先日、スーパーに行ったら、あまりの物価の高さに頭がクラクラしました。電気もガスもタクシー料金も値上がりして、出費は嵩む一方です。おまけに増税が次々と決まり、頼みの綱の年金制度も受給年齢が上がりそうになるなど、不安な材料ばかり。
こういう時こそ大事なのが、「資産寿命」を延ばすこと。今回は、そのために最適な株式投資をご紹介します。
1. 今、考えたい資産寿命との向き合い方
「資産寿命」とは、資産が尽きるまでの期間のことを意味します。「健康寿命」という言葉があるように、最後まで生活に困ることなく暮らすには「資産寿命」を延ばすのが大事です。そのためには節約だけではなく、お金を増やす手段を考える必要があるでしょう。
私は、今からでも株式投資を始めるのをおすすめします。投資を始めるのは20代、30代が多いというデータもありますが、還暦を迎えてから始める方も少なからずいらっしゃいます。
長期的に安定した投資をすれば、株は決して怖いものではないことを知っていただきたいと思います。
特に、今はNISAが恒久化される方針が決まったばかりです。
NISAは投資の運用益が非課税になる制度です。新しい制度ではシンプルにして使いやすくするため、今まで併用ができなかったNISAとつみたてNISAの2種類の制度を一本化し、併用ができるようになります。運用可能な金額は、つみたてNISA(投資信託を買う場合が対象)は年間120万円までが非課税に、今までの一般NISA(個別の銘柄を買う場合が対象)にあたる成長投資枠は年間240万円までが非課税になります。
国も投資をしやすい環境を整えているので、今は資産寿命を延ばせるチャンスです。
※ 現在、発表直後で情報に変更が生じる可能性がありますのでご了承ください (参考:『令和5年度税制改正大綱』)。
2.明日からできる株式投資 ステップ① 口座開設
株式投資を始めるには、まず証券会社に自分の口座を開設するところからスタートします。証券会社の口座は、どこも無料で開けるので、明日からでも始めていただきたい第一歩です。
初めて口座を作る場合はネット証券をおすすめします。理由は簡単で、取引手数料が安いからです。
証券会社の店頭でスタッフさんのアドバイスを受けながら売買する時は手数料がかかるため、その分高くなります。ネット証券では100万円までの取引は手数料が無料のところもあります。
しかも、店頭ではネット証券の2倍以上の手数料になることもあります。手数料を安く抑えたほうが利益は多くなるので、大事なポイントです。店頭の場合、プロのアドバイスを受けられるので安心感はありますが、「会社が売りたい銘柄をすすめている場合もありますよ!」という点は覚えておいたほうがいいと思います。
今は口座開設に必要な書類も少なくなり、ネット証券ならマイナンバーカードや運転免許証を送れば数分で口座を作ることができます。
私は知り合いの方に教えてもらいながら口座を開設したのですが、オペレーターがサポートしてくれるサービスも用意されているので、パソコンやスマホが苦手でも簡単です。
3.明日からできる株式投資 ステップ② 口座にお金を入れる
口座を開いたら、まず株を買うためのお金を入金します。銀行口座と同じで、最初にいくら入金しても構いません。株の売買をしなければ、口座に入れたお金は増えることも、なくなることもありません。買いたい銘柄がない場合はそのままにしておいても大丈夫です。
4.明日からできる株式投資 ステップ③ 銘柄を選ぶ
株を売買する準備が整ったら、銘柄選びです。
ここまでのコラムでお話ししてきたように、基本的には自分が好きな会社、または自分が愛用している商品やサービスを提供している会社を基準に選ぶのが一番です。
最近は動画で「今なら、この銘柄が買い!」と強くすすめる方がいますが、あまりそういう情報を鵜呑みにしないほうがいいと思います。私の経験では、自分の好きなものを選ぶほうが結果的に利益に結びつきます。
好きなジャンルや会社の株を買いたくても、失敗したら怖いと思う方もいらっしゃるかもしれません。そういう方におすすめなのは、日経225に入っている有名な企業の銘柄です。
日経225は、「日経平均株価」を算出する元となっている銘柄のことです。具体的には、トヨタや日立、キヤノンなどの日本を代表する大企業の中から選ばれた225銘柄です。長い期間、売買していくのに適した銘柄が多くあります。
日経225をおすすめする理由は、選ばれていない新興系の銘柄などに比べて厳しい条件をクリアして選定されているので、倒産してゼロになる可能性が低いとされているからです。
ときどき、不祥事が起きて暴落することもあったりしますが、それでも、過去のデータを見てみるといずれ持ち直すことが多いので、長期的に持っていればゼロになるリスクは低いでしょう。値動きが激しくないので、焦って買う・売る必要もありません。
日経225の株を持ってみると、「株は怖い」という見方が変わると思います。自分の好きなジャンルの株と、日経225の株を分散して持っておくと、さらに安心するかもしれませんね。
