銀行に融資を申し込んだものの断られてしまった方や、金利や返済期間などの諸条件が合わなかった方におすすめなのが個人向けの不動産担保ローンです。不動産担保ローンは無担保ローンと比べて、低金利かつ長期間の借り入れができる特徴があります。
このコラムでは個人におすすめの不動産担保ローンやその審査のポイントなどをご紹介していくため、読了後は借入(金)や返済期間をもとにご自身に合った不動産担保ローンを選べるようになるでしょう。
- 不動産担保ローンとは、土地や建物などの不動産を担保にして資金を借りる金融商品。
- 金融機関によって不動産担保ローンの審査項目や評価方法は異なる。
- 主に「収入」「不動産の価値」「個人信用情報の記録」を重視。
- 不動産担保ローンは低金利かつ長期間で借りられる点が特徴。
- 融資までに時間がかかる点、繰り上げ返済時に手数料が発生することが多い点に注意が必要。
- 銀行、ろうきん、ノンバンクなど複数の選択肢があり、条件面を踏まえ適したものを選ぶ。
個人向け不動産担保ローンのおすすめ3選
では早速おすすめの個人向け不動産担保ローンを3つご紹介します。ノンバンク、銀行、ろうきんから1つずつ紹介するので、ご自身に合った不動産担保ローンを選んでみましょう。
セゾンファンデックス「フリーローン(不動産担保)」
セゾンファンデックスのフリーローン(不動産担保)は、抵当権の順位を問わないため、現在ローンを組んでいる不動産であっても担保にできます。商品の概要は以下のとおりです。
対応エリア | 全国 |
融資金額 | 100万円〜3,000万円 |
融資利率 | 6.8〜9.9%(固定金利) |
返済期間 | 5年〜15年(60回〜180回) |
保証人 | 原則不要 |
担保(抵当権設定) | ・ご本人、ご親族が所有する不動産 ・ご本人とご親族が共同で所有する不動産 ※抵当権の順位は問いません。 ※対象となる不動産には、マンション・店舗・賃貸アパート・セカンドハウス・駐車場などが含まれます。 |
最短3営業日で審査結果が分かります。WEBから簡単に申し込めるため、ぜひご活用ください。
住信SBIネット銀行「不動産担保ローン」
住信SBIネット銀行の不動産担保ローンは最大35年のローンが組めます。金利も2.95%からあり、不動産担保ローンのなかでも低金利です。融資金額は最大1億円であるため、資金力のある銀行ならではの融資といえるでしょう。商品の概要は以下のとおりです。
対応エリア | 全国 |
融資金額 | 300万円〜1億円 |
融資利率 | 2.95%〜8.9%(変動金利) |
返済期間 | 最長35年 |
保証人 | 原則不要(保証会社を利用) |
担保(抵当権設定) | ご本人が所有する不動産 |
中央労働金庫「有担保フリーローン(不動産担保型)」
中央労働金庫の有担保フリーローン(不動産担保型)では、最長35年のローンが組めます。融資金額は最高1億円であるため、個人での融資であれば十分な金額でしょう。また、変動金利と固定金利を組み合わせたお得な借り入れ方法も選択可能。商品の概要は以下のとおりです。
対応エリア | 関東1都7県(茨城・栃木・群馬・埼玉・千葉・東京・神奈川・山梨) |
融資金額 | 最高1億円 |
融資利率 | 標準金利:2.475%(変動金利) |
返済期間 | 最長35年※ただし、最終返済時は満76歳未満 |
保証人 | 原則不要(保証協会を利用) |
担保(抵当権設定) | ・ご本人、ご親族が所有する不動産 ・ご本人とご親族が共同で所有する不動産 ※第一順位の抵当権を設定 ※共有物件の場合は、共有者の持分も担保として提供 |
そもそも不動産担保ローンとは?
