経済低成長の時代で、給与は思うように上がらず、ボーナスも期待したほどには出ません。こんな中で、「貯蓄できない」「お金が足りない」といったことで悩んでいる方は少なくないでしょう。このような収入が増えない中で貯蓄をしていくには、家計を見直して無駄な支出を減らしていくしかありません。
そこで、このコラムでは、家計の見直しの方法やポイント、節約方法などについて紹介します。「将来のために貯蓄をしたい」と考えている方や、「家計管理をしてるけど、どうもうまくいかない」という方は、ぜひ参考にしてみてください。
家計の見直しはどこからするべき?
家計には、さまざま支出項目があります。家計の見直しを何から始めれば良いのか分からない場合は、まず毎月必ずかかる固定費の見直しから始めましょう。固定費の見直しをすることで、効率的に節約ができます。
家計の支出における基本項目
家計の支出は、大きく固定費と変動費の2種類に分けられます。変動費は月の状況によって変動し、予想外の出費などもあるので、コントロールしにくい傾向にあります。一方、定期的に出てゆく固定費は一度見直して削減できれば、ずっと節約効果が続きます。
- 固定費
固定費とは、毎月発生する一定額の支出です。具体的な項目には、次のようなものがあります。
- 住居費
- 通信費
- 水道光熱費
- 保険料
- 自動車関連の費用
- 変動費
変動費は、毎月そのときどきで変動する支出のことです。具体的な項目は次のようなものがあります。
- 食費
- 交際費
- レジャー費
- 医療費
- 被服費
- 雑費
まずは固定費から節約する
固定費と変動費の額を見て分かるように、固定費は支出の中で大きな割合を占めます。同時に、毎月かかる費用であるため、一度見直しして節約できれば大きな節約効果が継続します。
家計を見直す際のポイント
家計を見直すには、家計簿をつけるのが効果的です。家計簿はどうしても苦手だという方には、代わりの方法もあります。お金のプロに相談することと、クレジットカードの明細を家計簿の代わりに活用することです。いずれにしても、支出を把握することが家計見直しの第一歩となります。
家計簿をつける
家計簿をつけると支出を正確に把握でき、家計の見直しがしやすくなります。1ヵ月間、家計簿をつけてみると、どの項目でどのくらいの支出があるのか可視化でき、無駄を見つけやすくなります。家計簿には、手書きノート型やスマホアプリ、パソコンで操作するExcelなど、さまざまな種類があります。ご自身が使いやすいものを選んで、三日坊主にならずに続けられるようにしましょう。
家計の見直し方に困ったらFPに相談
家計簿をつけてみても、どこに無駄があるのか分からない場合は、専門家に相談するのも1つの手です。FP(ファイナンシャルプランナー)に相談することで、解決の糸口が見つかる可能性があります。FPは「家計のホームドクター」とも呼ばれ、お金のさまざまな悩みをサポートし、解決策をアドバイスしてくれます。
クレジットカードを活用する
家計簿をラクに管理したい方は、クレジットカードを活用してみましょう。支払いをクレジットカードに集約すれば、明細を家計簿代わりに利用できます。買物をするたびにレシートを家計簿に転記したり、入力したりする手間が省け、簡単に支出を把握できるでしょう。
また、クレジットカードは、利用しているうちにポイントが溜まっていきます。溜まったポイントは買い物などに活用することもできます。家族がそれぞれ別のカードを持ちたくないという場合は、家族カードが便利です。別々に買い物をしても、明細をまとめられるので、家計全体の記録が自動的に残せます。
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固定費の見直し方法
住居費、通信費、水道光熱費、保険料、自動車関連の費用は、固定費の中で大きな割合を占めます。これらの契約内容やプランの見直し、比較検討などで節約が可能になります。一定期間たたないと、どれだけ節約できるか分からないものもありますが、一度見直せば、以後は自動的に節約効果が続きます。
住居費
住居費は、賃貸の家賃や住宅ローンなどが該当します。一般的に所得の2割から3割程度といわれますが、2割程度におさえれば大きな節約につながります。
賃貸の場合は、家賃の改定交渉や引っ越しの検討をしてみましょう。契約更新時期に交渉するのが一般的で、常識の範囲内で求めることも大事です。また、引っ越しは郊外や築年数の古い物件で、初期費用の負担の少ないものを探してみましょう。家賃を3,000円下げられれば、年間36,000円の節約になり、長く住むほど効果があります。
持ち家で住宅ローンを支払っている場合には、繰り上げ返済や借り換えを検討してみましょう。ただし、繰り上げ返済は資金の余裕がある場合、借り換えは借り換えの際に発生する費用も含めて節約になる場合に限ります。どちらにしても、銀行への相談やシミュレーションを行いながら慎重に検討しましょう。
通信費
通信費とは、インターネットの回線やスマホ代などのことで、通信会社やプランの変更によって大きく節約できることがあります。節約の方法には、携帯大手キャリアからサブブランド・格安SIMへの変更、インターネット回線とのセット割の活用などがあります。
水道光熱費
