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親の見守りサービスは必要?嫌がられる理由やスムーズな導入方法、おすすめのサービスを紹介

親の見守りサービスは必要?嫌がられる理由やスムーズな導入方法、おすすめのサービスを紹介
セゾンのくらし大研究 編集部

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セゾンのくらし大研究 編集部

豊かなくらしに必要な「お金」「健康」「家族」に関する困りごとや悩みごとを解決するために役立つ情報を、編集部メンバーが選りすぐってお届けします。

高齢化が進む日本では、一人暮らしの高齢者が増えており、身内が遠方にいる場合、親の異変に気付きにくいのが実情です。そこで注目されているのが、見守りサービスです。センサーやカメラ、アプリなど様々な形態のサービスがあり、親の生活リズムや安全を把握し、緊急時に素早く対応できます。しかし、プライバシーへの配慮が必要で、親が導入を嫌がる理由もあります。この記事では、見守りサービスの種類や必要性、導入のポイントなどを解説し、高齢者の安心・安全な暮らしを実現するためのヒントを紹介します。
(本記事は2024年4月30日時点の情報です)

この記事を読んでわかること
  • 親の見守りサービスにはセンサー、カメラ、アプリ、家電内蔵型、訪問型など様々な種類があり、親の状況や好みに合わせて選ぶ必要がある
  • 高齢化の進行や独り暮らし世帯の増加を背景に、親の安全を確保するための見守りサービスの需要が高まっている
  • プライバシー意識の高い親が、「監視されている」と感じて導入を嫌がることがあり、慎重な対応が必要
  • 見守りサービスを円滑に導入するには、まず親に相談し、目的や操作性、費用面で適切なサービスを選ぶ必要がある

親の見守りサービスとはどういうもの?

親の見守りサービスとはどういうもの?

親の見守りサービスとは、一人暮らしや老夫婦などの高齢者世帯を対象に、センサーやカメラなどの機器を設置したり、介護サービスを利用したりして、離れて暮らす家族が高齢の親の安全や健康状態を確認するためのサービスです。

急速に高齢化が進む日本では、高齢者の独り暮らしが増加しており、身近に支える家族がいないケースも少なくありません。そのため、親の異変にいち早く気づき、必要な対応をとるための見守りサービスが注目されるようになりました。

ただし、プライバシーの問題から見守られることを嫌がる親御さんも多く、サービス導入には一定の配慮が必要です。ここでは、さまざまなタイプの見守りサービスの特徴やメリット・デメリットを解説していきます。

見守りサービスにはどんな種類がある?

見守りサービスには、センサーやカメラ、アプリ、家電、訪問など、さまざまな方式があります。親御さんの状況や好み、住環境などに合わせて選ぶことが大切ですが、機器の設置を嫌がる方もいれば、自宅に人が来ることに抵抗がある方もいるでしょう。

以降では、代表的な見守りサービスを解説します。

センサータイプ

センサータイプの見守りサービスは、自宅内の主要な箇所に人感センサーや環境センサーなどを設置し、高齢者の生活リズムや安全を見守る方式です。

長時間トイレから出てこない、いつもは使わない時間帯にキッチンを使っている、部屋の温度や湿度が異常といった異変をセンサーが検知すると、家族や警備会社、緊急連絡先などにアラートが届く仕組みです。

カメラのように部屋の中の様子が丸見えになることはないので、プライバシーへの配慮が比較的しやすいのがメリットですが、一方で異変の有無は分かっても詳しい状況は分からないというデメリットもあります。

カメラタイプ

カメラタイプは、自宅内に防犯カメラやペットカメラのような監視カメラを設置して、高齢者の様子を動画や静止画で確認できるサービスです。

スマートフォンやパソコンでリアルタイムの映像をチェックしたり、一定時間ごとに静止画を撮影したりと、状況に合わせた使い方ができます。また、カメラ付きインターホンであれば来訪者の対応も見守れます。

