一軒家の壁紙張替えは総額30万〜80万円が目安です。しかし、家の広さや選ぶ壁紙のグレードによって費用は大きく変動します。
本記事では、費用の詳しい内訳から、場所・広さ別の費用相場、そして誰でも実践できる費用を安く抑える5つのコツまで具体的に解説します。これから壁紙の張替えを検討している方は、適正価格で満足のいくリフォームを実現するためにも参考にしてください。
- 一軒家の壁紙張替えは、30坪〜40坪で総額30万〜80万円程度が相場
- 費用は材料費・工事費・諸経費の3要素で構成される
- 相見積もりや壁紙の使い分けなどで費用を抑えられる


一軒家の壁紙(クロス)張替え費用は総額30万〜80万円が目安

一般的な30坪〜40坪(延床面積99㎡〜132㎡)の一軒家の場合、壁紙(クロス)の全面張替え費用は、選ぶ壁紙のグレードにもよりますが、総額で30万〜80万円が目安です。
延床面積ごとの費用相場は以下の通りです。
一軒家の延床面積・坪数別の費用相場
| 延床面積(坪数) | スタンダード | ハイグレード |
|---|---|---|
| 25坪 (約82㎡) | 31万〜46万円 | 48万〜60万円 |
| 30坪 (約99㎡) | 38万〜55万円 | 58万〜73万円 |
| 35坪 (約115㎡) | 44万〜64万円 | 68万〜85万円 |
| 40坪 (約132㎡) | 50万〜74万円 | 78万〜97万円 |
この費用がどのような内訳で構成されているのか、また、どうすれば費用を賢く抑えられるのかを以降の章で詳しく解説していきます。
壁紙張替え費用の内訳と料金が決まる仕組み

壁紙張替えの費用は、大きく分けて「①材料費(クロス代)」「②工事費(施工費)」「③諸経費」の3つで構成されています。見積書を見比べる際に混乱しないよう、それぞれの内訳を理解しておきましょう。
材料費
材料費は、使用する壁紙(クロス)そのものの価格です。壁紙は主に「量産品(スタンダードクラス)」と「一般品(ハイグレードクラス)」の2種類に大別され、どちらを選ぶかで費用が大きく変わります。
- 量産品
シンプルなデザインや色のものが多く、賃貸物件などで広く使用されています。機能は防カビなど基本的なものに限られますが、大量生産されているため価格が安価です。 - 一般品(ハイグレードクラス)
デザインやカラーバリエーションが豊富で、消臭、抗菌、防汚、調湿といった高機能な製品が多いのが特徴です。リビングや水回りなど、こだわりたい場所に適しています。
人目につくリビングはデザイン性の高い一般品、寝室やクローゼット内部はコストを抑えた量産品、というように場所によって使い分けるのが賢い選択と言えるでしょう。
工事費
工事費は、職人が作業するための費用で、主に以下の項目が含まれます。
- 剥がし・下地処理費:古い壁紙を剥がし、壁の凹凸やひび割れをパテで補修して平らにする作業費
- 施工費:新しい壁紙を採寸し、貼り付ける作業費
- 養生費:床や家具、柱などが汚れないようにビニールシートなどで保護する作業費
施工費は材料費と合わせて「㎡単価」として提示されることが多く、1㎡あたり800〜1,200円程度が目安です。
特に注意が必要なのは、下地の状態です。壁紙を剥がした際に、壁に穴が開いていたり、カビが広範囲に発生していたりするなど、下地の劣化が激しい場合は追加の補修工事が必要になります。その場合、補修費用として数千〜数万円の追加費用がかかる可能性があるため、見積もりの段階で下地の状態も確認してもらうと安心です。
諸経費:廃材処理費や駐車場代など
材料費や工事費の他に、以下のような諸経費がかかります。
- 廃材処理費:剥がした古い壁紙などを処分するための費用
- 出張費・交通費:職人が現場まで移動するための経費で、駐車場代も含まれる。特に、作業用の車を停めるスペースがない場合、近隣のコインパーキングを利用するため実費が請求される。都市部では1日あたり1,000〜2,000円程度が目安。
- 家具移動代:張替えのために大きな家具を動かす必要がある場合の費用
これらの諸経費は、見積書では「雑費」や「その他経費」として一括りにされてしまうことも少なくありません。後から「思っていたより高くなった」という事態を避けるためにも、契約前に必ず内訳を確認することが重要です。
【場所・広さ別】一軒家の壁紙張替え費用シミュレーション

