リースバックを利用すると後悔する、やばい、怪しいなどと聞いたことがある方も多いのではないでしょうか。そのように思う理由として、リースバックの特徴を理解せずに利用して後悔した方がいることが挙げられます。しかし、後悔する恐れのあるポイントを理解しておけば、リースバックのメリットを十分享受できます。
本記事では、リースバックの利用を後悔しないためのポイントを解説しますので、ぜひ参考にしてください。
この記事を読んでわかること
- リースバックを利用すればまとまった資金が手に入り、自宅を売却した後も住み続けられる
- リースバックを利用するときには「家賃」と「買取金額」に注意が必要
- トラブル回避のためには、リースバックで起きやすい「7つのトラブル」を理解することが大切
ここに注意!リースバックで後悔しやすい3つのパターン
リースバックにはメリットが多いですが、特徴を理解していないと後悔してしまうケースもあります。
リースバックで後悔しやすい主なケースは、次の3つです。
- 家賃を支払う必要がある
- 賃貸として住める期間に制限がある
- 売却価格が通常よりも安くなる可能性が高い
それぞれについて詳しく解説します。
賃貸契約の内容により家賃が高めになる場合がある
リースバックを利用して自宅に住み続ける場合、家賃を支払っていく必要があります。
リースバックを利用すれば、住宅ローンの返済や固定資産税の納付がなくなるとだけ思っている方は少なくありません。しかし、リースバックは、リースバック会社と賃貸借契約を締結し、自宅を借りる仕組みです。
住むところを借りるため当然ながら家賃は発生します。毎月の支払いが全くなくなるわけではないことを理解しておきましょう。
リースバックにおける1年分の家賃は売却額の8〜12%であることが多いです。例えば、2,000万円で自宅をリースバックに出した場合の月々の家賃は、以下の計算式で算出できます。
2,000万円 × (8~12%) ÷ 12ヵ月 = 約13~20万円
リースバックにおける家賃相場は、近隣の一般的な家賃相場よりも高くなるケースがあります。
借りている期間が長いほど負担も大きくなるため、家賃の金額をあらかじめ把握してからリースバックを利用しましょう。
定期借家契約終了後に再契約ができないことがある
リースバックの際の賃貸借契約の多くは、定期借家契約です。定期借家契約では、一生住み続けられない可能性があります。
定期借家契約は、契約期間を定め更新ができない賃貸借契約です。そのため、契約で決めた借家期間しか自宅を借りられません。定期借家契約の終了後に再契約をして賃貸借期間を再設定することはできますが、借主と貸主の双方の合意が必要です。
リースバック利用後も住み続けたいと考えている方は、定期借家契約ではなく、普通借家契約の契約締結ができるリースバックを選びましょう。
なお、セゾンのリースバックは、普通借家契約のリースバックです。
通常よりも売却価格が安くなる可能性が高い
リースバックは不動産買取になるため、売却価格が通常の仲介による不動産売却よりも安くなる可能性が高いです。一般的な不動産売却相場とどの程度差が出るかは、依頼するリースバック会社によって異なります。
リースバックを利用する際は不動産相場を調査しておき、リースバック会社が提示する金額とどのくらいの差があるのか判断できるようにしておきましょう。不動産買取ではなく一般の不動産売却を選択し、賃貸物件に転居する方法とどちらが得になるか判断できるようにしておくことも大切です。
売却費用や賃貸物件の初期費用、引っ越し代金などを考慮し、リースバックを利用することにメリットがあるかどうかを確認しておきましょう。
なお、買い戻しにかかる費用は、一般的に売却金額よりも高くなります。売却して得られた金額を残しておけば買い戻せるとは限らないため、買い戻し金額をあらかじめリースバック会社に確認しておくことが大切です。
リースバックで知っておきたい7つのトラブル事例
リースバックで起こりやすい7つのトラブルは、次のとおりです。
- 【事例1】マイホームを安く売却してしまった