不動産担保ローンとは、土地や建物などの不動産を担保にして資金を借りる金融商品です。
担保とは、返済不能になった場合に備えて、資金の貸し手(債権者)の損失を保証すること。つまり、万が一ローン返済が不能となった場合は、担保に入れている不動産を手放すことになります。
不動産担保ローンの借入可能額は不動産の価値や債務者の返済能力によって異なりますが、10億円などまとまった資金を融資している金融機関もあります。
都心の土地や築年数の浅いビルなど、経済的価値が高い不動産を担保にすると借入可能額が増加すると考えましょう。しかし、金融機関によって不動産の評価方法は異なるため、同じ不動産でも異なる融資額となる可能性があります。
不動産担保ローンの審査は甘い?実際にみられている評価のポイント
金融機関によって不動産担保ローンの審査項目や評価方法は異なりますが、主に以下の3つのポイントを重視しています。
- 収入
- 不動産の価値
- 個人信用情報の記録
それぞれについてご紹介しましょう。
収入
金融機関は毎月問題なくローンを返済してもらえるように、収入面を重視しています。
しかし、収入が高ければ審査で高い評価を得られるわけではありません。勤め先や勤続年数なども含めて審査されます。そのため、一般的には経営者や自営業者よりも、大企業の社員や公務員の方が借りやすい傾向にあります。
なお、自宅以外の不動産を担保とする不動産担保ローンは総量規制の対象外であるため、借入額に注意しましょう。総量規制とは、個人に対して年収の1/3を超える融資をしてはならないという規制です。
例えば、年収500万円の方が自宅を担保にして不動産担保ローンを組む場合、総量規制が適用され、他の借入も含めて借入総額は約166万円以下に制限されます。
一方、同じ年収500万円の方が自身の賃貸アパートを担保にする場合は、総量規制の対象外となります。そのため、年収の1/3という制限を超えて、より大きな金額(例えば1,000万円)のローンを組むことが可能です。
しかし、不動産担保ローンは総量規制の対象外となる場合があり、気をつけなければ返済能力を超える借入額になってしまう恐れがあるのです。家計を圧迫しないためにも長期的な返済計画を立てて、無理のない範囲でローンを組みましょう。
不動産の価値
金融機関は返済が滞った際に担保不動産を売却して資金を回収するため、不動産の担保価値が融資額に直結します。
不動産の担保価値は市場価格(物件価格)をもとに評価しますが、具体的な計算式は以下のとおりです。
担保掛目とは、金融機関ごとに設定している割合であり、一般的に60%〜80%に設定されています。しかし、具体的な計算方法は開示してもらえないことも多いため、少し余裕を持って50%〜70%程度で見積もっておくのがおすすめです。
個人信用情報の記録
個人信用情報とは、クレジットカードや各種ローンの取引を記録した情報で、内閣総理大臣が指定する信用情報機関が保管しています。各金融機関で共有されており、クレジットカードの発行時やローン契約時など、顧客の信用度を測る際に用いられるのが個人信用情報です。
過去にクレジットカードやローンの滞納があると、その情報が記録されているため、新規の審査にとおりにくくなると考えましょう。
なお、個人信用情報の登録期間は基本的に5年です。過去に滞納した方でも、完済から5年を経過すると記録が削除されます。
不動産担保ローンのメリット
ローンにはさまざまな種類がありますが、不動産担保ローンならではのメリットは以下のとおりです。
- 低金利で借りられる
- 借入限度額が高い
- 資金の使い道が自由
- 長期間の利用が可能
- 家族所有の不動産も担保にできる
- 保証人が不要
それぞれについてご紹介しましょう。
低金利で借りられる
不動産担保ローンは住宅ローンより金利が高いものの、無担保ローンと比べると低金利で借りられます。その理由は、資金を貸し出す金融機関側のリスクが低いためです。金融機関は万が一債務者が返済不能となった場合、担保となる不動産を売却して資金を回収できます。