ここでは、部屋ごとの壁紙張替え費用の目安をシミュレーションします。部屋の広さや用途によって相場は変わるため、生活動線やリフォームの優先度を考えながら予算を配分することがおすすめです。
リビング(15畳〜20畳)の費用相場
15畳〜20畳(壁面積の目安:約75㎡〜116㎡)のリビングの場合、量産品の壁紙を選んだときの相場は約7.5万〜16万円程度です。
リビングは家族や来客が過ごす「家の顔」ともいえる空間のため、デザイン性の高いハイグレードの壁紙や、消臭・防汚といった機能性の高い壁紙が人気を集めています。
寝室・子供部屋(6畳〜8畳)の費用相場
6畳〜8畳(壁面積の目安:約32㎡〜43㎡)の寝室や子供部屋では、量産品の壁紙を選んだ場合の相場は約3.5万〜6万円程度です。
より快適に過ごすために、部屋の用途に合わせて壁紙を選ぶことがおすすめです。例えば、寝室には「リラックス効果のある色味の壁紙」や「調湿機能付きの壁紙」、子供部屋には「傷や汚れに強く、落書きが拭き取りやすい壁紙」がおすすめです。これにより、お手入れの手間を格段に減らせます。
トイレ・洗面所の費用相場
トイレの壁紙を張り替える場合は約3万〜4.5万円、洗面所は約3.1万〜3.6万円が目安です。壁紙の面積自体は小さいものの、便器や洗面台があるため作業スペースが狭く、手間がかかることから、㎡あたりの単価は高くなる傾向があります。
トイレや洗面所は、湿気がこもりやすくニオイも発生しやすいため、防カビ・消臭・抗菌機能を備えた壁紙を選ぶと安心です。
一軒家の壁紙張替え費用を安く抑える5つのコツ

壁紙の張替えには多くの費用がかかりますが、いくつかの工夫をすることで総額を抑えることが可能です。実践すれば10〜20%ほど安くなる可能性もあります。
複数社から相見積もりを取る
費用を抑えるうえで最も重要なのが、複数社から見積もりを取る「相見積もり」です。最低でも3社以上に依頼し、大手リフォーム会社と地域の工務店など、異なるタイプの業者を組み合わせて比較するとよいでしょう。
料金だけでなく、使用する壁紙の種類や施工方法、保証内容などの提案を見比べることで、価格の違いがどこから生まれているかがわかります。その結果、自宅の工事に対する適正な価格帯を把握することが可能です。
壁紙のグレードにメリハリをつける
全ての部屋にハイグレードな壁紙を使う必要はありません。人目に触れるリビングや玄関はデザイン性の高いものを、寝室やクローゼット内部は安価な量産品を選ぶなど、場所に応じてグレードを使い分けることで全体の費用を効果的に抑えられます。
| 場所 | おすすめのグレード | 理由 |
|---|---|---|
| リビング・玄関 | ハイグレード | 人目につきやすく、家の印象を左右するため |
| 寝室・子供部屋 | スタンダード or ハイグレード | 長時間過ごす場所は機能性を重視し、それ以外はコスト重視で調整 |
| トイレ・洗面所 | ハイグレード(機能性重視) | 汚れや湿気が多く、防汚・防カビ機能が役立つため |
| クローゼット・納戸 | スタンダード | 人目に触れにくいため、コストを最優先できる |
リフォームの繁忙期(春・秋)を避ける
リフォーム業界には繁忙期があり、一般的に気候の良い春(3〜5月)や秋(9〜11月)は依頼が集中します。一方で、梅雨の時期や真夏・真冬は閑散期となる傾向があります。
依頼が少ない時期は、業者も価格交渉に柔軟に応じてくれる可能性があるため、急ぎでなければ閑散期を狙って相談するのもひとつの手です。
他のリフォームと同時に依頼する
もし床の張替えや水回りの交換など、他にリフォームを検討している箇所があれば、壁紙の張替えと同時に依頼するのがおすすめです。工事をまとめることで、業者の出張費や人件費、養生などの諸経費が効率化され、それぞれを別々に頼むよりも総額が安くなる場合があります。
DIYとプロへの依頼を組み合わせる
壁紙張替えで最も費用を節約できる方法はDIYですが、家全体を自分で行うのは難易度が高く、現実的ではありません。そこでおすすめなのが、DIYとプロを組み合わせるハイブリッド方式です。
例えば、階段や天井といった作業が難しい部分はプロに任せ、収納内部や壁の一面など簡単に取り組める場所だけをDIYすれば、無理なく費用を抑えられます。
ただし、DIYに失敗して結局プロに依頼し直すことになると、かえって費用がかさむ可能性もあります。自分のスキルを過信せず、無理のない範囲で挑戦することが大切です。
失敗しない!優良リフォーム業者の見極め方