- 【事例2】家賃が支払えない
- 【事例3】勝手に売却されていた
- 【事例4】買い戻しできなかった
- 【事例5】修繕費を負担させられた
- 【事例6】相続で子どもともめた
- 【事例7】賃貸借の再契約を断られて住めなくなった
どのようなトラブルが起きやすいのか把握しておき、対策を行いましょう。
【事例1】マイホームを安く売却してしまった
リースバックの売却価格は、通常の売却相場よりも安くなる傾向があります。
これは、物件の所有権を得たうえで家賃収入をリースバック会社は得ることになりますが、家賃滞納などのリスクを回避するために、リースバック会社の買取価格を安く設定することが多いためです。
リースバックを選択する際には、仲介で高く売却し、賃貸マンションに移ればよかったと後悔するケースも少なくありません。そのため、複数のリースバック会社から見積もりを取り、慎重に比較検討することが大切です。
【事例2】家賃が支払えない
次に挙げられるトラブルが、家賃に関するトラブルです。
リースバックの家賃は周辺の家賃相場よりも高く設定されることが多く、家賃を支払い続けるのが困難になる場合もあります。また、家賃が一定とは限らず、値上げされてしまうケースも少なくありません。
家賃を滞納すると立ち退き要求される事態になるため、注意が必要です。そうなると引越さなければならないため、リースバック会社から提示された家賃を支払い続けられるのか慎重に検討したうえで判断しましょう。
【事例3】オーナーチェンジによる契約変更
リースバックを利用して後悔する事例の3つ目は、自宅が勝手に売却されていたことです。
リースバックを利用すると、家と土地の所有権はリースバック会社に移転します。所有権者は不動産を自由に処分できるため、リースバック会社は不動産を第三者に売却することが可能です。
所有者が変わっても賃貸借契約期間中は居住できますが、オーナーが変わったことにより賃貸借契約の内容変更を要求されることもあります。最悪の場合、賃貸借契約の更新を承諾してくれず、トラブルに発展することもあるため注意してください。
【事例4】買い戻しができなかった
リースバックを利用して後悔する事例の4つ目は、自宅を買い戻せなかったことです。
自宅を買い戻すためには、リースバック会社と取り決めた期間内に、取り決めた買い戻し金額を支払わなければなりません。しかし、期限内に買い戻し資金を用意するのは難しく、買い戻しできなかったというケースは多いです。
また、買い戻しできると思い込んでいたところ、リースバック契約書に明記されていなかったケースもあるので注意してください。契約するときには買い戻しができるか必ず確認しましょう。
また、転売されてオーナーが変わると契約条件を変更されてしまうケースもあります。買い戻しは必ずできるわけではない点に注意した上で、リースバック契約を結ぶことが大切です。
【事例6】子どもと相続の話でもめた
リースバックを利用して後悔する事例の6つ目は、相続の話し合いで子どもともめたことです。
リースバックの利用を子どもに相談せずに進めてしまうと、相続の話し合いをするときに子どもともめてしまうことがあります。
自宅の処分は所有者の単独の意思で行えますが、自宅は家族全員の資産として認識されているケースが少なくありません。
自宅を処分するリースバック契約を結ぶ際には、法定相続人である子どもと相談してから行い、トラブルを防止することが大切です。
【事例7】賃貸借の再契約を断られて住めなくなった
リースバックを利用して後悔する事例の7つ目は、賃貸借の再契約を断られて住めなくなったことです。
定期借家契約を締結する際に「再契約可能」とリースバック会社から聞いていたにもかかわらず、賃貸借期間が満了し再契約しようとしたら断られるケースがあります。
定期借家契約の場合、口頭で再契約ができると約束してあっても、借主と貸主が合意しなければ再契約はできません。
リースバック会社によっては早く借主を退去させ、転売しようとするケースもあるため注意してください。
