高齢者や障がい者の外出をサポートする「外出付き添いサービス」は、日常生活をより充実させるための重要なサポートです。特に、介護保険外の自費サービスは、利用者の多様なニーズに応じて柔軟に対応できるため、近年注目を集めています。
本記事では、外出付き添いサービスの必要性や利用シーン、さらに介護保険内外のサービスの違いやメリットについて詳しく解説します。離れて暮らす親御さんのサポートを検討中の方も、ぜひ参考にしてください。
- 高齢者・障がい者の外出支援には、介護保険制度内のサービスと保険外の自費サービスの2種類の選択肢がある
- 外出付き添いサービスは、通院や買い物の支援から趣味・娯楽まで、幅広い用途で利用できる
- 自費の付き添いサービスは、公的サービスより自由度が高く、利用者のニーズに柔軟に対応できる
- 専門家による付き添いサービスを利用することで、本人の安全確保と家族の負担軽減が実現できる
【高齢者・障がい者】外出付き添いサービスの必要性
年齢や障害により外出に不安を感じる方が増えています。足腰の衰えや体調の変化により、これまで当たり前にできていた外出が困難になることは珍しくありません。そんな時に心強い味方となるのが外出付き添いサービスです。
専門のスタッフが同行することで、安心して必要な外出や余暇活動を楽しむことができます。
付き添いサービスの利用シーン
外出付き添いサービスは、一人での外出に不安を感じる高齢者や障がいのある方の生活をサポートします。足が弱っていて転倒が心配な方、体調の変化で不安を感じる方、また介護する家族の付き添いが難しい方などが主な利用者です。
具体的な利用シーンとしては、定期的な通院の付き添いや、日用品の買い物同行が代表的です。また、銀行や郵便局での手続き、理容院や美容院への外出、さらには冠婚葬祭への参列など、社会生活上必要不可欠な外出時にも利用できます。
余暇活動の支援も重要な役割です。映画や演劇の鑑賞、美術館や博物館への訪問、お祭りなどの地域行事への参加といった活動を楽しむ際の付き添いも可能です。また、お墓参りや初詣など、季節の行事や社会的な慣習による外出もサポートします。
付き添いサービスでは、単なる移動の介助だけでなく、外出先でのさまざまな支援も提供します。例えば、買い物時の商品選びのアドバイスや、通院時の受付手続きの補助、外出先での食事や排せつの介助なども含まれます。また、代筆や代読のサービスも必要に応じて利用できます。
移動支援サービスとは
移動支援サービスは、外出時の付き添いを行う福祉サービスの一つです。利用者の状況や必要性に応じて、同行援護、行動援護、移動支援という3つの形態があります。
同行援護は、視覚障がいのある方を対象としたサービスです。外出時の移動の補助だけでなく、周囲の状況を説明したり、必要な情報を提供したりする視覚的情報の支援も行います。また、代筆や代読といったコミュニケーション支援も含まれます。
行動援護は、知的障がいや精神障がいにより行動上の困難がある方向けのサービスです。外出時に起こりうる危険を回避するための援護や、状況に応じた判断のサポートを行います。常時見守りが必要な方の外出を総合的に支援します。
移動支援は、自治体が実施する地域生活支援事業の一つです。社会参加や余暇活動など、日常生活に必要な外出をサポートします。通院や買い物といった生活に必要な外出から、スポーツや文化活動への参加まで、幅広い外出ニーズに対応します。
利用にあたっては、それぞれのサービスの対象要件や利用手続きが異なりますので、お住まいの地域の窓口に相談することをお勧めします。
高齢者向け外出付き添いサービスの種類
外出時の付き添いには、大きく分けて制度のサービスを利用する場合と、制度外のサービスを利用する場合があります。制度のサービスには、介護保険制度によるものと障害者総合支援法によるものがあり、一定の要件を満たせば自己負担が少なく利用できるメリットがあります。
一方、制度外のサービスは全額自己負担となりますが、利用時間や目的に制限が少なく、柔軟な対応が可能です。それぞれの特徴を理解し、状況に応じて適切なサービスを選択することが重要です。
