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【家族の方必見】高齢者において特に注意したい病気やケガとは?

セゾンのくらし大研究 編集部

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健康に自信があっても年齢を重ねるにつれて心身の機能は少しずつ低下していき、やがては要支援・要介護の状態に至ることもあります。「歳だから仕方がない」ではなく、小さな変化を見逃さず、早めの対策で介護予防につなげたいものです。ここでは、加齢に伴う身体機能の変化と、それによりリスクが高まる病気やケガについて解説します。

加齢により身体機能はどうなる?

食事量の減少は体力の低下に直結する

「食事の量が減った」「味噌汁を飲むとむせる」といったことがよくあれば、かむ力(咀嚼力)や飲み込む力(嚥下力)が弱まってきているかもしれません。食事量が減ると栄養状態が悪くなり、免疫力が低下して病気にかかりやすくなるほか、筋力が低下する原因にもなります。また、食べるための機能が低下すると、食べ物や唾液などが気管に入り、肺炎を引き起こす可能性があります(高齢者に多い誤嚥性肺炎)。「歳を重ねると食が細くなるもの」と軽く考えず、必要な栄養が充分に摂れているか、体重が減少していないかをよく観察し、食事がしやすいよう調理法を工夫したり、地域の口腔ケア教室への参加をすすめたりするなど、対策を講じましょう。

「聴こえ」の低下に注意

会話中に何度も聞き返されたり、テレビの音量が以前より大きくなったりしたら、「聴こえ」に問題が起こり始めているサイン。そのまま聴力が低下していくと、人との交流を避けるようになったり、やかんが沸騰しているのに気付かず空だきしたり、閉じこもりや事故の原因になったりします。聴力低下の徴候をキャッチしたら耳鼻科で検査してもらい、補聴器などの手当ても考えましょう。

トイレの不安は引きこもりの原因にも

加齢で骨盤回りの筋肉(骨盤底筋群)が衰えると、尿漏れや頻尿が起こりやすくなります。トイレに不安を抱えると外出を避けるようになり、心身の活動低下にもつながりかねません。多くの場合、尿漏れや頻尿は運動や薬で改善することができます。何らかの疾患が原因となっていることもあるので、放置することなく泌尿器科を受診するようにしましょう。

足腰が衰えると骨折リスクがアップ

歳を重ねるにつれて筋力が衰えると、転倒の可能性が高まります。何となく足元がふらついている、小さなつまずきがあるという程度でも、転倒から骨折に至ることがあります。高齢者は骨密度の低下で骨折しやすく、それがきっかけで寝たきりになるケースも少なくありません。転倒しやすい危険スポットは屋外に限らず、敷居の段差や浴槽など、屋内にもたくさん潜んでいます。住環境を改善して転倒リスクを下げるとともに、足腰を鍛える運動や栄養バランスの良い食事を心掛けてもらい、筋力低下を防ぎましょう。

加齢に伴ってリスクが高まる病気やケガ

高血圧

高血圧は、動脈硬化により血管の弾力性が衰えて、そこを通過する血液の圧力が高くなった状態で、特に日本人に多い病気です。この状態が続くと心臓の負担になり、心不全などのリスクが高まります。また、脂質異常症と相まって、高い血圧ではがれた血管内の脂質が詰まり、脳梗塞や心筋梗塞の引き金にもなります。運動や食事などの生活習慣の改善で血圧を安定させることが大切です。すでに薬を飲んでいる場合は、医師の指示に従って適切に服用するようにしましょう。

脂質異常症

脂質異常症は、食事の偏りや肥満などが原因で起こる生活習慣病のひとつで、血液中の脂質(悪玉コレステロールや中性脂肪)が増加した状態です。増えた脂質が血管の内側に少しずつたまって塊になると、血液の流れが滞り、動脈硬化を引き起こし、放置すると心筋梗塞や脳梗塞の原因となります。脂質異常症は自覚症状が乏しく、健康診断で見つかる以外は、脳梗塞などの発作が起こって気付くことが大半でしょう。普段からバランスの良い食事や運動の習慣化を心掛けてもらいましょう。食事療法で改善しない場合は薬による治療が行われます。

