30代の一人暮らしは収入と支出を踏まえて計画的に準備しましょう。このコラムでは30代で一人暮らしを始める方向けに平均家賃を解説します。30代は収入も増加しますが支出も増える傾向にあります。一人暮らしをしている30代の平均家賃や支出を参考に家賃設定を考えましょう。
30代一人暮らしの平均的な家賃
30代から一人暮らしを始めようと考えている方の中には、30代の適正な家賃はいくら程度なのだろうかと悩んでいる方も多いでしょう。ここからは30代の一人暮らしについて以下の内容を解説します。
- 30代男性の一人暮らし平均家賃
- 30代女性の一人暮らし平均家賃
- 地域によって家賃には差がある
一言で30代の平均家賃といっても性別や地域によって差があります。これから解説する内容を参考に、適正な家賃を考えてみましょう。
30代男性の一人暮らし平均家賃
全国宅地建物取引業協会連合会および全国宅地建物取引業保証協会の平成29年度「一人暮らしに関する意識調査」によると、30〜39歳の男性一人暮らしの平均家賃は以下のとおりです。
家賃 | 5万円台 | 6万円台 | 7万円台 | 8万円台 | 9万円台 | 10万円以上 | 平均 |
割合 | 19.2% | 17.3% | 11.5% | 7.2% | 3.8% | 5.8% | 6.03万円 |
30代男性の家賃は平均すると6.03万円になるため、ひとつの指標として参考にしましょう。
30代女性の一人暮らし平均家賃
同調査によると、30〜39歳の女性一人暮らしの平均家賃は以下のとおりです。
家賃 | 5万円台 | 6万円台 | 7万円台 | 8万円台 | 9万円台 | 10万円以上 | 平均 |
割合 | 20.1% | 19.1% | 8.8% | 7.8% | 1.5% | 10.3% | 6.32万円 |
30代女性の家賃は平均すると6.32万円となり、同年代の男性の平均よりも3,000円程度高い結果となりました。
女性の場合は10万円以上の層が10.3%と高い比率になっているため、男性よりも住宅にお金をかける意識が高いといえるでしょう。駅からの距離やセキュリティの高さで家賃は変わるため、一人暮らし女性ならではの懸念を払拭したい場合は、相応の家賃を支払う必要があると考えられます。
地域によって家賃には差がある
30代男女の一人暮らし平均家賃を解説しましたが、地域によっても価格差は大きいです。自分が住んでいる地域の一人暮らしの平均家賃を確認してみましょう。なお、以下の表は30代限定のデータではないため、あくまでも地域毎の比較として参考にしてください。このように関東や近畿で一人暮らしをする方は、全国で見ても高い家賃がかかると考えておきましょう。
家賃 | 5万円台 | 6万円台 | 7万円台 | 8万円台 | 9万円台 | 10万円以上 | 平均 |
北海道 | 16.7% | 15.3% | 5.6% | 0% | 0% | 1.4% | 4.69万円 |
東北 | 17.6% | 10.6% | 5.9% | 1.2% | 0% | 2.4% | 4.59万円 |
関東 | 16.7% | 20.9% | 15.9% | 9.7% | 4.3% | 14.1% | 7.14万円 |
中部 | 22% | 15.6% | 4.3% | 0% | 2.1% | 0.7% | 4.86万円 |
近畿 | 21.5% | 18.2% | 9.3% | 6.5% | 2.8% | 4.5% | 5.78万円 |
中国 | 18.2% | 18.2% | 5.5% | 3.6% | 1.8% | 0% | 5.17万円 |
四国 | 22.2% | 11.1% | 2.7% | 3.7% | 0% | 0% | 4.76万円 |
九州・沖縄 | 18.1% | 17.1% | 2.9% | 2.9% | 0% | 1% | 4.8万円 |
適切な家賃の決め方
性別や地域によって一人暮らしの平均家賃に差があるため、自分に合った適切な家賃を決めるにはどうするべきか悩んでいる方も多いでしょう。ここからは自分に合った家賃を決めるための代表的な方法を2つ紹介します。それぞれの方法をもとに、自分に合った家賃を考えてみましょう。
- 手取り月収から考える
- 現在の生活費から考える
手取り月収から考える
自分に合った家賃を決める際には手取り月収から考えましょう。
一人暮らしの月々の家賃は手取り月収の1/3〜1/4が目安とされています。手取り月収の1/3〜1/4に抑えることで、趣味などにもお金を使えるため、ゆとりのある生活を送れるでしょう。厚生労働省の「令和5年賃金構造基本統計調査の概況」によると、30代の男女の平均月収は以下のとおりです。
男性 | 女性 | |
---|---|---|
30〜34歳 | 302.1千円 | 259.6千円 |
35〜39歳 | 337.9千円 | 270.1千円 |
