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ハイブリッド・EV・PHEV…エコカーの選び方と違いをわかりやすく解説

ハイブリッド・EV・PHEV…エコカーの選び方と違いをわかりやすく解説
セゾンのくらし大研究 編集部

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ガソリン価格の高騰や環境意識の高まりを背景に、「次に買うならエコカー」と考える人が増えています。

しかし一口にエコカーといっても、ハイブリッド車(HEV)、プラグインハイブリッド車(PHEV)、電気自動車(EV)など種類はさまざま。それぞれの仕組みや特徴を知らなければ、「どれを選んだらいいの?」と迷ってしまうのも当然です。

本記事では、主要なエコカーの違いをわかりやすく整理し、ライフスタイルに合わせた選び方のポイントを解説します。購入を検討している方はもちろん、「まず違いを知りたい」という方にも役立つ内容です。

まず押さえたい「エコカー」の基本知識

まず押さえたい「エコカー」の基本知識

エコカーとは何か、どんな種類があるのかを理解することは、車選びの第一歩です。「環境にやさしい車」と聞くと漠然としていますが、その仕組みや特徴を知ることで、自分に合ったタイプが見えてきます。

ここでは、エコカーの定義や種類、基本的な仕組みをわかりやすく解説します。

エコカーとは?定義と背景

エコカー」とは、環境への負荷をできるだけ小さくすることを目的に開発された自動車の総称です。

走行時に排出される二酸化炭素(CO₂)や窒素酸化物(NOₓ)などの大気汚染物質を減らし、従来のガソリン車よりも燃費性能に優れているのが特徴です。

地球温暖化やエネルギー問題への関心が高まる中、政府は2009年度の「エコカー減税」をはじめとした支援策を打ち出し、普及を後押ししてきました。

現在では、ハイブリッド車(HEV)、プラグインハイブリッド車(PHEV)、電気自動車(EV)、燃料電池車(FCV)など、さまざまな技術を用いたエコカーが登場しています。

種類の全体像をざっくり理解しよう

エコカーは一般的に、ハイブリッド車(HEV)プラグインハイブリッド車(PHEV)、電気自動車(EV)という3つの方式があります。

  • ハイブリッド車(HEV)はガソリンエンジンと電動モーターを併用し、給油だけで使える手軽さが特徴。
  • プラグインハイブリット車(PHEV)は外部から充電が可能で、短い走行では電気だけで、長距離ではエンジン+モーターで走る仕組み。
  • 電気自動車(EV)はモーターのみで走行し、走行中に排出ガスを出さないゼロエミッション車。

これらをざっと押さえることで、どのタイプが「自分の使い方に合っているか」をあとで考える準備が整います。

そのほかにも、より専門的なエコカーとして以下のような方式があります。

その他のエコカーの特徴

種類概要
天然ガス自動車(NGV)天然ガスを燃料とし、黒煙や窒素酸化物の排出が少ない。バスやトラックにも採用
メタノール車(MFV)メタノールを燃料に使い、従来の燃料供給設備を活用できる
ソーラーカー(太陽電池車)太陽光発電を利用して自然エネルギーで走行
水素自動車水素を燃料として走行
参照元:新エネルギー財団|エコカー(低公害車、クリーンエネルギーカー)

主要エコカーの種類と特徴を解説(HEV・PHEV・EV)

主要エコカーの種類と特徴を解説(HEV・PHEV・EV)

ひとえに「エコカー」といっても、仕組みや特徴はさまざま。

ここでは、現在主流となっているハイブリッド車(HEV)・プラグインハイブリッド車(PHEV)・電気自動車(EV)の3タイプについて、その構造や走り方、メリット・デメリットなどを分かりやすく紹介します。

ハイブリッド車(HEV)の特徴と選び方

ハイブリッド車(HEV)は、ガソリンエンジンと電動モーターを組み合わせて走行する方式を採用しており、燃費性能や環境性能を従来のガソリン車よりも向上させたモデルです。