心筋梗塞/脳梗塞

心筋梗塞や脳梗塞は、高血圧や糖尿病などをベースに、血管が狭くなって塞がったり、流れてきた血栓が詰まったりすることで発症します。心臓の血管が詰まると心筋梗塞、脳の血管が詰まると脳梗塞になります。心筋梗塞の発作が起こると、胸に強い痛みが生じ、呼吸困難や吐き気、冷や汗などを伴います。脳梗塞の場合は、片方の手足や顔面の半分のしびれが出たり、ろれつが回らなくなったり、片方の目が見えなくなったりするなどの症状が起こります。予防のためには、ベースとなる高血圧や糖尿病を治療する必要があります。

糖尿病

糖尿病は、血液中のブドウ糖がうまく代謝されず、血糖値(血液中の糖分)が異常に高い状態となる病気です。1型と2型があり、ほとんどの場合が生活習慣による肥満や運動不足などを原因とする2型糖尿病です。進行すると脳梗塞や心筋梗塞の原因になるほか、失明(糖尿病性網膜症)、透析(糖尿病性腎症)、壊疽による切断(糖尿病性神経障害)の合併症を引き起こします。また、認知症のリスクが高まることも分かっています。糖尿病の治療は、血糖値をコントロールし、重篤な合併症を予防することが中心となります。バランスの取れた食事と適度な運動、規則正しい生活をベースに、血糖状態に応じて薬による治療を行います。

肺炎

肺炎は、日本人の死亡要因の上位に位置する病気です。高齢者の場合は、気管に入った唾液や食べ物などに付着した雑菌から感染する誤嚥性肺炎が多くみられます。肺炎の代表的な症状は発熱や咳、痰などですが、高齢者は症状が現れにくく、発見が遅れて重症化する傾向があります。高齢者の肺炎を予防するためには、充分な水分摂取、栄養補給とともに、日常的な口腔ケアで口の中の衛生を保つことがポイントです。また、飲み込みやすい食事形態にしたり、汁物や飲料にとろみを付けたりして、誤嚥を防ぐ工夫もしましょう。

骨粗鬆症

骨粗鬆症は、骨密度が低下する病気で、閉経後の女性に多くみられます。骨密度が極端に低下すると、骨の変形や痛みが出たり、咳をしただけで肋骨が折れたりして、日常生活に支障をきたします。骨密度の低下を抑えるためには、カルシウムが含まれる乳製品や小魚、大豆を積極的に摂るほか、適度な運動も大切です。また、日光浴には、骨を丈夫にするビタミンDの活性化効果があります。

転倒・骨折

加齢につれて脚の筋力が低下すると、転倒や骨折のリスクが高まります。転倒の際に骨折しやすいのは、腕や手首、太ももの付け根に当たる大腿骨頸部などで、なかでも大腿骨頸部を骨折すると寝たきりになってしまうこともあるでしょう。転倒を予防するためには、トレーニングで下半身の筋力低下を防ぐとともに、バランス力を強化することが効果的です。また、行動範囲にある段差をなくす、障害物となるものを置かないようにするなどして住環境を整えることも大切です。

親の急な入院に備えておこう

親が自宅で倒れたり、大ケガを負ったりしたら、迅速な対応が重要です。もしもの時に備えて緊急連絡用のメモを用意し、保険証などと一緒に保管しておきましょう。「名前」「生年月日」「血液型」「治療中の病気」「服用中の薬」「かかりつけの医療機関・連絡先」「かかりつけ医の氏名」「病歴」「アレルギーの有無」などを記載しておけば、救急隊員や医師に必要な情報が伝わり、すぐに適切な処置をしてもらうことができます。

また、メモのコピーを電話の近くに貼っておくと良いでしょう。救急車を呼ぶときに必要なことを漏れなく伝えることができます。さらには、親と離れて暮らしている家族もコピーを持っておくと、いざというときに役立ちます。

ちょっと気になる親のコト。大丈夫かな?と思ったら

「離れて暮らす両親が心配…」「親はまだ元気だけど、介護について知っておきたい」「介護保険って、誰でも使えるの?」などお悩みがありましたら、無料の相談窓口をご利用ください。専門のスタッフが状況に応じたアドバイスをいたします。「介護保険について詳しく知りたい」「遠方に住む両親が心配」等々、お気軽にお電話ください。

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