リフォームの満足度は、業者選びで決まると言っても過言ではありません。費用だけでなく、以下のポイントも確認して、信頼できる優良業者かを見極めましょう。
- 施工実績が豊富か
公式サイトなどで、自分と似たような一軒家の施工事例が豊富に掲載されているか確認する。 - 見積書の明細が明確か
「壁紙張替え工事一式」ではなく、「材料費」「施工費」「廃材処分費」など項目ごとに単価や数量が細かく記載されているか確認する。不明な点は遠慮なく質問し、丁寧に答えてくれる業者を選ぶのがおすすめ。 - 口コミや評判は良いか
実際にその業者を利用した人の口コミは非常に参考になる。良い評価だけでなく、悪い評価の内容も確認し、誠実な対応をしているかを見極める。 - 保証やアフターフォローは充実しているか
施工後に壁紙が剥がれてきた、といったトラブルに対応してくれるか、保証内容を事前に確認する。
費用の支払いが不安な方へ|賢いリフォームローンの活用

「壁紙を張り替えて家を綺麗にしたいけれど、まとまった出費は厳しい」と感じる方も少なくありません。そんなときには、分割で無理なく支払えるリフォームローンの利用が選択肢に入ります。
例えば「セゾンのリフォームローン」なら、借入期間を最長25年まで選べるため、月々の返済額を家計に合わせて柔軟に調整できます。まとまった資金を一度に用意する必要がなく、計画的にリフォームを進められる点が大きなメリットです。
「セゾンのリフォームローン」の幅広い使い道
「セゾンのリフォームローン」は、原則として担保・保証人が不要で、来店せずにWEBで申し込みを完結できる手軽さが魅力です。30万円から利用可能なため、壁紙張替えのような比較的安価なリフォームにも対応できます。審査結果も最短1日でわかるため、スムーズに計画を進められるでしょう。
さらに、利用できる用途は壁紙の張替え(内装)にとどまりません。キッチンやお風呂といった水回り、外壁塗装、太陽光発電設備の導入、増改築まで、住まいに関するさまざまな工事に対応しています。


おわりに
一軒家の壁紙張替えは、延床面積や選ぶ壁紙のグレードによって費用が大きく変動します。まずは相場感を理解し、複数社から見積もりを取って比較することが大切です。
また、信頼できる業者を選ぶことも、リフォームを満足に行ううえで欠かせません。施工実績や見積書の明細、口コミや保証内容をしっかり確認し、安心して任せられる業者を見極めましょう。
さらに、費用面で不安がある場合は、リフォームローンを上手に活用するのもおすすめです。「セゾンのリフォームローン」のように、長期で無理なく返済できる仕組みを利用すれば、計画的に住まいを整えることができます。
相場を理解し、信頼できる業者を選び、必要に応じてローンを活用する。これらを意識することで、一軒家の壁紙張替えを安心かつ納得感のある形で進められるでしょう。
※本記事は公開時点の情報に基づき作成されています。記事公開後に制度などが変更される場合がありますので、それぞれホームページなどで最新情報をご確認ください。