介護保険制度のサービス
介護保険制度における外出支援は、訪問介護事業所のヘルパーによって提供されます。ケア24(地域包括支援センター)やケアマネジャーに相談することで、利用が可能になります。
日常生活上必要と認められる外出については、介護保険の対象となります。具体的には、通院の付き添い(原則として病院内は除く)、近所での日用品の買い物、デイサービスや介護保険施設の見学、家族の見舞い(頻繁でない場合に限る)、官公署への届出、選挙時の投票などが含まれます。
一方で、日常生活の範囲を超え、趣味娯楽に関する外出は介護保険の対象外となります。ドライブ、お祭りなどの地域行事への参加、外食、カラオケ、観劇・ミュージカル、理容院・美容院、冠婚葬祭などがこれに該当します。
障害者総合支援法の同行援護や自治体における移動支援事業のサービス
障害者及び障害児のための外出介助サービスとして、障害者総合支援法には同行援護と移動支援事業があります。これらのサービスは、障害福祉サービス事業所のヘルパーによって提供されます。同行援護は主に視覚障害者を対象とし、移動時に必要な情報提供や援助を行います。
移動支援事業は自治体が実施する地域生活支援事業の一つです。支援内容や利用条件は自治体によって異なるため、お住まいの地域の障害者施策課などに確認する必要があります。
介護保険外の自費で利用できるサービス
介護保険の訪問介護事業所や障害福祉サービス事業所では、制度でカバーされない外出支援を自費サービスとして提供しています。有資格者による専門的な支援を受けられますが、全額自己負担となります。料金は事業所によって異なり、事前の契約が必要です。
介護認定を受けている方の場合、いつも利用している事業所のヘルパーに依頼することもできますし、別の事業所を選ぶこともできます。余裕を持って相談することをお勧めします。
非営利団体やボランティアが行う活動
同じまちに暮らす人たちによる支え合いの活動として、社会福祉法人、公益社団法人、NPO法人、生活協同組合などの非営利団体が提供する外出支援があります。主に介護の資格を持たない住民が、見守り程度の付き添いを行います。料金は団体によって異なり、会員制の場合は会費が必要です。
また、ボランティアセンターを通じた無償のボランティアによる支援もあります。交通費などの実費は利用者負担となりますが、地域に根ざした温かい支援を受けることができます。活動に参加する方々の想いとして、「資格はないが、家族を介護した経験を活かして人の役に立ちたい」「地元でできる手伝いをしたい」といった声が聞かれます。
さまざまなニーズに対応!自費の外出付き添いサービスの魅力とは?
介護保険や障害者総合支援法などの制度では対応できない外出ニーズも、自費サービスなら柔軟に対応することが可能です。
趣味や娯楽、冠婚葬祭への参加など、生活を豊かにする外出支援を受けることができます。また、利用時間や回数に制限がないため、必要な時に必要なだけサービスを利用できる点も大きな魅力です。
自費サービスだから利用できるシーン
自費サービスでは、お祭りやイベントへの参加など、地域の行事を楽しむための外出支援を受けることができます。映画や演劇の鑑賞、美術館への訪問といった文化的活動の付き添いも可能です。
結婚式や法事などの冠婚葬祭への参列も、自費サービスの重要な利用シーンの一つです。会場までの移動だけでなく、式典中の付き添いや身の回りのケアまで、きめ細かなサポートを受けられます。
外食を楽しむための付き添いや、カラオケなどの娯楽施設への同行も可能です。また、理容院や美容院への付き添いなど、身だしなみを整えるための外出支援も提供しています。
さらに、自費サービスでは、散歩や買い物の付き添い時に楽しく会話を交わしながら、心身のリフレッシュを図ることもできます。介護保険サービスと比べて時間的な制約が少ないため、ゆったりとした時間の中で外出を楽しむことができます。
利用料金の目安
自費サービスの料金体系は各事業所によって異なります。例えば、通院の付き添いで2.5時間のサービスを利用する場合、短時間プランとして12,100円にスタッフの交通費1,100円、往復のタクシー代4,000円で、合計17,200円程度になります。