定期借家契約では更新が難しいケースが多いため、住み続けたい場合は普通借家契約を締結してくれるリースバック会社を選びましょう。
リースバックで失敗しないための5つの対策
リースバックで後悔しないために押さえておきたい5つのトラブル回避ポイントは、次のとおりです。
- 査定額と見積額を比較する
- 契約書をよく確認する
- 安心して任せられる会社を探す
- 老後の生活資金計画をしっかり練る
- 事前に家族に伝えておく
リースバック契約で後悔しないためにも、あらかじめ回避ポイントを把握しておきましょう。
査定額と見積額を比較する
リースバックを利用するときには、査定額と見積額を比較することが大切です。
査定額とは、仲介による一般的な不動産売却をした場合の金額であり、見積額とはリースバック会社による買取金額のことです。
双方を比較することで、リースバック会社の買取金額が一般的な売却相場とどれくらい差があるのか把握できます。
リースバックの買取金額は査定金額よりも低くなるのが一般的ですが、あまりにも差がある場合はリースバックの利用を考え直す必要があるかもしれません。
契約書をよく確認する
リースバック契約の際は、契約書の内容をしっかりと確認して進めましょう。
悪質なリースバック会社の場合、口頭で取り決めた内容を契約書に盛り込んでいないケースもあるため、注意が必要です。
信頼できるリースバック会社の場合であっても、以下の事項について必ず確認してください。
- 定期借家契約か普通借家契約か
- 買い戻しができるか
- 設備の修繕費の負担はどうなっているか
- 買取金額は聞いていた金額と合っているか など
リースバック契約は契約書の内容どおりに進んでいくため、内容を確認せずに契約すると後悔に繋がりかねません。契約するときには内容が理解できるまで質問し、理解できてからサインしましょう。
安心して任せられる会社を探す
リースバックを検討する場合、安心して任せられる会社に依頼するのが賢明です。
リースバック契約では、自宅売却後もリースバック会社との付き合いが続きます。特に、普通借家契約を締結した場合は相当長い付き合いになると想定されるため、信頼して任せられる会社に依頼することが大切です。
信頼できるリースバック会社かどうか判断するためには、口コミサイトも役立ちます。口コミは書き込んだ方の主観なので鵜呑みにしてはいけませんが、一定の傾向をつかむことが可能です。
老後の生活資金計画をしっかり練る
老後の資金のためにリースバックを利用するなら、老後の資金計画をしっかりと練ることも非常に大切です。
リースバックを利用して普通借家契約を締結した場合、住み続ける限り家賃が発生します。そのため、家賃を支払い続けて生活が立ちゆくか、貯蓄できるのかなど、長期的な視点で計画を立てておかなければなりません。
家賃を支払って生活費が不足する場合は、リースバックの利用を見直す必要があるかもしれません。
事前に家族に伝えておく
リースバックの利用前には、必ず家族と相談してください。
リースバックを利用すると自宅を売却するため、不動産の所有権を手放さなければなりません。財産が減るため、家族の中には抵抗感を示す人が出てくるケースもあります。
売却するとまとまった現金が手に入るものの、住まいとして不動産を相続したいと考える人も少なくありません。
家族の意見を無視してリースバックを利用すると、相続の話し合いの際にもめるため、注意が必要です。
おわりに
リースバックを利用する際にはさまざまなポイントがあり、理解していないと後悔してしまう可能性があります。家に住み続けられない、買い戻しできないなどトラブルに発展するケースも少なくありません。メリットやデメリットを十分理解してからリースバックを利用することをおすすめします。
リースバックについて不明な点がある場合は、「セゾンのリースバック」へご相談ください。
「セゾンのリースバック」では、リースバック契約がお客様に合っているか丁寧にご説明し、ご納得いただいた上で進めさせていだきます。最短即日見積もりや最短2週間でご契約、普通借家契約にも対応しておりますので、お気軽にお問い合わせください。