リースバックのことが良くわからず、「罠だ」「怪しい」などと聞いたことがある方もいるかもしれません。そのような印象があるのは、仕組みがわかりづらく、悪質な事業者もいるのが主な原因です。リースバックにはメリットが多いので、仕組みをしっかり理解しておけばうまく活用できます。
本記事では、リースバックが罠だといわれる4つの理由、起きやすいトラブルと解決策について解説しますので、リースバックを利用したいけれど不安な方はぜひ参考にしてください。
この記事を読んでわかること
- リースバックに罠があるといわれる理由は、仕組みがわかりづらく、悪質な事業者がいるから
- リースバックについてトラブルが起きやすいのは、契約内容をしっかりと理解していないから
- リースバックをトラブルなく利用するためには、仕組みを理解することが大切
「リースバックには罠がある」といわれる4つの理由
「リースバックには罠がある」といわれることがありますが、それは騙されたという方がいたり、リースバックの仕組みを知らない方がいたりするからです。
罠だと感じてしまう4つの理由は、次のとおりです。
- キャッチコピーが怪しく見えるため
- 仕組みがわかりにくいため
- リースバック会社によって契約内容に違いがあるため
- 悪質なリースバック会社によるトラブルが発生しているため
それぞれの理由について詳しく見ていきましょう。
キャッチコピーが怪しく見えるため
リースバックでは、「売却しても住み続けられる」というキャッチコピーが付いていることがほとんどですが、これが罠だと思う理由のひとつです。
リースバックは、自宅をリースバック会社に売却した後、リースバック会社から自宅を借家として借りられるサービスです。
一般的な不動産売却の場合、売却後は自宅に住み続けることができません。このイメージが先行しているため、売却しても自宅に住み続けられるリースバックについて「よくわからなくて怪しい」と思われがちです。
仕組みが複雑でわかりにくいため
リースバックは仕組みが複雑でわかりにくい点も、罠だといわれる理由の一つかもしれません。
リースバックは不動産売却と不動産賃貸借を同時に行う手法であり、不動産の知識がなければ仕組みをすぐに十分理解するのは難しいのが実情です。内容が理解できなければ契約トラブルになるケースも発生します。
仕組みがわかりにくいうえにトラブルが発生しやすいため、リースバックは罠だといわれている可能性があります。
リースバック会社によって契約内容に違いがあるため
各リースバック会社は独自の基準を持っており、同じ物件について相談しても買取金額・買取条件は異なります。買取の条件だけでなく家賃や賃貸借期間などの条件についても、リースバック会社によって内容が異なるため、利用を検討する際にどう判断すればいいかわからず、罠だと感じている方も少なくありません。
悪質なリースバック会社によるトラブルが発生しているため
リースバック会社の中には残念ながら悪質な事業者もあり、トラブルが発生していることも罠と思われる一因かもしれません。
国土交通省「住宅のリースバックに関するガイドブック」によると、事業者から自宅マンションについて「10年後には取り壊される」という虚偽の説明を受けてこれを信じ、約2,000万円で売却した事例があります。約20万円の家賃を設定され、10年居住すれば売却代金を上回る計算になることから契約後キャンセルを申し出たところ、「キャンセルできない」と説得されてしまったとのこと。
リースバックの売買契約書の特記事項に賃料が小さく記載されているだけというケースもあり、賃料が必要だと知らずに契約してしまう可能性もあります。加えて、リースバックの場合、売却後も自宅に住み続けることができるため、長期間被害に気づかない可能性もあるという指摘もあります。
リースバックに関する不安や疑問について、どんな口コミがある?
リースバックに関する不安や疑問は多くあり、インターネットの口コミサイトにも不安や疑問が掲載されています。リースバックに関する不安や疑問の主な口コミは、次のとおりです。
所有権を手放すリスクが大きいと感じる
修理修繕サポートがないのではと不安
住宅ローンがあっても使えるのはなぜ?
