決して収入が少ないわけではないのに、気が付いたらお金が減っているという方もいるかもしれません。このような場合、出費を抑えることが必要になりますが、適した方法は原因や家族構成、生活スタイルによっても異なります。そこで今回の記事では、出費を抑える方法を出費が多くなる原因や具体的に取り入れるべきコツと絡めつつ、詳しく解説するのでぜひ参考にしてください。
(本記事は2024年8月6日時点の情報です)
- 出費は家族構成に左右される部分もあるが、セールや限定品を見ると買ってしまうなど生活スタイルの影響も大きい
- 住居費、光熱費、保険料、通信費などの固定費の見直しは節約効果が高い
- 食費など変動費の見直しや先取り貯蓄など生活スタイルの工夫も取り入れるとさらに節約効果が高くなる
- ただし、あまりに節約を意識し過ぎると生活に負担がかかり、自分や家族のストレスの原因となるので無理のない範囲で取り組むこと
出費が多い主な原因とは?
出費が多い主な原因はさまざまです。家族が多ければその分食費や生活費はかかりますが、家族が少なくてもかかることもあります。例えばセールや限定品を見るとついつい買ってしまう、コンビニに立ち寄る回数が多いという方は気が付いたら出費がかさんでいることも珍しくありません。また、医療費や冠婚葬祭など、予定外の出費が多ければやはり出ていくお金も増えます。
さらに、1年を通じてみれば出費が多い時期とそうでない時期に分かれるのも大きな特徴です。ゴールデンウィークなどの大型連休がある時期は、旅行に出かける方も多いはずなので、その分お金がかかります。
また、新生活が始まる3~4月頃は、生活の変化に備えて準備が必要であるため、出ていくお金が増えてもおかしくありません。家計を苦しくしないためには、家電の購入など、大きな出費を伴う買い物が重ならないよう調整するのが望ましいでしょう。
出費を減らす固定費の節約術
固定費とは、家計において毎月一定額が発生する項目のことです。代表的なものとして以下の4つが挙げられますが、一度カットできれば節約効果が大きいのでぜひチャレンジしましょう。やり方としては、上限を設定し、毎月の発生額がその上限を上回らないようにするのがわかりやすいはずです。
- 住居費
- 光熱費
- 保険料
- 通信費
住居費の見直し
住居費は毎月発生するうえに、額もかなり大きいので見直せれば節約効果も大きくなります。地域や家族構成によって多少の差はありますが、ひとつの目安として家賃や住宅ローンの支払いが手取り収入に対して25%以上の場合は、見直しを考える必要があるでしょう。賃貸物件に住んでいるなら、更新のタイミングで家賃交渉をするのもひとつの方法です。
光熱費の節約に努める
光熱費の節約に努めるのも、毎月の出費を抑えるという意味ではぜひ取り入れて欲しい工夫です。契約アンペア数が大きければ大きいほど基本料金も高くなるため、問題がなさそうなら小さくすると節約になります。
また、電気会社やプランの見直しをすることでも基本料金を安くできる余地がありますが、条件次第ではかえって高くなるので事前のシミュレーションは必須です。
加えて、細かい節約方法をできる範囲で取り入れるのも節約には役立ちます。いくつか具体例を挙げておくので取り入れられそうなものからチャレンジしてみてはいかがでしょうか。
- 洗濯物はまとめて洗う
- ご飯は炊いたら冷凍保存して食べる前にレンジにかける
- 野菜の下茹ではガスではなく電子レンジを使う
- エアコンのフィルターはきれいに掃除する
- 30分~1時間程度の外出ならあえてエアコンを消さないでいく
保険料の見直し
保険料の見直しも、家計のスリム化という意味では見逃せない課題です。保険会社や商品、契約条件によっても多少の差はありますが、保険料金は、月払いよりも年払いのほうが2~5%程度安くなります。年払いにするとまとまったお金が出ていくため、支払い月に困らないよう、積み立てておくことが重要です。
また、複数の保険を契約している場合、保障内容が重複していないかも確認しましょう。重複している場合、契約内容の見直しをし、本当に必要な保障だけを残すようにすれば、保険料の節約にもつながります。
通信費の見直し
通信費の見直しも、節約という意味では見逃せません。携帯電話を格安SIMに切り替えたり、同じキャリアの別のプランにしたりするだけでも、節約効果は見込めます。ただし、条件次第では思ったより安くならないことがあるため、事前のシミュレーションが必須です。
また、パケット通信料を節約するためには、外出先でフリーWi-Fiを使うのも1つの方法でしょう。ただし、セキュリティの問題があるため、ファイルの転送などトラブルが懸念されることには使わないほうが無難です。
出費を減らす流動費の節約術
家計の節約という意味では、流動費の見直しも必要になるでしょう。流動費とは、毎月支出額が変動する費用のことです。外食費、交際費、被服費、娯楽費など、生活の中で発生する可変的な出費が該当します。こうした支出は固定費に比べてコントロールしづらい面もありますが、工夫次第で確実に節約できるのでぜひチャレンジしましょう。
取り入れて欲しい工夫として、以下の4つを紹介します。
- 食費を節約する
- 被服費を節約する
- 100円ショップやコンビニの利用を減らす
- 医療費の節約
食費を節約する
食費を節約するためには、外食やフードデリバリーの利用回数を減らすと効果が大きくなります。共働きで疲れて帰ってきたら食事が作れないかもしれませんが、その場合でも毎回外食やフードデリバリーに頼るのは好ましくありません。以下の工夫を取り入れ、上手に外食やフードデリバリーの利用頻度を減らしましょう。
- 冷凍食品やレトルト食品、ミールキットを使う
