兵庫県の南西端に広がる赤穂市は、岡山県との県境に位置する気候の穏やかな、牡蠣のおいしいまちです。まちの北側にはいくつもの山がそびえたつ一方で、南側は温暖な瀬戸内海に面しており、古くから塩の生産を担ってきました。太陽をたっぷり浴びたみかんやいちごなども栽培しており、ツヤツヤした見た目とおいしさに、多くの方が虜になっています。
人口約45,000人を抱える同市はまた、数々のドラマや小説の題材にもなった「忠臣蔵」の舞台としても有名です。無念の死を遂げた主君の仇討ちのため立ち上がった四十七士(しじゅうしちし)の軌跡は、まちのあちこちに今もなお大切に残されており、彼らに対するまちの人々の想いは毎年12月に開催される「赤穂義士祭(あこうぎしさい)」からも真摯に伝わってきます。
「日本のナポリ」として、若い世代で賑わう海沿いスポットも気になる同市の魅力について、赤穂市産業振興部商工課の宍戸さんと(一社)あこう魅力発信基地の秋田さんにお話を伺いました。
1.坂越湾と生島が生み出す!箸が止まらない牡蠣
-赤穂市は瀬戸内海の穏やかな気候に恵まれたまちですが、イチオシの特産品は何でしょうか?
「坂越かき(さこしかき)」ですね。赤穂市の沖合には、生島(いきしま)という小さい島が浮かんでいるのですが、この島が良質な牡蠣の育成に役立っているんですよ。
そもそも赤穂市内には、名水100選にも選ばれた千種川(ちくさがわ)が流れているのですが、「坂越かき」を育てている坂越湾は、この千種川と生島のおかげで栄養豊富な天然の良港になっているんです。
両方から良質な養分を含んだ山水や伏流水が注ぎ込んでいるので、坂越湾では養分をたっぷり吸った牡蠣がすくすくと育ち、赤穂市のふるさと納税の中でも一番にランクインされるぐらい、大変な人気を集めています。
通常牡蠣が育つには2、3年かかりますが、赤穂の牡蠣は育ちがいいのでかかる時間は1年のみ。それでいて生産者のこだわりとして、手入れが行き届いているので、殻がとてもきれいなんですよ。
-聞けば聞くほどおいしそうですね!おすすめの食べ方を教えてください。
一番手軽で美味しく食べられるのは、レンジでチンですね。殻つきの牡蠣を3つぐらいお皿に並べてラップして、500wで約3分ぐらい温めてみてくださいね。殻がぱかっと開いたら食べ頃です。
おいしい汁が出ているので、調味料なしで汁ごと身を食べるのが最高ですね。もちろん、お好みでポン酢やネギを添えてもいいと思います。
とにかく1度食べ始めたら、「お皿に乗せてチン!」のサイクルが止まらないです。どんどん食べてしまいます。蒸し器に入れて「蒸し牡蠣」として食べてもおいしいんですよ。
2.日光をたっぷり浴びたみかん&いちごと赤穂緞通(あこうだんつう)
-牡蠣以外にも特産品があれば教えてください。
やはりいちごとみかんが人気ですね。いちごはハウス栽培にして、気温を低めに設定しながらじっくり時間をかけて育てています。赤穂市が冬から春にかけて比較的温暖な気候なのもあって、いちごの甘味がぎゅっと凝縮されているんです。大きくてあまいいちごになるので、とても人気があります。
-みかんはいかがですか?
赤穂のみかんもおいしいですよ!皮がむきやすくて、甘味と酸味が凝縮されたコクのある味です。特に個人的にはその酸味がたまらなくおいしく感じますね。
爽やかな酸味は、酸っぱいものが好きな方にはぴったりの味です。さっぱり爽やかで、想像するだけで唾液が出てきますね(笑)。
赤穂市はつくづくみかん栽培に適したエリアだと思います。日照時間が長く雨が少ないので、柑橘類の栽培にはぴったりなんですよ。
また、赤穂市はもともとカルデラの中にできたまちなので、地形的にも水はけがとてもいいんです。気候的にも地形的にもみかん栽培の条件にふさわしいので、旨みが詰まったみかんを育てることができるんですね。私たちも幼い頃から、親しんで食べているんですよ。
-食べ物以外にも赤穂ならではの特産品はありますか?
はい、日本三緞通といわれる「赤穂緞通(あこうだんつう)」という織物があります。昔から赤穂市で織られていた伝統的な名産品なのですが、一時期、後継者不足で生産が途切れていたんです。それが後継者育成に成功し、現在では市内に何箇所か工房を持つまでに復活しました。見ていただくと分かるように、独特で複雑なデザインがとても魅力的で、全国にコアなファンがいます。ちょっとお値段は張るのですが、ふるさと納税でも出品していますので、ご興味のある方はぜひ覗いてみてくださいね。
3.高校生も市職員も扮する「赤穂義士祭」
―ところで赤穂市といえば「忠臣蔵」の舞台となったまちで知られていますが、こちらにちなんだイベントがあるそうですね。
毎年12月14日に行われる「赤穂義士祭」という、まちで一番大きなイベントがあります。令和4年度で119回目を迎えました。この日は、主君の仇を取るために四十七士が東京・墨田区にある吉良(きら)邸に討ち入りした日なのですが、イベント当日は約6万人もの人が集い、市街地まで人であふれかえる状態なんですよ。開催に向けては、JRのいくつもの主要駅でポスターも貼らせていただいているので、ご覧になった方もいるかもしれませんね。新型コロナウイルス感染症の影響で最近は開催を見送っていましたが、令和4年12月には3年ぶりに赤穂義士祭が復活しました。
―それは楽しみですね。当日はどのような様子なのでしょうか?