なお、これらの金額は手取りではなく、額面収入です。額面収入をもとにして計算をすると、手取り収入との乖離が生じてしまうため、家賃によって家計が圧迫される危険があります。手取り収入を求める際には額面収入の8割を目処に考えましょう。収入をもとに考える際には手取りをもとに考えましょう。
現在の生活費から考える
現在の生活費から逆算して考えるのもおすすめの方法です。毎月いくら貯蓄や趣味に回したいかなど、現在の支出を細かく分けることで、家賃に回せる金額が明確になります。生活費を見直すきっかけにもなるため、一人暮らしを機に家計に目を向けてみましょう。
総務省の「平成29年家計調査」によると、年齢階級別の平均生活費と内訳は以下のとおりです。
平均生活費と比較して自分の家計を見直してみましょう。これらのデータのように、項目を細かく分けることで、それぞれの支出額を正確に把握しやすくなります。
家賃をもとにどの程度の部屋に住めるかを考える
月収や生活費をもとに、適正な家賃を算出できた方が次に気になるのは「今の予算でどの程度の部屋に住めるのか」ということではないでしょうか。同じ家賃であっても地域ごとにどの程度の広さの家に住めるかは異なるため、都道府県別のデータをもとに考えてみましょう。
現在考えている家賃でどのような家に住めるかが分かることで、家賃をさらに上げなければならないのか、現状のままで良いのか、下げても問題ないのかといった判断ができます。
都道府県別の1畳あたりの家賃
総務省の「平成30年住宅・土地統計調査」によると、各都道府県別の1ヵ月あたりの家賃、1畳あたりの家賃は以下のとおりです。
1ヵ月の家賃は全国平均で55,695円、1畳あたりの家賃は3,074円との結果が出ています。しかし、東京では1ヵ月の家賃が81,001円、1畳あたりの家賃が5,128円と平均値より大幅に高い価格となっています。部屋の大きさによって家賃は異なるため、実際に家賃を決める際には、1畳あたりの家賃を㎡単位に換算し、参考にしましょう。
1畳は1.62㎡以上と定められており、一人暮らしに多いワンルームの面積は25㎡前後、1LDKは約40㎡です。東京都の1畳あたりの家賃をもとにワンルーム、1LDKの家賃を計算すると以下の結果になります。
ワンルーム(25㎡) | 約79,000円 |
1LDK(40㎡) | 約126,000円 |
このように、これから一人暮らしを始める都道府県毎の1畳あたりの家賃を㎡換算し、どの程度の広さの部屋に住めるかを考えましょう。
家賃を下げるための5つのポイント
30代で一人暮らしを始める方は、趣味や将来の支出に備えた貯蓄にお金を回すために、なるべく家賃を下げたいと考える方も多いでしょう。ここからは家賃を下げる5つのポイントについて解説します。
- 譲れない条件を決める
- 最寄り駅を変えて探す
- 駅距離を幅広く探す
- 築年数が経過した物件も検討する
- カード払いが可能な賃貸を選ぶ
譲れない条件を決める
一人暮らしをする物件を決める際には、最初に譲れない条件を決めましょう。物件を探しているうちにあれもこれもと条件が増え、いつまでも決められなくなってしまう方も多いです。希望条件をすべて満たす100点の物件にはなかなか巡り会えません。最初に絶対に譲れないポイントを明確にすることで、スムーズに物件を選べるでしょう。
最寄駅を変えて探す
希望条件に合う物件が見つからない場合は、最寄駅を変えて探してみましょう。特に家賃が希望価格よりもオーバーしてしまう場合は、変えるのがおすすめです。快速が止まる駅や複数路線が利用可能な駅は家賃が高い傾向にあるため、家賃を下げたい場合は近隣の駅で探してみましょう。人気駅の隣の駅などは、利便性は高いものの家賃が抑えられている傾向にあるため狙い目です。
駅距離を幅広く探す
駅近で希望条件に該当する物件がない場合は、駅からの距離を広げて探してみましょう。駅からの距離が近ければ近いほど家賃は高い傾向にあります。また駅近物件は坪単価が高いため、広い土地を確保できず、1部屋が狭いケースもあります。駅から離れることで、面積が広く、家賃が安い物件も増えるため、毎日どの程度なら歩けるかを踏まえて検討しましょう。
築年数が経過した物件も検討する
賃貸物件を探す際には築年数を絞って探す方が多いですが、古い物件も合わせて検討することで選択肢が広がります。築年数が経過していたとしても、リノベーションによって室内は新築同様の物件も多いです。室内は新築同様ですが、家賃は新築よりも安い傾向にあるため、リノベーション済み物件などを探してみるのも良いでしょう。
カード払いが可能な賃貸を選ぶ
家賃にかかわる費用を抑えたい場合は、カード払いが可能な賃貸を選ぶのがおすすめです。直接的に家賃が下がるわけではありませんが、カード払いにすることで、ポイントが貯まります。家賃は毎月支払うものなので、ポイントが貯まる効果は大きいでしょう。
また、銀行で振り込みをする手間や手数料がかからないことに加え、支払い忘れを避けられる点もメリットです。これから賃貸を選ぶ方は、カード払いが可能な物件を探してみましょう。家賃の支払いをお得にしたい、スムーズに支払いたい方におすすめなのが「セゾンの家賃保証」です。
