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家族が亡くなったらすることは?チェックリストに沿ってわかりやすく解説

家族が亡くなったらすることは?チェックリストに沿ってわかりやすく解説
セゾンのくらし大研究 編集部

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家族を亡くした悲しみに暮れる中、葬儀の手配や役所への届出、保険や年金の手続きなど、やるべきことは山のようにあります。しかし、何から手をつけていいのかわからず、途方に暮れてしまう方も多いのではないでしょうか。

そこで本記事では、家族が亡くなった際に必要な手続きを、死亡当日から時系列で示し、それぞれの概要と注意点を詳しく解説します。「もしも」のときに慌てないよう、ぜひ参考にしてください。
(本記事は2024年7月30日時点の情報です)

この記事を読んでわかること
  • 家族が亡くなった際は、死亡当日から2週間以降までに、多岐にわたる手続きを行う必要がある
  • 死亡当日は死亡診断書の受け取りや近親者への連絡、葬儀会社の決定など、喪主として対応すべきことが多い
  • 死亡後1週間以内には、役所への死亡届提出や火葬許可証の受け取り、お通夜・葬式の実施など、一定の期限内に行わなければならない手続きがある
  • 死亡後2週間以内は、年金や健康保険、介護保険などの各種手続きを行う必要がある
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家族・親が亡くなった時の手続き一覧表

家族・親が亡くなった時の手続き一覧表

家族や親が亡くなった場合、さまざまな手続きを期限内に行わなければなりません。手続きをスムーズに進めるためには、以下のポイントを押さえておきましょう。

  • 手続きの場所を事前に把握しておく
  • 必要書類をあらかじめ準備する
  • スケジュールを管理し、優先順位の高いものから手続きを行う

死亡後の手続きは多岐にわたるため、チェックリストを作成し、優先順位を確認しながら順番に進めていくことをおすすめします。

手続きは、当日・7日以内・14日以内・15日目以降に分けて整理すると、わかりやすくなります。以下の表は、その期間ごとに行うべき主な手続きをまとめたものです。期限を意識して、もれなく対応しましょう。

当日・死亡診断書を受け取る
・近親者に連絡を入れる
・葬儀会社を決める
・遺体を搬送する
・退院の手続きをする
7日以内・死亡届を役所に提出して火葬許可証を受け取る
・お通夜
・お葬式
・【健康保険の場合】被保険者証を返却する
14日以内・受給権者死亡届(報告書)を提出する
・世帯主変更届を提出する
・【国民健康保険の場合】被保険者証を返却する
・【後期高齢者医療被保険者の場合】資格喪失届を提出する
・【介護保険被保険者の場合】被保険者証を返却する
15日目以降・雇用保険受給資格者証を返却する
・四十九日法要・納骨を行う
・限定承認・相続放棄の申述を行う
・所得税の準確定申告・納付を行う
・相続税の申告・納付を行う
・遺留分侵害額を請求する
・死亡一時金・寡婦年金を請求する
・葬祭費・埋葬費を請求する
・高額療養費の還付を請求する
・生命保険金(死亡保険金)を請求する
・不動産の相続登記を行う
・遺族年金・未支給年金を請求する

【当日】亡くなったらすること 

【当日】亡くなったらすること 

大切な家族が亡くなったその日は、深い悲しみに暮れる中、いくつかの手続きを行わなければなりません。ここでは当日に行うべきことを説明します。

死亡診断書を受け取る

病院で死亡した場合は、その日のうちに医師から死亡診断書を受け取ります。一方、事故死や死因不明の突然死、自死などの場合は、警察に連絡し検視を受けた後、死体検案書が発行されます。

死亡診断書・死体検案書は、今後の様々な手続きで必要となるため、コピーを数枚取っておくことをおすすめします。紛失すると再発行に時間がかかり、手続きに支障をきたす恐れがあります。

近親者に連絡を入れる

故人の親族、職場関係者、親しい近所の方などに訃報を伝えましょう。連絡が漏れないよう、あらかじめリストを作成しておくと便利です。

葬儀の日時が決まっている場合は、あわせて伝えましょう。未定の場合は、決まり次第改めて連絡すると伝えておきます。

葬儀会社を決める

葬儀社を選ぶ際は、故人の生前の希望を踏まえつつ、自分たちの希望や予算に合うところを探します。

担当者の対応、提示された葬儀プラン、費用などを見比べ、納得のいく葬儀社を選びましょう。事前に複数社に問い合わせ、じっくり検討することをおすすめします。

遺体を搬送する・退院の手続きをする

一般的に病院で遺体を安置できるのは死亡から数時間程度です。自宅に安置するなら自宅へ、葬儀社の斎場を利用するなら斎場へ遺体を搬送します。

病院で亡くなった場合は、退院手続きも必要です。死亡当日か翌日になることが多いでしょう。入院費の精算なども行いますので、わからないことがあれば病院の医療ソーシャルワーカーに相談しながら進めるとよいでしょう。

