リタイア後の第二の人生。ちょっと海外で暮らしてみるのも良いかな?とお考えの方もいらっしゃるのではないでしょうか。海外で暮らすといっても、ビザはどうするのか?住居はどうやって探すのか?いくらぐらいなの?と気になることはたくさんあると思います。
今回は親日国で物価も安く、移住に人気な東南アジアのタイでの住居の探し方と賃料相場を解説していきたいと思います。
1.海外移住先で人気の東南アジア・タイ
タイでの住居の探し方や、その賃料相場をご紹介する前に、なぜ、タイは日本人の移住先として人気が高いのか。その人気の理由をいくつかご紹介します。
1-1.タイは温暖な気候で自然災害が少ない
タイは日本と比較すると、地震や台風といった災害のリスクが少なく、1年を通して20℃を超える温暖な気候で過ごしやすい国という点です。乾季の時期である11月~2月で朝方冷え込んだとしても17℃くらいです。日本人にとっては快適に過ごせるのではないでしょうか。
1-2.タイの物価が日本より安価で日本よりも贅沢な暮らしができる
東南アジアということで、日本よりも物価が安いというのも人気の理由です。昨今、少しずつ円に対しタイバーツの価値が上がってきてはいますが、水1本500mlで40円ほどです。1食あたり200円ほどで食べられるレストランもあります。タイであれば日本よりも贅沢な暮らしができると考えています。
1-3.タイは親日国で日本人が住みやすい
タイは仏教国で歴史的にも日本と仲が良く、日本人だということが理由で何かができないといったことは、ほぼありません。日本人のことを好きなタイ人も多く、普段の生活でも優しくしてくれる方々が多い国という印象です。そして、常に笑顔の方が多いと感じます。
1-4.タイと日本は飛行機で6時間程度
タイと日本は片道6時間程度、航空券もアメリカやヨーロッパに行くことと比べると、お手頃な価格でおさまります。移住したとしても、日本に全く帰ることはない!ということは少ないと思いますので、日本から近い、航空券の価格もお手頃なのは大きなメリットといえるでしょう。
1-5.50才以上の方なら比較的リタイアメントビザも取りやすい
海外に長期滞在となると必ず必要になるビザ。タイのリタイアメントビザは、他の国と比較すると取得しやすい条件が設定されています。条件も預金と収入証明で済むため、ビザ購入で大金を支払わなければいけないといったこともありません。
1-6.タイに住む日本人が多く日本のものも手に入りやすい
移住者だけでなく、駐在員など含めるとタイは外国で暮らす日本人が4番目に多い国といわれています。日本人が多いことから、日本のものが手に入りやすく、TV番組、雑誌や食事などどうしても日本のものが欲しい!といったときにも手に入りやすいです。
2.タイでの住居の探し方
タイ移住の魅力を感じて頂けましたでしょうか。ここからが本題、タイでの住居の探し方とその賃料相場を見ていきたいと思います。まずはタイでの住居の探し方になります。住居の探し方については、日本と大きな違いはないかもしれません。
2-1.インターネットで気になる物件を探す
日本で家探しをすることと比較して、大きく異なるところはありません。例えば、「Bangkok Condo Rental」と検索をしてみると、お部屋情報を掲載しているサイトがいくつも検索結果に表示されると思います。バンコクで探す場合には日系の仲介会社も多いため、日本語のホームページにすぐにたどりつけるはずです。
日系の仲介会社以外から探したい場合にはこちらのサイトがおすすめす。機械翻訳にはなりますが、日本語で表示がされるので、英語が苦手という方には便利かもしれません。
日本語表示の物件検索サイト Hipflat(https://www.hipflat.co.th/ja)
