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72の法則とは?資産運用で上手に複利を活用しよう

72の法則とは?資産運用で上手に複利を活用しよう
セゾンのくらし大研究 編集部

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株式会社クレディセゾン提供(運営会社セゾンファンデックス)
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資産運用を行ううえで、「どのくらいの期間でいくら増えるのか」は気になるところ。そこでこのコラムでは、複利と呼ばれる運用方法で投資額が2倍になる期間を求める「72の法則」について詳しく解説します。法則というと難しそうなイメージですが、計算式はとてもシンプル。覚えておくと、資産運用や借入の場面で役立ちます。コラムの後半では、50代からの資産運用をシミュレーションしていますので、ぜひご一読ください。

大和コネクト証券
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72の法則とは?

72の法則とは、「資産運用を行うときに、投資額が2倍になる期間を求める計算式」です。この法則を使うと、利益が増えやすい「複利」と呼ばれる運用方法で投資金額が2倍になる期間を概算することができます。

72の法則を発見したのは、相対性理論などさまざまな理論を発表した物理学者のアルベルト・アインシュタイン博士。諸説あるようですが、アインシュタイン博士は、利益が利益を生む複利の効果を「人類最大の発明」と呼んだといわれています。

難しくない!72の法則の計算式

72の法則の計算式は、次のとおりです。

<72の法則>
72÷金利(%)=運用年数

つまり、金利1%で運用するのであれば「72÷1=72」となり、投資金額が2倍になるまでに必要な運用年数は約72年であることが分かります。金利が変わるとどのように変化するのかも見ておきましょう。

金利計算式2倍になるのに必要な期間
2%72÷2=36約36年
3%72÷3=24約24年
4%72÷4=18約18年
5%72÷5=14約14年
6%72÷6=12約12年
7%72÷7=10約10年
8%72÷8=9約9年
9%72÷9=8約8年
10%72÷10=7約7年

このように、72を予定運用利回り(金利)で割るだけで、投資額を2倍にするために必要な大まかな運用年数が分かります。この運用年数はあくまで概算のため、目安と考えておきましょう。

72の法則はどのようなときに使える?

法則や計算式というと「難しい」というイメージを抱きやすいですが、72の法則はとてもシンプルです。覚えておくと次のようなタイミングで使いやすいでしょう。

資産運用するとき

72の法則は、複利で資産運用する時に便利な計算式です。例えば、すでに購入している金融商品が、どのくらいの運用年数で2倍になるかを知りたい時などに使えます。

また、計算式を応用すると、投資額を2倍にするためには「金利何%の金融商品で運用するべきか」も分かります。例えば、10年後に投資額を2倍にしたい場合の計算式は「72÷10=7.2」。運用に必要な金利は7.2%であることが分かります。

こうした使い方もできるため、金融商品を選ぶ時にも便利です。

お金を借りたとき

72の法則は、お金を借りた時にも使える計算式です。例えば、金利15%でお金を借りた場合は「72÷15=4.8」となり、約5年で元本の2倍の返済が必要になることが分かります。元本が100,000円未満の際の上限金利である20%であれば、「72÷20=3.6」となり約3年半で返済額が2倍になるのです。

この法則を理解していれば、どのくらいのスピードで借金が2倍になるかが分かります。そのため、お金を借りるときの返済計画にも役立てやすいでしょう。

72の法則は複利で運用するときに活用!単利との違いとは

72の法則で前提となるのは、複利で運用することです。ここでは、複利と単利の違いやそれぞれの金融商品について詳しく見ていきましょう。

複利と単利の違い

複利と単利の違い

資産運用を行ううえで、利息の仕組みを知っておくことは大切です。利息とは、お金を預けたときに受け取る対価のこと。利息の使い方は、複利と単利の2種類に分けられます。

まず、預けた元本と利息の両方を運用していくのが複利です。一方で、預けた元本だけで運用し、利息は受け取る方法を単利と呼びます。

例えば、金利5%で100万円の金融商品を、複利運用したとします。このとき、1年目の利息額は50,000円です。複利では、この利息50,000円を元本100万円に加えていきます。つまり、翌年は105万円に対して利息がつくよう運用していくのです。そのため、2年目は52,500円と利息額を増やすことができます。

一方で、同条件で単利運用した場合、1年目の利息額は50,000円とここまでは複利と同じです。しかし、単利では利息を元本に加えないため、2年目以降も利息額は50,000円のまま変化しません。このように、複利と単利では、利息の使い方が異なるのです。

複利の金融商品とは?

複利の金融商品には、定期預金や株式、投資信託などがあります。複利は預ける期間が長いほど利息額が増えやすいため、長期間保有しやすい仕組みを利用することが大切です。

そのため、「iDeCo(個人型確定拠出年金)」「つみたてNISA」「積み立て投資信託(再投資型)」などを活用すると複利効果を得やすいでしょう。

単利の金融商品とは?

