亡くなった故人をしのぶ冠婚葬祭の中で特別とされる新盆。しかし、新盆をどのように迎えたら良いか分からない方も多いのではないでしょうか。
新盆には、一般のお盆と違う要素が様々あります。その中でも多くの人が悩むのが、お布施に関するマナーです。お布施はいくら包むべきなのか、封筒には何を書くべきなのか、僧侶への渡し方はどうすれば良いのかなど、気になる方も多いでしょう。
そこでこのコラムでは、多くの人が抱える新盆の悩みについて解説します。実際に新盆にお布施を渡す前に、マナーを把握しておきましょう。
1.新盆について
故人が亡くなってから最初に迎えるお盆のことを新盆といいます。ただし、一口に新盆といっても、呼び方や書き方は地域によって違い、新盆を迎えるにあたって行う準備もあります。
ここでは、初盆の概要や新盆を迎えるにあたって事前に行っておくことなどを詳しく解説しますので、ぜひ参考にしてみてください。
1-1.新盆の意味
新盆は、四十九日を過ぎて最初に迎えるお盆のことです。関東では7月、沖縄は7月から9月、その他の地域では8月であることが多いです。
また、「新盆」の読み方は、しんぼん、にいぼん、あらぼん、などがあり地域によって異なります。さらに、西日本と関東では書き方が異なり、関東では「新盆」というのに対し西日本では「初盆」 といいます。
・8月13日
お盆の初日は、8月13日が一般的ですが、東京、神奈川などの関東地方では7月13日です。この日は、先祖の霊を自宅に招くために迎え火を焚きます。盆棚の準備ができたらお墓参りをして、お墓を綺麗に掃除するのが通例です。
夕方になったら土鍋や皿の上で「おがら」を焚いて迎え火を起こし、白提灯に火を灯します。なお、おがらとは皮をむいた麻の茎のことです。
・8月14.15日
故人の親族や生前に親しかった人を招いてお墓参りをしたら、僧侶と共に法要をし、その後に会食します。僧侶が帰る時には、お布施を渡してください。
なお、盆棚のお供え物と水は毎日交換することを忘れてはいけません。
・8月16日
先祖の霊を見送るために送り火を焚きます。ゆっくりかえっていただくため、夕方に行うことが多いのですが、地域によって異なる場合があります。同時に「精霊流し」や「灯籠流し」をする地域もあります。
1-2.新盆を迎える際に必要な準備
新盆は故人の霊が初めて帰ってくるイベントなので、より一層もてなさなければなりません。そのため、一般のお盆とは違い様々な準備が必要となります。
まず必要なのが、白提灯です。白提灯は火を灯して軒先に吊るすことで、霊が迷わず帰ってくるための目印となります。
亡くなった故人を華やかに迎えるために、「盆棚」も必要です。経机や小机の上に敷物を敷いた盆棚の中央にお位牌を置いて、お供物や精霊馬も設置します。精霊馬とは、ナスやキュウリで作った馬に似せた人形であり、ご先祖様がこれに乗って帰ってくるという考え方が由来です。盆棚の左右に盆提灯を飾ることも忘れないようにしてください。
また、精進料理、そうめん、故人が好きだった食べ物、季節の果物や野菜もお供えしましょう。
2.新盆の際の服装について
お盆といえば喪服を着るイメージが強いかもしれませんが、新盆に相応しい服装は平服です。地域や宗教によって異なる場合もありますが、平服を着るのが一般的となっています。
その理由は新盆は故人の霊をお迎えする嬉しいイベントと考えられているからです。平服といっても私服で良いわけではありません。
ここでは、新盆に何を着るべきなのか詳しく解説します。
2-1.男性の服装
男性の場合、グレー、紺、ネイビーの無地スーツを着用します。夏服用の喪服でも構いません。ワイシャツは白で、半袖でも可能です。ネクタイは控えめな色と柄を選んでください。靴下は黒で、靴は黒の革靴です。貴金属はマナー違反なので、腕時計、ネクタイピン、靴の金具などには注意しなければなりません。
2-2.女性の服装
女性はグレーや黒の無地のワンピースです。半袖のブラウスとスカートでも構いませんが、色は控えめが好まれます。肌の露出が多い場合は、襟の詰まったジャケットの着用も必要です。素足は厳禁なのでストッキングの着用も必要ですが、肌色か黒色のストッキングにしましょう。パンプスは光沢のない黒を、アクセサリーはグレーか白のパールを選び、イヤリング、ピアス、ネックレスなどを着用します。