私が最初に買ったのも日経225の銘柄です。株をスタートした時は日経225なんて全然知りませんでした。それでも利益を出せたので、初心者には向いているのではないでしょうか。
5.株式投資はこの2つだけ知っておけばいい
口座を開いたら折れ線グラフや棒グラフが動いていて、「これは何だろう?」と思うかもしれません。
折れ線グラフは「チャート」、棒グラフは「出来高」です。初心者の頃は、この2つをチェックするだけで大丈夫です。「〇〇分析」と名前のついた方法もありますが、それらに慣れて来て、もっと積極的に投資をしたくなったら勉強すればいいと思います。
これらのグラフは証券取引が行なわれている間は、常に変動しています。ただ、長期投資なら毎日グラフを見なくてもいいと思います。私が株を始めた時は、最初の一ヵ月は何も見ずにほったらかしにしていました。
グラフがどんどん下降していくのを見て「売らなければ!」と焦るかもしれませんが、デイトレードでなければその必要はありません。株価は一日の中で上がったり下がったりを繰り返すものですし、今日は下がっても明日は上がるかもしれません。
だから、動じずに「そういうものなんだ」と考えるようにしましょう。
5-1.株価の動きを知る「チャート」
「チャート」は株価の動きを見るためのグラフで、サイトによっては「日足」と呼ばれています。折れ線グラフの横軸は時間、縦軸が株価を示しています。1日分だけではなく、1週間、1ヵ月、6ヵ月、1~10年のチャートが証券会社のサイトに出ています。
その日だけや、ここ一年間の動きだけでは、その会社の実態はそれほど分かりません。
10年ぐらい遡ると、「この会社は毎年夏になると業績が上がるな」「冬には下がるけれど、その後は持ち直しているな」というパターンがある場合もあります。その場合、夏になる前に買って、冬になる前に売るという判断ができます。
3年前にチャートが大きな山になっているので調べてみると、その時期は新商品がヒットしていたと分かることもあります。そういう材料をチェックしていると、「この会社はこのタイミングで買ったら良さそう」というカンが磨かれていくのです。
5-2.その銘柄の注目度が分かる「出来高」
折れ線グラフの下にある棒グラフが「出来高」です。
出来高は、その銘柄の売買がいくつ成立したかを表わしています。株は、誰か売りたい人がいて、買いたい人がいるから売買が成立します。
欲しくても誰も売らなければ株を買えません。逆に、売りたくても買いたい人がいなければ売れません。この売りと買いが1セットで、ひとつの出来高が成立します。
売りたい人と買いたい人が大勢出てくると、棒グラフはグングン伸びていきます。これは人気がある銘柄だということです。反対に、棒グラフがずっと伸びないままなら、その銘柄はほとんど注目されていません。
株価が低くても、出来高が上がってくると、みんなが注目し始めたというサインになります。
ただ、これがなかなかの「クセモノ」なのです。たとえば、新商品が発売されるという報道があったから上がるのなら分かります。時折、なぜ急に上がったのか、下がったのかがよく分からない時があります。そういう場合は、投資のプロたちが意図的に取引量を増減していることもあるので、要注意です。
その動きに乗っかって買ったら、とたんに株価が下がったこともありました……。プロの投資家が、人気がある銘柄のように見せかけているのだと思います。そういうのも何回か経験しているうちに、引っかからないようになっていきます。
6.株式投資の「基本のき」
株の基本は、買ったときの値段より上がるのを待つこと。そして、下がる前に売ることです。シンプルではあるのですが、このタイミングを図るのは簡単ではありません。
右肩上がりのチャートを見ていると気分がいいので、そのままずっと上がり続けるのだと信じてしまいそうですが、いつかは下がります。永遠に伸びそうな勢いのあったGAFAM(Google、Apple、Facebook 、Amazon、Microsoftの略)であっても、急落することもあるぐらいです。
ですので、途中で売って利益を確定するか、下がっても上がるまでひたすら待つのかは決めなくてはなりません。
重要なのは、どんなにチャートを分析しても株の値動きに「絶対はない」ということです。どんなに経験を積んで値動きを読めるつもりでいても、必ずその通りになるものではないということを理解しておきましょう。
おわりに
株は難しい言葉が多いですし、専門的なテクニックも多いのですが、すべてを知らなくてもできるので安心してください。私も株を始めてから、知識を身に付けていきました。
大事なのは、「億を稼ごう!」などと欲を出しすぎないこと。資産寿命を延ばすためには、年間で数十万円の利益があれば充分だと思います。
先が見えない今だからこそ、収入源をひとつ増やせば安心につながり、100歳まで余裕を持って暮らせるのではないでしょうか。
「なりたい自分」に近付けるような、人生を自由にデザインできるようになる方法を発信しています。
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