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一度は訪れたい日本の世界遺産18選!大自然から名跡まで解説

一度は訪れたい日本の世界遺産18選!大自然から名跡まで解説
セゾンのくらし大研究 編集部

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この記事では、世界遺産について詳しく解説するとともに、日本人ならぜひ知っておきたい日本の世界遺産の数々をご紹介します。島国日本が誇る風光明媚な世界遺産は、私たちに日本古来の歴史や文化を体感させてくれる貴重な存在です。この記事で世界遺産の魅力に触れると、現地に訪れたくなるでしょう。世界遺産について知りたい方はもちろん、どこか良い旅行先はないかな?と思っている方も、是非参考にしてください。

1.世界遺産とは? 

まずは、世界遺産の歴史や日本では世界遺産が何件あるのか、また世界遺産に登録される条件をご紹介しましょう。

1-1.世界遺産の歴史

1960年代、エジプトの南東部アスワン地区にアスワンダムが建設されました。建設の目的はナイル川の氾濫防止のためでしたが、この工事によってナイル川流域にあったヌビア遺跡が水没の危機にさらされます。そこでユネスコはこの遺跡群を移築保存する救済キャンペーンを開始。このときに、「人類共通の遺産」という考えが世界中に広がります。

その後、ユネスコは1972年の第17回ユネスコ総会において「世界の文化遺産及び自然遺産の保護に関する条約」(通称:世界遺産条約)を採択。こうして、世界遺産が誕生したのです。

1-2.日本にある世界遺産

令和3年7月現在、日本にある世界遺産は25件です。そのうちの20件は「文化遺産」、残りの5件は「自然遺産」となっています。日本で初めて世界遺産に登録されたのは法隆寺地域の仏教建造物・姫路城・白神山地・屋久島の4件で、いずれも1993年12月に登録されました。

1-3.世界遺産に登録される条件とは?

世界遺産に登録されるためには、以下の3つの条件が必要となります。特に3番目については、行政だけでなく、基盤となる地域社会や住民も保全・保護活動に積極的であるかどうかが重要なポイントになります。

  1. 世界遺産委員会によって具体的に提示された登録基準を一つでも満たしていること
  2. 遺産条約に示されている「文化遺産」「自然遺産」の定義に該当しているもの
  3. 該当する文化財や自然地域等が、その価値を保護するべくしっかりと管理されていること

2.世界遺産の種類

世界遺産となる対象は「有形の不動産」で、3つの種類に分別されています。それぞれ詳しく解説しましょう。

2-1.文化遺産

顕著な普遍的価値を有している、遺跡・文化的景観・建造物群・記念工作物などが該当します。代表的なものが、ドイツ連邦共和国のケルン大聖堂、インドのタージ・マハルなどです。

2-2.自然遺産

顕著な普遍的価値を有している、絶滅危惧種の生息地・地質や地形・生態系などが該当します。アメリカ合衆国のイエローストーン国立公園、同じくアメリカ合衆国にあるグランドキャニオン国立公園などがその例です。

2-3.複合遺産

文化遺産と自然遺産、両方の価値を併せ持つものが該当します。代表的なものが、ペルーのマチュピチュ、オーストラリアのウルル=カタ・ジュタ国立公園です。

3.風光明媚!日本の世界遺産18選

前述したとおり、日本には25の世界遺産があります。いずれの世界遺産も有名な観光地として、日本のみならず世界各国から大勢の観光客が訪れる人気スポットです。ここからはそんな日本の世界遺産の中から、特に人気の高いエリアを厳選してご紹介します。

3-1.北海道・東北エリア

・【北海道】知床

知床

知床は、海から陸へと繋がる生態系が見られる点と希少な動植物の生息地であることが評価され、自然遺産に認定されました。人を寄せ付けないような環境及び地形であることから、「最後の秘境」とも呼ばれています。豊かな自然に恵まれたこの地は、シマフクロウやオオワシなどの絶滅危惧種の生息地としても有名です。