単利の金融商品には、国債や地方債などの債権があります。債権は発行された額面金額に対し、あらかじめ決められた金利が適用され、満期まで保有すれば元本が戻ってくる仕組みです。複利と比べると運用益が低いことがほとんどですが、「元本割れのリスクを減らして定期的に利息を受けとりたい」という方には安心できる商品でしょう。

複利と単利ではどのくらい差がある?

ここからは、複利と単利ではどのくらいの差が生まれるのか、比べてみましょう。

<金利3%で100万円を20年間運用した場合>

 複利単利
元本100万円100万円
20年間の利息額806,111円600,000円
20年後の運用合計180万6,111円160万円

このように、複利と単利では、20年間で206,111円の運用利益の差が生まれることが分かります。ただし、複利の場合(投資信託など)は損失を被る可能性もあるため、あくまでも順調に運用できた場合にこうした差が生まれると考えておきましょう。

100の法則や115の法則とは?

72の法則以外にも、資産運用に使える法則はあります。それが、「100の法則」と「115の法則」です。100の法則とは、単利運用で投資額を2倍にするための期間を求める計算式。115の法則は、複利運用で投資額が3倍になる期間を求める計算式です。

<100の法則>
100÷金利(%)=運用年数

<115の法則>
115÷金利(%)=運用年数

72という数値がそれぞれ、100と115に変わっただけで、基本的な計算方法は変わりません。それぞれの運用期間の目安を知りたい時に活用できる法則として覚えておくと便利でしょう。

複利で資産運用するメリット・デメリット

ここからは、72の法則の前提である、複利運用のメリットとデメリットについて見ていきましょう。

メリット

複利運用のメリットは、単利と比べて資産が増える速度が早いことです。例えば、金利5%で100万円の金融商品を2倍にしたい場合、「72÷5=14.4」となり約15年で200万円を超えることが分かります。一方、同じ条件で単利運用した場合は「100÷5=20」となり、200万円にするまでに20年の期間が必要です。

このように、元本と金利は同じでも、複利の方が5年早く目標金額に達する可能性が高いのです。特に、金利が高く運用期間が長いほどこうした複利の効果は感じやすいもの。資産を運用するうえでは、無視できない効果といえます。

デメリット

複利運用のデメリットは、市場の状況次第で元本割れする可能性がある商品があることです。複利運用の中には、株式投資や投資信託など、元本保証がないものも含まれています。こうした金融商品で資産運用を行う場合には、資産が減ってしまう可能性もゼロではありません。

また、長期間運用することで資産を増やせる特徴から、一定期間は資金を拘束する必要があることも考慮しておきたいところです。利息や分配金も元本に加えていくため、単利のように定期的に利益を受け取ることもありません。そのため、自分がどれだけのリスクを引き受けられるか、よく考えたうえで運用手段を選ぶことが大切です。

50代からの資産運用を72の法則でシミュレーション!

50代からの資産運用を72の法則でシミュレーション!

近年、50代から資産運用をスタートする方が増えています。では、50代から複利運用を始めると、どのように資産が増えていくのでしょうか。72の法則を使ってシミュレーションしましょう。

普通預金だと2倍になるまでに7,200年かかる!?

老後資金の貯蓄として、ほとんどの方が利用している普通預金も複利運用の一つです。近年はネット銀行なども増えており、普通預金の金利は0.001%~0.200%と幅が広がっています。ここでは例として、とあるネット銀行に金利0.01%で普通預金を預けた場合についてシミュレーションしましょう。

計算式は「72÷0.01=7,200」。運用資金が2倍になるまでの期間は、なんと7,200年が必要なことが分かります。普通預金はあくまで資産を預けているだけ、という方も多いと思いますが、「預金だけでは資産が増えない」といわれるのはこうした理由からといえるでしょう。

年利3%であれば24年で2倍になる可能性も

では、50歳から100万円を年利3%で資産運用した場合にどうなるか、72の法則で考えてみます。計算式は「72÷3=24」。つまり、約24年で運用額が200万円まで増えることが分かります。年齢にしてみれば74歳です。以下の表で、5年ごとの資産運用シミュレーションを見ていきましょう。

<年利3%の場合>

 元利合計利息
50歳100万円30,000円
55歳115万9,274円159,274円
60歳134万3,916円343,916円
65歳155万7,967円557,967円
70歳180万6,111円806,111円
75歳209万3,773円109万3,778円
年利3%の5年ごとの資産運用シミュレーション

普通預金では2倍にするまでに7,200年かかるところも、年利3%で複利運用を行えば、24年目には元利合計「203万2,794円」と200万円を超えることが可能なのです。

6-3.年利5%・7%であればどうなる?

