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介護休暇中は給与は出るのか?介護休暇と介護休業の違いについてもご紹介!

介護休暇中は給与は出るのか?介護休暇と介護休業の違いについてもご紹介!
セゾンのくらし大研究 編集部

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家族の介護が必要であるものの、有給休暇だけでは生活費を補えないため、会社に相談したいという方が増えています。ただし、相談したくても会社に面倒だと思われたり、退職を促されたりする不安もあるでしょう。 

しかし、介護休暇・介護休業の理解度を高めることで、休暇の他にも、給付金の申請や休暇中の給与の制度を利用できる場合があります。そうすることで、仕事と介護に集中できる環境を整えることができます。また、これらの制度を正しく把握していれば、介護や育児に対して理解のある職場かどうかもを見極めることもできるでしょう。 

このコラムでは、介護休暇・介護休業の違いや共通点をご紹介します。 

介護休暇とは?

介護休暇とは?

介護休暇とは、「育児介護休業法」という法律に基づく制度で、労働者が要介護状態(負傷や疾病、または身体上、精神上の障害によって、2週間以上の期間にわたり常時の介護が必要である状態)にある対象家族の介護や世話をするための休暇です。 

通常の年次有給休暇とは別で休暇を取ることができ、介護が必要な家族1人につき1年で5日、2人以上の介護が必要な場合は10日まで取得可能です。ただし、この休暇期間に給与が支払われるかどうかは法的な決まりが定まっていないため、ご自身の勤める会社の方針によって異なります。 

これまでは半日単位での取得しか認められていませんでしたが、育児介護休業法施行規則が改正されたことで、時間単位での取得も可能となりました。また、改正前は通院などで1時間だけ休みたいという場合でも、半日単位で取得する必要がありましたが、改正によって1時間単位での申請ができます。 

近年、育児や介護のために会社に休暇の申し出をすることを、社会的に言い出しにくい雰囲気があります。そのため、介護や育児に対して負担の面だけが広まり、出産や介護のために退職せざるを得ない状態が長く続いています。 

少子高齢化を防ぎ、持続可能で安心できる社会を作るためには、「就労」と「出産・子育て」、または「就労」と「介護」が必要不可欠です。つまり、働くか子育てか、働くか介護かというような二者択一の構造を解消し、子育て期や中高年期でも、男女共に多様な働き方の選択が可能となる社会への見直しが必要とされています。 

また、育児介護休業法の新たな改正により、以下の規定が定められました。 

  1. 職場における育児休暇等に関するハラスメントについて、労働者が事業者に対して相談を行ったこと等を理由とする事業主による不当利益扱いの禁止 
  2. 職場における育児休業等に関する言動に起因する問題に関する国、事業主及び労働者の責務を規定 

これにより、職場での育児・介護休暇の申し出や相談がより理解あるものとなり、安心して働ける環境が少しずつ広まりつつあります。 

介護休暇の取得に必要な条件や対象者の判断基準などを、以下で詳しく見ていきましょう。 

参照元:育児・介護休業法について|厚生労働省

介護休暇が認められる条件

介護休暇が認められるための条件は下記の3点が必要です。 

  • 家族が2週間以上の期間にわたって、常時介護が必要な状態であること 
  • 対象となる方の雇用期間 
  • 対象となる家族の範囲 

常時介護が必要である状態か判断するには、育児介護休業法で定められた2つのどちらかが該当しているかどうかを確認する必要があります。 

  1. 介護保険制度の介護状態区分が「要介護2」以上 
  2. 次の表の12項目のうち、2が2つ以上または3が1つ以上該当し、その状態が継続すると認められること 
状態  1  2  3 
(1)座位保持(10分間1人で座っていることができる)  自分で可  支えて貰えばできる  できない 
(2)歩行(立ち止まらず、座り込まずに5m程度歩くことができる)  つかまらないでできる  何かに捕まればできる  できない 
(3)移乗(ベッドと車いす、車いすと便座の間を移るなどの乗り移りの動作)  自分で可  一部介助、見守り等が必要  全面的介助が必要 
(4)水分・食事摂取  自分で可  一部介助、見守り等が必要  全面的介助が必要 
(5)排泄  自分で可  一部介助、見守り等が必要  全面的介助が必要 
(6)衣類の着脱  自分で可  一部介助、見守り等が必要  全面的介助が必要 
(7)意思の伝達  できる  ときどきある  できない 
(8)外出すると戻れない  ない  ときどきある  ほとんど毎日ある 
(9)物を壊したり衣類を破くことがある  ない  ときどきある  ほとんど毎日ある 
(10)周囲の者が何らかの対応をとらなければならないほどの物忘れがある  ない  ときどきある  ほとんど毎日ある 
(11)薬の内服  自分で可  一部介助、見守り等が必要  全面的介助が必要 
(12)日常の意思決定  できる  本人に関する重要な意思決定ができない  ほとんどできない 

