親が入院することになったとき、多くの人が手続きや費用、介護の負担などについて不安を抱えます。突然の入院は心の準備ができていないことも多く、何をすべきかわからず戸惑うことも少なくありません。
本記事では、親が入院する際に必要な手続きや、入院費を抑えるための制度の活用方法を解説します。また、入院に備えて事前に確認しておくべきことや、負担を軽減するための支援機関・サービスについても紹介します。親の入院に対する不安を少しでも軽減し、スムーズに対応できるよう、ぜひ参考にしてください。
- 親が入院する際には、入院手続き、勤め先での休暇取得、介護認定申請という3つの重要な手続きが必要となる
- 医療費を抑えるために、高額療養費制度、限度額適用認定証、保険請求、医療費控除という4つの方法が活用できる
- 入院に備えて、親の預貯金や保険加入状況、不動産所有状況などを事前に確認しておく必要がある
- 医療ソーシャルワーカーや地域包括支援センター、介護保険サービスなど、様々な支援機関やサービスを利用することで負担を軽減できる


親が入院する際に必要な3つの手続き

親が入院すると、治療に関する手続きをはじめ、仕事の調整や今後の介護に向けた準備など、さまざまな対応が必要となります。
ここでは、すぐに取り掛かるべき3つの重要な手続きについて解説します。
入院や手術に関する手続き
親の意識がはっきりしているときは、本人の意向を確認しながら入院の手続きを進めることができます。しかし、意識がない場合や判断が難しい状況では、実子もしくは近い親族が治療や手術の同意など必要な手続きを行うことになります。
医師との面談では、症状や検査結果の確認に加え、どのような治療効果が見込まれるのか、治療を行わない場合のリスク、起こりうる副作用とその対応策などについて、しっかりと確認することが大切です。
手術が必要な場合は、麻酔の方法や病巣部の切除方法、予想される手術時間についても詳しく説明を受けましょう。不明な点があれば、その場で質問することをおすすめします。また、説明内容は後で確認できるようメモを取っておくと安心です。
勤め先の休暇取得
親の入院が長期化する場合や介護が必要となった場合は、勤務先の介護休暇制度の利用を検討しましょう。育児・介護休業法では、介護休暇・介護休業・勤務時間の短縮措置が定められています。
会社によっては独自の介護制度を設けている場合もあるため、人事部門に確認することをおすすめします。また、必要に応じて休職手続きの確認も行っておくと良いでしょう。
介護認定の申請
入院によって介護が必要な状態になった場合、介護保険サービスを利用するためには介護認定の申請が必要です。申請は自治体の介護保険課もしくは地域包括支援センターで行うことができます。
申請時には主治医の意見書が必要となるため、担当医への連絡方法を確認しておきましょう。介護認定には、申請から訪問調査、コンピュータ判定、認定審査会を経るため、結果通知までは平均30日ほどかかるので、速やかに申請は済ませましょう。認定が下りた後は、入居申込や契約、ケアプラン作成に向けた事前面談などの手続きが続きます。
なお、介護認定には有効期間があり、更新手続きを行わないと認定の効力が失われてしまいます。期限切れに注意して、適切なタイミングで更新申請を行うことが大切です。
親の入院費を抑えるために行いたい4つの手続き

入院費用の負担を軽減するためには、利用できる制度やサービスを把握し、適切なタイミングで申請することが重要です。
ここでは、医療費の負担を抑えるための4つの主要な手続きについて解説します。
高額療養費制度の申請
高額療養費制度は、1ヶ月間に発生した医療費が負担限度額を超えた場合、超過分を公的医療保険から支給される仕組みです。
負担限度額は年齢や所得によって区分が設定されており、70歳未満の方は3割、70~74歳は2割、75歳以上は1割が基本的な負担割合となっています。ただし、70歳以上でも現役並みの所得がある方は3割負担となることがあります。
重要な点として、差額ベッド代や食事代、先進医療費は高額療養費制度の対象外となります。申請前にどの費用が対象となるのか確認することをおすすめします。
限定額適用認定証の申請
限度額適用認定証を利用すると、医療費の支払いを負担限度額までに抑えることができます。この認定証を病院窓口に提示することで、高額な医療費を一時的に立て替える必要がなくなります。
認定証における負担限度額は、高額療養費制度と同様に年齢や所得によって異なります。住民税非課税世帯の方は、食事代も減額になる場合があるため、確認してみましょう。
生命保険・医療保険の請求
医療保険に加入している場合、疾病入院給付金や手術給付金などが受け取れる可能性があります。入院が決まったら、できるだけ早く加入している保険会社に連絡することが大切です。
給付金の種類は保険会社や契約内容によって異なります。入院給付金、手術給付金、通院給付金、特定疾病に関する給付金、先進医療給付金など、契約している保険の内容を確認しましょう。
確定申告による医療費控除の手続き
医療費控除は、納税者本人や生計を一にする配偶者、その他の親族のために支払った医療費が対象となります。医療費控除額は、以下の計算式で求めることができます。
実際に支払った医療費の合計額から、保険金などで補てんされる金額を引き、さらに10万円(その年の総所得金額等が200万円未満の場合は総所得金額等の5%)を差し引いた金額が控除額となります。
なお、医療費控除は確定申告で申請する必要があり、年末調整では受けられないことに注意が必要です。
親の入院に備えて事前に確認しておくべきこと

