不動産担保ローンは多数ありますが「絶対借りれる」といい切れる商品はないでしょう。「絶対借りれる」と謳っている場合は、どうして、そう言い切れるのかの根拠をしっかりと確認しましょう。このコラムでは、不動産担保ローンの特徴や審査通過のポイントなどを解説します。
二番抵当でも借りたい方は『事業資金が足りない|二番抵当でも追加融資が借りれる不動産担保ローンとは?』を参考ください。
絶対借りれる不動産担保ローンはない
結論として、絶対借りれる不動産担保ローンはありません。金融機関によって審査基準は異なりますが、不動産担保ローンを借りる際は審査に通る必要があるため、「絶対借りれる」とはいえないでしょう。
反対に「絶対借りれる」と謳っている場合は、本当にそうなのか、その根拠をしっかりと確認しましょう。
不動産担保ローンの特徴
絶対借りれる不動産担保ローンはありませんが、金融機関によって審査基準は異なるため、申し込む金融機関を変更するだけでも、審査通過の可能性は変わってきます。銀行などの金融機関に比べ、審査基準が緩和されている不動産担保ローンとして、以下の2つが挙げられます。
- 金利が高めの不動産担保ローン
- ノンバンクの不動産担保ローン
2-1.金利が高めの不動産担保ローン
不動産を担保にしていることから、そもそも不動産担保ローンは無担保のローンに比べて申込者の属性ではなく担保となる不動産の価値に審査のポイントをおいている金融機関が多いです。その中でも、審査基準を緩和する代わりにリスクヘッジとして金利を高く設定している不動産担保ローンもあります。
金利を低めに設定している金融機関では審査に通過できない場合でも、金利を高めに設定している金融機関に申し込むと通過できるかもしれません。なお、金利が高いということは、金利が低い場合に比べ返済額が大きくなりやすい点に注意が必要です。
2-2.ノンバンクの不動産担保ローン
ノンバンクが提供する不動産担保ローンは、銀行に比べて審査が緩和されている傾向があります。ノンバンクとは銀行以外の金融機関のことで、与信業務(お金を貸すことなど)に特化しているのが特徴です。
ノンバンクの審査においても、一般的に申込者の返済能力よりも担保不動産の価値が重視されます。そのため、借入希望金額に対して担保不動産の価値が見合う場合は、審査の通過も期待できるでしょう。
また、住宅ローンの返済中でも申し込めたり、抵当権の順位を不問にしていたりと、対象とする不動産の制限が緩和されているケースも多いです。ただし、ノンバンクの商品を利用する場合は、銀行に比べて金利が高くなりやすい点に注意しましょう。
不動産担保ローンの審査基準を知っておこう
不動産担保ローンを利用したい場合は、審査で見られるポイントを知っておくことが重要です。不動産担保ローンの一般的な審査基準を以下にまとめました。
- 申込者の属性
- 他社の借り入れの状況
- 個人信用情報
- 返済負担率
- 担保価値
不動産担保ローンの審査では、さまざまな点から「問題なく返済できるかどうか」をチェックされます。個人の場合は年齢や収入、勤続年数など、法人の場合は経営状況や将来性などが審査のポイントです。
これらの要素に加え返済負担率なども考慮され、借入希望額と返済負担のバランスが取れているかどうかが審査されます。返済負担率とは、収入に対して返済額が占める割合を表したものです。また、他の金融機関からの借入状況や返済実績なども審査時に確認されます。
返済能力以外では、担保にする不動産に価値があるかどうかも重視されるポイントです。金融機関が融資可能額を決める際は、不動産にどれくらいの価値があるのかを目安にしています。そのため、不動産の評価額が高くなるほど、借入可能額も高くなる傾向があります。
不動産担保ローンの審査に通過できない原因とは?
