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独身の老後資金はいくらあれば安心?女性向けに必要額を徹底解説

独身の老後資金はいくらあれば安心?女性向け必要額を徹底解説
セゾンのくらし大研究 編集部

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豊かなくらしに必要な「お金」「健康」「家族」に関する困りごとや悩みごとを解決するために役立つ情報を、編集部メンバーが選りすぐってお届けします。

「おひとりさま」で老後を迎えることが珍しくない近年の日本ですが、独身女性のなかには早くから老後に向けて準備する人も少なくありません。そこで気になるのが、お金の問題でしょう。このコラムでは、独身女性が老後に備える貯蓄について解説します。いつから貯蓄を始めて、いくら用意しておけば良いのか見ていきましょう。

お金を備える方法として銀行に預金するということが主ですが、日本は普通預金で年利0.001%程度の低金利です。そこで、老後資金を生み出すには、資産を運用する(=お金に働いてもらう)ことも必要といえるでしょう。今回は、投資が不安、投資について初心者だという方にも始めやすい運用方法もご紹介します。iDeCoとは個人型確定拠出年金で、自分で作る年金制度です。一定の金額を毎月積み立て、それを金融商品(保険・投資信託など)で運用し、60歳以降に一時金で受け取ることができます。

※本記事は、2023年以前のNISA制度について記載しています。新NISA制度については以下の記事をご確認ください。

女性の未婚率と今後の推移

女性の未婚率と今後の推移

現在女性の未婚率は上昇傾向にあります。厚生労働省の統計によると、2015年時点で14.9%にのぼっています。以下の表を見て、未婚率の割合がどれほど上昇しているのか確認してみましょう。

1970年1990年2010年2015年
1.7%4.3%10.6%14.9%
(※厚生労働省 統計情報 生涯未婚率の推移より)

1970年には1.7%と未婚率は極めて低く、大半の女性が結婚をしていました。しかし現在は、女性の社会進出も進み、1990年から2010年にかけて女性の未婚率は急上昇するようになり、現在では生涯独身の女性が珍しくない時代となっています。

では、これからの未婚女性の割合の推移はどうなっていくか予想しているデータを見てみましょう。

2020年2030年2035年
17.8%18.8%19.2%
(※厚生労働省 統計情報 生涯未婚率推移より)

上記の表のように、今後の推移は2035年には19.2%と約5人に1人が未婚という予想です。これからも未婚の女性が増え続ける、あるいは高い割合が続く可能性があります。

この推移をみると、「いつかは結婚をするだろう」と考えている女性のなかでも、「結婚をしない」選択をする方がいるかもしれません。そのため、現代の女性は生涯独身の可能性を頭に入れ、老後の貯蓄を自分自身で備えておく必要があります

そこで次に生涯独身で過ごす女性はどのくらい貯蓄があれば、老後を安心して過ごせるのかを確認してみましょう。

独身女性の老後にかかる費用はいくら?

独身女性の老後にかかる費用はいくら?

老後も生活するうえで必ずお金が必要です。総務省統計局の家計調査報告によると、独身女性の老後に月々かかる生活費の平均は約14万円となっています。もちろん個々人で生活水準は違うので差は出てきますが、平均的な金額は用意しておきたいところです。

では、何にどれだけお金がかかるのか内訳を確認します。ご自身が必要になる費用を平均額と比べて具体的に算出してみましょう。

衣食住にかかる費用

生活費の軸でもあり欠かせないのが衣食住にかかる費用です。

食費 約3.6万円
住居費 約1.3万円
水道光熱費 約1.3万円
家具・家事用品 約0.6万円
被服 約0.4万円

(※総務省統計局 家計調査報告より )

統計によると、月々約7.2万円衣食住に費用がかかります。女性の平均寿命が87歳で、65歳から老後と考えると、費用が必要なのは22年間です。22年間分の費用を計算すると、

7.2万円×12ヵ月×22年=約1,900万円(衣食住にかかる費用)

となります。またこの表で注意したい点は、住居費の1.3万円の部分です。実は統計の半数以上は持ち家があると回答しています。そのため、持ち家がなく賃貸で過ごすのであれば、さらに家賃が上乗せされるということがわかるでしょう。賃貸で過ごそうと考えている方は、約1,900万円より多く備えておく必要があります。