ただし、常に見張られているような圧迫感から、カメラの設置を嫌がる親御さんは多いです。プライバシー面での配慮が欠かせません。

アプリタイプ

アプリタイプの見守りサービスでは、専用のスマートフォンアプリをインストールして利用します。GPSによる位置情報の把握やバイタルデータのチェック、異変時の緊急通報、服薬管理など、さまざまな機能を一つのアプリで利用できるのが特徴です。

外出が多い高齢者の見守りには最適で、操作が苦手な方でもシンプルな設計で使いやすいアプリが増えています。ただ、スマホを常に携帯し、アプリを起動させておく必要があります。

高齢者と家族の双方がアプリを入れてコミュニケーションを取れるタイプもあり、電話代わりに使えば「監視されている」という印象は和らぐかもしれません。

家電内蔵型

エアコンやポット、冷蔵庫など、家電の利用状況で安否確認ができるサービスも登場しています。

普段使っている家電に通信機能が内蔵されていて、一定期間使われなかったり、いつもとは異なる使われ方をしたりすると家族にメールなどで通知される仕組みです。

わざわざ新しい機器を導入する必要がないのがメリットで、「家電を使っているから元気」という安心感も得られます。ただし異変の把握という点では限定的です。

訪問型

自治体のサービスやコミュニティの支え合い、配食サービスの活用など、ボランティアや事業者が自宅を訪問し、高齢者の様子を直接確認する見守り方式もあります。

緊急通報サービスの代わりに、定期的な訪問や電話連絡による安否確認を行う自治体もあります。地域の支え合いとして民生委員やボランティアが関わるケースもあるでしょう。ごみ出しや庭の手入れ、話し相手などを通じた見守りも地域差がありますが、広がりを見せています。

人との触れ合いが増えるのがメリットですが、自宅に誰かを入れたくないと考える高齢者も多いのが課題です。

見守りサービスは本当に必要?

見守りサービスは本当に必要?

高齢の親御さんが一人暮らしをしていると、子供としては常に心配が絶えません。しかし、毎日顔を合わせて様子を見るのは難しいのが現実です。

そんな時、頼りになるのが見守りサービスです。でも、本当に必要なのかと疑問に感じる方もいるかもしれません。ここでは、親の見守りサービスが求められる背景を見ていきましょう。

親の見守りサービスが必要とされている理由

親の見守りサービスが注目される理由の一つに、高齢者の独り暮らし世帯の増加が挙げられます。

核家族化や少子高齢化が進み、子供と離れて暮らす高齢者が増えている中、突然のケガや病気で重篤な事態に陥るリスクが高まっています。また、空き巣など犯罪のターゲットになることへの不安も尽きません。

健康面でも、食事が偏ったり服薬が疎かになったりと、高齢者の一人暮らしにはさまざまな課題があります。認知症の兆候も、家族が気付きにくいのが悩ましいところ。最悪の場合、孤独死に至るケースもあり、未然の発見が欠かせません。

こうした問題意識から、高齢者の生活を見守り、異変があれば素早く対応できる体制の必要性が叫ばれるようになりました。警備会社などを中心に様々な見守りサービスが登場し、利用者を増やしています。

今後、団塊の世代が75歳以上の後期高齢者となる2025年以降は、見守りサービスの需要がさらに拡大すると予想されています。介護人材の不足も相まって、IoTなどテクノロジーを活用した非接触型の見守りサービスにも注目が集まるでしょう。

親の加齢に伴う様々なリスクに備え、子供としてできる心構えが求められています。見守りサービスの選択肢を知り、親子で話し合っておくことは、安心で快適なシニアライフを送る上で有効な一手だと言えそうです。

親が見守りサービス導入を嫌がる理由

親が見守りサービス導入を嫌がる理由

親の高齢化に伴い、何かあった時のために見守りサービスの導入を考える家族は増えています。しかし、いざ本人に提案すると、強く反発されるケースも少なくありません。

親が見守りサービスを嫌がる理由には、どのようなものがあるのでしょうか。

ここでは、以下の代表的な4つの理由を挙げながら解説します。

  • 「監視されているようだ」と感じる
  • 「まだそんな年齢ではない」と感じる
  • 「操作が難しい」と感じる
  • 「お金がかかってもったいない」と感じる