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3.新盆のお布施について
お布施はお盆にはつきものです。しかし、お布施についてあまり詳しくないという方も少なくありません。さらに、注意が必要なのは、新盆で支払うお布施は通常とは少し違う点です。
ここでは、お布施の由来やその意味を解説します。渡し方などのルールについてもご紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
3-1.お布施の由来
お布施は日本特有のものと思っている方も多いですが、元々の由来はインドから来ているといわれています。
インドのお坊さんが説法をしていたところ、ある家の人が「ありがたいお話をいただきましたが、うちは貧乏なのでこのような布しか差し上げられません」と言い、汚れた布を差し出したそうです。お坊さんはその布を使って、継ぎの袈裟を作ったとされています。
これがお布施の起源です。僧侶の袈裟をよく見ると、パッチワークのようにいくつかの布で作られていることが分かります。
3-2.僧侶へのお礼
お布施とは、僧侶に支払うお礼のお金のことです。読経したり戒名を名付けてくれた僧侶に謝礼として渡します。あくまでも「お気持ち」なので、決まった額があるわけではありません。
3-3.お布施の包み方
お布施は無地の白い封筒で包みます。コンビニやスーパーで市販されているもので構いません。表書きに「御布施」と書いても良いですが、無地でも良いです。裏には、名前と住所を記載してください。
お布施は小さなお盆などに乗せて渡しましょうね。手渡しはマナー違反です。
4.新盆に渡すお布施の相場や気を付けること
僧侶へのお礼として渡すお布施ですが、相場は宗派によって異なります。しかし「どの宗派か分からない」「そもそもどのように渡して良いか分からない」という方も多いのではないでしょうか。
ここからは、新盆で宗派の確認方法やその宗派のお布施の相場、さらに新盆に必要な準備や気を付けるべきことについて解説します。
4-1.新盆に渡すお布施の相場
新盆の場合は3~5万円包みます。通常のお盆のお布施に比べると1万円ほど多い傾向です。またお布施の他に5,000円〜1万円のお車代と5,000円〜2万円の御膳料も包んで渡します。このようにお布施は現金が必要なので、急なの用意が難しい方も少なくありません。
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・宗派によって異なる
お布施の金額は宗派によって異なる場合もあります。例えば、真言宗のお布施は3〜5万円が相場となっており、浄土真宗は3万円前後を包むことが多いとされています。曹洞宗、天台宗、臨済宗の場合は、1万円程度が相場。僧侶の読経や法要に対するお礼として考えられています。
浄土宗、日蓮宗では、お布施は仏様に捧げるものと考えられており、1~3万円が相場です。
4-2.新盆に渡すお布施の表書き
封筒の表面には何も書かなくて構いませんが、書く場合は「御布施」と書き、その下に施主名を書きます。裏面には氏名と住所を記載してください。
お布施に包んだ金額を記載しても構いません。記載する際は、薄墨ではなく黒墨を使いましょう。
4-3.気を付けるべき注意点
葬儀で包むお布施は旧札を使います。これは、急な訃報で新札を用意できなかった意味を表しているからです。しかし新盆の場合は別で、新札を使わなくてはなりません。
お布施に包むお札の枚数にも気を付けなければなりません。4枚と9枚は避けてください。「4=死」「9=苦」をイメージさせるため相応しくありません。
初盆の前にお墓を掃除しておくことも忘れないでください。初盆は、法要後に参列者とお墓参りします。一週間ほど前から掃除して、当日までに綺麗にしておきましょう。
おわりに
今回は、新盆について詳しく解説しました。準備するもの、お布施、マナーなど様々な概要がお分かりいただけたのではないでしょうか。地域や宗教によっても違いがあるため、事前の確認が必要です。
故人を四十九日後初めて迎える新盆。特別な日だからこそ入念に準備することが大切です。これまで新盆のお布施やマナーなどについて知らなかった方は、これを機に勉強してみてはいかがでしょうか。
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