参照元:よくあるお問い合わせ(労働者の方へ)|厚生労働省

対象となる雇用期間 

介護休暇を取得できる対象者は、雇用期間が6ヵ月以上の全従業員です。また、正社員やパート、アルバイト、契約社員等の雇用形態による制限はありません。 

しかし、下記に該当される方は、介護休暇を取得することができません。 

  • 日雇い労働者 
  • 1週間の労働日数が2日以下である 

介護休暇を取得するにあたって、これまでの就労状況が重要視されます。 

対象となる家族 

対象となる家族の範囲は広く、次のいずれかに該当する場合は対象となります。 

  • 父母(義父母を含む) 
  • 配偶者(事実婚の場合を含む) 
  • 子(養子を含む) 
  • 配偶者の父母 
  • 祖父母 
  • 兄弟姉妹 
  •  

この範囲外の相手の場合、介護休暇は認められません。 

公務員は対象となるのか 

介護休暇は、公務員でも取得することは可能です。 

ただし、地方公務員に関しては自治体の令状によって定められているため、取得できない場合もあります。しかし、基本的には国家公務員と同じく取得できるケースが大半です。 

取得可能な日数 

介護休暇が取得可能な日数は、対象家族が1人の場合は年間最大5日間までです。2人以上の介護の場合は最大10日までとなります。仮に対象者が3人の場合でも、10日間が最大です。 

時間単位での取得も可能 

育児介護休業法の改正により、1時間単位での取得が可能となりました。これまで1時間だけの休みの場合でも、半日の休暇を使用しなければいけなかったので、より仕事と介護の両立の負担が軽減されるはずです。 

ただし、就業時間の途中に時間単位の休暇を取得し、就業時間中に再び戻るような中抜けと呼ばれる行為は禁止とされています。 

参照元:介護休暇・子の看護休暇の時間単位取得について|厚生労働省 

介護休暇と介護休業の違いとは? 

介護休暇と介護休業は異なる制度で、取得までの条件や取得できる日数に違いがあります。よく似た言葉であることから同じ制度だと思う方が多いようですが、それぞれ条件が異なるため介護休暇しか受けることができない方もいます。 

どちらも仕事と介護のために必要な休暇を取得するという面では共通していますが、介護休業の方が条件が厳しく、取得できる日数がより多くなります。また、介護休業では条件を満たすことで、介護休業給付金という制度を受けられることも大きな利点です。 

状況によっては、どちらとも取得する方も出てくるので、介護休暇と介護休業の異なる点や共通する点をあらかじめ把握しておくことが大切です。 

主な違いとしては、介護休暇は当日申請が可能であるため、突発的な休みの対応ができます。一方で、介護休業は3回の分割で長期間の休みを計画できるため、遠距離の家族に介護が必要な場合や、老人ホームの入居手続きなど、計画的な休みの取得が可能です。 

双方の利点を活かし、ご自身の家族に必要な制度を選択する必要があります。次は介護休業について詳しくご紹介しますので、ご自身に最適な選択が取れるよう参考にしましょう。 

介護休業とは? 

介護休業とは、自身の家族が要介護状態である時に、介護のための長期の休みを取得できる制度です。ただし、介護休暇よりもさらに長い休暇を得ることができる代わりに、介護休暇とは異なる条件が必要になります。 

また、厳しい条件を満たすことができれば介護休業給付金の申請が可能となるので、介護による金銭面の負担を大きく軽減することができます。 

介護休暇と共通する条件 

介護休暇と介護休業は主に取得条件が共通しています。「要介護状態の対象者の有無」「対象である家族の続柄」の2点が同じ条件です。 

つまり、介護休暇を取得するための条件は必ず満たしておく必要があります。しかし、これだけでは取得することができず、異なる条件がさらに2点必要になります。 

介護休暇と異なる条件 

介護休暇と異なる条件は雇用期間についてです。この雇用期間についての条件が少し厳しくなるのが、介護休業の特徴となります。 

雇用期間について 

雇用期間について変更される条件は以下になります。 

  • 雇用期間が1年以上の全ての従業員 
  • 取得予定日から起算して93日経過後、6ヵ月以内に労働契約の期間が満了することが明らかではないこと 

「要介護状態の対象者の有無」と「対象となる家族の続柄」と合わせて4つの条件が満たされている必要があり、対象者のこれまでの就労への取り組みがより厳しく判断されることになります。 