一方、無担保ローンは資金を回収できないリスクが高いため、金融機関も金利を高く設定せざるを得ないのです。実際に、銀行の場合は不動産担保ローンの最高金利を10%以下に設定しているケースが多いです。
しかし、なかには金利の高い不動産担保ローンを提供している金融機関もあります。そのような金融機関は審査基準がやや甘い可能性があり、リスクを負ってでもより多くの方に貸し出すスタイルを取っていると考えられるでしょう。
借入限度額が高い
無担保ローンには総量規制による借入限度額がありますが、不動産担保ローンは総量規制の対象外であるため、借入限度額が高い傾向にあります。また、安定資産である不動産を担保にするため、金融機関としても積極的な融資が可能です。
ただし、自宅を担保にする場合は総量規制の対象となる点に注意しましょう。賃貸用不動産などを所有している方は、総量規制にかかわらずまとまった額のローンを組めます。複数のローンを借り換えして不動産担保ローン1本にまとめるといった方法もあるため、必要に応じて有効活用しましょう。
なお、実際にいくら借りられるのかは金融機関によって判断が異なるため、審査を依頼するのがおすすめです。
資金の使い道が自由
住宅ローンやカーローンなどの目的別ローンは、資金の使い道が定められているため、他の用途には利用できません。一方で、不動産担保ローンの多くは資金の使い道が自由です。
不動産担保ローンであれば、住宅の購入資金やリフォーム資金、教育資金、生活費など、さまざまな用途に利用できます。銀行などでは一部用途に制限があるタイプの不動産担保ローンもあるため、借りる際は要件を確認しましょう。
長期間の利用が可能
不動産担保ローンは無担保ローンと比べると長期間の利用が可能です。一般的なカードローンの場合、返済期間を最長10年にしているケースが多いですが、不動産担保ローンでは25〜35年の期間で利用できます。
返済期間が長ければ毎月の返済金額を抑えられるため、無理のない返済プランを立てられるでしょう。ただし、期間が長くなるほど総返済額が大きくなる点には注意が必要です。
家族所有の不動産も担保にできる
不動産担保ローンで担保の対象になるのは、自己所有の不動産だけではありません。親や兄弟など、三親等以内の家族・親族が所有する不動産を担保にできるのが一般的です。ご自身で不動産を所有していない場合は、家族名義の不動産を担保にすることを検討してみましょう。
なお、家族所有の不動産を担保にする場合は、家族の署名捺印などが必要になるため、事前に相談しておく必要があります。
保証人が不要
不動産担保ローンでは、保証人を不要としている金融機関が多いです。ただし、本人名義以外の不動産を担保に入れる場合は、その限りではありません。
家族や親族名義の不動産を担保にする場合は、名義人を連帯保証人にすることを求められる場合もあります。連帯保証人になると万が一の際は責任を負わなければならないため、断られる可能性もあるでしょう。ノンバンクの不動産担保ローンは連帯保証人が不要であるケースが多いため、幅広く検討するのがおすすめです。
不動産担保ローンの注意点
不動産担保ローンのメリットについてご紹介しましたが、一方で以下のような注意点もあります。
- 諸費用がかかる
- 融資を受けるまでに時間がかかる
- 繰り上げ返済をする際に手数料が発生することが多い
- 不動産を失う可能性も
それぞれについてご紹介しましょう。
諸費用がかかる
不動産担保ローンを組む際は、不動産担保ローンならではの費用がかかります。
- 不動産の調査費用
- (根)抵当権設定費用
- 火災保険の掛け金(未加入の場合)
不動産の調査費用とは、不動産の担保価値を算出するためにかかる費用です。資料の取得費用や現地までの交通費、各種事務手数料など、さまざまな費用がかかります。
抵当権設定費用とは、不動産に抵当権を設定する際にかかる司法書士費用や登録免許税などの費用。融資金額が高くなるほど、抵当権設定費用も高くなるのが一般的です。
また、担保に入れる不動産が火災保険未加入の場合は、新たに火災保険に加入する必要があります。
融資を受けるまでに時間がかかる