保険・医療費

保険・医療費は、通院や入院、生命保険にかかる費用です。医療費は特にケガや病気が増える老後に必要となります。家計調査報告によると月々約0.8万円で、上記同様計算すると

0.8万円×12ヵ月×22年=約211万円(保険・医療費)

となります。しかし、こちらの保険・医療費ではまかなえない状況も考えなければいけません。大きなケガや病気をした際には、入院や治療費だけでなく、その間働けず単身の場合収入は0になってしまいます。働けない間の生活費をまかなうためにも早めの備えが必要ということが分かりますね。

教養・娯楽・交際費・通信費・雑費

仕事がひと段落して、自分の時間を楽しむ余裕が出てくる老後は、趣味や娯楽を楽しむ人も多いでしょう。自分の好きな時間を使って習い事や趣味を楽しむ費用です。費用は平均で3.2万円となるため、

3.2万円×12ヵ月×22年=約845万円(教養・娯楽・交際費)

となります。老後は娯楽を充実させたいという方も多いと思いますので、楽しい老後のためにもしっかりと備えておきましょう。また上記の他にも通信費や雑費などで約3万円の支出が加わります。

3万円×12ヵ月×22年=約792万円(通信費・雑費)

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老後資金の目安は3,748万円?それとももっと必要?

老後資金の目安は3,748万円?それとももっと必要?

これまで紹介した衣食住、保健医療、教養・娯楽、その他の費用を整理してみましょう。

  • 衣食住費 約1,900万円
  • 保険、医療費 約211万円
  • 教養、娯楽費 約845万円
  • その他(通信費や雑費) 約792万円 
  • 合計で約3,748万円

独身女性が老後22年間でかかる費用は約3,748万円となりました。日本の女性の平均寿命87歳で算出した数字のため、人生100年といわれる現代ではさらに費用もかかると考えた方が良いかもしれません。

また、上記で述べたように、家賃や入院時のことを考えると、平均額では不足する部分も出てきます。趣味で旅行を考えている方はさらに必要ですね。安心して充実した老後を過ごすためにも多めに備えるようにしましょう。

独身女性はいつから貯蓄を始めれば安心?

独身女性はいつから貯蓄を始めれば安心?

では、いつからどのくらい貯蓄をしていけばいいのか考えてみます。先ほど、3,748万円の費用が必要と述べましたが、実は公的年金による収入があるので、満額を貯蓄しておく必要はありません。女性の年金による収入は月々平均で以下の金額です

厚生年金国民年金
約108,000円約56,000円
(※厚生労働省 厚生年金保険・国民年金事業の概況より)

こちらが65歳から受け取れるようになるので、平均寿命の87歳まで受け取るとすると

厚生年金の場合 国民年金の場合
108,000円×12ヵ月×22年=約2,851万円 56,000円×12ヵ月×22年=約1,478万円

の収入があります。では、老後かかる費用とされている約3,748万円との差額を計算してみます。

厚生年金の場合 国民年金の場合
3,748万円-2,851万円=897万円 3,748万円-1,478万円=2,270万円

老後までに貯蓄しておきたい金額は、厚生年金の場合は約900万円、国民年金の場合は約2,270万円ということが分かりました

では、この金額を老後までに貯蓄するにはどうすれば良いのでしょうか。ここからは、貯金・月々いくら貯蓄していけば良いのか年齢別に計算してみましょう。ここでは、銀行の普通預金をベースにした場合に考えていきます。銀行の普通預金は、0.001%のため利子は考慮せずの場合で解説します。

  • 30歳から貯蓄を始める
  • 厚生年金の場合:900万円÷35年÷12ヵ月=21,428円/1月当たり
  • 国民年金の場合:2,270万円÷35年÷12ヵ月=54,047円/1月当たり
  • 40歳から貯蓄を始める
  • 厚生年金の場合:900万円÷25年÷12ヵ月=30,000円/1月当たり
  • 国民年金の場合:2,270万円÷25年÷12ヵ月=75,666円/1月当たり

いかがでしょうか。年金では不足してしまう部分を預金するとなると、月々にかなり預金しなければいけません。40歳からの預金では国民年金の場合約75,000円とかなり厳しい金額です。