・【岩手】平泉-仏国土(浄土)を表す建築・庭園及び考古学的遺跡群

中尊寺金色堂

平泉は、仏教の中でも浄土思想の考えに基づき創造された庭園・寺院・遺産が多く残っていることから、文化遺産に認定されました。なかでも、観自在王院跡、無量光院跡、毛越寺の3つは、それそれ自体が仏国土を表現している庭園を備えており、「死後、人は仏国土(浄土)に行くことで成仏できる」という考え方から、日本人の死生観に大きな影響を及ぼしたとされています。

3-2.関東エリア

・【東京】小笠原諸島

小笠原諸島・父島

小笠原諸島は、カタツムリの仲間や植物から進化の過程が分かる証拠が残されていること、固有種の割合が高いことから自然遺産に認定されました。プレートの移動により形成された珍しい地形や岩石を見学できることで知られています。登録エリアは聟島列島をはじめ、父島列島、そして母島列島の3列島からなる小笠原群島を中心とした79.39平方km。ただし、現在も住民が生活している父島および母島の一部地域は除外となっています。

・【栃木】日光の社寺

日光東照宮 陽明門

日光の社寺は、人類のクリエイティブな才能を表す最高傑作である点、古来の神道思想に基づいた信仰形態と自然が一体となっている点が評価され、文化遺産に認定されました。徳川家康が祀られている日光東照宮は、パワースポットとしても有名で、多くの観光客で賑わうスポットです。さらに、東照宮の建築物群は、日本の神社の代表的な景観構成の在り方を示していることでも知られ、日本古来の建築様式について知るうえでも重要な見本となっています。

・【群馬】富岡製糸場と絹産業遺産群

富岡製糸場

富岡製糸場は、技術革新によって生糸の大量生産を可能にした点や世界との技術交流で絹産業の発展に重要な役割を担っていた点が評価され、文化遺産に登録されました。和と洋の技術を組み合わせて建てられた繰糸場や繭倉庫は、日本と世界の技術の交流を垣間見ることができるので、一見の価値ありです。

3-3.北陸・東海エリア

・【静岡・山梨】富士山-信仰の対象と芸術の源泉

富士山 初夏

富士山は、富士山頂の信仰遺跡群をはじめ、富士山本宮浅間大社・河口湖、さらには三保松原まで、25の構成資産からなる文化遺産として登録されています。古くから人々の信仰を集めたり、さまざまな芸術文化にインスピレーションを与えたりと、日本人の信仰と美的感覚に深く関係している点が評価されました。

・【岐阜】白川郷・五箇山の合掌造り集落

白川郷

雪深い環境に合わせて生まれた合理的建築様式と、山間部で暮らしている人々の文化を象徴している伝統的集落である点が評価され、文化遺産に登録されました。今でも実際に人々が生活を営んでおり、厳しい自然と共に暮らすために培われた生活の知恵を垣間見ることができるでしょう。

3-4.関西エリア

・【京都】古都京都の文化財

京都 世界遺産 清水寺

古都京都の文化財は、平安時代から江戸時代にかけて、首都として日本の発展に大きな影響を与えた点と日本独自の精神・文化を表現した建築物が評価され、文化遺産として登録されました。多くの国宝や重要文化財、庭園などは、日本の伝統美を表現しています。なかでも龍安寺(りょうあんじ)では、日本に古くから伝わる「わび・さび」の世界を体感できるとして人気です。

・【奈良】古都奈良の文化財

奈良 法隆寺 五重塔と金堂

古都奈良の文化財は、当時中国の唐の首都となっていた長安などの都市をモデルとして建築された寺院などをはじめ、春日山原始林を含む8件の文化財が世界遺産に登録されています。仏教建築群が中国及び朝鮮半島との交流を示している点、日本の宗教的空間の特徴が表現されている点が評価されました。710年から784年までのわずか約74年間限定の都「平城宮跡」は、失われてしまった考古学的遺跡としての価値も高いとされています。また、大仏が有名な東大寺や阿修羅像で知られる興福寺なども含まれており、日本の歴史と伝統を肌で感じることができる文化遺産です。

