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親の入院が決まったらどうする?子どもがやること・費用負担を減らす方法などを解説

【c2915下書き済み】親の入院が決まったらどうする?子どもがやること・費用負担を減らす方法などを解説
セゾンのくらし大研究 編集部

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親の入院は突然訪れることがあり、子どもにとって大きな不安と負担を伴う出来事です。本記事では、親の入院時に子どもがすべきことや、費用負担を軽減する方法について詳しく解説します。

さらに、よくある疑問にも答えているので、親の入院に備える際の参考にしてください。親の入院という不測の事態にも冷静に対応できるようになるでしょう。

この記事を読んでわかること
  • 高齢者は急な事故や救急搬送のリスクが高く、入院が必要になるケースが多い
  • 親が入院した際には、親の状態確認や医師との面談、必要な物の準備、金銭面の確認など、4つの重要な対応がある
  • 入院費用の負担を軽減するための様々な方法(保険給付金、高額療養費制度、傷病手当金、介護認定、医療費控除など)がある

急な事故・救急搬送されるのは高齢者が多い

急な事故・救急搬送されるのは高齢者が多い

高齢者の方が急な事故や病気で救急搬送されるケースが増えています。2019年の統計によると、救急自動車による搬送人員の内訳を年齢区分別にみると、高齢者が358万9,055人で全体の60.0%を占めています。また、年齢が高くなるにつれて救急搬送される割合が増加する傾向にあります。

このように、高齢の親が突然入院するリスクは決して低くありません。そこで、高齢者に発生しやすい事故の種類や、救急搬送後の入院の可能性について理解を深めておくことが大切です。

高齢者に発生しやすい事故は?

高齢者に最も多く発生する事故は「ころぶ(転倒)」事故です。東京消防庁の調査によると、高齢者の事故の約8割が「ころぶ」事故によるものとなっています。

具体的な発生状況としては、以下のようなケースが多く見られます。

  • 住宅内での転倒:特に居室・寝室、玄関・勝手口、廊下・縁側・通路などでの転倒が多い
  • 道路や交通施設での転倒
  • 階段での転落
  • 浴室内での転倒

これらの事故は、加齢に伴う筋力低下や平衡感覚の衰えが原因となっていることが多いため、日頃から転倒予防のための環境整備や運動を心がけることが重要です。

高齢者は救急搬送されると入院が必要になるケースが多い

高齢者が救急搬送された場合、入院が必要となるケースが多いのが現状です。東京消防庁の調査によると、救急搬送された高齢者の初診時程度別では、4割以上が入院の必要がある中等症以上と診断されています。

中等症とは、生命の危険はないものの、入院が必要な状態を指します。さらに、年齢が上がるにつれて中等症以上の割合が増加する傾向にあります。

このような統計から、高齢の親が救急搬送された場合には、入院の可能性を想定して準備をしておくことが賢明だと言えます。突然の入院に備えて、必要な書類や持ち物のリストを作成しておいたり、緊急連絡先を家族間で共有しておくなどの対策を講じておくと安心です。

親が入院したらやること・確認するべきこと4つ

親が入院したらやること・確認するべきこと4つ

親の入院が決まった際、子どもとして取るべき行動や確認すべき事項があります。ここでは、重要な4つのポイントについて詳しく解説します。これらの準備を整えることで、親の入院生活をスムーズにサポートし、不安を軽減することができます。

親の状態の確認

まず最初に行うべきことは、親の現在の状態を正確に把握することです。医師との面談を通じて、以下の点を確認しましょう。

  • 症状や検査結果の詳細
  • 予想される回復の見込み
  • 治療方法とその効果
  • 治療を行わなかった場合の予測される結果
  • 起こり得る合併症や副作用、それらへの対応方法
  • 代替治療法の有無と、提案されている治療法との比較

手術が予定されている場合は、麻酔の方法や手術時間についても確認しておくと良いでしょう。分からないことがあれば、遠慮せずに質問することが大切です。また、医師との面談内容をメモしておくと、後で家族と情報を共有する際に役立ちます。

治療や手術の計画について医師と面談

親の入院が決まったら、治療や手術の計画について詳しく医師と相談することが重要です。特に注意すべき点は以下の通りです:

  1. 入院診療計画書の確認
    • 入院から7日以内に病院から説明があります
    • 主治医、検査内容、推定入院期間などが記載されています
  1. インフォームド・コンセント(説明と同意)への立ち会い
    • 検査や治療、手術の内容と目的について説明を受けます
    • 納得できた場合、患者(または家族)が同意書にサインします
    • 疑問点があれば、遠慮なく質問しましょう
  1. 治療選択肢の確認
    • 他の選択肢がないか、念のため確認することをおすすめします

これらの面談を通じて、親の治療計画を十分に理解し、適切な意思決定ができるよう心がけましょう。

入院に必要なものを用意

入院時には、以下のものを準備しておくと安心です。

  • 健康保険証(後期高齢者医療保険者証)
  • 診察券
  • 介護保険被保険者証
  • 入院申込書
  • 誓約書
  • 入院時預り金
  • お薬手帳
  • 保証人確認書(氏名、住所、電話番号、印鑑)
  • 銀行の通帳と印鑑
  • 洗面用具、筆記用具
  • コップ、スプーン、箸
  • ティッシュペーパー
  • 室内履き、病衣
  • タオル類、下着
  • おむつ(必要な場合)
  • 眼鏡、入れ歯、補聴器など普段使っているもの
  • 小銭、イヤホン(テレビ利用の場合)

なお、多くの病院では日用品セットを契約することも可能です。費用はかかりますが、おむつやパジャマ、歯ブラシなどの必要品を病院側が提供してくれるので便利です。

親に口座からお金を引き出すことを確認

入院費用は基本的に親本人の口座から支払うことになります。ただし、親本人に判断能力があり、同意している場合に限り、子どもが親の口座からお金を引き出すことも可能です。

この場合、以下の点に注意が必要です。

  1. 親の同意を得ていることの証明として、委任状を用意しましょう。
  2. 金融機関によっては、電話で本人に同意の確認をする場合があります。

【口座からの引き出しに必要なもの】

  • 通帳
  • 届出印
  • 口座名義人の本人確認書類
  • 代理人(子ども)の本人確認書類
  • 委任状

事前に親と話し合い、入院費用の支払い方法について合意しておくことで、急な事態にも慌てずに対応できるでしょう。 

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親の突然の入院は、経済的な負担も大きな心配の種となります。しかし、適切な対策を講じることで、その負担を軽減することが可能です。

ここでは、入院費・医療費の工面方法や、公的補助を活用した節約方法をご紹介します。これらの方法を活用することで、親の入院にかかる費用負担を少しでも軽くすることができるでしょう。

生命保険の疾病入院給付金などを請求する

親が医療保険に加入している場合、入院や手術に関連する給付金を受け取れる可能性があります。以下の手順で確認と請求を行いましょう。

  1. 親の加入している保険会社と保険商品を確認する
  2. 入院に関わる医療保険請求ができないか、保険契約内容を精査する
  3. 請求可能な場合、速やかに保険会社へ連絡する

【主な給付金の種類】

  • 疾病入院給付金:病気や怪我による入院時
  • 手術給付金:所定の手術を受けた場合
  • 通院給付金:退院後の一定期間の通院
  • 特定疾病に関する給付金:特定のがんや脳卒中など
  • 先進医療給付金:先進医療を受けた場合

【注意点】

  • 事前に親本人に保険加入状況を確認しておくと安心
  • 「指定代理請求制度」を契約に付帯しておくと、予め指定された代理人(例:子ども)が請求できる
  • 保険会社によって取り扱いや内容が異なるため、詳細は各保険会社に確認する必要がある

高額療養費制度を申請する

高額療養費制度は、1ヶ月間の医療費の自己負担額が一定額を超えた場合に、その超過分が払い戻される制度です。この制度を利用することで、高額な医療費負担を軽減できます。

【制度の概要】

  • 対象:健康保険や国民健康保険などの公的医療保険に加入している方
  • 期間:1ヶ月(1日から月末まで)の医療費が対象
  • 申請方法:事後に申請して払い戻しを受ける方法と、事前に認定証を取得して窓口負担を軽減する方法がある

【高額療養費制度のメリット】

  • 医療費の自己負担に上限が設けられる
  • 同じ月内であれば、複数の医療機関での自己負担分をまとめることが可能
  • 同じ世帯内の医療費を合算できる(同じ医療保険に加入している場合に限る)

70歳未満の場合は「限度額適用認定証」を申請する

70歳未満の親が高額療養費制度を利用する場合、「限度額適用認定証」の申請と提示が必要です。これにより、医療機関の窓口での支払いを自己負担限度額までに抑えることができます。

