葉酸は、私たちの身体には欠かせない栄養素ですが、日本人にとっては不足しがちな栄養素のひとつです。海外と比べると日本ではあまり広く注目されていないことに加え、葉酸を利用しにくい遺伝子タイプの方が多いといわれています。葉酸の重要性について理解を深めて、生活習慣の改善に役立てましょう。
私たちの身体には欠かせない「葉酸」
「葉酸」とは、水溶性のビタミンで、ビタミンB群の一種です。細胞の生産や再生を助け、遺伝子やたんぱく質の合成を促進するという重要な役割を果たしています。また、動脈硬化や心筋梗塞などの病気のリスクを高めると考えられている悪玉アミノ酸(ホモシステイン)※1を、必須アミノ酸(メチオニン)に変換する反応を助ける役割を担っているため、身体の成長だけでなく、病気の予防にも重要※2な栄養素です。
※1 Takao H. et al., Homocysteine Metabolism, The Pharmaceutical Society of Japan (2007)
※2 Cui et al., Japan Collaborative Cohort Study. Stroke (2010)
葉酸を十分に摂取するためには
葉酸は、体内では合成できないため、食事やサプリメントから意識的に摂取する必要があります。
例えば、以下のような食べ物に多く含まれています。
- ブロッコリーやほうれん草、枝豆、モロヘイヤなどの野菜
- 鶏や牛、豚のレバー
- 鶏卵
- 納豆
- 焼きのり
- わかめ
食べ物だけでなく、食べ方にも注意が必要です。葉酸は水に溶けやすく、熱に弱いため、食材を洗ったり、加熱することで栄養素が失われてしまいます。そのため、新鮮なうちに加熱せず食べられるサラダや、食材を丸ごと食べられるスープなどで摂取することをおすすめします。また、不規則な食事になる場合には、栄養補助食品やサプリメントも併用して、葉酸不足にならないように気をつけましょう。
「葉酸」を利用しにくい方がいる!?
葉酸を摂取しても、遺伝子のタイプによっては、葉酸を効率的に利用しにくい方がいます。葉酸を活用するためにはメチレンテトラヒドロ葉酸還元酵素(MTHFR)という酵素が必要です。この酵素が「しっかりと働くタイプ」なのか「あまり働かないタイプ」なのかは、DNAによって決まっています。
MTHFRの遺伝子の違いには、CC型・CT型・TT型の3種類があります。日本人女性の約6割以上は、葉酸が働きにくいCT型、またはTT型であるため、葉酸を利用しにくいと考えられています※3。
※3 Hiraoka M et al., Biochem Biophys Res Commun, 316(4), 1210-1216 (2004)
自宅でチェック「葉酸DNA検査」の紹介
葉酸を身体の中で効率的に利用できるかどうかは、遺伝子のタイプによって異なります。葉酸DNA検査「フォリチェック」では、葉酸の代謝に必要な遺伝子が「しっかり働くタイプ」か「あまり働かないタイプ」か、ご自宅で簡単に調べることができます。ご自身の体質を知ることで、食生活を見直すきっかけにしてみてはいかがでしょうか。
例えば、以下のような結果が返ってきます。
【注意事項】
- 本検査は生活習慣を見直すためのヘルスケアチェックです。病気の診断をするものではございません。体調について気になる点があれば、医療機関へご相談ください。
- 口腔内に炎症や出血のある方は正確な数値が測定できない可能性がございます。