不動産担保ローンでは、個人の審査の他に不動産の評価もしなければならないため、融資を受けるまでに時間がかかるケースが多いです。
なかには即日融資可能な金融機関もありますが、無担保ローンのようにすぐに審査が完了するわけではありません。不動産担保ローンを組みたい方は、融資が必要になる日に間に合うようになるべく早く金融機関へ相談するのがおすすめです。
繰り上げ返済をする際に手数料が発生することが多い
不動産担保ローンでは、繰り上げ返済時に手数料が発生する商品がほとんどです。繰り上げ返済をすると返済期間が短くなるため、総返済額が抑えられます。しかし、繰り上げ返済で手数料がかかる場合は、どの程度お得になるのかを考えてから実施しなければなりません。
繰り上げ返済の回数によっては、減る利息よりも支払う手数料が上回る恐れがあるためです。また、一括返済は途中解約扱いとなり違約金が発生することもあります。契約前に繰り上げ返済の条件を確認しておきましょう。
不動産を失う可能性も
不動産を担保としてお金を借りる以上、万が一返済できなくなった際は不動産を手放すことになります。自宅を担保にしている場合は自宅を失ってしまうため、そのような事態にならないためにも計画的な借り入れを行いましょう。また、団体信用生命保険など、病気やケガで働けなくなった際の保障が付いているローンを選ぶのもおすすめの方法です。
税金面での注意点
不動産担保ローンを組む際には、税金面でも考慮すべき点があります。以下に主な注意点を挙げます。
利息の所得控除
事業用途の不動産担保ローンの場合
- 支払利息は経費として計上できるため、課税所得を減らすことができます。
- ただし、私的利用部分がある場合は、その割合に応じて経費計上できる金額が制限されます。
住宅ローンとしての不動産担保ローンの場合
- 一定の条件を満たせば、住宅ローン控除(住宅借入金等特別控除)の対象となる可能性があります。
- 控除期間や控除額には上限があるため、詳細は最新の税制をご確認ください。
抵当権設定費用の扱い
- 抵当権設定費用は、原則として借入金額の返済期間にわたって均等に償却します。
- 事業用の場合は経費として計上でき、個人で住宅取得の場合は住宅借入金等特別控除の対象となる場合があります。
不動産取得税への影響
- 不動産担保ローンそのものは不動産取得税の対象ではありませんが、このローンで不動産を取得する場合は取得価格に応じた不動産取得税が課税されます。
- 住宅の場合、一定の条件を満たせば課税標準の特例措置があります。
固定資産税への影響
- 不動産担保ローンを組むこと自体は固定資産税に直接影響しませんが、ローンで取得または改修した不動産の評価額が上がれば、結果として固定資産税が増加する可能性があります。
贈与税の注意点
- 親族の不動産を担保に使う場合、返済を滞らせて担保不動産を処分されると、贈与とみなされる可能性があります。
- この場合、贈与税が課税される可能性があるため、返済計画は慎重に立てる必要があります。
相続税への影響
- 不動産担保ローンの残債は相続財産の債務として控除できますが、同時に担保不動産も相続財産として評価されます。
- 相続対策として不動産担保ローンを活用する場合は、専門家のアドバイスを受けることをおすすめします。
注意点
- 税法は改正されることがあるため、最新の情報を確認することが重要です。
- 個々の状況によって適用される税制が異なるため、具体的なケースについては税理士や専門家に相談することをおすすめします。
不動産担保ローンを検討する際は、これらの税金面での影響も考慮に入れ、総合的に判断することが大切です。特に大きな金額を借り入れる場合は、税理士などの専門家に相談し、最適な方法を選択することをおすすめします。
不動産担保ローンを選ぶ際のポイント
不動産担保ローンを選ぶ際のポイントは以下のとおりです。
- 金利がより低い商品であるか
- 必要とする融資を受けられるか
- 諸費用はどのくらいか
- 万が一のときの保障があるか
- 急いでいる場合は融資までにかかる期間にも注目する
それぞれについて詳しく解説します。
金利がより低い商品であるか