30歳から預金を始める方が多いのですが、それでも月々の預金額は楽な金額ではないと思います。また、生涯独身でいるかを考え始める年齢は人それぞれですので、 預金だけでは間に合わない場合もあります。また、多めに備えておきたいという方もこの 預金額では足りません。

このように独身で老後を過ごそうとしている女性のなかには、 貯蓄だけでは不足してしまうという方も少なくありません。そのため、預金だけでなく資産運用もする方が多くいます。預金以外でお金を備える方法も確認してみましょう。

独身女性が老後のお金を貯蓄する方法5選

独身女性が老後のお金を貯蓄する方法5選

お金を備える方法として銀行に預金するということが主ですが、日本は普通預金で年利0.001%程度の低金利です。低金利の環境下では、銀行に預金していても利子は、残念ながらあまり見込めません。

そこで老後資金を生み出すには、資産を運用する(=お金に働いてもらう)ことも必要といえるでしょう。もし仮に、先ほどの厚生年金を受給した場合の例で、年率3%で65歳まで投資したと仮定した場合

  • 30代から20,000円を投資(年率3%、運用期間35年):1,475万円
  • 40代から30,000円を投資(年率3%、運用期間25年):1,334万円

大和証券 つみたてシミュレーションで試算

ともに貯蓄目標の900万円を超える試算結果となっています。逆説的に考えれ、900万円ピッタリを用意するということであれば、月々のつみたて投資額も2万円、3万円よりもおさえて運用することも可能といえるでしょう。今回は、投資が不安、投資について初心者だという方にも始めやすい運用方法を5つご紹介します

NISA

NISAとは、少額投資非課税制度です。株式投資や投資信託で得た利益に対して税金がかからない制度です。通常投資などの運用益には20.315%の税金がかかりますが、NISAを利用すると運用益を非課税にすることができます。非課税となる利益は、毎年最大で120万円、期間は最大5年間です。期間は、非課税期間の延長をすることで、最大10年まで伸ばせます。

NISAには2種類あり、一般NISAのほかに「つみたてNISA」があります。つみたてNISAは継続的に積み立てていくことを目的としています。非課税になる金額も通常のNISAとは異なり、年間40万円まで最長で20年間投資可能で、この20年間は非課税となります。年間40万円ということは月々3万円とわかりやすい金額となっています。

もちろん月々の金額はご自身で設定できるため、3万円は厳しいという方でも少額(100円から)で利用できます。つみたてNISAの対象商品は、2021年6月現在で、投資信託192本、ETF(上場投資信託)7本あります。

また、投資に詳しくない方でも利用しやすいように、金額を設定して投資信託を選べば、毎月自動で買い付けをしてくれるので初心者の方でも始めやすいです。投資信託も金融庁が定めた基準をクリアしたもので、長期・積立・分散投資に適したものですので安心して選択できます

つみたてNISAを使うメリットとして売却はいつでもできるという点もあります。老後までにお金の必要があるかもしれない不安がある方は、つみたてNISAがおすすめです。

iDeCo

iDeCoとは個人型確定拠出年金で、自分で作る年金制度です。一定の金額を毎月積み立て、それを金融商品(保険・投資信託など)で運用し、60歳以降に一時金で受け取ることができます。

iDeCoは先ほどのつみたてNISAと同様に、投資信託などの運用益を非課税にでき、さらに、この積立てた金額をすべて所得控除の対象にできるため、所得税や住民税の軽減につながります。日本では所得が多くなると税率も上がる仕組みになっているので、お金を備えるうえでこの税制メリットは大きいですね。

ただiDeCoは原則60歳まで解約することができません。もし60歳になるまでにお金が必要だという時に引き出すことができないので、収入に余裕があればメリットも大きいのでおすすめです。iDeCoは月額5,000円から積み立てでき、上限金額は加入者の職業によって異なります。以下の表を参考にしてください。

公務員 12,000円
会社員(企業年金あり) 12,000円・20,000円
(※企業年金の種類で異なる)
会社員(企業年金なし) 23,000円
専業主婦(夫) 23,000円
自営業 68,000円

