【保存版】認知症の初期症状チェックリスト10項目!対処法と予防法を紹介

URLをコピーしました。
【保存版】認知症の初期症状チェックリスト10項目!対処法と予防法を紹介

現在、65歳以上の方の約17%が認知症といわれています。「最近もの忘れが多い」「家族の様子がおかしい」「もしかして認知症かも?」と思う方もいるのではないでしょうか?

初期症状や対処法を詳しく知らないと、「もの忘れは加齢によるものかもしれない」と思ったり「本人を傷つけてしまうかもしれない」と考えたりして、行動を起こしにくいですよね。

認知症の初期症状には、どんなものがあるのでしょうか。本コラムでは認知症とはそもそも何なのか、初期症状はどのようなものなのかということを解説します。

「認知症かも」と思ったときの対処法も説明しているので、ぜひ最後までお読みください。

参照元:内閣府「平成28年版高齢社会白書(概要版)」

1.認知症について

認知症には4種類あり、それぞれ原因や症状に違いがあります。

  • アルツハイマー型認知症
  • 血管性認知症
  • レビー小体型認知症
  • 前頭側頭葉型認知症

アルツハイマー型認知症は、認知症患者の約70%を占めるともいわれており、脳にアミロイドβというタンパク質が蓄積し、脳神経が委縮することで発症します。タンパク質が蓄積する原因は、完全には解明されていません。

血管性認知症は、全体の約20%を占め、脳卒中や脳小血管病などによる脳の血流障害が原因となって発症する認知症です。そのため、脳卒中や脳小血管病を引き起こす生活習慣病によって、発症リスクが上がります。

レビー小体型認知症は、全体の約5%を占め、脳に異常なタンパク質が蓄積することで脳の神経細胞が徐々に減っていき、発症する認知症です。70歳以上の高齢者に多く見られます。

前頭側頭葉型認知症は、全体の約1%を占め、前頭葉と側頭葉に障害が起こることで発症します。比較的若年層の患者が多いことも特徴です。

認知症の症状は「中核症状」と「行動・心理症状」の2つに区分されます。中核症状とは、認知機能が低下して起こるものです。行動・心理症状とは、周辺症状ともよばれる副次的なもので、中核症状と環境や本人の性格との相互作用で起こります。

2.アルツハイマー型認知症の初期症状チェックリスト10項目

アルツハイマー型認知症の初期症状を、チェックリスト形式で10項目紹介します。その他の認知症の特徴的な症状についても解説します。ご自身もしくはご家族の様子に当てはまる症状があるか、チェックしてみてください。

  1. 最近の出来事をすぐに忘れてしまう
  2. 親しい人やなじみ深い物の名前が思い出せない
  3. ニュースなど周りの出来事に興味が持てない
  4. 趣味が楽しめない
  5. 同じことを何度も話す・聞く
  6. よく不安な気持ちになる
  7. 怒りっぽくなった、些細なことでイライラする
  8. 家事などのよく慣れた作業手順を忘れてしまう
  9. 物の置き場所が思い出せず、探し物が増えた
  10. 物が見つからないとき「盗まれた」と主張する

認知症の初期症状は、もの忘れに代表される記憶障害から表れることが多く、「加齢によるもの」と見過ごされがちです。ところが、加齢と認知症ではもの忘れの内容にも違いがあります。

【加齢によるもの忘れ】

  • 体験の一部を忘れる(例:朝ごはんのメニューを忘れる)
  • 新しいことを覚えられる
  • もの忘れの自覚がある

【認知症によるもの忘れ】

  • 体験したことすべてを忘れる(例:朝ごはんを食べたこと自体を忘れる)
  • 新しいことを覚えられない
  • もの忘れの自覚がない

参照元:政府広報オンライン「もし、家族や自分が認知症になったら知っておきたい認知症のキホン」

上記のチェックリストに当てはまる項目が少ないという方も、アルツハイマー型認知症以外の認知症の可能性はあります。血管性認知症とレビー小体型認知症、前頭側頭葉型認知症の特徴的な初期症状についても紹介します。

【血管性認知症】

  • 動作がゆっくりになった
  • 感情のコントロールが難しくなった

【レビー小体型認知症】

  • 幻視を訴える(実際にはいない人や物がある、と言う)
  • 歩き方がぎこちなくなり、転ぶことが増えた

【前頭側頭葉型認知症】

  • なじみ深い言葉の意味を忘れてしまう
  • 社会のルールを守れなくなった(他人の物を盗む、信号を無視するなど)

