ガス代は毎月支払いが必要なので、家計のために少しでも節約したいと思っている方は多いでしょう。特に冬場はお湯を使う機会が増え、ガス代が高くなるので、さらに家計に大きな負担がかかるかもしれません。ガス代は世帯に住んでいる人数や家庭のライフスタイルによって変わってきますが、基本的にガスを使う機会が多ければ、その分ガス代が高くなります。
しかし、ガス代はちょっとした工夫で節約できます。このコラムでは、ガスの使用量が多いお風呂やキッチンでできる節約方法、そして契約面でのガス代の節約方法を紹介するので、ぜひ実践してみてください。
1.世帯別のガス代平均額
一般的にガス代の平均はどのくらいなのか、世帯別のガス代の平均額をまとめてみました。まずは自宅のガス代が他の家庭と比べてどのくらい違うのか確認してみましょう。
世帯 | ガス代平均額(1ヵ月) |
単身世帯 | 2,993円 |
二人世帯 | 4,330円 |
三人世帯 | 4,930円 |
四人世帯 | 4,882円 |
五人世帯 | 4,883円 |
六人以上世帯 | 5,213円 |
参照元:総務省統計局 家計調査
基本的には家庭のライフスタイルや住んでいる人数が増えればガス代が高くなりますが、3人以上の世帯は大きくガス代が変わらず、おおむね5,000円前後であることが分かります。
2.プロパンガスと都市ガスの違い
ガス代は家庭のライフスタイルや世帯人数だけではなく、ガスの種類によっても変わってきます。ガスの種類は「プロパンガス」と「都市ガス」の2つに分けられます。ガスの種類についてそれぞれ詳しくみていきましょう。
2-1.プロパンガス(LPガス)
プロパンガスとはLPG(Liquefied Petroleum Gas)と呼ばれる石油液化ガスで、「LPガス」と書かれたボンベを使って各家庭に配送されます。自宅がプロパンガスか都市ガスのどちらを使っているか分からない場合は、ボンベがあるかどうか確認してみてください。
プロパンガスは本来臭いがありませんが、ガス漏れをしたときに気付きやすいように臭いが付けられています。また、プロパンガスは火力が出やすい一方で、ボンベを運ぶのに人件費がかかるためガス代は高いです。地域やプロパンガス会社によって変わりますが、都市ガスと比べるとガス代が2倍近く高くなることもあります。
2-2.都市ガス
都市ガスとはメタンと呼ばれる燃える気体が主な成分である天然ガスで、道路の下にあるガス管を通して供給されます。プロパンガスと同じように本来は臭いはしませんが、ガス漏れをしたときに気付くよう臭いがつけられています。
都市ガスはガス管を通して供給されるため、その分ガス代がプロパンガスに比べて安いです。ただし、災害があったときに復旧まで時間がかかったり、サービスが提供されている地域が限られているといったデメリットがあります。
3.ガス代が高くなってしまう原因とは?
ガス代が高くなる原因はいくつかあります。ご自身の家のガス代が平均額よりも高い場合には、何か原因がないか確認してみましょう。
3-1.プロパンガスを使っている
先程も述べたように、プロパンガスは都市ガスに比べるとガスボンベを配送する人件費が必要になるので、ガス代が高くなる傾向があります。もしガス代が高いと思ったら、プロパンガスを使っているか確認してみましょう。
ガス代の節約のために都市ガスに切り替えることがおすすめですが、建物が対応していなかったり都市ガスのサービスが提供されていない地域があったりします。都市ガスが利用できるかどうか事前に確認しましょう。
3-2.ガスを使う頻度が多い
ガス代が平均額より高い場合、単純にガスを使う頻度が多いケースがあります。特に冬は湯船に浸かったりお皿洗いの時にお湯を使ったりと、お湯を使う頻度が増えるのでガス代が高くなります。また、冬は水温が低くなっているので設定温度まで水温を上げるのにもガスが必要です。
最近は効率よくガスを使用できる給湯器が発売されています。ガスの使用量が多い場合は、ガス代を少しでも節約するために給湯器を買い替えるのもひとつの手です。
4.【お風呂編】ガス代を節約する方法5選
ガス代を節約する方法はたくさんあります。ガス代を節約する方法をお風呂やキッチン、契約面に分けて紹介します。まずはお風呂でできる節約方法を解説しますので、ガス代が高いと思ったらできることから実践してみてください。
4-1.世帯によってお風呂とシャワーを使い分ける