投資信託

投資となると、どの銘柄を買えば良いのかが初心者には難しい点です。投資信託は初心者に難しい点を運用のプロに任せて代わりに運用してもらうことができます。

また投資で不安なのが、ひとつの銘柄に集中して投資した場合、その企業が破綻したときに大きな損害がでてしまうことです。しかし、投資信託では分散投資といって、ひとつの銘柄に限ることなく投資をしてくれるのでリスクを小さくできます。

始める金額ですが、投資信託では少額運用が可能です。株式だと100株ごとに購入する必要があるため、1株1,000円とすると100株で10万円必要となりますが、投資信託は最低購入金額が100円のところもあります。

低額から、運用のプロに任せられるので投資の知識が少ない・不安だという方でも始めやすいですね。上記のつみたてNISAやiDeCoを通して投資信託を活用すると、さらに効率的に資産運用できるので併せて検討してください。

不動産投資

不動産投資を行うという方法もあります。単身世帯をターゲットにしたワンルームマンションを購入し賃貸物件として貸し出し家賃収入を得る手法です。現金で購入することもできますが、購入する不動産を担保に不動産投資用のローンを借り入れることもできるため、初期費用を抑えて始めることも可能です。

東京23区や横浜がある神奈川県などの都心エリアでは、コロナ禍である2021年も人口流入は増加しています。特に若い世代の単身世帯の方々にとっては、働くのも、遊びに行くのも都心圏内を生活拠点としておきたいニーズは引き続き強いといえるでしょう。

物件購入を検討する際は、そういった単身世帯のニーズに応える都心エリアでの物件供給を行っており、個々エリアの賃貸ニーズをしっかりと捉えている業歴が長い不動産会社を選ぶのが良いでしょう。

不動産投資は、ワンルームマンションを購入して終わりではなく、賃貸として貸し出していく息の長い長期投資です。長期投資には、しっかりとした賃貸管理ノウハウを持つパートナーが欠かせません。物件の良し悪しもそうですが、不動産管理の良し悪しもワンルームマンションの不動産投資においては外すことのできないポイントであり、そのような点も見極めたうえで始めてみるのも良いでしょう。

不動産投資にご興味ある方・詳しいお話を伺いたい方は、こちら。
(リンク先は、株式会社TFDコーポレーションが運営しています。)

不動産小口化商品(任意組合出資)

また、ご自身で物件を選択する自身がない、購入後の管理の手間などもかけたくないという方や、不動産投資に慣れたいという方には、不動産小口化商品という選択肢もあるでしょう。

不動産小口化商品とは、特定の不動産を、小口に分けて、一口単位から購入しやすくした商品です。購入した口数に応じて、不動産の賃料収入や売却益を出資した方に分配する仕組みです。

不動産小口化商品は、現物不動産とは異なり、自身の資産に合わせて小口化された持分を購入できる点がメリットであり、少額から始めることができます。また、投資する不動産についても、募集中の案件のなかから、投資する案件・物件を自由に選択することができます。なお、任意組合方式の不動産小口化商品の場合、J-REITの市場で売買される証券を買うこととは異なり、あくまで現物不動産の持分割合に通じての出資となり、不動産オーナーとして運用に参画できます。

投資した以降、管理の手間もかかりません。任意組合が責任もって出資した方に代わり管理・運営を行いますので、手間がかからないのも、現物不動産の投資とは異なる利点です。

また、任意組合出資の方式で運営されている商品は、購入した割合に応じて不動産を持分所有することになります。この場合、税務上、現物不動産への投資と同様の扱いとなることから、相続税評価額についても現物不動産の持分所有と同じ方法で算出します。

不動産の相続税評価額は、土地は路線価方式(または倍率方式)、建物は固定資産税評価額に基づき現物不動産と同様に算出します。現金で資産を保有しているよりも不動産小口化商品を購入し不動産持分として資産を保有しておくことで相続税の圧縮が期待できます。

不動産小口化商品にご興味ある方・詳しいお話を伺いたい方は、こちら。
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おわりに

独身で老後を迎える女性はとても多くなってきました。ご自身が独身のまま老後を迎えるかは分からないと思いますが、必要な費用を備えておくと安心できることもご理解いただけたと思います。貯蓄や資産運用をうまく利用し、安心した老後を過ごせるようにしっかりと備えておきましょう。

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