それぞれの認知症には特徴的な初期症状がありますが、もの忘れは共通して見られます。もの忘れが増えてきたら、認知症を疑った方が良いかもしれません。

3.認知症の症状には2種類ある

認知症の症状には「中核症状」ともう1つ「行動・心理症状」があります。

それぞれの詳しい症状を解説します。

3-1.認知症の症状「中核症状」の5つ

中核症状は、脳の細胞が破壊されることで直接的に起こる症状です。こちらでは5つの代表的な中核症状を紹介します。

・記憶障害

認知症の初期から多く見られる症状で、いわゆる「もの忘れ」です。短期記憶から失われていき、進行するにつれて徐々に長期記憶も失われていきます。

ついさっき行った場所や話した内容を忘れてしまう状態から、症状が進行するにつれて、昔から知っている人や物まで思い出せなくなっていきます。

<症状の具体例>

  • 物をどこに置いたか思い出せない、置いたこと自体を忘れてしまう
  • 食事の直後に食事を催促する
  • ついさっきまで何の話をしていたか思い出せない

・見当識(けんとうしき)障害

時間や場所、自分と周囲の人間との関係を認知する能力が低下してしまう症状です。時間→場所→人間関係の順で症状が進行します。季節感が薄れ、道に迷うようにもなるので、さまざまなトラブルを引き起こします。

<症状の具体例>

  • 今の時間、今日の日付や曜日が分からなくなる
  • 自宅を自宅と認識できず、出て行こうとする
  • 冬なのに冷房をつけようとする
  • 孫や近所の人を認識できなくなる

・理解・判断力の低下

認知機能が低下することで思考のスピードが低下し、状況理解などが困難になる症状です。時間をかければ正常に判断できることが多いですが、運転時などは大きな危険につながりかねません。

<症状の具体例>

  • テレビの内容が理解できなくなる
  • 運転ミスが増える
  • ATMなどの操作がスムーズにできなくなる

・実行機能障害

計画を立て、作業を順序良く行うことができなくなる症状です。次に紹介する「失行」が、ある1つの物事ができなくなるのに対して、実行機能障害は「手順」を踏んで作業することが困難になります。

<症状の具体例>

  • 食事の準備ができなくなる
  • 着衣の順番が分からなくなる
  • 複数のことを同時にこなせなくなる

・失行・失認・失語

身体機能や五感には異常がないにもかかわらず、脳の障害が原因で起こる症状です。

  • 失行:目的を持って行動できなくなる
  • 失認:五感に関する認知能力が下がる
  • 失語:言葉がうまく使えなくなる

<症状の具体例>

  • 箸の使い方が分からない
  • 目の前に物があると認識できない
  • 言葉が出てこなくなる

3-2.認知症の症状「行動・心理症状」の5つ

行動・心理症状とは、中核症状に環境や本人の性格などが相互作用して起こる副次的な症状です。こちらでは、代表的な5つの行動・心理症状を紹介します。

・不安・抑うつ

認知症が進行すると、以前はできたことが徐々にできなくなっていきます。不安・抑うつは、できないことが増えていくストレスや、自尊心の低下が原因となって引き起こされます。

「気分が落ち込む」「何事にも興味が持てなくなる」という症状が代表的です。うつ病患者が悲観的になりがちなのに対し、認知症は無関心になることが多いといわれています。

・暴力・暴言・介護拒否

暴力などの行動は、できないことが増えていくもどかしさや、感情のコントロールをつかさどる前頭葉の委縮が原因です。

トイレや入浴などの介護は患者の自尊心を傷つけてしまうことがあります。以前とは人が変わったように暴言を吐き、介護を拒否することがあるかもしれません。

・徘徊・帰宅願望

見当識(けんとうしき)障害や記憶障害が進行し、そこにストレスや不安が重なって引き起こされます。近所の道が初めて来る場所のように感じられて、迷ってしまい徘徊したり、自宅にいても「家に帰りたい」と言って出かけようとしたりすることがあります。

・失禁・弄便(ろうべん)

認知機能が低下することが原因です。尿意が伝えられなくなったり、トイレの使い方が分からなくなったりして失禁してしまいます。

さらに、便を認知できなくなり、オムツを不快に感じると弄便(ろうべん)してしまう方もいるようです。

・睡眠障害

見当識(けんとうしき)障害によって時間の感覚がなくなり、夜にしっかりと眠れなくなってしまうことが原因です。不眠のほか、生活が昼夜逆転してしまうことがあります。

症状は人によって異なるので、本コラムでは紹介していない症状が出ることもあります。また、認知症が進行するにつれて、症状は変化します。

4.認知症の前段階?軽度認知障害(MCI)について

軽度認知障害(MCI)という言葉をご存じでしょうか?認知症の前段階といわれており、MCIはMild Cognitive Impairment の略称です。65歳以上の15~25%の方が、軽度認知障害の状態にあると推定されています。