【1週間以内】亡くなったらすること 

【1週間以内】亡くなったらすること 

家族が亡くなってから1週間以内に行わなければならない手続きがいくつかあります。

ここではその内容と期限について説明します。

死亡届を役所に提出して火葬許可証を受け取る

死亡診断書または死体検案書を受け取ったら、死亡届の提出と火葬許可証の申請を行います。多くの場合、死亡診断書と死亡届はA3用紙の裏表に印刷されています。

死亡届の届出人は、法律で以下のような優先順位が定められています。

  1. 同居していた親族(届出の順位は、配偶者、子、父母、孫、祖父母、兄弟姉妹の順)
  2. 同居していない親族(届出の順位は、配偶者、子、父母、孫、祖父母、兄弟姉妹の順)
  3. 親族以外の同居人
  4. 家主、地主、家屋・土地管理人

届出期間は亡くなった日から7日以内です。正当な理由がないのに期間内に届け出ないと、5万円以下の過料に処されることがあります。

火葬許可証は亡くなってから24時間以上経過していないと火葬ができないので、葬儀に間に合うよう死亡届の提出時に一緒に申請しておきましょう。

お通夜・お葬式

一般的にお通夜は亡くなった翌日、葬儀・告別式は翌々日に行われます。ただし、葬儀場や火葬場の手配状況により必ずしもこの通りではありません。

火葬は亡くなってから24時間以上経過していないと行えないので、通常は葬儀・告別式の後になります。火葬許可証を火葬場に提出する必要がありますので、忘れずに持参しましょう。

【健康保険の場合】被保険者証を返却する

健康保険の被保険者が亡くなった場合、遅くとも亡くなった日から5日以内に、事業主(勤務先)が健康保険被保険者証を添えて「健康保険被保険者資格喪失届」を日本年金機構に提出しなければなりません。

被保険者証は遺族が回収して事業主に渡します。期日までに返却できない場合は「健康保険被保険者証回収不能届」を添付します。

なお、資格喪失届の提出期限が守られないと、保険給付を受けられない等の不利益を被る可能性があります。

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【2週間以内】亡くなったらすること

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死亡後2週間以内におこなうべき手続きには、年金や健康保険、介護保険に関するものがあります。ここでは、それぞれの手続きの概要と期限について解説します。

受給権者死亡届(報告書)を提出する

故人が公的年金の受給者だった場合、年金事務所または年金相談センターに「受給権者死亡届(報告書)」を提出する必要があります。

厚生年金保険の加入者であれば死亡後10日以内に、国民年金保険の加入者であれば14日以内に提出します。これを怠ると、死亡後に年金が振り込まれ続け、後日返還を求められる可能性があります。

ただし、日本年金機構にマイナンバーが登録されている場合は、死亡届の提出のみで手続き完了となります。

世帯主変更届を提出する

亡くなった人が世帯主だった場合、14日以内に住民登録地の市区町村に「世帯主変更届」を提出します。

世帯に15歳以上の人が残っている場合は、その中から新しい世帯主を決めて届け出ます。世帯に故人しかいなかった場合は、変更届の提出は不要です。

【国民健康保険の場合】被保険者証を返却する

故人が国民健康保険の被保険者だった場合、死亡後14日以内に被保険者証を返却します。

国民健康保険の運営は市町村によって行われているため、お住まいの市町村の担当窓口に被保険者証を持参してください。死亡届の提出のみで資格喪失手続きは完了するので、別途手続きは不要です。

【後期高齢者医療被保険者の場合】資格喪失届を提出する

後期高齢者医療制度の被保険者だった場合、死亡後14日以内に資格喪失届の提出と被保険者証の返却が必要です。

届出先は、市区町村の後期高齢者医療窓口です。なお、郵送でも手続き可能な場合が多いため、事前に確認しておくとよいでしょう。

【介護保険被保険者の場合】被保険者証を返却する

介護保険の第1号被保険者(65歳以上)または第2号被保険者(40〜64歳の医療保険加入者)だった場合、死亡後14日以内に被保険者証を返却します。

住所地の市町村の介護保険担当窓口に持参します。被保険者証がない場合でも必ず14日以内に死亡の連絡をしましょう。保険料は死亡日で日割り計算され、 保険料の過不足分は相続人に通知されます。