それぞれの口コミについて詳しく見ていきましょう。
所有権を手放すリスクが大きいと感じる
自宅を売却し、自宅の所有権を手放すのはリスクが大きいと不安に思う口コミは多く見られます。
リースバックを利用すると自宅の所有権がリースバック会社に移転するため、所有者であるリースバック会社の一存で退去させられるかもしれないと感じるようです。
しかし、借家に住む権利は借地借家法により保護されており、家賃を滞納するなど契約に違反しない限り強制的に退去させられることはありません。
もっとも、定期借家契約を締結する場合は、契約期間満了とともに退去しなければならないため注意が必要です。
リースバック契約を結ぶ際には、契約期間と借家契約の内容を十分理解しておきましょう。
修理修繕サポートがないのではと不安
リースバックだと、修理修繕サポートがないのではないかと不安に感じる口コミもあります。
建物の修理修繕に関する費用は、基本的に貸主であるリースバック会社が負担します。ただし、リースバックの契約によって負担者が異なるため、どちらが負担する内容の契約になっているか確認することが大切です。
なお、修理修繕は貸主負担であっても、借主の過失で建物や設備が壊れてしまった場合は、借主負担で修理修繕しなければいけない点に注意してください。
住宅ローンがあっても使えるのはなぜ?
「住宅ローンがあっても使える」というキャッチコピーを信じられないという口コミも少なくありません。
リースバックは、住宅ローンの残額より売却金額の方が多い場合に利用できるサービスです。つまり、住宅ローンの残額が売却金額を超えている場合には、リースバックは利用できません。
リースバックは住宅ローンの完済が前提のサービスなので、住宅ローンが残っていても売却金額で返済できる場合は利用できます。
リースバックでよくあるトラブル事例
リースバックで起きやすいトラブルは、次のとおりです。
- 諸費用を高額請求された
- 売却金額が相場より安すぎた
- 家賃の値上げを要求された
- 契約更新拒否により強制退去させられた
リースバックを利用する際にトラブルに発展しないためにも、あらかじめ把握しておきましょう。
諸費用を高額請求された
リースバック会社から高額な諸費用を請求されたというトラブルには注意が必要です。
リースバックを利用する際にはさまざまな手続きが発生しますが、リースバック会社に支払う費用はそこまで多額ではありません。
しかし、リースバック会社によっては、事務手数料などの名目で高額な費用を請求してくるケースがあります。
高額な費用を請求されないためにも、リースバック契約の前に諸費用の見積もりを取っておきましょう。可能であれば複数のリースバック会社に相談し、相見積もりを取得するとより安心です。
売却金額が相場より安すぎた
リースバックを利用したときの売却金額が、相場よりも大幅に安かったというトラブルもあります。
リースバックの売却金額は、一般的な不動産売却相場の60~80%が目安です。 例えば、2,500万円の自宅をリースバックする場合、通常の場合買取価格は1,500~2,000万円程度に設定されます。
しかし、悪質なリースバック会社の場合、60%を大きく下回る金額を提示してくることがあるため注意が必要です。
安く買い叩かれないようにするためには、近隣の不動産相場をあらかじめ調べておくと良いでしょう。不動産相場を把握していれば、買取金額が相場よりどれだけ安いかわかるため、契約するかどうか判断する際に役立ちます。
家賃の値上げを要求された
賃貸借期間満了時に家賃の値上げを要求されるケースも少なくありません。
賃貸借期間を更新できるリースバック会社を選択したにもかかわらず、更新時に家賃の値上げを要求され、家賃の支払いが困難になって退去を余儀なくされる可能性があります。
借地借家法により家賃の値上げは正当な理由がないとできません。更新時に理由なく家賃の値上げを要求してくる場合は、弁護士など法律の専門家に相談して解決しましょう。
契約更新拒否により強制退去させられた
賃貸借契約の更新を拒否され、強制退去させられたというケースも見受けられます。
賃貸借契約には「普通借家契約」と「定期借家契約」があり、普通借家契約の場合、貸主は正当な理由がない限り賃貸借契約を更新しなければなりません。借主が家賃を滞納するなどの契約違反をしない限り、原則として賃貸借契約は更新されます。
ただし、定期借家契約の場合は、賃貸借期間が満了すると更新が認められないため、退去しなければなりません。
