新型コロナウイルス感染症の新規患者数が高止まりする中で、インフルエンザが3年ぶりに流行しています。冬は、受験シーズンであったり、年度末に向けて仕事が忙しかったり、春には歓送迎会があったりと、生活習慣が乱れがちな時期ですよね。この時期はいつもより体調を崩しやすい方も多いのではないでしょうか。
今回は、そんな私たちの身体を守ってくれる免疫について理解を深めましょう。
私たちの身体をバリアする「粘膜免疫」とは?
まず、私たちの身体の中には、主に2つの免疫システムが備わっています。そのうちのひとつが「粘膜免疫」です。「粘膜免疫」とは、ウイルスや細菌などの病原体を体内に侵入させないように身体を守る仕組みです。
病原体が身体の中に入ってこないように粘膜でブロックし、感染症予防に重要な役割を担っているのが、免疫細胞によって作られる「IgA(アイジーエー)」です。IgAは、特定の病原体だけでなく、幅広くさまざまな病原体の侵入を防ぐ役割を担っています。
体内で作られるIgAの量が低下すると、風邪を引きやすくなったり、病気にかかりやすくなったりします。また、疲労感を覚えやすくなることもわかっています1,2。
1) Kotani, Y. et al., Immun. Ageing 7,11(2010)
2) Shinkai, S. et al., Br. J. Nutr. 109, 1856-65 (2013)
バリアしていますか?身体を強くする生活習慣って?
身体のバリア機能を高めるために、普段の生活の中で以下の3つのポイントを意識してみましょう。
①栄養バランスのとれた食事
どんなに健康に良い食材や栄養素でも、同じものばかりを摂取していると栄養バランスが乱れてしまいます。さまざまな食材を少しずつ摂取することを心掛けましょう。
栄養素は主に、タンパク質・脂質・炭水化物・ビタミン・ミネラルに分類されます。「タンパク質」は免疫抗体の材料にもなるため、不足しないようにしっかり摂取しましょう。また、「脂質」も大切な栄養素のひとつで、毎日適度に摂取することが大切です。脂質の摂取量の目安は、成人で1日に約40〜60g程度です3。
「炭水化物」は、主食やスナック菓子などに多く含まれるため、過剰摂取にならないように気をつけましょう。とはいえ、身体機能の維持には不可欠な栄養素です。1日の運動量によっても異なりますが、おおよそ体重1kg当たり約5〜7gの摂取(体重64kgの成人男性の場合)が推奨されています3。
3) 厚生労働省「日本人の食事摂取基準」(2020年版)
②適度な運動
適度に運動をするようにしましょう。通勤通学の際は少し早歩きをする。買い物に行くときは自転車ではなく歩いてみる。軽い筋トレを行うのも良いでしょう。
ただし、過度な運動は逆に免疫を低下させてしまうので、週に2回、1回30分程度身体を動かす4など、自分の身体と相談しながら、適度な運動で汗を流しましょう。
4) 厚生労働省「健康日本21」
③規則正しい睡眠
規則正しく、適切な睡眠時間を心掛けましょう。仕事や家庭で忙しい中、睡眠のリズムが乱れがちかもしれませんが、なるべく毎日同じ時間に就寝、起床を心掛けましょう。適切な睡眠時間には個人差がありますので、極端に短かったり長かったりすると、体調を崩してしまうので注意しましょう。
自宅でチェック「免疫検査」の紹介
バリア機能を落としやすい生活習慣になっていないか、自宅で検査できる郵送検査キットがオススメです。唾液中のIgA抗体量とアンケート結果から、バリア機能を高めるヒントが得られます。採取した唾液をポストに投函するだけで、WEB上に結果が届きます。生活習慣の見直しに役立ててみてはいかがでしょうか。
例えば、以下のような結果が回答として戻って来ます。
IgAは生活習慣を大きく反映します。そのため、同じ人でも疲れやストレスが溜まっているなどその時の状況によって値が変動します。
体調や生活習慣の変化や季節の変動に合わせて3ヵ月~半年程度での検査をお勧めしています。検査を複数回受けると過去の結果がダイアリーで表示されますので、定期的な検査で生活習慣の振り返りや体調を崩しやすい時期を見つけるなどして体調管理にお役立てください。
【注意事項】
・本検査は、唾液中のIgA値を報告します。病気のかかりやすさや診断を行っているものではございません。体調について気になる点があれば、医療機関へご相談ください。
・口腔内に炎症や出血のある方は正確な数値が測定できない可能性があります。