不動産担保ローンは、所有している不動産を担保として提供することで、金融機関から融資を受けるローン商品です。不動産担保ローンは多くの金融機関が提供しており、初めて不動産担保ローンを利用するにあたり、どの金融機関で申し込むのが良いのか迷う方も多いのではないでしょうか。
今回は、不動産担保ローンの性質や、不動産担保ローンを取り扱っている金融機関の種類、さらには比較するポイントについて具体的に解説します。
不動産担保ローンとはどのような金融商品か
不動産担保ローンとは、所有している不動産を担保として提供し、金融機関から融資を受けるローン商品です。
この場合の担保として提供する不動産については、原則として融資を受ける方の名義である必要があります。しかし、金融機関によっては親族や企業が保有している不動産でも可能としているケースも見られます。また、不動産の種類は、住宅だけでなく、事業用の不動産(貸駐車場用地など)でも対象になります。
不動産担保ローンは不動産を担保として提供するため、担保を提供しない無担保のローンよりも、低金利での借り入れができるというメリットがあります。そのほか、無担保のローンと比べて借入限度額が高めに設定されているという特徴があります。
不動産担保ローンのメリット
不動産担保ローンには、平均して10%未満の低金利での借り入れが可能というメリットがあるほか、借入限度額が数億円程度と高めに設定されています。また、返済期間も30年以上の期間が設定できるなど、長期間の返済ができる点もメリットです。
さらに、資金使途については原則として自由となっている点が特徴です。また、金融機関によっては、申込条件に年齢制限を設けていないなど、低金利で利用しやすいローンになっています。
不動産担保ローンのデメリット
不動産担保ローンのデメリットとしては、審査の過程で担保として提供する物件の調査を行うため、審査に時間がかかり、申し込んでから融資が実行されるまでの時間が長い点が挙げられます。融資実行までにかかる時間は金融機関によって異なりますが、短くても2週間程度、長ければ1ヵ月~2ヵ月程度はかかると思っておくことをおすすめします。
また、担保として提供する不動産の価値があまりにも低すぎる場合は、審査に通らない可能性があります。不動産があれば誰でも融資可能というわけではない点に注意が必要です。
不動産担保ローンを利用するにあたって注意しておかなければならないことは、万が一返済不能の状態に陥った際には、担保として提供した不動産を手放さなければならなくなることです。もしそれが、自身が住んでいる不動産である場合、退去を命じられることになります。
不動産担保ローンを取り扱う金融機関の種類
不動産担保ローンを取り扱っている金融機関は、銀行やノンバンクなどさまざまです。銀行およびノンバンクの特徴については、以下のとおりです。
銀行
銀行とは、銀行法という法律に基づいて預金業務や融資業務を行う金融機関です。メガバンクを始めとする都市銀行、地方銀行などが該当します。最近では店舗を持たないネット銀行が注目を集めていますが、ネット銀行でも不動産担保ローンを取り扱っています。
ノンバンク
ノンバンクとは、融資を専門に行う金融機関で、銀行系ノンバンクと独立系ノンバンクに分けられます。
銀行系ノンバンクだと、銀行に似た融資形態になる傾向があり、申込条件が厳しい点や審査にかかる時間が長いといった特徴があります。
独立系ノンバンクの場合、独自の審査基準を設けているところもあり、銀行と比べると比較的融資を受けられやすいケースも見られます。独立系ノンバンクには、さらに高額な融資を可能にしている点や、申し込みから融資までの時間が短いといった特徴があります。
以下に銀行とノンバンク(銀行系、独立系)の違いを表にしてみましたので、参考にしてください。
金利 | 審査期間 | 審査基準 | 融資限度額 | |
銀行 | 低い | 1~2ヵ月 | 厳しい | 1億円程度 |
銀行系ノンバンク | 銀行に比べると高め | 1ヵ月程度 | 銀行よりは柔軟だが厳しい傾向 | 1億円程度 |
独立系ノンバンク | 銀行に比べると高め | 2~3週間程度 | 銀行と比べ柔軟な傾向 | 10億円程度 |
不動産担保ローンで比較するポイント
では、実際に不動産担保ローンを選ぶ際に、比較するポイントはどのような点でしょうか。
金利
不動産担保ローンを選ぶ際に一番に考えておきたい点は金利です。固定金利なのか変動金利なのかはもちろん、最終的に適用される金利が何%なのかを比較することが大切です。
不動産担保ローンは無担保ローンと比べて借入限度額が高めに設定されており、返済期間も比較的長いという特徴から、借入金額も高額になりがちです。さらに返済期間が長いということは、少しの金利差で最終的な金利負担額および総返済額に差が生じます。
金利をできるだけ抑えることで、金利負担額および総返済額を抑えることにつながりますので、できるだけ低金利で融資を行ってくれる金融機関を選ぶことがポイントです。
融資上限額
融資可能限度額は金融機関によって異なります。上記で少し述べたとおり、銀行よりも独立系ノンバンクの方が融資可能限度額を高く設定している傾向にあります。
もちろん、提供する担保の価値にもよりますが、自身が希望している借入額より融資可能限度額を低く設定している金融機関に申し込んでも、希望額を借り入れることはできません。まずは、希望借入額の借り入れが可能な金融機関を探すようにしましょう。
対応力
担保に対する審査や審査時間などの対応も金融機関によってさまざまです。担保として提供する不動産についても、自己所有の不動産でなければ対象としない金融機関もあれば、親族所有の不動産や共有名義の不動産でも担保として認めてくれる金融機関もあります。
さらに、複数の不動産を担保とすることができる金融機関もあり、その場合はより高額な借り入れが可能になるでしょう。
資金使途についても、原則として自由としている金融機関が多いのですが、事業資金に利用する場合は、融資限度額を引き下げたり、審査の際に事業計画書の提出を求める金融機関もありますので、事前に商品概要説明書を見て、詳細を確認しておきましょう。
さらに、融資実行までにかかる時間も大切です。できるだけ早めの資金調達を考えているなら、融資までの時間が短い金融機関を選ぶと同時に、申し込む際にはWEBサイトを利用し、提出書類もあらかじめ準備しておくなどの対応をとるようにしましょう。
おわりに
不動産担保ローンは原則として自身が所有している不動産を担保にすることで、長期にわたって低金利で借りられる利便性が高い金融商品です。取り扱いのある金融機関も銀行やノンバンクを含め数多くあり、融資条件がそれぞれで異なるため、複数社で比較検討することが重要です。中でも金利と融資上限額は必ずチェックしておきましょう。
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