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介護認定調査への申し込みから認定までの流れ、チェックされる項目を解説

介護認定調査への申し込みから認定までの流れ、チェックされる項目を解説
セゾンのくらし大研究 編集部

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介護保険を利用するために必要である介護認定調査に申し込んでから、認定を受けるまでの流れについて解説します。また、調査ではどのような項目がチェックされるのか、判定にはどの程度の期間がかかるのかについても見ていきましょう。適切な判定を受けるためのコツも紹介するため、ぜひ参考にしてください。

1.介護認定調査とは介護保険を利用するための調査

介護認定調査とは、介護保険を利用するために必要な調査です。訪問調査員が自宅などを訪問し、介護保険の利用を検討している対象者の状態を調べます。

介護認定調査を受けるためには、市区町村に要介護認定を申請することが必要です。要介護認定の申請を受けてから要介護認定まで30日以内に行われる必要があるため、要介護認定に不可欠な認定調査は、原則として申請から1~2週間以内に実施されるでしょう。

なお、訪問調査員は、介護保険の利用を検討している対象者が普段生活をしている場を訪問し、聞き取り調査を行います。普段自宅で生活をしている場合は自宅訪問となりますが、施設や病院で生活している場合は、プライバシーに配慮しつつ生活の場で調査をします。

また、介護認定調査では、介護保険の利用対象者を普段から介護している方の話を聞き取ることが不可欠です。そのため、事前に連絡を取り、介護者がいる日時を選んで訪問予定を組みます。

1-1.介護保険の対象となるサービス

介護認定調査により、要介護認定を受けた場合は、介護保険の対象となるサービスを保険適用料金で利用できるようになります。サービスは大きく訪問・通所・入所・その他の4つに分けられます。それぞれの主なサービス内容は以下のとおりです。

<訪問サービス>

  • 訪問介護:ホームヘルパーの訪問による入浴や食事などの日常生活の支援
  • 訪問入浴介護:介護士などの訪問による簡易浴槽を使った入浴サービス
  • 訪問リハビリテーション:理学療法士などの訪問によるリハビリテーションサービス
  • 訪問看護:看護師の訪問による診療の補助や療養上必要な看護
  • 居宅療養管理指導:医師や歯科医師などの訪問による療養上の管理指導

<通所サービス>

  • デイサービス:通所介護施設での入浴や食事の世話、機能訓練
  • デイケア:介護老人保健施設などでの入浴や食事の世話、リハビリテーション

<入所サービス>

  • ショートステイ:介護老人福祉施設などへの短期入所による入浴や食事の世話、機能訓練など
  • 施設入所:介護老人保健施設や介護療養型医療施設などへの入所による入浴や食事の世話など

<その他>

  • 車いすや介護用ベッドなどの福祉用具の貸与
  • 入浴や排せつに関連する福祉用具の購入補助
  • 自立した日常生活や介護者の負担軽減を目的とした住宅リフォーム費用の補助

利用できるサービスや介護保険でカバーされる金額は、認定された要介護度によっても異なります。また、要支援認定を受けた場合も、訪問・通所・入所・その他のサービスを利用できますが、主に介護予防サービスです。

例えば介護予防訪問リハビリテーションや介護予防通所リハビリテーション、介護予防短期入所生活介護、介護予防を目的とした住宅リフォームなどを利用できます。

1-2.介護保険の自己負担割合

介護保険の自己負担割合は通常は1割です。しかし、介護保険を適用される本人の前年合計所得金額が160万円以上220万円未満のときなどは一定以上所得者と判断され、自己負担割合は2割となります。

また、本人の前年合計所得金額が220万円以上のときなどは現役並み所得者と判断され3割負担です。自己負担割合については、介護保険負担割合証に記載されています。確認しておきましょう。

介護保険が適用された場合でも、自己負担割合によって、あるいは利用するサービスの量などによっては経済的な負担が大きくなることもあります。また、介護保険が適用されるサービスであっても、部分的に実費が必要になることがあります。例えばデイサービスなどの食事の提供を受けるサービスを利用するときは、食事代が別途必要です。

