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遺言で財産を相続させることを指定した相手が遺言者より先に亡くなってしまった場合、どうなるの?

遺言で財産を相続させることを指定した相手が遺言者より先に亡くなってしまった場合、どうなるの?
セゾンのくらし大研究 編集部

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セゾンのくらし大研究 編集部

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残された家族がもめないための遺言作成

「法定相続分以外の割合で遺産相続したい」「相続人の数が多く、疎遠な親族がいる」「子どもがおらず、配偶者のみに自身の財産を相続させたい」そんな方におすすめなのがクレディセゾングループの「セゾンの相続 遺言サポート」です。
法定相続人の間柄によっては遺産の話し合いがスムーズに進まない場合があります。遺言書でスムーズな相続に備えたい方は、ぜひご相談ください。
「セゾンの相続 遺言サポート」の詳細はこちら

遺言サポート
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行政書士の先生より、Aさん(70代女性)からの「遺言を作成したい」というご相談事例をお聞きしました。

Aさんは、2年前にご主人を亡くしました。Aさんには子どもはおらず、ご両親も亡くなっていますので、Aさんが亡くなった場合、弟のBさんと妹のCさんが相続人となります。Aさんは、Bさんとは昔から折り合いが悪く、もう20年以上、疎遠な間柄です。Bさんは、Aさんのご主人の葬儀にも参列しなかったそうです。

一方、同じ市内に住んでいるCさんとの関係は良好で、Cさんのひとり息子のDさんについても、子どものころから可愛がってきた経緯があります。こうした事情から、Aさんは、Cさんに全財産を相続させる内容の遺言を作成したい意向です。兄弟姉妹には遺留分(一定範囲の法定相続人に認められる最低限の遺産取得分)がありませんので、遺言による遺留分侵害の問題もありません。

しかし、Aさんには気がかりな点があるそうです。「Cと私とは年齢が2つしか違いません。Cには持病があるし、私より先に亡くなる可能性は充分あると思います。『全財産をCに相続させる』という内容の遺言さえ作成しておけば、もしCが私より先に亡くなったとしても、私の全財産は甥のDに自動的に相続されるのでしょうか?」

今回は、この問題について考えてみたいと思います。なお、Cさんは早くにご主人を亡くしており、Cさんが亡くなった場合、DさんはCさんの唯一の相続人となります。

遺言には、代襲相続が適用されない

被相続人が死亡したとき、本来相続人になるはずだった方がすでに亡くなっている場合は、その方の子が代わりに相続人となります。これを「代襲相続」といいますが、遺言には、代襲相続が適用されません。遺言で財産を相続させる(もしくは遺贈する)ことを指定した相手が遺言者より先に亡くなってしまった場合、その遺言の該当部分は効力を失ってしまいます。そうなると、遺言で指定されていた財産は、法定相続人の共有財産ということになります。

Aさんの相続発生時にCさんがすでに亡くなっており、Bさんはまだ存命中だった場合、Aさんの相続人はBさんとDさん(Cさんの代襲相続人)の2名となり、この2名でAさんの遺産を分割することになります。「Bさんには遺産を相続させたくない。Cさんに全財産を相続させ、もしCさんが自分より先に亡くなった場合は、Dさんに相続させたい」というAさんの思惑とは違った結果となってしまいます。

Cさん、Dさんの親子もAさん同様、Bさんとは関係性が良くないそうですので、BさんとDさんによる遺産分割協議は円滑にまとまらないかもしれず、最悪の場合、トラブルに発展する可能性も考えられます。

知っておきたいリスク回避手法「予備的遺言」

このような事態に陥るリスクを回避するためには、「予備的遺言」の活用が有効です。予備的遺言とは、遺言で財産を相続させる(もしくは遺贈する)ことを指定した相手が遺言者よりも先に亡くなってしまうリスクに備え、遺言の中でさらに次の相続人(もしくは受遺者)を指定しておく仕組みです。

Aさんのケースでは、遺言書を作成する際に、「遺言者Aの死亡前または遺言者Aと同時にCが死亡した場合、遺言者Aの全財産はCの長男であるDに相続させる」といった一文を追記しておくことで、ご自身が亡くなったあと、遺言の効力により、財産を思惑どおりに相続させることができるのです。

Aさんのように、配偶者も子どももいない「おひとりさま」の相続においては、多くの場合、兄弟姉妹やその代襲相続人である甥・姪が相続人となります。兄弟姉妹が亡くなっていくにつれ、代襲相続人の数が増えていくと、相続人同士の人間関係が希薄になっていきます。また、相続人の人数がかなり多くなってしまう場合もあり、円滑な遺産分割協議が難しくなる可能性があります。

そうならないよう、遺言を作成し、「遺産の行き先」をあらかじめ決めておきたいという、おひとりさまが増えているようです。「遺産の行き先」として、兄弟姉妹のうち、とくに仲の良い1~2名を指定する方も多いのですが、年齢が近いこともあり、遺言者よりも先に亡くなってしまうかもしれません。このようなリスクに備え、予備的遺言により、次の相続人(もしくは受遺者)を指定しておくことをおすすめします。

おひとりさまの相続対策のお悩みは、セゾンの相続まで!

おひとりさまの相続対策において、遺言の作成は、強力な切り札となります。ただし、認知症発症による判断能力の低下等により、遺言者に遺言能力が認められないと判断される場合、遺言が無効となってしまう場合がありますので、元気なうちに作成しておくことが重要です。

セゾンの相続 遺言サポート」では、遺言の作成に関する一般的なご相談への対応の他、公正証書遺言作成をサポートしてくれる経験豊富な司法書士などの紹介も行っています。この機会にお気軽にお問い合わせください。

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