【2週間経過以降】亡くなったらすること 

【2週間経過以降】亡くなったらすること 

ここからは、死亡後2週間が経過してから行う手続きについて解説します。期限が長めに設定されているものが多いですが、できるだけ早めに着手しましょう。

雇用保険受給資格者証を返却する

故人が雇用保険の基本手当(失業給付)を受給していた場合、死亡後1ヵ月以内に受給手続きを行ったハローワークに受給資格者証を返却します。

なお遺族は、死亡日の前日までの基本手当(未支給失業等給付)を請求できます。請求期限は死亡日の翌日から6ヵ月以内です。

四十九日法要・納骨を行う

故人を偲び冥福を祈る法要は、一般的に仏教の慣習に従い「四十九日法要」として亡くなって49日目に行われます。四十九日法要まで遺骨を自宅で保管し、法要後に納骨します。

ただし宗教や地域、家庭の事情によっては、必ずしも四十九日でなくてもよいでしょう。故人や遺族の意向に沿った形で行いましょう。

限定承認・相続放棄の申述を行う

故人に多額の借金などの債務があった場合、「限定承認」または「相続放棄」の手続きを検討します。家庭裁判所に申述書と必要書類を提出します。期限は原則として相続開始を知った日から3ヵ月以内です。

限定承認は、遺産の範囲内でのみ債務を引き継ぐ手続きですが、相続人全員で行う必要があります。一方、相続放棄は、遺産・債務とも一切引き継がない手続きで、各相続人が単独で行えます。

所得税の準確定申告・納付を行う

亡くなった年分の所得税は、相続人が亡くなった人の住所地を管轄する税務署に準確定申告します。申告と納付の期限は、相続の開始があったことを知った日の翌日から4ヶ月以内です。

確定申告が必要だった人(事業所得者や不動産所得者など)が年の途中で亡くなった場合に、相続人が行う申告のことを準確定申告といいます。

相続税の申告・納付を行う

相続財産の合計額が基礎控除額を超える場合や、小規模宅地等の特例の適用を受ける場合など一定の場合には、相続税の申告と納付が必要です。

申告と納税は、相続開始を知った日の翌日から10ヶ月以内に、被相続人の住所地を管轄する税務署に対して行います。

遺留分侵害額を請求する

遺言や生前贈与によって、法定相続分より少ない遺産しか受け取れなかった相続人は、「遺留分侵害額請求」を行うことができます。

ただし、相続開始と遺留分侵害の事実を知ってから1年で請求権が消滅するため、期限には注意が必要です。

死亡一時金・寡婦年金を請求する

国民年金に一定期間以上加入していた人が年金を受給せずに亡くなった場合、遺族は「死亡一時金」を請求できます。また、夫が一定の条件を満たす場合、妻は「寡婦年金」を受給できる可能性があります。

いずれも請求期限は、死亡日の翌日から2年以内です。

葬祭費・埋葬費を請求する

国民健康保険や健康保険の被保険者が亡くなった場合、葬儀を行った遺族は保険者に葬祭費・埋葬費を請求できます。金額は、保険者によって異なります。また、届け出る役所により違いはあるかもしれませんが、喪主以外が申請をする場合は委任状が必要になることも。

請求期限は、葬儀や埋葬を行った日の翌日から2年以内です。

高額療養費の還付を請求する

亡くなる前の入院や通院で、月の医療費自己負担額が一定額を超えていた場合、限度額を超えた分が高額療養費として還付されます。

遺族が保険者に高額療養費を請求します。期限は、医療費を支払った日の翌日から2年以内です。

生命保険金(死亡保険金)を請求する 

故人が生命保険に加入していた場合、受取人は死亡保険金を請求する必要があります。

保険金請求の手続きは、保険会社によって異なるため、加入している保険会社に確認しましょう。請求期限は、契約によって異なりますが、通常は3年以内とされています。

不動産の相続登記を行う

2024年4月からは、相続や遺贈によって取得した土地や建物については、所有権移転の登記(相続登記)が義務化されました。正当な理由なく登記を怠ると過料の対象となります。

申請期限は原則として、相続開始と不動産取得を知った日から3年以内です。

遺族年金・未支給年金を請求する 

故人の死亡当時、生計を同じくしていた遺族は、亡くなった人の加入していた年金(厚生年金・国民年金)の被保険者期間などに応じて、遺族年金を受給できる可能性があります。

また、亡くなった人が受給資格を満たしていたにもかかわらず、何らかの理由で受け取っていなかった年金(未支給年金)を、遺族が請求できる場合もあります。

遺族年金と未支給年金の請求期限は5年です。

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おわりに 

大切な家族が亡くなった際は、葬儀の手配から役所への届出、年金や保険の手続きなど、やるべきことが山積みです。しかし、適切な順序で効率よく手続きを進めることで、故人を送り出し、残された遺族が前を向いて生活していくことができます。万が一に備えて、終活支援サービスを利用することも選択肢の一つです。家族を亡くした悲しみに暮れる中でも、しっかりと手続きを行い、故人への感謝の気持ちを胸に、新たな一歩を踏み出していきましょう。

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