浴槽にお湯を張った場合1回で約200リットルのお湯が必要で、これはシャワーを約17分使ったときと同じ量です。そのため一人暮らしの場合はシャワー、3人以上がシャワーを使用する場合は湯舟にお湯を張った方が、お湯の使用量を減らせてガス代の節約に繋がります。
もし3人以上の世帯でシャワーを使いたいのであれば、湯舟にもお湯を張ってそのお湯を利用しながらシャワーを使用しましょう。これはガス代だけではなく、水道代の節約にもなります。
4-2.追い焚きを使用しない
家族で入浴時間が異なると追い焚きを使用する家庭が多いですが、ガス代の節約のためには追い焚きを使用しないことがおすすめです。例えば、追い焚きする回数を1日1回減らすだけでも1年間で6,190円もガス代を節約できます。
追い焚きを使用しなくて済むように、お湯が冷める前に家族全員がお風呂に入るようにしましょう。もし家族で入浴時間が異なる場合は、お湯が冷めるのを防ぐためにお風呂の蓋や保温シートを活用してみてください。
4-3.湯船を満杯にしない
ガス代を節約したいのであれば、浴槽にお湯を張るときに満杯にしないように気を付けましょう。ガス代だけではなく、水道代の節約にもなります。自動お湯張り機能が付いていない場合は自動でお湯張りが止まるアイテムがあるので、ぜひ活用してみてください。
また、お湯の温度も設定温度が高いほどガス代が高くなります。ガス代が高いと思ったら設定温度が高くないか見直しをしてみましょう。
4-4.シャワーの出しっぱなしを控える
ガス代節約のために、シャワーはこまめに止めて出しっぱなしにしないようにしましょう。シャワーは1分間で約12リットルのお湯が出ます。例えば、1日1分間シャワーを出す時間を短くすると、1年間で約2,070円のガス代節約になります。もし身体や頭を洗っている時にシャワーを出しっぱなしにしている方は、水道代の節約にもなるのでなるべくこまめにシャワーを止めるようにしてみましょう。
4-5.シャワーヘッドを節水用に変える
シャワーに節水用のシャワーヘッドを付けることでガス代が節約できます。節水用のシャワーヘッドは通常のシャワーヘッドに比べて穴の大きさ・数が少なくなっているので、水圧を変えることなくお湯の使用量を減らすことが可能です。例えば、ミラブルプラスならばお湯の使用量が約50%も減らせるので、ガス代を節約したい方に特におすすめです。
他にも、シャワーのオンオフを切り替える機能がついたシャワーヘッドもあります。手元で簡単にシャワーを止められるので、こまめにシャワーを止められガス代の節約に繋がるでしょう。
5.【キッチン編】ガス代を節約する方法5選
ここまでお風呂で工夫できるガス代の節約方法を紹介しましたが、料理やお皿洗いなどでもガスを使います。続いてはキッチンでできるガス代の節約方法を紹介しましょう。ちょっとした工夫をするだけでもガス代の節約に繋がるので、ぜひ試してみてください。
5-1.お湯の使用を最小限にする
キッチンでもお皿洗いや料理などでお湯を使い、特に冬場はお湯を使う回数が増えます。ガス代を節約したいのであれば、お湯の使用は最小限にするのがおすすめです。もしくは設定温度を下げてガスの使用量を減らしましょう。
例えば、お皿洗いをするときに設定温度を40℃から38℃に2℃下げることにより1年間で約1,430円のガス代節約になります。お皿洗いをするときはお風呂やシャワーと違い、そこまで温度の高いお湯は必要ないので、なるべく温度を下げておきましょう。
5-2.長い時間ガスコンロを使用しない
料理で火にかけている時間をできるだけ短くすることで、ガス代の節約になります。例えば、長時間火にかけなくてはいけない煮込み料理を作るときに、圧力鍋を使用したり保温性がある鍋を使って調理したりすることで火にかける時間を短くできます。
また、火力を強くしていると鍋やフライパンの底から炎がはみ出すことがありますが、はみ出した分のガスが無駄になってしまうので火力は適度にして使用しましょう。火力を強火から中火にして料理した場合、1年間で約390円のガス代節約になります。
5-3.高火力を使う料理を控える
高火力で料理をすると火力が強いのでガスの使用量は当然増えます。ガス代を節約したいのであれば、なるべく高火力を使う料理を控えるようにしましょう。高火力を使う料理には、揚げ物などがあります。また、高火力を使う料理には油を使用することが多くお皿洗いの手間が増えるので、その分水道代やガス代がかかります。高火力を使う料理を作る回数を減らすだけで、ガス代の節約だけではなくお皿洗いの手間を減らせます。