赤穂大石神社は、四十七士の中心人物であった大石内蔵助(おおいし くらのすけ)を含む、47名の義士たちを祀っている神社なんです。祭りの見どころは、義士たちの義士行列ですね。主役となる大石内蔵助役には、毎年目玉ゲストとして俳優さんやタレントさんが選ばれます。令和4年は、俳優の中村雅俊さんをお招きしたんですよ。
-俳優さんもいらっしゃるなんて、豪華で大きなイベントなんですね!
その他、大石内蔵助の息子であり、四十七士の一人として16歳で亡くなった大石主税(おおいし ちから)役は、市内唯一の高校である赤穂高校の生徒会長が扮します。この日は市内の小・中学校はすべて休みになる(一部の会社も休みになる)ので、子どもから大人まで全員で祭りに参加し、心置きなく楽しむことができるんですよ。もう一人の若いメンバーである矢頭右衛門七(やとう えもしち)役も、高校生が演じます。
四十七士たちは討ち入り時の装束を身に着けて、まち中を練り歩きます。当日は車両を通行止めして、赤穂大石神社から続く車道を1km程度歩くのですが、実際の義士行列に著名人が混ざっているわけですから、彼ら目当てに大勢の観光客が来てくれるんですね。
-一般の方も参加できるのでしょうか?
はい、四十七士のその他メンバーについては一般公募も行っており、抽選で当たった方が「義士行列」に参加することができます。
-それは夢がありますね!応募倍率も高そうです。
実は、私たち市役所職員も赤穂義士祭に参加しているんですよ。ゆっくり動く「山車(だし)」の上で「忠臣蔵」の名場面を演じるんですが、装束を着て刀を振り上げ、じっとするんです。新人時代の仕事のひとつでした(笑)。
-たくさんの方が色々な形で祭りを盛り上げているんですね。当日は屋台も多く出るのでしょうか?
たくさん出ますよ。小さい頃は屋台に行って、「かたぬき」をするのが楽しみでしたね。当日の屋台でおすすめなのは「忠臣蔵交流物産市」です。「忠臣蔵」にゆかりのある全国の自治体や近隣自治体が出店するブースで、この物産市を楽しみに来られる方も多いです。山形県米沢市からも駆けつけてくれるのですが、そこで販売する「米沢牛」がまたおいしくて、毎年行列ができていますよ。
4.若い世代に大人気の「日本のナポリ」
-まちのいたるところで赤穂大石神社や義士宅跡など「忠臣蔵」にまつわる貴重な史跡が見られますが、ここ10年ほどで新しい観光スポットができたと伺いました。どんなところなのでしょうか?
今SNSで人気のスポットになっているのが、「赤穂御崎(あこうみさき)」です。見晴らしがとても良く、瀬戸内海の景色が一望できる美しい場所なんですよ。
ここには、伊和都比売神社(いわつひめじんじゃ)と呼ばれる神社があり、そこの鳥居越しから見える海の風景がものすごく人気です。休日には若い人から年配の人まで大勢で賑わいますね。またすぐ近くには赤穂温泉が湧いており、旅館が点在しています。ほとんどの旅館ではオーシャンビューの温泉につかることができ、心底リラックスできますよ。
徒歩圏内に「きらきら坂」というお洒落な坂もあります。カフェやナポリ料理店、ガラス工房など思わず入りたくなるようなお店が並んでいます。どのお店も白と青で統一されているので、まるでナポリに来たかのようです。毎週週末は、とにかく若い人たちでごったがえしていますね。今、赤穂市内で一番賑わっているのではないでしょうか。
-雑誌やネットなどでもたくさん取り上げられていますね。一見日本ではないような、不思議な雰囲気を持つスポットですね。
最近ではこのエリアは「日本のナポリ」と呼ばれているぐらいなんですよ!このエリアから車で10分ほど行くと、今度はノスタルジックなまち並みが自慢の「坂越エリア」に着きます。ここは昔、北前船(きたまえぶね)の寄港地として栄えた港まちであり、赤穂の塩田で作られた塩を船に積んでいたそうです。坂越大道(さこしだいどう)と呼ばれるメインストリートには、今でも昔ながらのまち並みが残っており、散策するだけでも楽しいです。
最近は古民家を改修したカフェや雑貨店がオープンしており、ここにも若い方たちが集まっています。特に「坂利太(サリータ)」という洋菓子店があるのですが、このお店のお菓子がすごくおいしくて……。皆さん、お菓子を片手にわいわい賑やかにおしゃべりしていますね。こうしたスイーツと古い街並みを一緒に写真に写すのが流行っています。
-さきほどのきらきら坂とは、また違った魅力を持つエリアですね。
本当にここ10年ぐらいで大きく変わりました。「忠臣蔵」のような歴史が好きな方でも、SNSで映えるような写真を撮りたい方でも、みんなが幅広く楽しめるようなスポットをいくつも持っているのが、赤穂市の魅力かもしれませんね。
5.全国規模のマラソン大会開催地としても活躍「スポーツ宣言都市」
-ところで、赤穂市では2012年に「スポーツ都市宣言」をされたそうですが、これは一体どのようなものなのでしょうか?