【申請手順】

  1. 加入している医療保険の窓口(市町村や健康保険組合など)に申請する
  2. 発行された「限度額適用認定証」を受け取る
  3. 医療機関の窓口で保険証と一緒に「限度額適用認定証」を提示する

【注意点】

  • 申請から発行までに時間がかかる場合があるため、入院が決まったらすぐに手続きを始める
  • 70歳以上75歳未満の方で、「現役並みⅠ」「現役並みⅡ」に該当する場合も「限度額適用認定証」が必要
  • 「限度額適用認定証」の有効期限は最長1年間のため、更新を忘れずに行う

傷病手当金を申請する

傷病手当金は、健康保険に加入している方が病気やケガで働けなくなったときに保障される制度です。

【制度の概要】

  • 対象:健康保険に加入している被保険者
  • 条件:3日間連続で仕事を休み、4日目以降に仕事を休んだ日数に応じて支給
  • 支給額:1日あたりの支給額 = (支給開始日以前12カ月間の各標準報酬月額の平均額÷30日)×2/3
  • 支給期間:支給開始日から最長1年6カ月

【申請方法】

  1. 勤務先の人事部門に相談
  2. 必要書類を準備(医師の診断書、事業主の証明書など)
  3. 加入している健康保険組合や全国健康保険協会に申請

介護認定を申請する

介護認定を受けると、介護サービスを介護保険で受けることが可能になります。

【対象者】

  • 65歳以上の高齢者
  • 40歳から64歳までの医療保険加入者で特定疾病の患者

【申請手順】

  1. 市区町村の介護保険窓口に申請
  2. 訪問調査と主治医意見書の作成
  3. 介護認定審査会での審査
  4. 要介護度の決定と通知

【注意点】

  • 介護保険料の負担割合は、合計所得金額と65歳以上の方の世帯人数により1~3割に設定
  • 介護認定には有効期間があるため、更新手続きを忘れずに行う

確定申告のときに医療費控除を受ける

支払った医療費が一定額を超える場合、確定申告で医療費控除を受けることができます。

【控除の計算方法】

(実際に支払った医療費の合計額 – 保険金などで補填される金額)- 10万円

※その年の総所得金額等が200万円未満の場合は総所得金額等の5%

【申請方法】

  1. 医療費の領収書を保管し、「医療費控除の明細書」を作成
  2. 確定申告書に必要事項を記入し、明細書を添付
  3. 税務署に提出または電子申告

【注意点】

  • 医療費控除を受けるには確定申告が必要(年末調整では受けられない)
  • 領収書は5年間保管する必要がある

これらの制度を適切に活用することで、親の入院にかかる費用負担を大幅に軽減できる可能性があります。事前に情報を収集し、必要な手続きを迅速に行うことが重要です。

親が入院したときの備えは?今すぐできる4つの対策

親が入院したときの備えは?今すぐできる4つの対策

親の入院は突然訪れることがあります。そのような緊急時に慌てないためにも、事前の準備が重要です。

ここでは、親の入院に備えてすぐにできる4つの対策をご紹介します。これらの準備を整えることで、いざというときにスムーズに対応でき、親の入院生活をより良くサポートすることができるでしょう。

親の基本情報や既往歴など把握しておく

親の健康状態や基本情報を事前に把握しておくことは、緊急時の対応をスムーズにするために非常に重要です。以下の情報を確認し、記録しておきましょう。

  1. 基本的な個人情報
    • 生年月日
    • 血液型
    • マイナンバー
  1. 健康に関する情報
    • 既往歴
    • 現在の持病
    • 服用している薬の種類と用法
    • アレルギーの有無
  1. 医療に関する情報
    • かかりつけ医の連絡先
    • 健康保険証の保管場所
    • お薬手帳の保管場所

これらの情報をまとめたノートを作成しておくと、緊急時に役立ちます。また、親本人にも同様の情報をまとめてもらい、定期的に更新することをお勧めします。

入院に必要なものの保管場所を把握しておく

入院時に必要となる物品や書類の保管場所を事前に確認しておくことで、緊急時の混乱を防ぐことができます。以下の項目について、保管場所を把握しておきましょう。

  1. 医療関連
    • 健康保険証
    • 介護保険被保険者証
    • 診察券
    • お薬手帳
  1. 金融関連
    • 銀行の通帳
    • 印鑑(銀行届出印)
    • キャッシュカード(暗証番号も確認)
  1. その他
    • 身分証明書(運転免許証、マイナンバーカードなど)
    • 医療保険や生命保険の保険証券