返済負担を軽減するためにも、金利が低い商品を選びましょう。先述のとおり、不動産担保ローンは長期間の借り入れが可能であるため、少しの金利差によって総返済額が大きく異なります。
また、変動金利や固定金利など、金利の種類も重要。長期的な計画を立てたい方は固定金利、金利変動のリスクに耐えられる方は変動金利がおすすめです。
必要とする融資を受けられるか
ローンを組む目的を達成するために、必要とする額の融資が受けられるかを確認しましょう。不動産の担保評価は金融機関ごとに定められているため、同じ不動産でも融資額が異なります。複数の金融機関を比較して、希望額の融資を受けられる金融機関を選びましょう。
諸費用はどのくらいか
不動産担保ローンを選ぶ際は、諸費用の比較検討が大切です。不動産担保ローンの諸費用は、融資額に一定割合をかけて算出する金融機関もあれば、一律で設定している金融機関もあります。より効率的な資金調達を行うためにも、なるべく諸費用を抑えられる商品を選ぶのがおすすめです。しかし、諸費用がかからないとアピールしている金融機関では、その分金利に上乗せされている場合もあるため注意しましょう。
万が一のときの保障があるか
不動産担保ローンは返済不能になると不動産を手放さなければなりません。そうならないために、万が一のときの保障をチェックしましょう。
例えば、団体信用生命保険に加入するタイプであれば、死亡または高度障害となった際に保険金でローンが完済されます。ご自身だけでなく家族の生活を守るためにも保障内容をチェックし、場合によっては外部の保険も検討しましょう。
急いでいる場合は融資までにかかる期間にも注目する
急いで融資を受けたい場合は、審査期間が短い不動産担保ローンも一つの方法です。一般的に銀行系よりもノンバンク系のほうが審査期間は短い傾向にあります。必要書類を揃えたうえで融資を申し込むと手続きがスムーズに進むため、事前に何が必要かを確認しておきましょう。
申込みから融資実行までの流れ
不動産担保ローンを利用する際、申し込みから融資実行までは、いくつかの段階を経て進みます。
事前相談・情報収集
まず、複数の金融機関の商品を比較検討し、必要書類や審査基準などの情報収集を行う「事前相談・情報収集」が重要です。
仮審査
その後、オンラインや電話で基本的な情報を提供する「仮審査の申し込み」を行い、結果を待ちます。
本審査
仮審査を通過すると、本人確認書類や所得証明書、不動産関連書類などの必要書類を揃えて「本審査の申し込み」を行います。金融機関は提出書類に基づき、不動産鑑定士による「不動産の担保評価」を行い、現地調査が行われることもあります。
融資審査
これらの情報と提出書類を元に「融資審査」が行われ、通常2週間から1ヶ月程度で結果が判明します。
融資条件の提示・交渉
審査を通過すると、金融機関から融資額や金利、返済期間などの「融資条件の提示・交渉」が行われ、場合によっては条件交渉も可能です。
契約書類の作成・確認、契約の締結
融資条件に合意したら、「契約書類の作成・確認」を行い、内容に問題がなければ「契約の締結」を行います。多くの場合、この段階で諸費用が発生します。
抵当権の設定
その後、司法書士によって「抵当権の設定」手続きが行われ、数日から1週間程度で登記が完了します。
融資実行
抵当権設定が完了すると、指定口座に「融資実行」として融資金が入金され、入金確認後、資金の利用が可能になります。
返済開始
そして、契約で定められた返済日から、毎月の「返済開始」となります。
このように、不動産担保ローンの申し込みから融資実行までは、複数の段階と手続きが必要です。各金融機関によって多少の違いはありますが、基本的な流れは上記の通りです。
注意点
- 全体の所要期間は、通常1〜2ヶ月程度ですが、案件によっては更に時間がかかる場合があります。
- 申込みから融資実行までの間に、金融機関から追加の書類や情報を求められることがあります。
- プロセスの途中で疑問点が生じた場合は、速やかに金融機関に確認することをおすすめします。
よくある質問(FAQ)
- 不動産担保ローンの審査は通常のローンより通りやすいですか?