・【兵庫】姫路城

姫路城

姫路城は、美しい白漆喰の城壁や建物の配置と容積バランスが絶妙である点、堀や石垣などの保存状態が良好であることが評価され文化遺産に登録されました。特に、防御に工夫を凝らしている日本独自の構造は必見です。別名「白鷺城(はくろじょう・しらさぎじょう)」という名が示すとおり、シラサギが羽を広げているかのような優美な姿が魅力です。

・【和歌山・奈良・三重】紀伊山地の霊場と参詣道

熊野古道・大門坂

日本古来の自然崇拝に基づいた、神道と仏教が融合して形成された紀伊山地は、参詣道や社寺に宗教儀礼に関する文化財が多数保存されている点が評価され文化遺産に登録されました。特に、熊野古道の筆舌に尽くしがたい美しい景観は、多くの方たちを魅了しています。

3-5.中四国エリア

・【広島】広島平和記念碑(原爆ドーム)

原爆ドーム

原爆ドームは、核兵器使用の恐ろしさ、悲惨さをそのままの形で伝える世界唯一の建造物であることから、文化遺産に登録されました。周辺にも戦争の愚かさや平和の大切さを訴えるモニュメントが多数設置されており、世界各国から大勢の観光客が訪れています。

・【広島】厳島神社

厳島神社

厳島神社は、海上に並んでいる建造物と自然が一体となっている美しい景観と、平安〜鎌倉時代の建築様式が今もなおしっかりと保存されていることから文化遺産に登録されました。青い海と朱色の回廊のコントラストが、まるで絵画のような美しさを演出している、日本を代表する観光スポットのひとつです。

・【島根】石見銀山遺跡とその文化的景観

島根県 石見銀山 清水谷製錬所跡

石見銀山は、生産された銀がアジアのみならずヨーロッパ諸国とも経済的・文化的交流をもたらしている点、環境に配慮された土地利用が今もなお伝承されている点が評価され、文化遺産に認定されました。周囲の自然と鉱山が一体化した文化的な景観は世界的にも珍しく、活気にあふれた当時の様子が今もなお色鮮やかに残されています。

3-6.九州・沖縄エリア

・【福岡】「神宿る島」宗像・沖ノ島と関連遺産群

神宿る島沖ノ島

沖ノ島は、4世紀〜9世紀の東アジア諸国家間の重要な交流を示している点、神聖な島を崇拝する文化的伝統が今もなお伝承されている点が評価され、文化遺産に登録されています。2018年からは、一般の人の上陸が全面的に禁止となりました。しかし、宗像大社にある神宝館にて、島々の歴史を体感することができます。

・【長崎・熊本】長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産

【長崎県】世界遺産の大浦天主堂

長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産は、キリスト教の信仰が禁止されていた江戸時代に秘かに進行を続けるために独特の宗教形態へと変化した潜伏キリシタン信仰が、世界的に類を見ない文化であるとして登録されました。日本の伝統的宗教及び一般社会と共生しつつ、信仰を継続させた潜伏キリシタンの伝統の証です。

・【沖縄】奄美大島、徳之島、沖縄島北部及び西表島

奄美大島_ハートロック

奄美大島、徳之島、沖縄島北部及び西表島の4つの地域は、多種多様で固有性が高い生態系を有していること、絶滅危惧種の生息地として非常に重要な場所であることが評価され、自然遺産に登録されました。アマミノクロウサギやアマミトゲネズミなど、独自に進化した生物が多数生息しています。

・【沖縄】琉球王国のグスク及び関連遺産群

守礼門 沖縄首里城

琉球王国のグスクは、琉球社会の象徴的な考古学遺跡である点、今なお地域住民の心の拠り所となっている点が評価され、文化遺産に登録されました。高台に位置しているので、沖縄の絶景と共に琉球王国の歴史をしっかりと感じることができる場所です。