これらの保管場所を親と一緒に確認し、リストにまとめておくと良いでしょう。また、緊急時に備えて、必要最低限の現金を準備しておくことも検討してください。

【離れて暮らしている場合】協力者を探して連絡をとれるようにする

親と離れて暮らしている場合、緊急時にすぐに駆けつけることが難しい場合があります。そのため、親の近くに住む親族や知人に協力を依頼しておくことが重要です。

  1. 協力者の候補を探す
    • 親の近所に住む親族
    • 親の友人や知人
    • 地域の民生委員
  1. 協力者との連絡体制を整える
    • 緊急連絡先リストの作成
    • LINEやメールなどのグループを作成
  1. 協力内容を具体的に決める
    • 緊急時の親の様子確認
    • 病院への付き添い
    • 必要な物品の準備や届け

事前に協力者と緊急時の対応について話し合い、役割分担を明確にしておくことで、スムーズな対応が可能になります。

親の入院に関するよくある疑問Q&A

親の入院に関するよくある疑問Q&A

親の入院に直面すると、様々な疑問や不安が生じるものです。ここでは、多くの方が抱える共通の疑問について、Q&A形式でわかりやすく解説します。

親が入院する場合、家族の付き添いは必要?

原則として、家族が付き添う必要はありません。入院基本料には看護料が含まれているため、通常は病院のスタッフが患者のケアを行います。

ただし、以下のような場合には付き添いが必要となる可能性があります。

  • 手術後など、容態の急変が予想される場合
  • 認知症などにより、治療に支障をきたす可能性がある場合
  • 病院から特別に付き添いを求められた場合

付き添いが必要かどうかは、入院時に主治医や看護師に確認するのが良いでしょう。また、付き添いが不要な場合でも、定期的な面会や電話連絡を通じて親の状態を把握することが大切です。

親の入院・介護についての相談先は?

親の入院や介護に関する相談先には、以下のような選択肢があります。

  1. かかりつけの医師・看護師
    • 親の健康状態を熟知しており、医療面での相談に適しています。
    • 入院の必要性や治療方針について詳しい情報を得られます。
  1. 病院内の医療相談室
    • 多くの病院に設置されており、医療ソーシャルワーカーなどの専門家が対応します。
    • 入院中の生活や退院後の介護計画など、幅広い相談に応じてくれます。
    • 各種制度や社会資源の紹介も行ってくれます。
  1. 地域包括支援センター
    • 地域の高齢者福祉の拠点として、介護や福祉に関する総合的な相談窓口です。
    • 保健師や社会福祉士などの専門家が在籍しており、無料で相談できます。
    • 介護保険サービスの紹介や申請手続きのサポートも行っています。
  1. ケアマネージャー
    • 介護保険サービスを利用している場合は、担当のケアマネージャーに相談できます。
    • 入院中の対応から退院後の介護計画まで、総合的なアドバイスを受けられます。
  1. 民間の介護サポートサービス
    • 「親サポセレクト」のような民間サービスでは、入退院時のサポートから日常の見守りまで幅広いサービスを提供しています。
    • 離れて暮らしている場合など、きめ細かなサポートが必要な際に利用を検討するとよいでしょう。

これらの相談先を適切に活用することで、親の入院や介護に関する不安を軽減し、より良いケアを提供することができます。状況に応じて、複数の相談先を組み合わせて利用することをお勧めします。

親の入院は不安を感じる出来事ですが、適切な情報を得て準備することで、より良いサポートが可能になります。疑問や不安がある場合は、遠慮なく専門家に相談することが大切です。

おわりに

親の入院は突然訪れる可能性があり、事前の準備が重要です。高齢者の事故や救急搬送のリスクを理解し、必要な対策を講じることで、緊急時にも慌てずに対応できます。入院時の手続きや費用負担の軽減方法を知り、適切なサポートサービスを活用することで、親の入院生活をスムーズにサポートできます。

また、離れて暮らしている子どもでも、協力者を確保したり専門サービスを利用したりすることで、親を適切にケアすることが可能です。これらの知識と準備を整えることで、親の入院という不安な状況でも、より良いケアと支援を提供することができるでしょう。

※本記事は公開時点の情報に基づき作成されています。記事公開後に制度などが変更される場合がありますので、それぞれホームページなどで最新情報をご確認ください。

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