「監視されているようだ」と感じる

見守りサービスの中には、自宅内にカメラを設置するタイプのものがあります。プライバシーに敏感な親御さんにとっては、常に誰かに見られているようで、とても窮屈に感じるようです。

こうした抵抗感を和らげるには、カメラの代わりに人感センサーを使ったサービスを選ぶのも一案です。センサーであれば、映像は記録されないので、プライバシーへの配慮にもつながります。

また、親の意向を尊重しつつ、設置場所を工夫するなど、柔軟に対応することが大切と言えるでしょう。

「まだそんな年齢ではない」と感じる

「自分はまだまだ若い」「そんなに心配されるような年ではない」と感じている高齢者の方は、見守りサービスを年寄り扱いだと受け止めがちです。

こうしたケースでは、「いますぐにでも」と急がず、「80歳になったら検討しよう」など、将来を見据えた提案をしてみるとよいでしょう。

あるいは、「遠方に住む家族の安心のため」といった切り口で説明するのも効果的です。決して押し付けにならないよう、あくまで本人の気持ちを大切にすることが肝心です。

「操作が難しい」と感じる

ITリテラシーが高くない高齢者にとって、新しい機器の操作に不安を感じるのは当然のことです。

そこで選ぶなら、ボタンを押すだけの簡単な緊急通報サービスがおすすめです。GPSを利用した見守りサービスなら、持ち歩きが苦にならない小型の端末もあります。

機器の設置や設定は、家族がサポートできるよう心がけましょう。説明書を一緒に読み、操作方法をていねいに教える姿勢も大切です。

「お金がかかってもったいない」と感じる

見守りサービスの中には、機器の購入費や月々の利用料がかさむものもあります。導入に二の足を踏む理由の一つに、経済的な負担への不安が挙げられます。

たとえ子どもが費用を負担すると言っても、「もったいない」「そこまでしてほしくない」と遠慮するご家庭も少なくありません。

こうした声に応えるには、自治体の助成制度が使えないか確認してみるのもよいでしょう。比較的安価な端末で、必要十分な機能が使えるサービスも増えています。

スムーズに見守りサービスを導入するためのポイント

スムーズに見守りサービスを導入するためのポイント

せっかく見守りサービスを導入するなら、親に快く利用してもらえるよう、慎重に進めたいものです。

しかし、いきなり説得を始めても、逆効果になるケースがほとんど。親の気持ちを汲み取りながら、信頼関係を大切に進めることが何より大切です。

ここでは、見守りサービスを円滑に導入するための以下4つのポイントをご紹介します。

  • 無断で導入しない!まずは親に相談
  • 目的に合った方法を選ぶ
  • 操作性で選ぶ
  • 費用面で考える

無断で導入しない!まずは親に相談

子どもの立場としては、少しでも早く見守りサービスを導入して、親の安全を確保したいと考えるかもしれません。しかし、いくら良かれと思って勝手に契約しても、親には「監視される」といった被害者意識を持たれかねません。

見守りサービスは、あくまでも本人の同意が大前提です。事前の相談なく無断で導入するのは絶対にNGと心得ましょう。

まずは率直に、「あなたの安全が心配だから、見守りサービスを検討しているんだけど、どう思う?」と切り出してみるのがおすすめです。その上で、具体的なサービス内容を説明しつつ、「プライバシーはしっかり守るよ」「ボタンを押すだけの簡単操作だから」など、親の抵抗感を和らげる工夫も必要でしょう。

この相談の際は、あらかじめ親御さんの性格や好みを考慮し、できるだけ受け入れやすいサービスをピックアップしておくと話がスムーズに進みます。

目的に合った方法を選ぶ

そもそも見守りサービスには、カメラやセンサー、定期訪問、緊急通報など、実にさまざまな方式があります。利用目的に合わせて最適なものを選ぶことが大切です。

例えば、認知症の心配があるなら、居場所を把握できるGPS機能付きがおすすめです。転倒リスクが気になるなら、カメラやセンサーで部屋の様子がわかるサービスが適しているでしょう。