休暇日数 

介護休業では、介護が必要な家族1人につき93日までの休みを取得することができます。 

そして、取得した93日の休みを最大3回まで分割して利用することが可能です。 

しかし、介護休暇と違って上限の93日は通算の日数です。加えて、年度が変わっても新たに93日が付与されることはありません。また、申請は2週間前までに行わなければいけないので、介護休暇のように前日などの休暇に対応することができません。休暇日数に大きな利点はありますが、計画的に休みを利用しましょう。 

介護給付金の申請ができる 

介護休業の場合、「介護休業給付金」という制度があります。職場復帰を前提として家族を介護するために介護休業を取得した場合、条件を満たすことで介護休業の終了後に給付金を受け取ることができます。 

支給については、介護期間が終了してから最短10日程度で支払われます。しかし、手続きが滞ってしまうと、入金まで3~4ヵ月かかる場合もあるので、入念に確認しておきましょう。 

次に、介護休暇中の給与についても紹介します。 

介護休暇中の給与について解説 

介護休暇中の給与について解説

介護休暇中の給与については、介護休業とは違い育児介護休業法では特に規定がありません。そのため、介護休暇を取得した際に、その期間が有給か無給かは勤務先の規定次第です。 

各企業の判断に委ねられるので、大手企業であれば給与の何%かを支給してもらえる可能性もありますが、実際そのような企業はごく一部です。多くの企業では、介護休暇中の給与は無給となります。そのため、金銭的には介護休暇の申請よりも有給休暇として処理した方が良い場合があることを把握しておかなければ、介護休暇を取得することにより金銭面での負担を強いられる可能性が高いです。 

一方、介護休業であれば介護休業給付金を申請することが可能です。仕事の心配を減らしたうえで介護に時間を割くことができます。ここでは介護休暇と介護休業のそれぞれについて、支払い条件や支払額、期間などをご紹介します。 

給与の支払い条件 

介護休暇中の給与に関しては法的な決まりがないので、ご自身の勤務先によって条件が異なります。ただし、介護休暇中に給与が支払われるケースはほとんどありません。 

介護休業中の給与支払い条件に関しては、雇用保険に加入していて、介護休業開始の直近2年間に給与をもらった月が12ヵ月以上ある方が対象です。この条件を満たしていれば、正規雇用か・非正規雇用かなど雇用形態によって条件が変わることはありません。 

しかし、介護休業中の支払い条件に関してはその他にも細かい条件があり、人によって異なるため、詳しくはご自身の会社の担当部署へ問い合わせましょう。 

参照元:東京都 家庭と仕事の両立支援ポータルサイト 

給与の支払額 

給与の支払額に関しても、介護休暇の場合は法的な決まりはありません。 

一方で、介護休業中に関しては、「介護休業を開始したときの賃金日額×支給日数×67%」と定められています。賃金日額は、介護休業する直前6ヵ月分の賃金を180で割って出た数字となります。 

参照元:東京都 家庭と仕事の両立支援ポータルサイト 

給与の支払い期間 

支払い期間に関しても、介護休暇中の場合は明確なルールがありません。その一方で、介護休業中の場合は、支給日数限度が93日と定められています。 

参照元:東京都 家庭と仕事の両立支援ポータルサイト 

給与を支給してもらうための申請方法 

それでは介護のために仕事を休んでいる期間で給与を支給してもらうためにはどのように申請を行えば良いのでしょうか。 

介護休暇中の場合は自身の企業の担当部署に相談しましょう。支払いをしてもらえる企業の場合、人事部に問い合わせることをおすすめします。 

介護休業中の場合は、ハローワーク(公共職業安定所)に「介護休業給付金支給申請書」と「雇用保険被保険者休業開始時賃金証明票」を提出する必要があります。提出は介護休業終了日の翌日から2ヵ月後の月の月末までに行う必要があるため注意しましょう。 

また、ご自身に代わって会社が提出してくれることもあるので、一度担当部署へ問い合わせすることをおすすめします。 

参照元:東京都 家庭と仕事の両立支援ポータルサイト 

おわりに 

介護休暇中の給与の支払いに法律の規定はなく、自身の勤めている会社に委ねられるので、現状では無給扱いとなる会社が大半です。 

介護と仕事の両立は、誰にとっても身近な問題であり、より良い社会を作るために必要不可欠なテーマです。一人ひとりが介護休暇と介護休業についての理解を深めることで、社会全体の介護に対する正しい理解が広まります。 

ご自身の家族に介護が必要になった時、適切な判断が取れるように、介護休暇と介護休業について理解を深めておきましょう。 

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