別の事業所では、時間単価3,190円で3時間利用の場合、交通費を含めて10,170円程度での利用が可能です。また、定期的な利用の場合は、週1回の利用で月額27,500円といった料金設定を行っている事業所もあります。
なお、要介護度や身体状況によって必要なケアの内容が変わるため、料金が変動する場合があります。例えば、車椅子を使用する方の場合、半日プラン(4時間まで)で24,200円、スタッフ交通費1,650円、介護タクシー往復7,500円で、合計33,350円程度になることもあります。
利用を検討する際は、サービス本体の料金に加えて、スタッフの交通費や、必要に応じて発生するタクシー代などの実費も考慮に入れる必要があります。事前に利用条件や料金体系について、事業所に詳しく確認することをお勧めします。
介護保険外の外出付き添いサービスを利用する3つのメリット
高齢や障害により外出が困難な方の生活をサポートする外出付き添いサービス。介護保険外のサービスには、以下の3つの大きなメリットがあります。
- 利用者や家族の負担が軽減できる
- 介護の専門家の手厚いサポートがある
- 依頼できる内容の自由度が高い
これらのメリットにより、利用者とご家族双方が安心して充実した生活を送ることができます。
利用者や家族の負担が軽減できる
外出付き添いサービスを利用することで、利用者本人はもちろん、支援する家族の心身の負担も大きく軽減されます。家族が仕事や子育て、家事に忙しい場合でも、専門のスタッフが付き添うことで、高齢者の外出を安全に支援することができます。
付き添いサービスは、家族が抱える「親の外出が心配」という不安も和らげます。例えば通院や買い物の際に転倒する心配がある場合でも、専門スタッフが同行することで、安心して外出を任せられます。これにより、家族は自身の用事や仕事に専念できるようになります。
介護の専門家の手厚いサポートがある
介護の専門資格を持つヘルパーによる支援は、単なる付き添い以上の価値があります。経験豊富なスタッフが、利用者の身体状況を理解した上で、適切な介助や支援を提供します。
移動時の安全確保はもちろん、体調の変化にも素早く気付くことができます。また、外出先でのさまざまな場面で必要となる介助についても、専門的な知識と技術を活かした支援を受けることができます。
依頼できる内容の自由度が高い
介護保険外サービスの大きな特徴は、利用者の希望に応じて柔軟なサービス提供が可能な点です。介護保険では対応できない余暇活動や趣味の外出、冠婚葬祭への参列なども、状況に応じて支援を受けることができます。
急な外出ニーズにも柔軟に対応できるのも特徴です。通院の予定が突然変更になった場合や、急な用事が発生した場合でも、事業所と相談の上で対応が可能です。このように、制度上の制約に縛られることなく、利用者の生活スタイルに合わせたサービスを受けることができます。「買い物はできるけど〇〇はできない」などの制限がないので、利用者ニーズに合わせたサービスを受けられる。
緊急時の対応や、急な頼みごともしやすい。
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おわりに
高齢者や障がい者の外出をサポートする付き添いサービスは、安心して日常生活を送るための重要な支援となります。介護保険制度や障害者総合支援法のサービスだけでなく、自費サービスやボランティア活動など、さまざまな選択肢の中から状況に応じて最適なサービスを選ぶことができます。外出時の付き添いサービスを利用することで、利用者本人の生活の質を向上させるだけでなく、介護する家族の負担も軽減できます。特に離れて暮らす親の場合は、くらしのセゾンの「親サポセレクト」のような包括的なサポートサービスを活用することで、より安心で充実した生活を実現することができます。
※本記事は公開時点の情報に基づき作成されています。記事公開後に制度などが変更される場合がありますので、それぞれホームページなどで最新情報をご確認ください。