では、年利5%・7%の金融商品で100万円を複利運用した場合はどうなるのかも、72の法則で考えてみましょう。

まず、年利5%で運用するのであれば、「72÷5=14.4」と約15年後には投資額が2倍を超えます。50歳から資産運用をスタートしたのであれば、65歳には投資額が2倍になっているということです。さらに年利7%で運用したのであれば「72÷7=10.28……」と約11年後、61歳頃には投資額が2倍になります。それぞれ、5年ごとのシミュレーションも見てみましょう。

<年利5%の場合>

 元利合計利息
50歳100万円50,000円
55歳127万6,282円276,282円
60歳162万8,895円628,895円
65歳207万8,928円107万8,928円
70歳265万3,298円165万3,298円
75歳338万6,355円238万6,355円
年利5%の5年ごとの資産運用シミュレーション

<年利7%の場合>

 元利合計利息
50歳100万円70,000円
55歳140万2,552円402,552円
60歳196万7,151円967,151円
65歳275万9,032円175万9,032円
70歳386万9.684円286万9.684円
75歳542万7,433円442万7,433円
年利7%の5年ごとの資産運用シミュレーション

このようにして老後に必要となされる金額を逆算して毎年投資し、資産を準備することができます。

投資信託での複利運用は分配金の「再投資」を選択

ここまで見てきたように、複利効果を利用すると、投資額は増やしやすくなります。なお、資産運用の方法として投資信託での複利運用を考えている場合は、分配金の使い方も考える必要があります。

分配金とは、運用益から諸経費を差し引いた後に、運用会社から分配されるお金のこと。そのまま受け取ることもできますが、より効率的に資産運用を行いたい方は、「再投資」が賢明です。

再投資とは、支払われた分配金を受けとらず、同じファンドを購入する資金とすること。この方法を選択すると、購入手数料や手続きの手間をとられることなく複利の効果を高めていけるでしょう。

投資を始めるときのポイント

ここからは、実際に投資を始める時のポイントを確認しておきましょう。

当面使わないお金で長期的に運用する

資産形成には、ある程度の時間も必要です。長期的な視点で運用することで、一時的な値下がりに一喜一憂せず対処できる余裕が生まれやすくなります。また、こうした心の余裕を維持するためには、「当面使わないお金」で投資を行うことも大切です。家計を圧迫しない余剰資金で、計画的に運用しましょう。

積立投資や分散投資でリスクに備える

資産運用の中には、元本割れのリスクがある商品もあります。そのため、できるだけリスクを抑えることも大切です。例えば、一度に大きなお金を投資するよりも、定期的に一定額を積み立て時間を分散する「積立投資」のほうがリスクは抑えられます。

また投資先を一つに集中させず、いくつかの銘柄などに分ける「分散投資」のほうが値下がりのリスクを軽減できるのです。リスクを理解したうえで、時間や商品の分散など事前に行える対策をしっかりと講じておきましょう。

各種ポイントが貯まる証券会社を選ぶ

お得に資産運用を行うのであれば、各種ポイントが貯められる証券会社を選ぶのも一つの方法です。例えば、クレディセゾンの「セゾンポケット」では月々1,000円からセゾンカード/UCカードでつみたてられ、「永久不滅ポイント」と呼ばれるポイントを貯めることができ、貯まったポイントを資産運用に使うこともできます。

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また「大和コネクト証券」ではポイント投資のほか、単位体の100株ではなく1株から投資ができる「ひな株」や100円から積立できる「まいにち投信」など運用方法が豊富です。こうした商品を上手に活用しながら、自分に合った資産運用を行いましょう。

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大和コネクト証券
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リスク許容度を考えておく

リスク許容度とは、投資に対して「どのくらいのリスクを引き受けられるか」という程度のことです。リスク許容度を超えると、生活がままならなくなったり、精神的に追い詰められたりする可能性があります。そのため、投資をするうえでは、ご自身のリスク許容度をきちんと考えておくことが大切です。

ご自身の収入やライフイベントなどの客観的な要素と、株価が下がると眠れないなど性格的な要素を考慮しながら、総合的に考えておきましょう。

おわりに

72の法則は、複利で資産運用を行うときに、投資した額が2倍になる期間を求める計算式です。長期的な視点で資産運用をするときの目安となるため、覚えておくと便利でしょう。単利と比べると複利のほうが、より早く資産を増やせる可能性が高まります。いつまでにどのくらい資産を増やしたいのかをよく考え、ご自身に合った運用方法を活用しながら、老後に備えてみてはいかがでしょうか。

有価証券投資に関する重要事項(大和コネクト証券)
有価証券投資に関する重要事項(セゾンポケット)

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