ショートステイなどの宿泊を伴う施設を利用するときは、施設費用が加算されます。そのほかにも、おむつ代などの日用品を利用した場合にも、加算して請求されるため、最初に見積もった金額よりも高くなることがあるでしょう。

公的な介護保険では介護サービス利用料の一部負担という形で保証を受けるため、自己負担分や生活費、交通費などにはサポートを受けられないという点にも注意が必要です。介護保険は適用されても介護にかかる費用が高額で、家計の負担になることもあるかもしれません。

介護が必要になったときに給付金を受給できる民間の介護保険も検討してみましょう。民間の介護保険では現金が給付されるため、介護サービスの自己負担分や生活費などに自由に利用できます。セゾンでは家族の介護に活用できる介護保険や認知症のときに給付金を受給できる保険など、多彩な介護保険を取り扱っています。ネットでお見積もりもできます。ぜひお問い合わせください。

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2.介護認定調査への申し込みから認定までの流れ

介護認定調査への申し込みから認定までの流れ

介護サービスの利用を検討している方、あるいはご家族は、まずは介護を必要としている方の介護認定を受けなくてはいけません。介護認定には介護認定調査が必要となります。介護認定調査の申し込みから認定までの流れは以下のとおりです。

  1. 要介護認定を申請する
  2. 訪問調査
  3. 一次判定
  4. 主治医に意見書を作成してもらう
  5. 二次判定

それぞれの段階について、詳しく解説します。

2-1.要介護認定を申請する

まずは市区町村役場に要介護認定の申請を行います。地域包括支援センターでも受け付けているため、アクセスしやすいほうに行きましょう。申請の際に必要な書類は以下のとおりです。

  • 申請書(市区町村の窓口またはホームページからダウンロード)
  • 介護保険被保険者証(65歳以上の方)
  • 健康保険被保険者証(64歳以下の方)
  • 本人以外が申請を行うときは印鑑
  • マイナンバーが分かる書類
  • 顔写真付き身分証明書
  • 診察券などの主治医の情報が確認できるもの

なお、市区町村により必要な書類が異なる場合もあるため、事前に市区町村役場や地域包括支援センターなどに問い合わせておきましょう。

2-2.訪問調査

要介護認定の申請が受理されると、1~2週間程度で訪問調査員が自宅などに調査に訪れます。事前に訪問調査の日時についての打ち合わせがあります。普段介護をしている方やご家族が同席するようにしましょう。

訪問調査では、全国共通の調査票を用いて介護認定の申請をした方の心身の状態が確認されます。

2-3.一次判定

調査票の結果からコンピュータによる一次判定が実施されます。一次判定の際には、要介護や要支援に該当するかという点だけでなく、要介護度・要支援度についても判定されます。

ただし、一次判定で判断された要介護度・要支援度で確定されるわけではないという点に注意しましょう。一次判定による判断と訪問調査による結果、主治医の意見などから総合的に二次判定を実施し、最終的な要介護度・要支援度が決まります。

2-4.主治医に意見書を作成してもらう

介護認定には、介護認定の申請をしている方の主治医の見立ても反映されます。主治医がいない場合には、自治体が指定した医師が介護認定の申請をしている方を診察し、介護認定が必要か見立てて意見書を作成して提出します。

2-5.二次判定

一次判定の結果と訪問調査により得られた情報、主治医の意見書を合わせて、二次判定を実施します。二次判定では要介護1~5、要支援1~2、それ以外に分けて判定されます。

なお、要介護あるいは要支援と判断された方における介護度・支援度の割合は以下のとおりです。介護度・支援度に大きな偏りは見られませんが、要介護1と要介護2の方が比較的多いといえるでしょう。