- 休日に常備菜を作り置きする
- 週1回など、外食やフードデリバリーの利用回数を決める
被服費を節約する
被服費を節約するためには、服を買う前にクローゼットを見直し、似た服を持っていないか確認するのが重要です。買ったあとに似た服を持っていたことを認識したとしても、服自体に不備がないと返品するのが難しいため、毎回確認するようにしましょう。
また、質的にはまだ着られるものの、自分では着る予定がない服は、フリマやネットオークション、リサイクルショップへの持ち込みなどを活用して手放しましょう。
100円ショップやコンビニの利用を減らす
100円ショップやコンビニの利用を減らすのも、節約という意味では非常に重要です。各商品の単価は安いものの、ついつい目移りして無駄なものを買ってしまいがちなので、結果として浪費につながります。
これらの店舗を使う場合は、事前に買うものをリストアップし、用事が済んだらできるだけ早く帰宅するのが節約においてはプラスになります。
医療費の節約
医療費の節約も、家計の節約という意味では重要になります。医療機関から薬の処方を受けた場合は、ジェネリック医薬品を選択したほうが出費は抑えられます。ただし、医師によってはジェネリック医薬品を処方しない方針を取っていたり、ジェネリック医薬品の成分が合わなかったりすることもあるので、可能な範囲で構いません。
また、自分や家族が1年間で実際に支払った医療費の合計額が10万円を超える場合は医療費控除を申請しましょう。一定額を医療費控除として所得税の計算にあたり差し引けるため、結果として節税につながります。
出費を減らすためのポイント5つ
ここまで紹介したこと以外にも、出費を減らすために取り入れられる節約術にはさまざまなものがあります。ぜひ取り入れて欲しい節約術として、以下の5つについて解説しましょう。
- 家計簿をつけて支出を把握する
- 投資や貯蓄は先取りする
- キャッシュレス決済を活用してポイントを貯める
- クレジットカードの見直し
- 無理な節約はしない
家計簿をつけて支出を把握する
そもそも、自分が何にどれだけお金を使っているかわからなくては節約も難しいので、家計簿をつけて支出を把握しましょう。ただし、家計簿をつけ続けられないことも多いのも事実です。長続きさせるためには、以下のコツを取り入れてみましょう。
- 自分が家計簿をつける目的を明確にする
- 項目を細かく設定し過ぎない
- クレジットカードなど利用明細が残る支払い方法を使う
- つけた家計簿は定期的に見直す
- 自分にとって使いやすいツールを使う
投資や貯蓄は先取りする
投資や貯蓄は先取りするのを心がけましょう。なかなかお金が貯まらない方が陥りがちなミスに「やりくりをして、残った分を貯金する」ことが挙げられます。理論上は不可能ではありませんが、お金があれば使ってしまう方が多いため、このやり方では貯蓄や投資がうまくいかないのも事実です。
逆に「まず一定額を貯蓄や投資に回し、残った分で生活する」ようにするほうが、貯めやすくなります。「使い切っても一定額は貯めているから問題なし」と、心理的なハードルを下げるのにも役立つので、ぜひチャレンジしてみましょう。
キャッシュレス決済を活用してポイントを貯める
キャッシュレス決済を活用してポイントを貯めるのも、節約には役立ちます。スーパーなど普段の買い物で使うだけでなく、水道光熱費や通信料など固定費の支払いに利用できる場合もあるため、さらに効率的にポイントを貯めることが可能です。
ただし、ポイントを貯めたいからといって、不要なものまで買うのは本末転倒なので、あくまで「必要な出費の支払いに使う」前提で考えましょう。
クレジットカードの見直し
クレジットカードの見直しにも着手しておきましょう。複数のクレジットカードを使用していると引き落としが分散するため、あまりお金を使っていないような感覚に陥ってしまうことがあります。
加えて、クレジットカードの中には「初年度年会費無料、次年度以降は有料」というパターンのものもあるので、知らないうちに年会費が発生するのは珍しくありません。年会費を払っても使う価値があるほど特典が充実しているなら別ですが、そうでない場合は解約も検討しましょう。
無理な節約はしない
節約を続けるうえで非常に重要なのが、無理な節約はしないことです。無理を続けるとストレスのもとになり、そのストレスを解消すべく無駄遣いに走りかえって出費が増えるかもしれません。また、自分では問題ないと思っていても、家族が不満を溜め込んでいることも考えられます。
あくまで節約は、無理のない範囲で長期間続けられる方法で取り組むのが重要です。
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節約をしたほうが良いとわかっていても、なかなか続けられないという方もいらっしゃると思います。また、節約はできていたとしても、他にお金の悩みを抱えていることもあるかもしれません。そのような場合は、ぜひプロに相談してみましょう。
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おわりに
出費を抑えることは、ただ漫然と取り組んでいてもなかなか難しいのも事実です。まず、なぜ出費を抑えたいのか考えたうえで家計簿をつけ、削れる項目とそうでない項目をあぶりだし、無理のない方法で節約を続けるのが現実的な選択肢になります。節約効果という意味では固定費を減らすほうが高いので優先して取り組み、余力があれば変動費にも着手しましょう。
加えて、いずれにしても重要なのは無理をしないことです。自分や家族が知らないうちにストレスを溜め込み、かえって浪費につながることがある点には注意しましょう。