不動産担保ローンを利用したくても、審査を通過できずに借り入れができないケースは少なくありません。審査に通過できない原因として、以下の3つが考えられます。
- 書類の不備や虚偽の申告があった
- 担保価格や信用情報に問題がある
- 固定資産税の未納・滞納がある
不動産担保ローンの審査に通過するためには、審査の妨げとなりうる要素を解消することが重要です。審査の通過が難しくなる原因を理解し、通過するための対策を講じましょう。
4-1.書類の不備や虚偽の申告があった
不動産担保ローンの審査を申し込む際は、さまざまな書類を提出しなければいけません。提出書類が不足していたり、記入内容に誤りがあったりすると、審査に通過できない可能性があります。書類を準備する際は、不足や誤りがないかをよく確認し、不備のない状態で提出することを心掛けましょう。
また、虚偽の内容を申告して嘘が発覚すると、審査に通過できなくなります。審査に通過したい気持ちが強くても、申告内容を偽ることは控えましょう。
4-2.担保価格や信用情報に問題がある
借入希望額に対して不動産の担保価格が低い場合は、審査の通過が困難です。不動産の担保価格を決める要素はさまざまですが、売却が難しいと判断されると評価が低くなる傾向があります。また、審査は他の借入状況や過去の返済履歴なども考慮のうえ実施されます。その他の原因として、収入や勤続年数なども考えられます。
4-3.固定資産税の未納・滞納がある
審査に通過できない場合にありがちな理由として、担保不動産にかかる固定資産税の未納・滞納が挙げられます。住宅や土地を所有する際は、固定資産税を支払わなければいけません。
不動産担保ローンの申込者が返済不能に陥ると、金融機関は担保不動産を売却して貸付金の回収を図ります。しかし、担保不動産の固定資産税が支払われていない場合は、売却価格から未納分の税金や延滞税が差し引かれ、金融機関の取り分が少なくなります。
金融機関にとっては貸付金を回収できないリスクが高まるため、固定資産税を未納・滞納している場合はローンの利用を認められないことが多いです。
不動産担保ローンの審査に関するよくある疑問
不動産担保ローンを検討する場合、以下のような疑問が生じる方もいるでしょう。
- 不動産担保ローンの審査に通過するためのポイントは?
- 不動産担保ローンの審査に通過できない場合の対処法は?
- 二番抵当でも借りられる不動産担保ローンはある?
審査に通過する可能性を上げるためには、疑問点を解消したうえで審査に臨むことが大切です。ここでは、不動産担保ローンの審査に関するよくある疑問について解説します。
5-1.不動産担保ローンの審査に通過するためのポイントは?
審査を申し込む際は、以下のポイントをチェックするのがおすすめです。
- 担保不動産の場所が金融機関の対象エリアかどうかを確認する
- 不備がないことを確認してから書類を提出する
- 担保不動産の価値や住宅ローン残高、申込者の信用情報に問題がないかを確認する
前提として、担保不動産の場所が金融機関の対象エリア外の場合、不動産担保ローンは利用できません。金融機関ごとに対象エリアは異なるため、公式サイトや窓口などで確認しておきましょう。
上述のとおり、提出書類に不備がある場合は審査の通過が難しくなります。内容に問題がないかどうかを確認してから提出しましょう。担保不動産の価値は審査に大きく影響するポイントです。
築年数が経過すると価値が目減りしやすいため、築古の不動産を担保にしたい場合は注意が必要です。なお、建築基準法を満たさない物件は、そもそも担保として評価されないケースが少なくありません。
住宅ローンが残っている物件も担保にできる可能性がありますが、その場合はローン残高と借入希望額の合計が不動産の担保価格を下回っている必要があるでしょう。また、審査では申込者の信用情報も重視されやすいため、過去に滞納などの問題がないかも確認しておきましょう。
5-2.不動産担保ローンの審査に通過できない場合の対処法は?
審査の通過が難しい場合は、以下の対処法を検討するのがおすすめです。
- 担保にする不動産を変更して申し込む
- 他の金融機関の不動産担保ローンを利用する
- 不動産担保ローン以外の資金調達方法を考える
不動産を複数所有している場合は、担保にする不動産を変えることで審査に通過できる可能性があります。また、審査基準は金融機関ごとに異なるため、他の金融機関に申し込むことも検討してみましょう。
どうしても審査を通過できない場合は、他の方法で資金調達するのも選択肢のひとつです。公的な制度融資や不動産の売却など、資金調達の方法は不動産担保ローン以外にも多数あります。
5-3.二番抵当でも借りられる不動産担保ローンはある?
ノンバンクの不動産担保ローンは二番抵当でも借りられるケースが多いです。二番抵当とは、1つの不動産に対して2つの抵当権が設定されている状態です。二番抵当で融資を申し込むと、一番抵当のローンを継続しながら他の融資を受けられます。
二番抵当でも借りられる不動産担保ローンをお探しなら、「セゾンファンデックスの事業者向け不動産担保ローン」がおすすめです。審査の際に抵当権の順位が問われないため、二番抵当でも融資を受けられる可能性があります。
また、独自の審査基準を設けているため、他の金融機関では審査に通過できない方でも利用できる場合があります。不動産担保ローンの審査に不安がある方や、二番抵当で融資を申し込みたい方は、セゾンファンデックスの事業者向け不動産担保ローンの利用を検討してみましょう。
また、個人向けには、「セゾンファンデックスのフリーローン(不動産担保)」という商品も用意しています。あわせて参考にしてください。