不動産担保ローンでは、自身の不動産だけでなく、家族名義の不動産を担保とすることも可能な場合があります。本記事では、家族名義の不動産での不動産担保ローンの申込み可否と、申込む際の注意点を解説します。
この記事を読んでわかること
- 不動産担保ローンは不動産を担保にすることで、低金利でまとまった借入が可能
- 本人名義の不動産だけではなく、家族名義の不動産を担保にできる場合がある
- 家族名義の不動産はトラブルに発展する可能性があるのでしっかり話し合うことが重要
そもそも不動産担保ローンとは
不動産担保ローンとは、土地や建物といった不動産を担保としてお金を借りることです。担保とは、返済を保証できる物のことで、金融機関はローンの契約者が返済不能に陥った場合は担保である物を換金して債権を回収します。
不動産担保ローンは、無担保ローンと比べると借入可能額が大きく、金利が低く設定されているのが特徴です。また、不動産を担保にすることによって返済不能に陥った場合も債権を回収できるため、無担保ローンよりも審査に通りやすいといった特徴もあります。
家族名義であれば融資可能な場合が多い
不動産担保ローンで担保とする不動産は、申込者本人名義の不動産であるのが一般的です。しかし、家族名義の不動産であれば担保としても良いと定めている金融機関も少なくありません。
家族の範囲がどこまで認められるのか、法人の場合の扱いについて詳しく見ていきましょう。
「家族」とは二親等か三親等以内の関係
家族の範囲がどこまで認められるかは金融機関によって異なります。家族名義の不動産を認めている金融機関の多くはローン申込者の配偶者、二親等または三親等の親族・姻族を対象としています。
親等の種類 | 親族・姻族 |
一親等 | 父・母・子ども |
二親等 | 祖父・祖母・孫・兄弟姉妹 |
三親等 | 叔父・叔母・甥・姪 |
ローン利用者が法人の場合は他人名義の不動産でもOKの場合も
ローン利用者が法人の場合は、法人として所有している不動産以外でも担保とすることが可能です。ただし、他人名義の不動産全てを担保にできるというわけではありません。
法人の場合には、代表者名義の不動産、代表者の親族・姻族の不動産(二親等または三親等まで)、役員の所有する不動産を担保にできるケースが多いです。役員の親族・姻族の不動産を担保にできるケースもありますが、金融機関によって異なるので事前に確認しましょう。
事業者で不動産担保ローンの利用にお悩みの方には、セゾンファンデックスの事業者向け不動産担保ローンをおすすめします。銀行とは異なる審査基準で不動産担保力を重視しており、家族名義の不動産も担保として受け付けています。また、最短3営業日でスピード審査を実施しているので急なお金が必要になった場合でも速やかに融資を受けられるでしょう。
事業者で不動産担保ローンの利用にお悩みの方には、セゾンファンデックスの事業者向け不動産担保ローンをおすすめします。銀行とは異なる審査基準で不動産担保力を重視しており、家族名義の不動産も担保として受け付けています。最高5億円までご用意することが可能です。また、最短3営業日でスピード審査を実施しているので、急なお金が必要になった場合でも速やかに融資を受けられるでしょう。
セゾンファンデックスの事業者向け不動産担保ローンの詳細はこちら
本人名義以外の不動産を担保にするときの注意点
本人名義以外の不動産を担保にする場合には、以下、4つの点に注意が必要です。
- 本人名義以外の不動産が担保可能な金融機関であるかの確認
- 不動産所有者の同意の取得
- 担保にする不動産の抵当権設定
- 不動産所有者に連帯保証人になってもらえるかどうか
それぞれの注意点を詳しく説明していきます。
本人名義以外の不動産が担保可能な金融機関であるかの確認
不動産担保ローンでは、申込者本人名義の不動産だけでなく家族名義の不動産でも融資を受けられる可能性があります。しかし、全ての金融機関が対応しているわけではありません。