厚生労働省によると、軽度認知障害は以下のように定義されています。

  1. 年齢や教育レベルの影響のみでは説明できない記憶障害が存在する。
  2. 本人または家族による物忘れの訴えがある。
  3. 全般的な認知機能は正常範囲である。
  4. 日常生活動作は自立している。
  5. 認知症ではない。

引用元:厚生労働省「e-ヘルスネット 軽度認知障害」 

軽度認知障害は、通常と認知症の中間の段階です。認知症との違いは「もの忘れの自覚があり日常生活への支障がない」もしくは軽度であるという点です。

軽度認知障害の方の10~15%が認知症に移行するといわれています。そのため、軽度認知障害の段階で適切な治療を行うことが認知症予防に効果的です。

5.認知症の初期症状が表れたときの対処法

ご自身もしくはご家族に認知症の初期症状が表れたときは、速やかに医療機関を受診しましょう。

認知症は一度発症すると完治しません。治療の目的は、進行を抑えることです。そのため、投薬治療で症状を抑えやすい早期から治療を開始することが非常に重要です。受診のタイミングは、早ければ早い方が良いでしょう。

「本人が病院に行きたがらない」「認知症だと認めたがらない」ということもあるかもしれません。その状態で患者を無理やり病院に連れて行くことは、症状を悪化させる原因になりかねません。そこで、受診の際に患者の心理的ハードルを下げる方法を紹介します。

  • 健康診断の一環として受診する
  • 「知り合いが受診した」という話をする
  • もの忘れ外来を受診する

健康診断の際に、医療者から「脳の検査も」と促してもらうと、本人も受け入れやすいでしょう。また、人は自身のことより他人のことの方が受け入れやすいという性質を持っているので、知り合いが受診した話をすると、「自身にも受診が必要かも」と思うようになるかもしれません。さらに、最近は「もの忘れ外来」のある病院も増えています。

「認知症だから」と言うよりも「最近もの忘れが多いから」と言った方が、心理的ハードルが下がるでしょう。もの忘れ外来を担当する医師は、認知症のプロフェッショナルであることが多いので、相談もしやすく適切な治療が期待できます。

早い時期から治療を始めると、症状の軽い段階を維持することができるので、なるべく早い受診をおすすめします。

6.認知症の予防と進行を遅らせるための3つのポイント

認知症の初期症状が表れたら早期に受診し、適切な治療法を医師から指示してもらうことが大切です。そのうえで、ここでは認知症の「予防」と「進行を遅らせるため」に効果的な3つのポイントを紹介します。自宅でできることなので、ぜひ取り入れてみてください。

6-1.食事に気を配る

高血圧や糖尿病などの生活習慣病は、認知症の発症リスクを上げることが分かっています。そのため「バランスの取れた食事を摂る」「間食や塩分・糖分を控える」ということは、認知症予防に効果的です。

6-2.適度に運動する

体を動かすと脳が活性化されるので、認知機能の低下を防げます。日常的に歩く習慣を身に付けることをおすすめします。

週に2〜3回、無理のない範囲でウォーキングすることは「認知症の予防」と「進行を抑えること」の両方に非常に効果があります。

6-3.認知トレーニングを行う

計算ドリルやパズルを解くことは認知トレーニングになります。コミュニケーションを取ることで認知機能の低下を防げるので、ご家族が一緒に話し合いながら取り組むとより効果的です。難しすぎず簡単すぎない、ほど良い難易度で行うことがポイントです。

おわりに

認知症は、早期に受診して適切な治療を受けられたかどうかがその後の進行に深く関わります。このコラムで紹介した認知症の初期症状が見られた場合は、速やかに医療機関を受診してください。

また、認知症で表れる症状や治療法は、人によってさまざまです。患者の症状・性格に合った治療を行うことが、進行を防ぐためには非常に重要です。

投薬など治療法への不安や、ご家族の振る舞い方などについても医師に相談してみましょう。

ご家族の適切なケア、患者の心理的負担を軽減することで、行動・心理症状は抑えることができます。

「認知症かも」と感じたら、それは受診のサインです。認知機能の低下やご家族・患者本人の負担を最小限に抑えるためにも、早めの受診を心がけましょう。

クレディセゾングループの脳活性総合研究所では、記憶力や空間把握力を計りながら、同年代との比較や、脳活性度年齢などを把握することができる脳機能測定テスト(脳検)の提供や、脳の働きに有効なオンラインエクササイズプログラムも提供しています。

脳活性プログラムの詳細はこちら