます。

2017年頃の暗号資産市場において、日本は強い影響力を持っており、日本円での取引が全世界の50%を超えていました

残念ながら2018年に大手の暗号資産交換所のハッキング事件があり、それをきっかけに投資家保護という名目での規制強化が進み、日本国内の市場はみるみる縮小しました。現在はおそらく全世界の1%にも満たない割合になっています。

暗号資産の危険な3つのリスクと対処法

暗号資産の危険な3つのリスクと対処法

暗号資産に対して「リスクが大きい」というイメージを持たれている方は少なくないでしょう。実際にどのようなリスクがあるのかを見ていきましょう。

①価格変動が大きい

ビットコインは短期間で大きな上昇と下落を繰り返しながら推移しており、株式投資よりもリスクが大きい傾向にあります

そのため、暗号資産への投資を危険視する専門家も多く、投資をするのであっても、金額は少額に留めるのが基本です。

また、暗号資産投資で損失が出た際に、焦って取り返そうとして暗号資産に再投資することで、損失がさらに拡大する危険性もあるので注意しましょう。

初心者でリスクコントロールがよくわからない方が暗号資産投資を始めるのであれば、0円になってもご自身のライフプランに影響のない金額でスタートしましょう。

また、日本国内では元手資金の2倍までレバレッジをかけて取引できますが、リスクが大きくなるため、初心者はレバレッジ取引を控えてください。

②セキュリティ

暗号資産取引は、専門の交換所サービスを通じて行われます。しかし、ハッカーによる攻撃被害を受けて、これまで日本の暗号資産交換所から合計で1,000億円以上(時価)もの暗号資産が盗まれていることから、安全面の懸念は完全には払拭できません。

交換所を利用するためのパスワード漏洩なども起こり得るので、二段認証などセキュリティを徹底している交換所を選びましょう。

暗号資産の保管方法はインターネット接続がある「ホットウォレット」と、接続のない「コールドウォレット」の2つに分類されます。「ウォレット」とは暗号資産を保管するためのデジタルの財布のことです。

インターネット接続がないコールドウォレットはハッカーが手を出せないため、ホットウォレットよりもセキュリティ性が高くなります

二段階認証であっても、パソコンにパスワードを保存していると認証情報を窃取されてしまう可能性があるので注意しましょう。最も有効なハッキング対策はオフラインで管理することです。

暗号資産交換所で保管せずに、ご自身のウォレットに移して、ウォレットの中で管理すればハッキングはされません。その代わり、自己責任となりますのでウォレットの管理は気をつけましょう。

暗号資産交換所を選ぶ際は、金融庁に登録されているほか、万が一ハッキングなどの被害に遭ったときに損害額を補償できるだけの資金力がある企業か、担保能力にも着目すべきです。

③詐欺

インターネット上で、暗号資産への投資を勧誘する詐欺が横行しているので、安易に勧誘に応じないように注意が必要です。

素性を知らない相手から投資へ勧誘されても、すべて断るくらい用心していいでしょう。

SNSやマッチングアプリでの投資勧誘詐欺などがよくあるケースなので注意が必要です。

暗号資産は膨大な種類があり、調べても日本語が使われていないページしか出てこないケースが多く、情報収集が困難です。詐欺を働く側にとっては、その点も都合がいいため、犯罪に利用されやすいとも考えられます。

リターンが出たときの税金の扱いと、制度改正の動き

リターンが出たときの税金の扱いと、制度改正の動き

暗号資産で得られる利益は雑所得とみなされます。

20万円を超える利益が出た場合は、確定申告が必要です

現行制度では、暗号資産の利益は総合課税の対象となり、給与所得、事業所得と合算して計算されます。収入が多い富裕層の方の場合は、暗号資産投資で得た利益に課税される税率が最大55%に達するケースもあります。

現在、2026年度の税制改正で暗号資産の課税制度が見直され、ほかの所得と合算されない分離課税制度に移行すると予想する声が多く出されています。

もし分離課税が導入されると、これまで税率の高さを理由に暗号資産投資を避けてきた富裕層が市場に参入し、投資人口が増えると考えられます。

おわりに

市場が拡大している暗号資産ですが、多くのリスクを含むため、投資する場合には慎重になることが大切です。

これから始める方はリスク対策を徹底して、金融庁に登録されている取引所を選んだうえで、まずは少額から始めるよう心がけましょう。

※本記事は公開時点の情報に基づき作成されています。記事公開後に制度などが変更される場合がありますので、それぞれホームページなどで最新情報をご確認ください。

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