金融機関によっては本人名義以外の不動産を担保として認めていないケースもあるため、不動産担保ローンの利用を検討している金融機関が本人名義以外の担保を認めているかどうか確認しましょう。
不動産所有者の同意の取得
担保とする不動産の所有者から同意を得ていない場合でも、不動産担保ローンを利用できるのかどうか気になっている方も多いでしょう。結論から言えば、不動産所有者の同意を得ていないと不動産担保ローンを利用できません。
その理由は、所有者本人の同意なく不動産担保ローンの利用が可能になってしまうと、勝手に不動産担保ローンを契約されて、最悪の場合は申込者の返済が滞ると所有者が不動産を失うことになるためです。
このようなトラブルを回避する観点から、申込者本人以外の不動産を担保として不動産担保ローンを契約する際は、必ず不動産所有者の同意を得なくてはなりません。
担保にする不動産の抵当権設定
担保とする不動産には、抵当権を設定しなくてはなりません。抵当権とは、債務の担保に供した物をほかの債権者に先立って優先弁済を受けられる権利のことです。
不動産担保ローンでは、万が一申込者の返済が滞った場合、金融機関は担保である不動産を換金して債権を回収します。債権を回収できるようにするために必要なのが抵当権の設定です。
抵当権を設定する際は、登記済権利証や印鑑登録証明書などのような書類が必要で、これらの書類は不動産所有者しか持っていません。不動産所有者の印鑑も必要になることから、不動産担保ローンを契約するには不動産所有者の協力を得られるかが重要です。
不動産所有者に連帯保証人になってもらえるかどうか
申込者名義ではなく、家族名義の不動産を担保に不動産投資ローンの契約を認めている金融機関は、不動産所有者に連帯保証人になってもらうことを条件としているケースが多いです。
連帯保証人とは、ローンの申込者である債務者と同じ債務を負うということです。そのため、万が一債務者がローンの返済を滞納した場合は、債権者は連帯保証人に返済を請求するため、連帯保証人は請求に応じなくてはなりません。
返済に応じなかった場合には、担保である不動産を差し押さえられるだけではなく、担保以外の財産も差し押さえられる可能性があります。
連帯保証人になることはリスクが高いことなので、不動産所有者に連帯保証人になってもらえるかが重要と言えるでしょう。
親名義の不動産を担保にするケース
親名義の不動産で不動産担保ローンを利用するケースとして、以下の3つが挙げられます。
- 相続予定の親名義の不動産
- 高齢の親名義の不動産
- 亡くなった親名義の不動産
それぞれのケースについて詳しく見ていきましょう。
相続予定の親名義の不動産
相続予定の親名義の不動産がある方の中には、不動産担保ローンを利用するにあたって、名義変更する必要があるのかどうかが気になっている方も多いでしょう。確かに将来的に相続する予定がある場合は、先に名義変更して親名義ではなくご自身名義で不動産担保ローンを利用したほうが良いと言えます。しかし、名義変更することはおすすめしません。
その理由は、名義変更した場合、親から子どもへの贈与が行われたと税務署に判断されて、贈与税が発生するためです。名義を変更することによって無駄な税負担を発生させないためにも、親名義のままで不動産担保ローンを申し込みましょう。
高齢の親名義の不動産
高齢の親名義の不動産では、不動産担保ローンを契約できない可能性があります。その理由は、金融機関が連帯保証人の年齢に制限を設けているケースがあるためです。年齢制限を設けている理由としては、返済能力が低くなる、高齢になってくると判断能力が衰えてきて法律行為ができなくなるなどが挙げられます。
また認知症の診断を受けた場合は、連帯保証人としての適格性を欠くことになり、親名義の不動産で不動産担保ローンを利用できなくなるので注意してください。
ノンバンクのセゾンファンデックスでは、申込時70歳以下、完済時85歳未満という比較的広い年齢層を対象とした不動産担保ローンを取り扱っています。そのため、年齢や融資額から適切な返済期間を設定しやすくなっています。
亡くなった親名義の不動産