賃貸借契約の内容を確認しておかないとトラブルに発展するため、リースバック契約の際には普通借家契約なのか定期借家契約なのか必ず確認しておきましょう。
悪質業者が使ってくる注意すべき騙しの手口
リースバック会社には残念ながら悪質な事業者もいるため、見極める必要があります。悪質な事業者か見極めるポイントは、次のとおりです。
- 契約内容について詳しく説明がない
- 事前に相場よりも高すぎる家賃を設定される
適切にリースバックを利用するためにも、それぞれのポイントについて把握しておきましょう。
契約内容について詳しい説明がない
契約内容について詳しく伝えてくれないリースバック会社には、注意が必要です。
リースバックを利用する際には、買取金額や家賃、買い戻し、借家契約などさまざまな事項を取り決めます。一般的に、取り決め内容については詳しく説明され、書面化して契約するはずです。しかし、悪質な事業者の場合、内容の説明があいまいなまま契約するよう求めてくるケースがあります。
説明が十分でないと感じる場合は、そのリースバック会社の利用を見送ったほうが賢明です。
事前に相場よりも高すぎる家賃を設定される
事前に相場よりもかなり高い家賃を設定してくるリースバック会社は、悪質な事業者である可能性があります。
家賃相場を熟知している一般の方は少なく、知識が少ないのをいいことに悪質な事業者は高額な家賃を吹っかけてきます。通常、リースバックの年間の家賃は売却価格の10%前後に設定されるため、それを大幅に超えるような家賃を設定するリースバック会社の利用は避けましょう。
リースバックで騙されないための対策
悪質なリースバック会社の罠にはまらないための解決策は、次のとおりです。
- リースバックについての理解を深めておく
- 自宅の資産価値を把握したうえでシミュレーションを立てる
- 信頼できる優良なリースバック会社と契約する
悪質な事業者でないか見極めるためにも、各解決策について把握しておきましょう。
リースバックについての理解を深めて判断力を持つ
悪質なリースバック会社かどうか判断するためには、リースバックの仕組みについて理解を深めておくことが大切です。
リースバックの仕組みを理解していれば、リースバック会社の話が正しいかどうか判断できますが、知識がないと相手の言うがままに話が進んでしまいます。
リースバックについて理解を深め、疑問点を質問してしっかり答えてくれるかどうか見極められれば、信用できる会社かどうかがわかります。
自宅の資産価値を把握した上でシミュレーションを立てる
自宅の資産価値を把握し、資金計画をシミュレーションすることで、悪質なリースバック会社かどうか判断できます。
自宅の資産価値がわかれば買取金額の目安がわかり、買取金額の目安がわかれば家賃相場の目安もわかります。そうすれば、リースバック会社が提示してきた買取金額や家賃が相場からかけ離れていないか確認することが可能です。
不動産相場は、国土交通省が運営する「土地総合情報システム」を利用して確認すると良いでしょう。過去の成約事例が確認できるため、自宅の不動産相場の目安がわかります。
信頼できる優良なリースバック会社を探す
リースバック会社の中には残念ながら悪質な事業者もあるため、信頼できるリースバック会社を見つけて契約することが大切です。
信頼できるリースバック会社なら、契約内容や買取金額、家賃などについても詳細な説明をしてくれます。
信頼できるリースバック会社をお探しの場合は、東証プライム市場上場のクレディセゾングループの「セゾンのリースバック」のご利用をぜひご検討ください。
「セゾンのリースバック」では、明瞭な説明と契約内容の書面化を行っている他、無料相談・査定も受け付けており、気軽にご連絡いただけます。リースバックの仕組みから資金計画のシミュレーションまで行いますので、リースバックをご検討中の方は、「セゾンのリースバック」までお問い合わせください。
おわりに
リースバックは罠だといわれることがありますが、それは悪質な事業者がいたり、仕組みがわからないままリースバックを契約したりすることが原因かもしれません。リースバックの仕組みを理解し、悪質な事業者を回避する方法を知っておけば、トラブルに巻き込まれる可能性は低くなります。
リースバックには、まとまった資金が入る、売却後も自宅に住み続けられるなどのメリットがあるため、トラブルなく利用できる知識を得ておき、うまく活用してください。