このようなサイトで探してから、「こんな物件はありませんか?」と、日系の仲介会社に相談するとお目当ての物件に近いものを紹介してもらいやすいでしょう。
2-2.仲介会社に問い合わせをする
日系の仲介会社に依頼をするのであれば、難しいことはありません。インターネットで見つけた希望の物件や、希望のエリアや家賃を伝えることで日本語で候補の紹介をしてくれます。
難しいのは現地の仲介会社に問い合わせを入れる場合です。日系の仲介会社が取り扱いがない物件、バンコク中心部以外の郊外で探す場合など、現地の仲介会社に問い合わせをするしかないケースもあります。
簡単な英語であれば使える仲介会社も多いので、希望のエリア、間取り、賃料をはっきり伝えることができるよう事前に準備をしてから問い合わせると良いでしょう。最初のメール問い合わせには、Google翻訳した英語でも十分な場合も多いと思います。
2-3.仲介会社とお部屋を内覧する
内覧をするのも日本と同様です。希望に近い物件をいくつか仲介会社と内覧することになります。ここで日本と違って気を付けたいポイントをいくつかご紹介します。
タイの賃貸は家具付き
タイの賃貸はお部屋だけでなく、家具もついた状態で借りることが一般的です。内覧した際にお部屋の中にあるものは、そのまま借りることができます。不要な家具がある場合には内覧のときに、その家具を運び出してもらうことができるか確認すると良いでしょう。
また電化製品、例えば洗濯機や冷蔵庫なども、事前に買い足してもらうことができるか確認してみるのも良いでしょう。場合によっては「すぐに借りてくれるなら!」と買い足してくれることもあります。
電気が付くかや水が出るかは要確認!
いざ引っ越してみたら水が出ない、電気が付かないといったことはよくあるトラブルです。引越し1日目から苦労しないよう、内覧時に水回り、各部屋の電気など確認をしておくと良いでしょう。トラブルがある場合には、入居前に直してもらうように伝えておくと良いです。
2-4.契約と入居の手続き
お気に入りの物件がみつかったら最後は契約と入居の手続きとなります。契約は英語かタイ語で契約することが一般的です。日系の仲介会社を介して借りる場合には参考の日本語訳を付けてくれることもありますが、英語での契約が必要と思っておいたほうが良いでしょう。
契約の中で特に確認をしたほうが良いポイントをいくつか挙げておきます。
賃貸期間
一般的には1年契約になります。半年など特別なお願いをした場合などは特に契約期間がいつからいつまでになっているのか確認しましょう。
賃料
賃料がいくらなのか?内覧時には確認をしていると思います。その金額と同じ金額が書いてあるか念のため確認をしましょう。日本と違い「家賃」のみを支払うことが多く、「管理費」や「共益費」といった名目で別途支払がある契約はほとんどありません。
解約条項
1年間住むつもりで借りることが多いと思いますが、途中で解約をしなければいけないケースも考えられます。途中で解約した場合の違約金条項、通知期間は事前に確認をしておくと良いでしょう。通常、1か月前には解約通知が必要です。
管理費の負担
契約書にどのように書いてあっても、実際の退去時に壊れているところがあると、判断が別れるところなので難しい部分ではあります。日本の賃貸借契約ですと「通常使用による経年劣化を除き、破損があれば賃借人が修理費を負担する」といった文面が入っていると思います。
タイの一般的な慣習でも、コンドミニアム(=マンション)を借りる場合には、同様の慣習と考えて良いと思います。
「Normal wear and tear」、「Ordinary wear and tear」なんて文面がはいっていると「通常使用による経年劣化」といった意味になるため、そのような文面がはいっているかどうか確認しましょう。
3.気になるタイのコンドミニアムの賃料相場は?
