更新日
公開日

【相続対策にも】「寄付」が終活とセカンドライフの充実につながる理由を解説

【相続対策にも】「寄付」が終活とセカンドライフの充実につながる理由を解説
セゾンのくらし大研究 編集部

執筆者

セゾンのくらし大研究 編集部

豊かなくらしに必要な「お金」「健康」「家族」に関する困りごとや悩みごとを解決するために役立つ情報を、編集部メンバーが選りすぐってお届けします。

定年退職などをきっかけに、これからの人生の中でどのように自分の財産を使い、また遺していくのか、改めて考えてみるという方も多いのではないでしょうか。そのような時、「お金や財産を慈善団体や社会貢献活動に寄付する」という選択肢は日本ではまだまだメジャーなものではないかもしれません。

しかし、終活やセカンドライフの充実について考えるうえで、「寄付」は自らの人生を振り返り、社会への恩返しや未来に想いをつなげるための手段として、心豊かな人生を送るために有効なお金の使い方のひとつです。本記事では、そんな寄付についての考え方とメリットについてご紹介します。老後のお金の使い道の選択肢として、寄付に関する理解を深めてみましょう。

生前寄付のメリットについて

生前寄付(せいぜんきふ)とは、死後の遺産分配ではなく、自分がまだ健在なうちにお金や財産、または他の資産を慈善団体や社会的なプロジェクトに寄付することを意味します。

自分の財産を有効に活用し、社会的な問題への対処や支援に貢献することで、老後の人生にさまざまなプラスの効果をもたらすことが期待できます。

引退後のセカンドライフの充実に

引退後のセカンドライフの充実に

セカンドライフとは、仕事の退職や子育ての終了といったライフイベントを経た後の人生段階のことです。仕事や子育てから解放されることで、一般的には自由な時間が増えますが、その分どうやってその時間を有意義に過ごすかが重要になってきす。長期間の旅行や趣味の追及などさまざまな選択肢がありますが、寄付を通じた社会貢献もまた、セカンドライフの充実のために有効な手段です。

他人を支援する行為は、人間関係や共感の感情を高めることがあり、それによって満足感や幸福感が向上することがこれまでさまざまな研究によって示されています。寄付を通じて他人の生活や状況をポジティブに変える手助けをすることは、単なる自己満足感だけでなく、自分人生の意義や充実感を感じる一助となることでしょう。

また、寄付した先の団体や活動に参加したり、仲間や支援者と交流したりすることで、自分の関心や志向に合った人たちとつながることもできます。リタイア後も社会とつながりを持ち続けるためのきっかけとしても、寄付を活用することができるのです。

自分の「生きた証」を残す、最後の社会貢献

自分の「生きた証」を残す、最後の社会貢献

生前寄付は、自分の人生を振り返り、自分が大切にしたい価値観や思い出を形にして残すことができます。これは、終活の一環としても有意義なことだと考えられます。

例えば故郷の地域振興や教育支援、環境保護や医療福祉など、自分が関心のある分野に寄付することで、望む社会の実現への貢献によって自分の人生に意味や価値を感じることができるでしょう。また、自分の名前やメッセージを寄付先に残すことで、自分の存在や思いを後世に伝えることも可能です。

最期を迎えるまでの準備としてこれまでの人生を振り返り、培ってきた価値観に従って自分の資産を社会に還元していくということは、生きた証を残す方法としても魅力的なことなのではないでしょうか。

さらに、生前寄付は家族や周囲の人々との関係性にも良い影響をもたらす場合があります。自分の価値観や意志を大切にして、社会への貢献を重視する姿勢は、家族や友人にも影響を与え、共感や共鳴を生むことがあります。これによって、家族間でのコミュニケーションや理解が深まることも期待できるでしょう。

遺産相続のスムーズ化にも

遺産相続のスムーズ化にも

寄付自体の直接的な効果ではありませんが、生前寄付を進める中で自分の遺産を整理しておくことで、遺族が後で直面するかもしれない煩雑な手続きや紛争を予防することができます。遺産分割や遺言に関する混乱や対立は、家族の間に不和を引き起こすことがありますが、生前寄付によって遺産が適切に整理されることで、遺族の間での理解が深まり、円滑な手続きが進みやすくなるでしょう。

また、生前寄付で一部の財産を社会や慈善団体に寄付することにより、自分の財産の使われ方について社会に役立てたいという意志を示しておくことで、遺族間の感情的な面でのトラブルを回避することにつながるかもしれません。

また一方で、近年では少子化や核家族化の影響もあって、財産の相続人が存在しないケースも増加しています。この場合、遺された財産は遺言による指定や特別縁故者からの分与請求がない限り、すべて国庫に納められることになります。

せっかくなら自分の意思で、社会のために役立てられるように自分の遺産の使われ方を決めたいと考える方も増えているようで、このようなケースにおいても寄付はひとつの有用な解決策となると言えます。

死後も寄付先の団体や活動を支援し続けられるように仕組みを作っておくことで、自分の意志や価値観を存続させることができるのです。

おわりに

これまで、終活やセカンドライフの充実のための「寄付」の有効性について解説してきました。寄付は社会貢献だけでなく自分自身の幸せにもつながる行為です。自分が支援したい団体や活動に財産を渡すことで、自分の人生に意味や価値を感じることができます。これからのお金の使い方について考えるときには、ぜひ選択肢のひとつに加えてみてください。

よく読まれている記事

みんなに記事をシェアする