赤穂市民の健康維持のために、日常的に運動できる機会を増やそうと思いました。この宣言通り、現在市内には総合体育館とは別に9つの地区体育館を設置しています。もちろん元々ある学校の体育館とは別に、このような施設を作っていますので、住民の方が身体を動かしたければ昼でも夜でもスポーツできる環境が整っているんです。
さらに市内には、「赤穂元禄(あこうげんろく)スポーツセンター」と「赤穂の天塩海浜(あましおかいひん)スポーツセンター」という2施設も備えており、後者には本格的にサッカーができる人工芝のグラウンドを設置しています。さらに、野球のスコアボードも電光掲示板を設置しているので、市内だけでなく各地から多くの方が合宿や試合のために赤穂市を訪れてくれるんですよ。
-大きなマラソン大会も主催されていますね。
毎年11月中旬に開催される「赤穂シティマラソン」です。全国規模の大きな大会なのですが、市内はもちろん市外からの応募がとても多いんです。理由は、充実したマラソンコースと赤穂市民の「おもてなし」でしょう。
大会当日は、地域住民の皆さんが沿道で声援を送り、市内企業の社員の方々が給水所でランナーを温かくお迎えします。また登り坂など辛いポイントでは、地元大学、高校、中学校の吹奏楽部が応援演奏でランナーを力付け、まち全体が一体となってマラソン大会を支えているんです。
さらに、参加選手たちには赤穂市内の小学生たちからの手づくりメッセージを配布したり、地元企業から提供された「協賛品」を配ったりしながら、選手と住民たちとのほっこりした交流も行っています。こうした「おもてなし」が高い評価を得ているんですね。
走るコースも素晴らしいんですよ!市街地や、県立赤穂海浜公園の外周を走るのですが、これが最高に気持ちいいんです。歴史や自然を身体いっぱいに感じながら楽しんでマラソンができます。海沿いの道の後は山道が待っているので、覚悟が必要なんですけどね(笑)。
大会が近付くと、赤穂市民たちも走る人が増えてきますね。市民の目がある大会なので、みんな必死で練習しています。こうした取り組みが評価されたのか、おかげさまで「全国ランニング大会100選」(RUNNET調べ)にも選ばれました。参加する側も応援する側も、市民全体が楽しめるすごく有意義なイベントだと思いますね。
‐マラソン大会の主催や、SNSでの人気スポット、のんびり散策できる古いまち並みもあり、赤穂市は見どころがたくさんありますね!先ほど伺った特産品も、海産物や果物、緞通まで種類が豊富でびっくりしました。
赤穂市のふるさと納税は、300品目ほど出品していますが、他エリアと比べてもとてもバリエーション豊かなラインナップだと自負しています。海があるから牡蠣が獲れる、山があるからみかんも採れる、市内に400年以上続く由緒ある酒蔵があるから良いお酒が出せる、アース製薬の工場があるから生活日常品も出せる、何よりも昔から忠臣蔵の観光地であったため、宿泊施設や飲食店が多いので旅行関連のチケットも出せるなど、幅広いんですよ。
今後は一人でも多くの皆さんに、赤穂市に来てもらえるような仕組みをふるさと納税を介して作っていきたいと考えています。楽しみにお待ちくださいね!
6.「ふるさと納税」で赤穂市を応援しませんか?
今回は、「忠臣蔵」の舞台として全国的に知られるまち、兵庫県赤穂市についてご紹介しました。市内には今でも赤穂義士四十七士にまつわる史跡が残り、「赤穂大石神社」は志を成し遂げた義士たちにちなんで、「大願成就」を叶えてくれるスポットとして、住民たちに深く愛されています。
また、SNSでひっぱりだこの新しい観光名所「赤穂御崎」や、かたやレトロな街並みが目を引く「坂越エリア」など、まったく飽きさせない赤穂市の数々の魅力は、今後も多くの観光客の心を奪うことでしょう。
現在「セゾンふるさと納税」では、そんな赤穂市を応援する「ふるさと納税」を受付中です。寄付を通じて、赤穂市を応援してみませんか?「ふるさと納税」で自治体に寄付してくださった分は、「寄付金控除」として所得税や住民税から控除されるメリットがあります。
さらに、「納税のお礼品」として自治体イチオシの特産品を送ってもらえるので、ご自宅にてふるさとの味をじっくり堪能できるチャンスです!多くの人の心に染み入る歴史と、瀬戸内海の恵みがあふれるまち、赤穂市への応援を心よりお待ちしています。