モーターのアシストによってエンジン負荷を軽減し、減速時のエネルギー回生などを活用することで、効率的なエネルギー制御が行われます。

また、アイドリングストップや走行モードの最適制御などの省エネ技術により、無駄な燃料消費を抑えることが可能です。

EV(電気自動車)と比べて充電インフラへの依存度が低く、給油だけで利用できる利便性も強みです。

メリット

  • 燃費が良く、特に街中や渋滞時の走行に強い。
  • 給油だけで走行でき、使い勝手がガソリン車と変わらない。
  • 排出ガスを抑え、環境にやさしい。

デメリット

  • 車両価格がガソリン車より高め。
  • 排出ガスゼロではなく、完全な電動化ではない。
  • バッテリーやシステムの整備費がやや高くつく場合も。

選び方のポイント

  • 通勤や街乗りが多い人に向く。
  • 初期費用と燃費改善分のバランスを確認。
  • 長距離運転や充電環境に縛られたくない人におすすめ。

プラグインハイブリッド車(PHEV)の特徴と選び方

プラグインハイブリッド車(PHEV)は外部電源から充電できる大容量バッテリーと、ガソリンエンジンを併用して走行する車です。

モーターだけでもある程度の距離を走ることができ、日常の通勤や買い物などの短距離走行は“電気自動車(EV)”として使用できます。

一方で、長距離ドライブやバッテリー残量が少ない場合にはエンジンが自動的に作動し、発電または走行をサポートする仕組みです。

このため、PHEVはEVの静かで滑らかな走りと、ガソリン車の航続距離の長さという両方の利点を兼ね備えた“いいとこ取り”の車と言えます。

メリット

  • 電気のみで走る「EVモード」を備え、日常利用ではほぼガソリンを使わず経済的。
  • バッテリーが切れてもエンジン走行に切り替わるため、長距離でも安心。
  • エンジン作動が少なく、走行音が静かで乗り心地が快適。

デメリット

  • 外部充電が必要で、自宅や職場に充電設備がないと利便性が下がる。
  • 車両価格が高めで、バッテリーの重量により燃費性能が落ちる場合もある。
  • バッテリーを積む分、車内スペースがやや狭くなることがある。

選び方のポイント

  • 自宅や勤務先に充電環境がある人、または整備予定のある人におすすめ。
  • 普段は短距離中心、休日に長距離ドライブを楽しむスタイルに最適。
  • 購入前に、国や自治体の補助金・減税制度の対象になっているか確認しておくと安心。

電気自動車(EV)の特徴と選び方

電気自動車(EV)は、ガソリンを使わずに電気でモーターを動かして走る車です。

大容量バッテリーを搭載し、外部電源から充電して走行します。エンジンを持たないため、走行中に排気ガスを出さず、環境への負荷が少ないゼロエミッション車として注目されています。

モーター特有の滑らかな加速と高い静粛性が魅力で、発進時から力強く走れるのも特徴です。また、オイル交換などの定期整備が少なく、メンテナンスコストを抑えやすいという点もあります。

メリット

  • 排気ガスを出さず、地球温暖化対策や大気汚染対策に有効。
  • エネルギー効率が高く、燃料(電力)コストやメンテナンスコストを抑えられる場合がある。

デメリット

  • 航続距離がガソリン車・HEVと比べて短い場合があり、急な長距離移動に向かない。
  • 充電インフラが十分でないと利便性が落ち、充電にかかる時間もガソリン給油より長くなることがある。
  • 車両価格が高めで、バッテリー交換や電池劣化など長期的なコストも考慮が必要。

選び方のポイント

  • 「充電の手間やインフラの有無」を事前に確認しておくことが重要。
  • 自宅・職場の充電環境を確認しておく。 
  • 購入価格だけでなく、電力代・充電設備設置費などのコストをトータルで検討。

エコカーを選ぶときに注目すべきポイント

エコカーを選ぶときに注目すべきポイント

燃費性能や充電方法、維持費などは車種によって大きく異なります。ここでは、購入前にチェックしておきたい燃費・航続距離、インフラの利便性、コスト面など、選ぶ際の重要ポイントを整理して紹介します。

燃費・航続距離

エコカー選びでは、燃費性能と1回の給油・充電でどれだけ走れるか(航続距離)が重要なポイントです。

ハイブリッド車(HEV)はエンジンとモーターを併用するため、一般的なガソリン車よりも燃費が良く、長距離運転にも向いています

プラグインハイブリッド車(PHEV)は、短距離なら電気だけで走行でき、長距離ではエンジンを使用。普段の移動距離が短い人ほど燃費の良さを実感できます

電気自動車(EV)は走行時のエネルギー効率が高い一方、航続距離は200〜600kmほど。使い方や充電環境によって利便性が大きく変わります。
数値だけでなく、自分の走行距離や生活スタイルに合うかどうかを基準に選ぶことが大切です。

給油や充電インフラの利便性

エコカーを選ぶときは、燃費だけでなくエネルギー補給のしやすさも重要な比較ポイント。

なかでもプラグインハイブリッド車(PHEV)は、自宅や職場に充電設備があれば日常のほとんどを電気走行でまかなえます。外出先での充電スタンドも増えており、補助的にエンジンを使える点も強みです。

電気自動車(EV)は、公共・商業施設などに設置される充電スタンドの整備が進んでいますが、地域によっては数が限られる場合も。

自宅での充電環境を整えることが快適な利用のカギとなります。

車種の特徴だけでなく、自分の生活圏で充電・給油がどれだけスムーズかを確認して選ぶことが大切です。

車両価格と維持コスト

エコカーは環境性能が高い分、購入時の価格がガソリン車より高い傾向にあります。

ハイブリッド車(HEV)は比較的手頃なタイプもありますが、プラグインハイブリッド車(PHEV)や電気自動車(EV)はバッテリーや充電システムのコストが上乗せされます。