 要支援1要支援2要介護1要介護2要介護3要介護4要介護5
割合14.0%14.1%20.2%17.3%13.2%12.2%9.0%

参考:厚生労働省「令和元年度介護保険事業状況報告(年報)」

2-5-1.原則として30日以内に結果が通知される

二次判定が行われた後、認定調査の結果が通知されます。原則として申請してから30日以内に結果が通知され、訪問調査が申請の1~2週間後であれば、その2~3週間後に結果が分かることになるでしょう。

もし要介護度や要支援度の通知結果に不服がある場合は、都道府県ごとに設置されている介護保険審査会に申し立てます。

3.介護認定調査でチェックされる項目

介護認定調査では、介護認定を受ける対象者の状態を知るために幅広い要素がチェックされます。調査時間は平均30分~1時間です。確認される要素は大きく次の5つの項目に分けられます。

  • 基本動作
  • 生活機能
  • 認知機能
  • 社会行動・適応
  • 医療行為

それぞれの項目で何がチェックされるか詳しく見ていきましょう。

3-1.基本動作

まずは介護認定を受ける対象者の基本動作についての確認です。主に次の要素がチェックされます。

  • 麻痺があるか
  • 寝返り、起き上がり、立ち上がり
  • 自分で身体を洗えるか
  • 視力、聴力 など

例えば麻痺があると答えた対象者に対しては、左右の手足のいずれに麻痺を感じるのか、動かそうとしても動かないのか、あるいは動かしているつもりでも第三者には判別できる状態ではないのかなど、詳細に調査します。

また、普段は四肢を動かせていても、調査日に身体を自由に動かせないなどの事情がある可能性もあるでしょう。その場合には率直に調査員に伝えることで、おおよそ最近1週間の様子を口頭で申告するなどの方法も選択できるようになります。

3-2.生活機能

生活機能に関しては、日常生活においてどの程度の介助を受けているのかによって判断します。次のような要素が調査されるでしょう。

  • ベッドから車いす、畳から椅子などの移動を自分で行えるか
  • 介助が必要か、福祉用具を使っているか
  • 嚥下できるか
  • 食事の摂取は一人でできるか
  • 排尿、排便は一人でできるか
  • 歯磨きは一人でできるか
  • 着替えは一人でできるか など

例えば着替えについては、上衣とズボンの着用に分けて調査されます。それぞれの着用が一人では難しいときは、見守りが必要か、実際に介助者が手助けする必要があるかなど、細部に分けて確認されるでしょう。

3-3.認知機能

他者と意思伝達ができているのか、短期記憶があるかなどの認知機能についても確認されます。主なチェック要素は以下のとおりです。

  • 意思伝達できるか
  • 毎日のスケジュールを理解しているか
  • 生年月日、年齢を理解しているか
  • 面接調査前に何をしていたか(短期記憶)を理解しているか
  • 名前、季節、場所を理解しているか
  • 徘徊する、出かけると一人で戻れないなどのことがあるか など

例えば意思伝達であれば、介護認定を申請する対象者が自分の意思を誰にでも伝えられるのか、それとも家族などの限られた方にのみ伝えられるのかをチェックします。

また、限られた方にのみ意思を伝達できる場合でも、常に可能なのか、ときには伝わらないことがあるのかなど、より詳細に把握していきます。

3-4.社会的行動・適応

社会的行動や適応を確認することで、精神障害や行動障害の有無をチェックします。

  • 被害妄想があるか
  • 感情が安定しているか
  • 話の繰り返しは多いか
  • 大声を出すことはあるか
  • 破壊癖、収集癖などがあるか
  • 服薬管理は一人でできるか
  • 金銭管理は一人でできるか
  • 意思決定はできるか
  • 買い物はできるか

例えば、「ものを盗られた」などの被害妄想が見られる場合は、被害妄想が起こる頻度についても調べることが必要です。週に1回以上あるときは「ある」、月に1回以上あるいは週に1回未満見られるときは「ときどきある」と区別して記録します。