4.今後世界遺産認定が期待される文化遺産5つ

日本には、まだまだたくさんの文化遺産があります。現在、日本国内では5件の文化遺産が今後世界文化遺産への認定が期待される「暫定リスト」に登録されているのをご存じでしょうか。ここでは、その暫定リストに登録された遺産をご紹介します。

4-1.【神奈川】古都鎌倉の寺院・寺社ほか

称名寺(初夏)

古都鎌倉の寺院・寺社は、1192年に初めて武家が政権をおいて建設したとされる都市です。鶴岡八幡宮や鎌倉大仏、建長寺などが含まれています。この鎌倉の地で武家が政治を行うという新しい時代が生まれ、現代日本にも大きな影響を与えた新しい文化が誕生したのです。現在、武家文化をしのばせる文化遺産がまとまって残されているのは、この鎌倉のみです。当時の権力者の屋敷跡や港の遺跡である和賀江島などが現存しています。

4-2.【滋賀】彦根城

滋賀県彦根市 彦根城 ~天守と満開の桜~

彦根城は、17世紀初頭の城郭建築最盛期に建てられたお城です。先に世界文化遺産に登録された姫路城などと並び、天下の名城のひとつに数えられています。城主の居室部分や防御的部分など、城郭の全体像が非常に良く残されているのが特徴です。「佐和口多聞櫓(さわぐちたもんやぐら)」の外から見て左側は佐和山城より移築され、国指定の重要文化祭となっています。また、美しく荘厳な雰囲気を持っている天守は国宝です。街路の形態などにも城下町特有の地割が残されていることから、暫定リストに登録されています。

4-3.【奈良】飛鳥・藤原の宮都とその関連資産群

飛鳥・藤原の宮都とその関連資産群

飛鳥・藤原の宮都とその関連資産群は、日本最古の本格的都城や諸寺院、当時の権力者の墳墓などが、今なお良好な状態で保存されています。さらに、大和三山は、万葉集をはじめ、代表的な古典文学作品と深い関わりがあることでも有名です。良好な歴史的風土は、文化的景観としても秀でています。東アジアとの交流およびその影響を受けた国づくりの過程が考古遺跡の変遷により証明することのできる、他に類を見ない文化遺産であるといえるでしょう。

4-4.【新潟】金を中心とする佐渡鉱山の遺産群

佐渡金山遺跡

金を中心とする佐渡鉱山の遺産群は、400年以上にわたり採掘が続けられてきた金銀山、及びその鉱山技術の変遷を伝える遺跡が多数現像していることから、暫定リストに登録されています。鉱山技術を見ることができる遺跡をはじめ、鉱山都市や鉱山集落の景観は、今もなお色褪せていません。

4-5.【岩手】平泉-仏国土(浄土)を表す建築庭園及び考古学的遺跡群-(拡張)

柳之御所遺跡

2011年に既に世界遺産に登録されている平泉の構成資産ですが、実は全体のうちの一部でしかありません。既に登録済みなのは、金鶏山・中尊寺・毛越寺・観自在王院跡・無量光院跡の5つ。平泉という地を理解してもらうためには、この他の重要な遺跡も世界遺産へ追加登録してもらうことが必要であると考え、拡張登録に向けた活動を推進しています。追加での登録候補は、平泉町の柳之御所遺跡・長者ヶ原廃寺跡・一関市の骨寺村荘園遺跡・達谷窟・奥州市の白鳥舘遺跡の5つです。

参照元:世界遺産

旅行に行く際の持ち物チェックリストも下記記事で解説しています。参考ください。

関連記事:【PDF付き】旅行の持ち物チェックリスト一覧!女子旅や子連れ旅行で持っていきたいもの

おわりに 

文化的価値が非常に高い文化遺産の数々は、私たちに歴史の息吹を感じさせてくれるだけでなく、豊かな自然や古くから伝わる文化・伝統の大切さを教えてくれます。機会があれば実際に世界遺産を巡る旅をして、風光明媚な美しさに心を震わせてみてはいかがでしょうか。温故知新という言葉が示すとおり、いにしえの自然や建築物が新しい感動やひらめきを生み出してくれるに違いありません。

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