投資信託の購入方法には、大きくわけて「積立購入」と「スポット購入」の2種類があります。スポット購入に興味があるものの、メリットや積立購入との違いがわからない方は多いのではないでしょうか。
このコラムでは投資信託のスポット購入について解説します。投資信託の売買が初心者の方でも簡単に理解できる内容になっているので、ぜひ参考にしてみてください。
この記事を読んでわかること
- スポット購入とはご自身のタイミングで投資信託を購入する方法
- 短期的なリターンを目指す方やまとまった資金がある方はスポット購入に向いている
- 一方、初心者の方で長期的な資産形成を目指したい方は積立購入がおすすめ
投資信託のスポット購入とは?積立購入の概要も一緒に解説
投資信託の購入方法には「スポット購入」と「積立購入」があります。この章では、スポット購入の概要と積立購入との違いについて解説します。
スポット購入の概要
スポット購入とは投資信託をご自身の好きなタイミング・金額で購入する手法を指します。積立購入との違いは以下のとおりです。
- 積立購入:毎月決まった日時・金額で投資信託を購入する方法
- スポット購入:自分の好きなタイミング・金額で投資信託を購入する方法
スポット購入では注文日時や金額を自由に設定できるため、相場の動きやご自身の資金など、条件が整ったタイミングで投資できます。証券会社によっては、100円からの投資も可能です。普段から相場を分析している投資家の方には、スポット購入がおすすめです。
スポット購入と積立投資の併用も可能
スポット購入は積立投資との併用が可能です。例えば定期的な買い付けを行っている間に、追加購入したいタイミングを見つけてスポット購入する方法があります。
安い金額でまとまった投資信託の購入に成功すれば、積立購入に比べて高いリターンが期待できます。積立購入とスポット購入の併用は証券会社のホームページから簡単に可能です。より大きなリターンを目指したい方は併用にチャレンジしてみると良いでしょう。
投資信託をスポット購入するメリット・デメリット
この章では、スポット購入のメリット・デメリットについて解説します。
メリット
スポット購入のメリットは以下の3つです。
- 一度にまとめて運用できる
- 資金形成をスピードアップできる
- 短期間で大きなリターンが期待できる
値下がりした投資信託を購入して値上がり時に売却できれば、大きなリターンが期待できます。また一度に多くの資金を投入できるため、投資における機会損失が少なくて済むでしょう。短期的に大きなリターンを目指したい方にとっては、メリットのある購入方法です。
デメリット
一方、スポット購入のデメリットには以下の3つが挙げられます。
- 下げ相場の場合、積立投資より損しやすい
- 購入のタイミングが難しい
- 商品選びが難しい
スポット購入はまとまった金額を一度に投資するため、価格変動の影響を受けやすくなります。相場が下がっているときには、購入価格との開きが大きくなっていくため、積立投資と比較して損失が出やすくなります。リスクを抑えて投資を続けたい方には、積立購入が向いているでしょう。
投資信託のスポット購入・売却のタイミングと商品を選ぶ際のポイント
この章では投資信託のスポット購入のタイミングと商品を選ぶ際のポイントについて解説します。
購入のタイミング
スポット購入のタイミングは、投資信託の基準価額が下がっているときを狙うのが良いでしょう。基準価格が下がっているときにまとまった資金を投入することで、将来の値上がりによるリターンが期待できます。
ただし、最安値を狙うのはプロのファンドマネージャーでも困難です。相場の動向を見ながら、現在の基準価格が相対的にどれくらい下がっているのかをご自身で分析する必要があります。
売却のタイミング
スポット購入した投資信託は、基準価格が上がったタイミングで売却するほど大きなリターンを得られます。ただし、購入時と同様に最高値を正確に予想するのは困難です。これまでの相場と比較してリターンが大きくなるタイミングを見極めましょう。
商品を選ぶ際のポイント
投資信託を選ぶ際には、長期的な目線でリターンの出ている商品を選びましょう。長期的にリターンが出ていれば、将来的な基準価格の値上がりが期待できます。
また購入時に高値でつかんでしまった場合でも、基準価額の値上がりが損失をカバーしてくれる可能性があります。証券会社のホームページで、投資信託の値動きに関する情報を集めてみましょう。
投資信託をスポット購入する際の注意点
投資信託をスポット購入する際には、以下の3点に注意しましょう。
- 購入するタイミングを狙い過ぎないこと
- 購入した直後の暴落に備えること
- 投資初心者や値動きに敏感な方は大きな金額でスポット購入しないこと
それぞれ順番に解説します。
購入するタイミングを狙い過ぎないこと
基準価格が下がるタイミングを的確に予想するのは、プロのファンドマネージャーでも難しいとされています。購入するタイミングを狙いすぎないよう注意が必要です。
また、投資信託は注文時に正確な購入金額がわかりません。その日の相場が終了したあとに買い付ける「ブラインド方式」を採用しているからです。タイミングを計っても、仕組み上の誤差が生じる点に留意しておきましょう。
購入した直後の暴落に備えること
投資信託には価格変動のリスクがあります。タイミングを見計らって注文したものの、直後に暴落する可能性はゼロではありません。
例えば100万円分購入した投資信託が、翌日に10%の下落を記録した場合、10万円分の資産が1日でなくなります。長期的にはリターンが期待できる商品でも、短期で見ると価格が下がるタイミングはあります。価格変動のリスクをしっかり理解したうえで購入しましょう。
投資初心者や値動きに敏感な方は大きな金額でスポット購入しないこと
急激な値動きに精神的な負担を感じてしまう場合があります。投資初心者の方や値動きに精神的なストレスを感じる方は、大きな金額で投資しないほうが良いでしょう。
スポット購入は注文するタイミングを自身で決定する手法です。一方、積立投資は毎月一定額を購入し続けるため、長期的に見ると買い付け価格の差を均一化する効果が期待できます。値上がり・値下がりに一喜一憂して購入してしまうと、価格変動の影響を受けやすくなるため注意しましょう。
投資信託のスポット購入はどんな人に向いている?
投資信託のスポット購入が向いている方は、以下のような特徴があります。
- 自身のタイミングで自由に投資したい方
- 大きなリターンを目指したい方
- 資金に余裕がある方
スポット購入では、投資信託を自身の好きなタイミングで購入できます。相場を見ながら自分なりに戦略を練って実行したい方は、スポット投入が向いているでしょう。積立投資は長期的な資産形成を目指す手法のため、短期間で大きなリターンを狙いたい方にはスポット購入がおすすめです。
おわりに
投資信託のスポット購入は短期間で大きなリターンを目指したい方におすすめの手法です。基準価格が下がっているタイミングを狙って、注文を入れてみましょう。一方、長期的な資産形成を目指したい方には、積立購入がおすすめです。