また、服薬中の場合は、自分で管理ができているかについての確認が必要です。服薬する際に見守りが必要か、手元に薬を渡す、水を用意するなどの介助が必要かなど、細かく分類して記録します。

3-5.医療行為

介護認定の申請を行う方の中には医療行為を受けた方、あるいは2週間以内に特別な医療行為を受けた方も含まれているでしょう。次の項目を確認し、医療行為について把握します。

  • 2週間以内に受けた特別な医療行為(点滴、透析、レスピレーター)

長期療養中の場合には、褥瘡(じょくそう)が生じている可能性もあるでしょう。医師によって褥瘡の処置を指示され、看護師などによって実際の処置が行われたかどうかも記録します。

4.介護認定で正しく評価されるためのコツ

介護認定で正しく評価されるためのコツ

介護認定の訪問調査は、通常1回のみ実施されます。1回の調査で正しく評価されるためにも、普段から介護認定申請者と一緒に生活し、介護を担当している家族が同席するようにしましょう。訪問日は事前に訪問調査員と話し合って決めることができます。都合の良い時間に調整しておきましょう。

また、介護認定を受けたい、あるいは介護度を変更するために、事実と異なる様子を訪問調査員に伝えてはいけません。家族や本人の意思ではなく事実によって介護度・支援度が判断されるように、過少・過大評価せずにありのままを伝えるようにしましょう。

詳細な情報を提供することも、正しく評価されるために必要なことです。介護認定を申請する方の介護を行うときに困りごとがあるとき、あるいは一緒に生活することに不安を感じているときも、訪問調査員に現状を正確に伝えましょう。

5.認定結果に不服がある場合は?

介護認定の結果に対して納得がいかない場合は、「介護保険審査会」に対して、不服申し立てを行います。不服申し立ては介護認定通知の受け取りの翌日から60日以内に行う必要があるうえ、結果が出るまでに数ヵ月程度かかることもあるため注意が必要です。

早めに介護度・支援度を変更してほしいときは、不服申し立てではなく「区分変更申請」も検討できます。区分変更申請とは定期的に実施される要介護認定の更新(原則初回6ヵ月、その後は原則12ヵ月ごと)を待たずに要介護度が変化したと考えられる段階で行う申請です。いつでも申請でき、30日以内に再調査の結果を受け取れるのが特徴です。

ただし、区分変更申請の審査を受けた場合でも、希望通りの要介護度や要支援度が認定されない場合もあります。納得できないときは、次回以降の更新による判定を待つようにしましょう。

なお、介護認定を受けるまででも介護サービスを利用することは可能です。地域包括支援センターに介護保険資格者証を持っていき、介護サービスを利用したいことを申告すれば、1~3割の自己負担で利用できるでしょう。介護認定の効力は介護認定を申請した日から発生します。

介護認定を受けられなかった場合は、認定前に受けた介護サービスは全額自己負担となるため、注意が必要です。地域包括支援センターのスタッフとも相談し、緊急性が高く、介護認定を受けることが確実と思われる場合に認定前の介護サービスの利用も検討しましょう。

6.介護への備えを始めよう

介護サービスが必要になる可能性は、誰にでもあります。また、自分自身だけでなく家族に介護サービスが必要になることもあるでしょう。介護が必要になったときにスムーズに介護サービスを受けるためにも、介護認定調査の手順や注意点について理解しておくことが求められます。

介護認定調査でチェックされる項目についての知識も必要です。基本的に認定調査は1回のみ実施されます。1回で正確に調査してもらうためにも、あらかじめチェック項目についての理解を深めておくことが大切です。

また、民間の介護保険で備えることも検討してみましょう。公的介護保険では介護サービスにかかった費用の一部をカバーできますが、施設入所などにかかる費用、介護サービスの自己負担分、生活費などには備えることはできません。

民間の介護保険の場合は現金として給付金を受給でき、必要に応じた使い方ができます。将来のためにも、一度、介護保険も含めた保険の見直しを検討してみましょう。

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