一方で、維持費は抑えやすいのが特徴です。

EVはエンジンがないためオイル交換は不要で、HEVやPHEVも燃費が良く、長期的には燃料費の節約につながります。

ただし、バッテリーの劣化や交換費用、充電設備の設置費など、数年後に発生するコストも視野に入れておくことが大切。

初期費用だけでなく、5〜10年単位でのトータルコストで比較するのが賢い選び方です。

補助金や税制優遇制度のチェック

エコカーの購入を検討する際は、国や自治体の補助金・税制優遇制度を活用することで初期費用を抑えられます。

国の「クリーンエネルギー自動車導入促進補助金(CEV補助金)」では、電気自動車(EV)やプラグインハイブリッド車(PHEV)、燃料電池車(FCV)などが対象です。補助金額は車種や航続距離、充電機能などによって異なり、最大で数十万円の支援を受けられる場合もあります。

さらに、「エコカー減税」「グリーン化特例」などの制度により、自動車重量税や自動車税の軽減が適用されます。

自治体によっては、地方独自の上乗せ補助や充電設備設置費用の支援が用意されていることも。

購入前には、最新の補助金情報や対象条件を確認し、国・自治体・販売店の3つの窓口で比較するのがおすすめです。

こうした制度をうまく活用すれば、エコカーの導入コストを賢く抑えられます。

エコカー選びで失敗しないためのコツとは

エコカー選びで失敗しないためのコツとは

燃費の良さや補助金の有無だけで選ぶと、あとで「思っていた使い方に合わなかった」と感じることもあります。ここでは、将来を見据えた使い勝手やリセールについてなど、購入前に確認しておきたいポイントを整理し、後悔しない選び方のコツを紹介します。

普段の走行パターンを見直す

エコカーを選ぶ前に、自分の走り方を知ることが重要です。

通勤や買い物など短距離が中心なら、充電だけで走れるEVPHEVが向いています。 

一方、長距離ドライブや出張が多い人は、給油だけで使えるHEVが安心です。どんな距離をどれくらいの頻度で走るかを整理すれば、燃費・充電・利便性のバランスが取れた一台を選びやすくなります。

将来のインフラ整備を見据える

エコカーは、技術やインフラの進化によって利便性が大きく変わる分野です。 

特に電気自動車(EV)やプラグインハイブリッド車(PHEV)は、今後充電スタンドの整備や電力網の拡充が進むことで、より使いやすくなると期待されています。

国土交通省や経済産業省の方針では、2030年までに全国で充電設備を倍増させる計画が示されており、地方でも設置が進みつつあります。

そのため、「今は不便そう」と感じても、将来のインフラ整備を見越して選ぶことが、長期的な満足度につながります。

また、車両のアップデートやバッテリー技術の進化も早いため、将来の買い替えや再販売を見据えた充電規格やメーカーサポート体制の確認も重要です。

リセールバリューについて

エコカーは燃費性能や環境性能が高い一方で、バッテリーの寿命や技術の進化スピードによって、リセールバリュー(中古車としての価値)が左右されやすい特徴があります。

ハイブリッド車(HEV)は普及が進み、中古市場でも安定した人気があります。

プラグインハイブリッド車(PHEV)や電気自動車(EV)は、バッテリー性能の劣化や充電規格の変化により、年式や状態で価格差が大きく出やすい傾向があります。

また、電動化技術の進歩は早く、新しいモデルほど航続距離や充電性能が向上しているのが現実。 長く乗る場合は、メーカー保証やバッテリー交換費用の目安を事前に確認しておくことが安心です。

まとめ:ライフスタイルに合ったエコカーを選ぼう

まとめ:ライフスタイルに合ったエコカーを選ぼう

エコカーと一口にいっても、ハイブリッド車(HEV)、プラグインハイブリッド車(PHEV)、電気自動車(EV)など、それぞれに特徴や適した使い方があります。

大切なのは、「燃費が良い」「環境にやさしい」といった数字や性能だけで選ぶのではなく、自分の生活スタイルや走行環境に合っているかを基準に考えることです。

通勤や買い物が中心なら充電しやすいEV、長距離ドライブが多いならHEV、両方のバランスを取りたいならPHEV──ライフスタイルによって最適な一台は変わります。

さらに、今後は充電インフラや補助制度の整備も進むため、将来の使いやすさを見据えた選択もポイントです。

自分の暮らし方と環境への意識、どちらにもフィットするエコカーを選ぶことで、より快適で持続可能なカーライフが実現します。

※本記事は公開時点の情報に基づき作成されています。記事公開後に制度などが変更される場合がありますので、それぞれホームページなどで最新情報をご確認ください。

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