セゾンの家賃保証を利用することで、カードでの支払いが可能となり、ポイントが貯まります。賃貸への入居は保証会社か連帯保証人を立てる必要があるため、これから一人暮らしをする方はご検討してみてはいかがでしょうか。
引っ越し費用を下げるための2つのポイント
一人暮らしを始めるにあたって必要になるのは物件費用だけではなく、引っ越し費用も必要です。初期費用を抑えたい方は、引っ越し費用を下げる工夫もしましょう。ポイントは以下の2つです。
- 引っ越しは繁忙期を避ける
- 引っ越し会社は相見積もりをとる
それぞれについて解説します。
引っ越しは繁忙期を避ける
引っ越しをする際には繁忙期を避けましょう。具体的な繁忙期は、新生活シーズンである2月〜4月です。この時期は引っ越しの予約が取りにくく、料金が高額です。可能であれば繁忙期の引っ越しは避けましょう。
30代は、転勤などで一人暮らしを始める方も多いです。実家に住み続けるのではなく、一人暮らしをしてみたいという思いから自主的に一人暮らしを始める方も多いでしょう。自主的に一人暮らしを始める場合は、引っ越し時期に制限があるわけではないため、料金の安いシーズンに引っ越すのがおすすめです。
引っ越し会社は相見積もりを取る
引っ越し会社は必ず相見積もりを取りましょう。1社だけの見積もりではその価格が高いか安いかの判断ができません。料金は引っ越し会社によって大きく異なるため、依頼先によって一人暮らしの初期費用が大きく変わります。
また、荷解きや室内の清掃など引っ越し時のサービスが豊富な会社も多いため、自分にとって必要かどうかを判断しましょう。そのような作業は自分でやると引っ越し費用を節約できます。
引越し&新生活ナビ by saison cardでは引っ越しに関する各種申請や手続きの解説、負荷軽減および光熱費の見直しサービスなどのご提供、そして新生活に役立つセゾンカード優待を紹介しています。
一人暮らしを始めるにあたっての注意点
30代の一人暮らしにかかる家賃や引っ越し費用について解説しましたが、いざ一人暮らしを始めようとするとほかにも不安に感じる方も多いでしょう。ここからは一人暮らしを始めるにあたっての注意点について解説します。注意点を理解したうえで、一人暮らしの計画を立てましょう。
- 長く住むことを前提に物件探しをする
- 緊急時の費用以外でまかなう
- 室内だけでなく周辺環境も確認する
長く住むことを前提に物件探しをする
一人暮らしをする際は、長く住むことを前提に物件を探しましょう。1度の転居には、敷金や礼金、仲介手数料、引っ越し費用など多くの初期費用がかかるため、頻繁に繰り返すと金銭面での負担が大きくなります。
家賃が安いからといった理由だけで入居してしまうと、室内や周辺の環境によってストレスを感じ、またすぐに引っ越す事態に陥ることもあるでしょう。一方で室内は快適なものの、家賃が高過ぎると、月々の支出で家計が圧迫されてしまいます。物件の快適さと家賃のバランスを踏まえ、一人暮らしの目的を明確にして物件探しをしましょう。
緊急時の費用以外でまかなう
一人暮らしにはまとまった初期費用が必要ですが、引っ越し費用とは別に緊急時の資金を準備しておきましょう。ケガをして入院する場合や、病気で手術する場合など、緊急時にお金がなければ適切な対処ができずに困ってしまいます。安心して生活するためにも、引っ越し費用とは別に蓄えておく必要があります。引っ越し直後は家具の購入などでお金がかかりますが、家具のサブスクリプションサービスなどもあるため検討してみましょう。
室内だけでなく周辺環境も確認する
一人暮らしの物件を選ぶ際には、室内だけでなく周辺環境も確認しましょう。日中だけでなく夜にも訪れてみると、日中との違いが分かるでしょう。夜の人通りや道の明るさは防犯面でも重要であるため、事前に確認しておくのがおすすめです。また、平日と休日に分けて訪れることで、街の様子も違って見えるでしょう。実際に物件を選ぶ際には、昼と夜、平日と休日など、異なる条件で確認するのがおすすめです。
30代の一人暮らしは将来設計を重視して家賃を決めよう
一般的に30代は働き盛りで収入が増える傾向にありますが、結婚を望む方は将来設計についても考える必要があります。趣味や将来のための貯蓄にお金を回したい場合、手取り月収の1/3〜1/4の家賃に設定するのがおすすめです。
一人暮らしをするエリアによっても必要な費用は異なるため、自分が一人暮らしをするエリアの平均家賃を事前に把握しておきましょう。また、実際に部屋を選ぶ際には、家賃を下げる5つのポイントをぜひ参考にしてみてください。
- 譲れない条件を決める
- 最寄り駅を変えて探す
- 駅距離を幅広く探す
- 築年数が経過した物件も検討する
- カード払いが可能な賃貸を選ぶ
これらのポイントを押さえることで、家賃を抑えながらも充実した生活を送れるでしょう。
一人暮らしでの生活費はいくら必要?目安と節約に必要なことを費用別に解説した動画を紹介!
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