不動産を所有している親が亡くなっている場合、親名義の不動産は相続の対象となります。遺産分割協議でご自身が不動産を相続するとなった場合、名義変更を経て自分名義の不動産として不動産担保ローンを契約できます。
もし、遺産分割協議で不動産を相続するのがご自身ではなく、配偶者や兄弟姉妹が相続した場合には、所有者の合意を得ることができれば、不動産担保ローンを契約できるでしょう。
子の不動産を担保とするケース
子どもの不動産を担保として不動産担保ローンを契約することも可能です。親の不動産を担保とするケースよりも子どもの不動産を担保とするケースのほうが、返済能力という点では親よりも子どもが高いため、契約を有利に進めやすいでしょう。
しかし、子どもは社会経験や知識という点で親よりも乏しいため、不動産を担保に入れることや連帯保証人になることの重大さを理解できていない可能性があります。
後で重大さに気づいて親子間でトラブルに発展する可能性があるため、子どもの不動産を担保とするケースでは、しっかり話し合ってから契約しましょう。
配偶者や兄弟との共有名義の不動産を担保にするケース
不動産が単独名義ではなく、配偶者や兄弟姉妹などと共有名義のケースでは、不動産担保ローンを利用できるのか気になっている方も多いでしょう。例えば、相続で兄弟姉妹と不動産を共有分割した、夫婦でお金を出し合って自宅を購入した場合などには共有名義となります。
不動産が共有名義の場合でも、不動産を担保として不動産担保ローンを契約することが可能です。ただし、金融機関によっては、ご自身の持分のみを担保として契約できる場合もありますが、他の共有者の同意なく契約することはおすすめできません。万が一返済が滞った際に、金融機関が債権回収のために他の共有者に迷惑をかけてしまう可能性があるためです。
他の共有者とトラブルを避けるには、不動産担保ローンの契約について話し合い、同意を得ておくことが重要です。
例えば、兄妹で相続した実家の戸建て(住宅ローン完済、持分は2分の1ずつ)を、妹が不動産担保ローンの担保にしたい場合です。この場合、妹は兄の同意を得た上で、兄の持分を買い取る資金も含めて融資を受けることになります。しかし、買取資金の準備が難しい場合もあります。そういった時はAセゾンファンデックスの遺産分割ローンを活用すると良いでしょう。共有持分の買取資金や、銀行で借入れが難しい親族間売買にも利用できるため、スムーズな手続きが可能です。
共有持分のある兄弟や配偶者が資金調達のために売却を希望した際の選択肢として、遺産分割ローンはおすすめの一つです。
まとめ
不動産担保ローンでは、自身の不動産だけでなく、一定の範囲内で家族名義の不動産を担保とすることも可能です。ただし、以下の点に留意する必要があります。
- 金融機関によって、家族の範囲(二親等内か三親等内かなど)が異なる ・不動産の名義人から同意を得ること
- 名義人に抵当権設定と連帯保証人になってもらうこと
- 高齢の名義人の場合は、審査が厳しくなる可能性がある
名義人との十分な話し合いと協力体制が不可欠です。セゾンファンデックスなど、家族名義の不動産にも対応している事業者向け不動産担保ローンを利用すれば、スムーズに手続きを進められるでしょう。
事業資金の調達や相続対策など、さまざまな用途で活用できる不動産担保ローンですが、家族名義の場合はトラブル防止に十分注意を払う必要があります。
おわりに
不動産担保ローンは、不動産を担保とすることで金融機関からお金を借りることができるものです。担保とする不動産はご自身名義の不動産だけではなく、家族名義の不動産でも可能です。
しかし、全ての金融機関が家族名義の不動産を不動産担保ローンの条件としているわけではないので注意してください。
家族名義の不動産を認めている金融機関では、家族の範囲は配偶者、二親等または三親等以内の親族や血族を対象としていることが多いです。
ただし、子どもの不動産を担保に不動産担保ローンを契約する際は子どもが内容を理解できていない可能性があるため、しっかり話し合ってから契約しましょう。