一人暮らしで孤立の心配があるご家庭では、週に1回程度、ヘルパーさんに様子を見に来てもらう巡回サービスも選択肢の一つです。

親の健康状態や日頃の生活スタイルをよく観察し、必要十分な機能を備えたサービスを選びましょう。いたずらに高機能なものを勧めても、かえって “ハードルの高さ”を感じさせてしまいます。

操作性で選ぶ

機器操作が苦手な高齢者は少なくありません。見守りサービスを選ぶ際は、導入する機器の使い勝手を確かめることが大切です。

例えば、緊急通報サービスの場合、ボタンの大きさや位置、押しやすさなどをチェックします。「倒れて動けなくなったときに、果たして押せるだろうか」という視点を忘れずに。

GPSや見守りカメラを利用するサービスでも、機器の設置や管理が親の負担にならないか、よく考えることが大切です。

ガス使用状況の通知など、普段の生活の延長線上で安否確認ができるサービスなら、さらに抵抗感が少ないかもしれません。機器を意識せず、ストレスなく使えるかどうかを一緒に確認しておきたいものです。

費用面で考える

見守りサービスには、毎月数百円程度の自治体サービスから、月額数千円の民間サービスまでさまざまな選択肢があります。

導入の際は、費用対効果を考えつつ、長く続けられる範囲で選ぶことが賢明です。かといって、あまりに “安かろう悪かろう”では、いざというときに役に立ちません。

加えて、「お金の心配はいらない」と伝えるだけでなく、具体的な費用の内訳を示すなど、わかりやすく説明する配慮も大切でしょう。

すでに何らかのサービスを利用しているなら、見守り機能をプラスする形で乗り換えを提案してみるのもおすすめです。できるだけ親の経済的負担を減らしつつ、安心を届けたいものです。

おすすめの見守りサービス

おすすめの見守りサービス

見守りサービスとして、次々と新しいサービスが登場する中、どの見守りサービスを選べばよいのか迷ってしまうのではないでしょうか。

地域住民との関係構築もおすすめ

「町内会の集まりに参加するのが面倒」「隣近所とあまり接点がない」といった声をよく耳にしますが、地域の繋がりを大切にすることは、”おたがいさま”の見守り体制を作る上でとても重要です。

こうした地域交流は、高齢者の孤立を防ぐだけでなく、いざという時に助け合える、心強い関係性を育むことにも繋がります。

例えば、地域の催しやサークル活動に参加することで、自然と顔見知りが増えていきます。回覧板を届けたり、ちょっとした立ち話をしたりする中で、お互いの状況を知る機会も生まれるでしょう。

「最近、○○さんの姿を見かけないね」「いつもは参加されるのに、今日はいらっしゃらない」。何気ない会話の中から、ふとした異変に気づくことがあるかもしれません。

さらに、万が一の備えとして、親しい方々に緊急連絡先を伝えておくのもおすすめです。具合が悪くなった時、災害時など、「何かあったらすぐ連絡してね」と頼りになる存在がいると、一人暮らしの高齢者も安心して暮らせるはずです。

行政の見守りサービスや民間の緊急通報システムも心強い味方ですが、やはり「顔の見える関係」で結ばれた地域の絆は、何にも代えがたい財産だと言えます。

おわりに 

見守りサービスは、高齢者の安全と安心な生活を支える重要な役割を担っています。一人暮らしの増加や家族の負担軽減のために、見守りサービスの需要は高まっています。適切なサービスを選択し、親の気持ちに寄り添いながら導入することが大切です。見守りサービスを活用することで、親の自立した生活を守りつつ、いざという時の備えにもなります。地域とのつながりを大切にしながら、最適な見守り体制を整えることが、親の幸せな暮らしにつながるでしょう。

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