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第三者が遺言で財産をもらうときにかかる税金について詳しく解説!

第三者が遺言で財産をもらうときにかかる税金について詳しく解説!
セゾンのくらし大研究 編集部

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遺言による第三者への遺贈は税金の面で複雑です。遺贈に伴い、どのような税金が課税され、どのように計算すれば良いのかわからない方も多いのではないでしょうか。遺産を適切に管理するためにも、遺贈について注意点も含めて理解を深めておきましょう。このコラムでは、遺贈とは何か、遺贈でかかる税金、相続税の計算方法、第三者に遺贈する時の注意点などについて解説します。

この記事を読んでわかること

  • 遺贈にかかる税金は相続税、みなし譲渡所得税、不動産所得税、登録免許税
  • 第三者への遺贈に伴う相続税の計算方法は4ステップある
  • 第三者への遺贈は基礎控除や非課税の対象外
相続税申告サポート
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遺贈とは

遺贈とは

遺贈とは、故人が遺言によって、法定相続人以外の第三者にご自身の遺産の一部または全部を譲渡する行為です。遺贈は遺産の管理と分配において重要な役割を果たし、故人の最終的な意志を反映する手段となります。

遺贈には、主に「包括遺贈」と「特定遺贈」の2種類があります。これらの違いを理解することは、遺言を作成する際や、遺産を受け取る側にとって非常に重要です。

包括遺贈

包括遺贈とは、遺言者がご自身の財産の一定割合を指定して遺贈する方法です。

この場合、具体的な財産項目は指定せず、故人の財産全体の中から指定された割合に相当する部分が遺贈されます。例えば、「遺産の半分をAに遺贈する」という形で指定されることが一般的です。この方法は、遺産全体の価値を分割する際に柔軟性を持ち、特定の財産に対する執着がない場合に適しています。

特定遺贈

特定遺贈は、故人が遺言において、譲渡する具体的な財産項目を指定する方法です。

例えば、「私の絵画コレクションをBに遺贈する」といった形で行われます。

この形式は、故人が特定の財産に対して特別な意志を持っている場合、または特定の方に特定の財産を渡したいと考えている場合に適しています。特定遺贈は、財産の具体的なアイテムを指定するため、受贈者にとってより明確な受け取りが可能です。

相続との違い

遺贈と相続は似ているようで根本的な違いがあります。相続は、法定相続人が故人の財産を法的に受け継ぐプロセスです。これに対し遺贈は、法定相続人に限らず、故人が指定した第三者に財産を譲渡する行為を指します。

つまり、遺贈は法定相続人でなくても受け取りが可能であり、故人の意志により誰が財産を受け継ぐかが決定されます。この点が相続と最も大きく異なる点であり、故人の意志をより具体的に反映する手段として遺贈が用いられることが多い理由です。

遺贈でかかる税金

遺贈でかかる税金

遺贈の際には、通常の贈与とは異なり、「相続税」が主な税金として課税されます。これは、遺贈が亡くなった方の遺産として法的に扱われるためです。

遺贈に関連する税金には、相続税の他、「みなし譲渡所得税」「不動産所得税」「登録免許税」があります。これらの税金は、遺贈される財産の性質や価値に応じて異なり、受贈者が負担しなければなりません。

相続税

相続税は、故人の財産を受け継ぐ際に発生する税金です。相続税は、故人の死亡時点での遺産総額に基づいて計算されます。

相続税の負担者は遺産を受け取る相続人や遺贈を受ける第三者であり、負担額は遺産の価値や受贈者の相続分によって異なります。相続税の申告期限は、故人の死亡を知った日の翌日から10ヵ月以内です。この期間内に適切に申告と納税を行わなければなりません。

みなし譲渡所得税

みなし譲渡所得税は、譲渡所得が生じていないにもかかわらず、譲渡所得とみなされ、譲渡所得税の課税対象となる金額のことです。個人が法人に贈与した場合、時価の半額未満の金額で譲渡した場合、限定承認をした場合に時価相当額の代金を受け取ったものみなされ、譲渡所得金額が計算されます。

みなし譲渡所得税の負担者は受贈者であり、負担額は受け取った資産の額に基づいて計算され、申告期限は、資産の受け取りを知った日から4ヶ月以内です。

不動産取得税

不動産取得税は、不動産の取得に関連する税金です。不動産の購入や遺贈等によって発生し、負担者は不動産を受け取る受贈者となります。

負担額は受け取った不動産の市場価値に基づいて計算されます。

不動産を取得した場合は、不動産を取得した日から30日以内に、不動産を取得した旨の申告が必要です。

登録免許税

登録免許税は、不動産や車などの登録が必要な財産の遺贈に関連する税金です。故人から受け継いだ財産を名義変更する際に発生します。

負担者は財産を受け取る受贈者であり、負担額は登録する財産の種類や価値によって異なります。登録免許税の申告期限は特に定められていませんが、名義変更の手続きを行う際に支払われるのが一般的です。

遺贈に伴う相続税の計算方法

遺贈に伴う相続税の計算方法

遺贈によって発生する相続税額は、基本的に通常の相続の際の計算方法に従って算出されます。しかし、受贈者が第三者である場合は、注意が必要です。ここでは、遺贈に伴う相続税の計算方法を説明します。