- 不動産担保ローンは担保があるため、無担保ローンよりは審査が通りやすい傾向にあります。ただし、収入や返済能力、不動産の価値など、総合的に判断されます。担保があるからといって、必ず審査に通るわけではありません。
- 自宅以外の不動産でも担保にできますか?
- はい、可能です。賃貸アパート、マンション、店舗、更地など、さまざまな不動産を担保にできます。ただし、金融機関によって受け入れ可能な不動産の種類が異なる場合があるので、事前に確認が必要です。
- 不動産担保ローンの金利は固定ですか、それとも変動ですか?
- 金融機関や商品によって異なります。固定金利タイプ、変動金利タイプ、あるいは両方を選択できる商品もあります。長期的な返済計画に基づいて、自分に合ったタイプを選ぶことが重要です。
- 不動産担保ローンを組むと、その不動産は売却できなくなりますか?
- 完全に売却できなくなるわけではありませんが、制限があります。売却する場合は、ローンの一括返済や借り換えなどの対応が必要になります。売却を検討する際は、事前に金融機関に相談することが重要です。
- 不動産担保ローンの返済中に、繰り上げ返済は可能ですか?
- 多くの場合、繰り上げ返済は可能です。ただし、手数料がかかることが多いので注意が必要です。また、一部の商品では繰り上げ返済に制限がある場合もあるので、契約時に条件を確認しておくことをおすすめします。
- 不動産担保ローンの融資額は不動産の評価額と同じになりますか?
- いいえ、通常は不動産の評価額の一定割合(多くの場合50%〜80%程度)が融資の上限となります。これは「担保掛目」と呼ばれ、金融機関によって異なります。
- 不動産担保ローンの審査にはどのくらいの時間がかかりますか?
- 金融機関によって異なりますが、一般的に2週間〜1ヶ月程度かかることが多いです。不動産の評価や書類の確認に時間を要するためです。ただし、一部の金融機関では数日で審査結果が出るスピード審査を行っているところもあります。
- 不動産担保ローンを組む際の諸費用にはどのようなものがありますか?
- 主な諸費用には、不動産調査費用、抵当権設定費用(登録免許税、司法書士報酬など)、火災保険料などがあります。これらの費用は融資額や不動産の種類によって変わってきます。
おわりに
不動産担保ローンは、低金利かつ長期間の借入を可能にする金融商品です。本記事で紹介したセゾンファンデックス、住信SBIネット銀行、中央労働金庫の商品例からもわかるように、個人向けにも多様な選択肢が存在します。
このローンの大きな特徴としては、高額な融資を受けられる点、資金使途が比較的自由である点、家族所有の不動産を担保にできる点などが挙げられます。一方で、諸費用が発生すること、融資実行までに時間を要すること、返済不能時に不動産を失うリスクがあることなど、注意すべき点も存在します。
ローンを選択する際には、金利の低さ、必要融資額の確保、諸費用、保障の有無などを総合的に検討することが重要です。また、税金面における影響も考慮に入れるようにしましょう。
申込みから融資実行までの流れを理解し、ご自身の財務状況や返済計画を綿密に立てた上で、慎重に判断することをおすすめします。必要に応じて、専門家からのアドバイスを受けることも検討してください。
なお、不動産担保ローンには個人用と事業者用があり、目的に応じて適切な商品を選ぶことができます。セゾンファンデックスでは事業者向け商品も提供していますので、経営者や個人事業主の方はこちらもご検討ください。
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