次にご紹介するのはタイでのそれぞれのエリアでのコンドミニアムの賃料相場をお伝えします。エリアや間取り、グレードによっても賃料相場は異なるため、あくまで目安としてお考え頂ければと思います。1バーツ=約4円で考えてみてください。
1bed roomとは日本でいうと1LDK、2bed roomは2LDKとなります。
コンドミニアムにはフィットネスジムやプールが付いています。(プールやフィットネスジムがついていない物件はアパートメントと呼ばれたりしています。)
3-1.バンコク中心部のコンドミニアムの賃料相場
「スクンビット」と呼ばれるエリアが日本人が多く住むバンコクの中心部となります。日系スーパーや日本料理店も多く、またBTSという電車も走っているため、出掛けるのも便利で日本人には住みやすいエリアです。そういったエリアなので、他エリアと比べると相場としては高くなっています。
- 1bed room:15,000~40,000バーツ
- 2bed room:30,000~80,000バーツ
3-2.バンコク中心部から少し離れた郊外のコンドミニアムの賃料相場
少し離れたといっても、「スクンビット」エリアから電車でもう数駅、バンコクの中心部から離れたエリアでご紹介をしたいと思います。日系企業の駐在員としてではなく、タイで仕事をしている日本人の方が多く住むエリアでもあります。
- 1bed room:8,000~30,000バーツ
- 2bed room:15,000~50,000バーツ
電車で数駅中心部から離れるだけで、賃料相場は半額ぐらいで見つけることができます。徒歩圏内で日系スーパーや日本料理店を探すのは少し難しくなりますが、駅近くで探すこともできるため、電車移動することをいとわないのであれば、お得な物件が見つかるかもしれません。
3-3.ビーチリゾート「パタヤ」のコンドミニアム
せっかくタイに住むならビーチリゾートに住みたい!といった方もいらっしゃるかもしれません。バンコクの次に大きな都市で観光客も多いパタヤも移住先の1つの候補になるかもしれません。
パタヤも中心部で探すとバンコクの中心部と大きく賃料相場は変わりません。ただ、グレードが高い物件を選ぶとプールも大きく、そのコンドミニアムのプライベートビーチが付いているといった物件も見つけることができるのが特徴です。
- 1bed room:15,000~40,000バーツ
- 2bed room:30,000~80,000バーツ
3-4.小さな日本人街「シラチャ」のコンドミニアム
あまり知られていない街ですが、シラチャという日本人街がタイには存在します。シラチャは日系の工場が近隣に多く、駐在員の方が住み始めたのがきっかけで日本人街として発展をしています。バンコクほどではないですが、日系スーパー、飲食店、日本語が通じる病院など日本人が住むのに困らない施設が近隣にそろっているのが特徴です。
- 1bed room:10,000~30,000バーツ
- 2bed room:20,000~50,000バーツ
賃料相場もバンコクやパタヤに比べると少し安めに設定されており、リビングの窓からは一面の海!といったコンドミニアムもありますので、タイに移住してまで大都会に住みたくない、ちょっと田舎でのんびり暮らしたいといった方には、シラチャは意外とおすすめな街です。
4.タイのコンドミニアムを借りるための初期費用は?
日本で賃貸をする場合には敷金、礼金、保証会社・・・と様々な費用が必要となりますがタイだとどうなるのでしょうか。初期費用はいったいいくらになるのか、併せて確認していきたいと思います。日本に比べると非常にシンプルです。結論から申し上げますと、初期費用は「賃料の3ヵ月分」が一般的です。
- 前払家賃
タイでは入居時に1ヵ月分の家賃を前払いすることが一般的です。
- 敷金
タイでは敷金は家賃の2ヵ月分を預けることが一般的です。
- 礼金
タイでは人気エリアの店舗を借りる場合に発生することもありますが、コンドミニアムを借りる場合には貸主に支払う礼金という文化はありません。
- 仲介手数料
日本では相談した仲介会社に0.5ヵ月分から1ヵ月分の仲介手数料を支払うのが一般的ですが、タイでは借主が仲介手数料を支払う文化はありません。
- その他費用
タイでは保証会社や鍵交換代といった名目でその他の費用が発生することもほとんどありません。入居者が数名いて、セキュリティカードを複製・発行したいといった事情がある場合に、管理組合に数百バーツを支払うこともあります。
おわりに
移住をする際に考えなければいけない住居の探し方、移住先での大きな生活費の1つとなる家賃相場についてお話ししてきました。また別の記事でバンコクのコンドミニアムの魅力や具体的な物件も紹介していきたいと思います。タイでの住居費目安、インターネットで物件を探してみるきっかけになればと幸いです。
リタイア後の海外移住はどこがおすすめ?東南アジアのタイがおすすめの理由とは?