相続財産の総額を確定する

まず、故人の遺産全体を洗い出し、遺産総額を確定しなければなりません。預貯金、金融資産、不動産、生命保険金など、故人が所有していた全ての資産が含まれます。

この段階では、遺産の全体像を明確に把握することが重要です。正確な遺産の評価を行うことで、後の税額計算の基礎ができます。

課税遺産総額を計算する

次に、課税遺産総額を計算します。

課税遺産総額は、課税価格の合計額から基礎控除額を差し引いて求めます。基礎控除額は「3,000万円+600万円×法定相続人の数」です。課税価格の合計額から基礎控除額を差し引いた値が0かマイナスになれば、相続税は課税されず税務署に申告する必要もありません。

詳細については次章で説明しますが、第三者が遺贈を受ける際には、相続税の負担が重くなる可能性があることを理解しておきましょう。

相続税額を計算する

相続人全員で納める相続税の総額が分かれば、実際に遺産を分けた割合に応じて各相続人に割り振ります。各相続人の税額は、個別の事情に応じて加算や控除を行います。

まず、配偶者と1親等の血族以外の相続人(法定相続人以外で遺産をもらった方も含む)の税額は2割加算し、その上で配偶者の税額軽減、未成年者控除、障害者控除などを適用して相続人ごとの納付税額を求めます。

この計算によって、各受贈者が負担すべき相続税額が明確になります。

相続税額を受贈分に割り当てる

最後に、算出された相続税額を各受贈者の遺贈分に割り当てます。これにより、各相続人および第三者受贈者の具体的な納税額が確定します。

この段階で、各受贈者は自身に割り当てられた税額を把握し、納税の準備を進めることができます。特に、第三者受贈者にとっては、通常の相続人とは異なる計算方法や控除の適用の違いに注意が必要です。

第三者に遺贈したときの注意点

第三者に遺贈したときの注意点

第三者に遺贈を行う際には、以下4つの注意点があります。

  • 基礎控除や非課税の対象にならない
  • 相続税が2割加算される
  • 特定遺贈にすると債務控除ができない
  • 登録免許税や不動産取得税がかかる可能性がある

遺言を作成する際や遺産の受け取りを検討する際に欠かせない知識なので、おさえておきましょう。

基礎控除や非課税の対象にならない

第三者に対する遺贈は、相続税の計算において基礎控除や非課税枠の対象外です。これは、例えば死亡保険金に適用される非課税枠が第三者には適用されないことを意味します。

第三者は、相続税の基礎控除「3,000万円+600万円×法定相続人の数」、生命保険金や死亡退職金の非課税枠「500万円×法定相続人の数」に含まれず、法定相続人の他に第三者も受贈者となる場合は、第三者を除いた人数で計算しなければいけません。

相続税が2割加算される

第三者への遺贈には、法定相続人でない場合や相続人でない孫に遺贈する場合、相続税が2割加算される可能性があります。これは、法定相続人以外への遺贈が特別な扱いを受けるためです。

その結果、第三者に対する遺贈は、同じ遺産に対して法定相続人よりも高い税率で課税されることになります。遺産の分配を計画する際には、この加算税の影響を考慮に入れておかなければなりません。

特定遺贈にすると債務控除ができない

特定遺贈は、遺産の中で具体的な財産を指定して譲渡する方法です。特定遺贈を選択すると、その遺産に関連する債務の控除が認められないことがあります。

特定遺贈により細かく遺産の配分を行うことは可能ですが、一方で債務が控除されないため、受贈者の税負担が増加する可能性があります。特定遺贈の利用を検討する際は、この点も慎重に考慮しなければなりません。

登録免許税や不動産取得税がかかる可能性がある

不動産などの登録が必要な財産を遺贈する場合、登録免許税や不動産取得税が発生する可能性があります。これらの税金は、不動産の市場価値に基づいて計算され、受贈者が負担しなければなりません。

具体的な税率は不動産の種類や地域によって異なります。不動産を遺贈する際には、これらの税金の影響も考慮に入れておくことが重要です。

相続税申告は専門家に相談するとスムーズ

遺贈の手続きは専門家に相談するとスムーズ

遺贈の手続きは複雑であり、適切なアドバイスが欠かせません。特に、相続税申告の期限は故人の死後10ヵ月と短く、適切な対策を早期に立てる必要があります。短い期間内に相続税の申告や納付、場合によっては遺産分割協議を行う必要もあるため、専門家に助言を求めることも大切です。

セゾンの相続 相続税申告サポート」では、相続税申告に強い税理士と提携しているため、信頼できる専門家との無料相談や最適なプランの提案が可能です。相続や遺贈でお困りのことがございましたら、ぜひお気軽にお問い合わせください。

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おわりに

遺贈に関わる手続きは、多くの場合、個人だけで対処するには複雑で難解です。特に、遺贈にかかる税金の計算や法的な手続きには、専門的な知識が欠かせません。税理士などの専門家に相談することで、遺贈に関する様々な課題を効果的に解決できるでしょう。故人の意志を尊重しながら遺族の負担を軽減することをおすすめします。

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