水道光熱費の節約には、水道・電気・ガスの使用量削減、契約する会社やプランの変更などの方法があります。普段から節約を意識していれば、支出をおさえられます。例えば、次のようなものがあります。
水道の節約方法
- 節水シャワーヘッドを利用する
- 水を出しっぱなしにしない
- お風呂の残り湯を洗濯などに利用する
電気の節約方法
- こまめに電気を消す
- 節電タップを利用する
- 古い家電製品を買い替える、LED照明に交換する
ガスの節約方法
- お風呂の設定温度を下げる
- 追い炊き回数を減らす
- 電子レンジを積極的に使う
水道は住んでいる地域で決まるので自由に乗り換えはできませんが、電気やガスは自由化に伴って提供する会社を選べるようになりました。どこがお得かを比較検討するには労力も時間もかかりますが、電気料金を簡単に見直せるWEBサイトもあるので活用してみてください。
保険料
不必要な保険に過剰に加入して、保険費で生活が圧迫されているケースは少なくありません。すすめられたからと加入したり、家族構成が変わってもそのままになっているという方は、見直しで節約できるかもしれません。年齢、家族構成などで必要な保障は変わるので、公的制度でカバーできる部分を除き、どのくらいの保障があれば良いのか考える必要があります。
インターネットで簡単な項目を入力するだけで、必要保障額が分かるシミュレーションもありますし、FPへ相談するのも良いでしょう。また、同じ保障内容の保険でも種類によって保険料が違うので、比較検討してから加入するのがおすすめです。
自動車関連の費用
自動車は購入する費用のほかに、ガソリン代や保険、税金、車検、タイヤなど、維持費がかかります。少しでも節約するためには、次のような方法があります。
- 維持費の安い軽自動車にする
- 自動車保険を見直す
- 車検の際に費用が安いところを選ぶ
- カーシェア、レンタカー、カーリースを利用する
車を利用する頻度が低い場合は、思い切って車を手放し、公共機関やタクシーを使うこともひとつの方法です。地域や家族などの理由でどうしても車が必要な場合は、なるべく軽自動車や排気量の小さい車にして維持費をおさえましょう。
変動費も見直してみる
固定費の見直しができたら、食費や交際費など額が大きい変動費も見直してみましょう。食費は外食費などであっという間に膨れ上がる出費です。まず週の予算を決め、基本は自炊を心掛けることで、出費をおさえることができます。
交際費をおさえるのにも、月間予算を決めておくことが効果的です。冠婚葬祭は必要経費ですが、付き合いの飲み会や遊びは見直しの対象です。本当に行きたいものだけにする、一次会だけにするなど、決めておくと良いでしょう。ただし、つらくなるほど切り詰めると長続きしないので、できる範囲で行うことが大切です。
貯蓄しやすい家計にする
固定費や変動費を見直し、無駄な出費を削減できたら、お金に対する意識を変えてさらに貯蓄しやすい家計にしていきましょう。「何に使ったか分からないお金をなくす」「貯蓄したい金額を決めて月ごとの貯蓄額を決める」「将来的なお金のライフプランを立てる」などの工夫で計画的に貯蓄できるようになります。
使途不明金をなくす
家計簿をつけて使途不明金をなくせば、貯蓄しやすい家計にできます。固定費や変動費を見直して節約しても、使途不明金で無駄遣いをしていたら相殺されてしまいます。
クレジットカードや口座引落、電子マネーならば履歴が残りますが、現金での支払いは使途不明金になりやすいので注意が必要です。自販機の利用、割り勘の支払い、現金での集金など、レシートがない現金支払はこまめにメモするくせをつけましょう。
お金に関するライフプランを立てる
ライフプランを立てることで、計画的に貯蓄できるようになります。将来、いつ、何に、どのくらいのお金が必要になるかが分かっていれば、貯蓄をどれくらいすれば良いのかも分かってきます。しかし、ご自身だけでマネープランを立てるのはなかなか難しく、そのための知識も時間も必要です。そんなときは、オンラインFPショップ「セゾンのマネナビ」を利用してみましょう。
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決まった額を貯蓄に回す
先取り貯蓄をすることで、効率的に貯蓄することができます。生活費を出して残った金額を貯蓄に回していると、月によっては貯蓄分が残らないことや、買い物に使いすぎることがあります。貯蓄できる額も分からなくなり、貯蓄の見通しも立たなくなります。
そのような時は給与から最初に貯蓄分をよけておけば、貯蓄の目安が立てやすくなります。また、残りの額で工夫して生活できるようになるなどメリットがあります。
おわりに
効率的に貯蓄するには、家計の見直しが必要です。特に、大きな割合を占める固定費の削減で、節約の効果が出やすくなります。固定費は、住居費、水道光熱費、通信費、保険料、車関係費などで、一度削減できると、ずっと節約の効果が続きます。
変動費は毎月変動するのでコントロールしにくいですが、なるべく予算を立ててその中で生活すれば効果的です。また、ライフプランを立てて支出の予定を可視化したり、先取り貯蓄をする、使途不明金をなくすなどの工夫をすれば、貯蓄しやすい家計になっていくでしょう。