突然の入院に備えて、普段から以下のような重要事項を確認し、整理しておく必要があります。
- 親の持病や服薬
- 親の口座と印鑑・暗証番号
- 資産や借金の有無
- 生命保険・医療保険の確認
まず、親の健康状態に関する基本情報として、持病の有無や服用中の薬の内容を把握しておきましょう。医師との面談時に正確な情報を伝えられるよう、お薬手帳などで確認することが大切です。
次に、入院費用の支払いに関わる情報として、親名義の銀行口座や印鑑の保管場所、キャッシュカードの暗証番号を確認しておくことをおすすめします。高額な医療費が必要になった際、本人が意識不明の場合でも対応できるよう準備しておく必要があります。
また、預貯金や不動産などの資産状況、住宅ローンや商品の分割払いなど月々の返済状況についても把握しておきましょう。親が他界した場合に備えて、登記事項証明書で不動産の所有者を確認することも重要です。
さらに、生命保険や医療保険の加入状況と保障内容の確認も欠かせません。特に、親が被保険者となっている医療保険を子どもが請求する場合には、「指定代理人」となっている必要があります。指定代理人になるためには、該当する保険に指定代理請求特約が付いていることと、指定代理人として申請していることが条件となりますので、事前に保険内容と特約を確認し、必要な手続きを済ませておきましょう。
このような情報は、できれば親と一緒に確認し、ノートなどにまとめて保管しておくと安心です。突然の入院に備えて、家族間で情報を共有しておくことが大切でしょう。
親の入院や介護の負担軽減につながる機関やサービス

入院中や退院後の生活について不安を感じる場合、さまざまな専門機関やサービスを活用することで、負担を軽減することができます。
ここでは、利用可能な主な支援機関とサービスについて説明します。
医療ソーシャルワーカー
医療ソーシャルワーカーは、医療・社会福祉などの知識や制度に精通した専門家として、病院内の医療相談室に所属しています。入院費用や退院後の生活に関する悩みなど、患者や家族からのさまざまな相談に応じてくれます。
相談内容に応じて、病院内の各部門だけでなく、外部の医療・介護に関する関係機関や自治体とも連携しながら、具体的な解決策を提案してくれる心強い存在となるでしょう。
地域包括支援センター
地域包括支援センターは、市町村に住む高齢者の医療・保健・介護などの相談窓口として機能する機関です。介護保険など各種制度の申請手続きや、退院後の介護サービス利用に向けた調整なども行います。
保健師や看護師など、医療の専門家が在籍しており、無料で相談に応じてくれます。介護や福祉から日常生活の相談まで幅広く対応してくれるため、高齢の親の介護について不安を感じたら、まずは相談してみることをおすすめします。
介護保険サービス
介護保険サービスには、自宅で生活しながら利用できる在宅サービスと、施設に入所して受けるサービスがあります。在宅サービスとしては、訪問介護や訪問看護、訪問リハビリテーション、通所介護、通所リハビリテーションなどが利用可能となっています。
また、施設サービスとしては、特別養護老人ホーム、介護老人保健施設、グループホーム、介護付き有料老人ホーム、サービス付き高齢者向け住宅などがあり、親の状態や希望に合わせて選択することができます。
介護保険外サービス
介護保険外サービスは、介護保険サービスと比べて費用は高くなりますが、利便性の高いサービスを受けることができます。例えば、病院への付き添いの際に、診察室の中まで同行し、医師の診断内容を分かりやすく説明してくれるサービスなどがあります。
また、1日だけのスポット利用も可能なため、介護保険では対応しきれない部分を補完する形で活用することができるでしょう。商品によってさまざまなサービスが展開されているため、必要な支援を自分で選んで受けられる点も特徴です。
親の入院が不安なら「親サポセレクト」で備えよう

親の突然の入院は、仕事と介護の両立に悩む家族にとって大きな不安材料となります。特に離れて住んでいる場合、すぐに駆けつけることができず、入院準備や手続きの対応に苦慮するケースも少なくありません。
こうした不安を解消するサービスとして注目されているのが、セゾンカードでおなじみのクレディセゾンのグループ会社「くらしのセゾン」が提供する「親サポセレクト」です。このサービスは、離れて暮らす親の暮らしを総合的にサポートする会員制プランとなっています。
「親サポセレクト」の強みは、親のライフステージに合わせて必要なときに必要なサービスだけを選べる柔軟性にあります。突然の入院時には入院セットの準備から諸手続きの支援、入退院時の付き添いなど、必要なサポートを組み合わせることができます。また日常的なサポートとしては、通院や買い物の付き添い代行、家事代行サービスなども提供しています。
さらに安心なのは、自宅で突然の体調変化が生じたときの見守り・駆けつけサービスにより、離れて暮らす子供の不安を軽減し、迅速な対応が可能です。
家族だけで親の介護や入院に関する不安を抱え込まず、専門スタッフのサポートを受けることで、介護と仕事の両立が実現できるでしょう。まずは無料の資料請求から始めてみてはいかがでしょうか。


おわりに
親の入院に伴う不安を解消するためには、必要な手続きや準備を理解し、適切なサポートを活用することが重要です。医療費の負担軽減制度を利用し、介護保険サービスや専門家のサポートを受けることで、子世代の精神的・経済的な負担を軽減することができます。事前に確認すべき事項を把握し、様々な支援制度やサービスを活用することで、親の入院という事態にも慌てることなく対応できるでしょう。
※本記事は公開時点の情報に基づき作成されています。記事公開後に制度などが変更される場合がありますので、それぞれホームページなどで最新情報をご確認ください。