5-4.電子レンジや電気ケトルを使用する
調理で火を使う時間を減らせばガス代の節約に繋がります。そこでなるべく火を使わないよう電子レンジを活用してみてください。例えば、野菜を茹でるときに電子レンジを使えば時間の短縮だけではなく手間も減らせます。また、味噌汁やシチュー、カレーを温めるときも電子レンジを使えばガス代の節約になります。
さらにお湯を沸かすときには電子ケトルを活用し、ガス代を節約しましょう。調理の際に電気を使うと電気代が上がってしまうのではと心配になる方もいると思いますが、電気を使用した方が光熱費を抑えられるケースが多いです。
5-5.IHコンロに変える
ガスコンロが設置されている場合は、IHコンロに変えることでガス代の節約ができます。先ほども紹介したように電気を使用した方が光熱費を抑えられるケースが多いため、電気代が少し上がるもののトータルで見ると節約に繋がります。IHコンロに変えるのが難しい家庭は、卓上IHヒーターを活用してみてください。卓上IHヒーターでも十分料理はできるため、併用してガス代を節約しましょう。
6.【契約編】ガス代を節約する方法3選
ガス代を節約する方法は工夫をしてコツコツとガスを使う機会を減らすだけではなく、契約を見直すことでもガス代の節約に大きく繋がります。どのように契約を見直せばガス代の節約になるのか詳しく紹介しましょう。
6-1.ガス会社や契約プランを変更する
都市ガスも契約自由化に伴い、ご自身でガス会社を選んで契約できるようになりました。契約自由化によってガス会社の価格競争が激しくなっているため、今契約しているプランより低価格なプランを設定しているガス会社が見つかるかもしれません。
ガス会社を切り替えたとしても、都市ガスは同じ配管から配られているのでガスの品質が落ちることはありません。ガス代が高いと思ったら、まずは他に良いプラン・ガス会社がないか探してみてください。
6-2.ガスと電気がセットになったプランにする
ガス会社によってはガスだけではなく電気事業も行っている会社があります。逆に電力会社がガス事業を行っているケースも増えてきており、ガスと電気のセットプランを打ち出している会社も多いです。
ガスと電気がセットになっているため割引が適用され、それぞれ単独で契約するよりも光熱費が安く抑えられます。また、支払いをまとめてできるため支出の管理も楽に行えます。電気代の節約にも繋がるので、契約プランを見直すときにはセットプランが無いかぜひ探してみてください。
6-3.オール電化にする
ガス代の節約として、オール電化にするのもひとつの方法です。ガス代と電気代、灯油代を毎月支払うことを考えると、オール電化の方が光熱費を抑えられます。具体的にガス代と電気代、灯油代を支払う場合と比べると、1年間で約7,000円の光熱費が安くなるというデータが出ています。特に都市ガスは地域が限られてしまうため、プロパンガスしか契約できない家庭はオール電化にすることも視野に入れてみてください。
7.光熱費をより節約するなら電力会社を見直そう
ガス代だけではなく光熱費を全体的に節約したいならば、電力会社も併せて見直してみましょう。契約自由化によってガス会社だけではなく、電力会社も自由に選べるようになりました。そのため、電力会社も価格競争によって安いプランやガスとのお得なセットプランを打ち出している会社が多くあります。もちろん電力会社を変えても電気の質が落ちることはありません。
ぜひ、ガス代や電気代などの光熱費を見直して、毎月必要な固定費の削減に繋げましょう。電気料金の見直しはインターネットでも簡単にできます。契約の申し込みもインターネットで簡単にできるので、それぞれの家庭にあった電力会社やプランを探してみてください。
おわりに
ガス代は世帯人数や家庭のライフスタイルによって変わってきますが、基本的にガスを使用する機会を減らすことで節約できます。お湯の設定温度を低くする、なるべくシャワーは短い時間で済ます、料理の際に圧力鍋や保温鍋を使って火にかける時間を短くするなど、ガス代の節約方法はたくさんあります。どれも簡単にできて取り入れやすいものばかりなので、ガス代を節約したい方はぜひ実践してみてください。
また、契約自由化によって自身でガス会社を選べるようになりました。ガス代の見直しはネットで簡単にできるので、今契約しているプランよりも安いプランが無いか一度見直してみてください。電力会社も合わせて見直し、光熱費の節約を目指しましょう。