「肩に痛みを感じるけど四十肩かどうかわからない」「四十肩の症状をチェックする具体的な方法が知りたい」と、考えている方も多いのではないでしょうか。肩や関節が痛くなってきたけれど、四十肩なのか単なる疲れなのかわからなければ、不安になりますよね。
四十肩と五十肩の違いは年齢の違いだけです。40代で肩関節の痛みを感じたら四十肩、50代だと五十肩の可能性があります。
関節の痛みを放置しすぎると関節が硬くなってしまい、腕を上げるのが困難になってしまいます。そこでこちらのコラムでは、四十肩の症状をチェックする方法を解説します。四十肩の効率的な解消法や、ストレッチ方法も解説しているので、ぜひ参考にしてみてください。
四十肩の症状をチェックする5つの方法
四十肩になる原因を理解していないと、症状が悪化する可能性があります。四十肩になる理由にはどんなものがあるのか理解することが大切です。40歳以上でご自身が四十肩かどうか気になる方は、以下のチェックリストに当てはまってないかどうか確認してみてください。
- 腕が上がらない
- 姿勢が悪いとよくいわれる
- 夜中に肩の痛みでよく目覚める
- 急に肩の激痛が走る
- 肩の痛みが1ヵ月以上続く
実際にどのような症状が出ていると、四十肩に該当するのかそれぞれ詳しく解説していくので、参考にしてみてください。
腕が上がらない
肩が痛くて腕が上がらない方は、四十肩の可能性があります。加齢に伴い骨を支える部分の柔軟性が悪くなったり、肩周辺の筋肉や靭帯が炎症を起こしたりします。四十肩を疑うべきチェック項目は以下のとおりです。
- 服を着るときに痛みを感じる
- 高い位置の物を取るときに痛みを感じる
- 洗濯物を干す動作で痛みを感じる
- 鞄などを持ち上げたときに痛みを感じる
- 日々肩の痛みが増していく
関節の痛みを放置しすぎると、関節が硬くなってしまい腕を上げるのが困難になってしまいます。肩関節に痛みを感じる場合は、整形外科へ早めに相談しましょう。
姿勢が悪いとよくいわれる
姿勢が悪いと骨盤がずれたり、背骨のS字カーブが悪くなったりして、神経にダメージを与えてしまいます。特に長時間のデスクワークや家事で下を見る姿勢が多い人は注意が必要です。四十肩になる姿勢は以下のとおりです。
- 足を組む癖がある
- 座ると背中が丸くなる
- 頬杖をつく癖がある
- 片側に重心をかけて立つ癖がある
手を使う作業が多い(PCやスマートフォンの作業や、文字を書くなど)
長時間前傾姿勢をとることで、首に負担がかかってしまいます。頭の重量の負荷が丸ごと首にかかるため、日頃から姿勢には気をつけましょう。
夜中に肩の痛みでよく目覚める
夜中に肩の痛みでよく目覚める方は、四十肩の恐れがあります。四十肩の方は関節の可動域が制限されており、靭帯や筋肉が固まっている場合、無理に伸張すると痛みを感じます。以下の状態に当てはまる場合、四十肩の可能性があります。
- 寝返りを打つと痛む
- 痛む側の肩を下にすると激痛が走る
- 朝起きると肩が痛む
- 仰向けで寝ると肩が痛む
- 腕が内側にあると痛む
- 腕を上げると肩がすくむ
- 自動でも多動でも肩を動かすと痛む
- 肩の外側や全体に痛みがある
寝ていたり、じっとしていたりしていても痛みを感じる場合、無理に動かしてしまうと炎症がひどくなる可能性があります。また、鈍い痛みや関節の動かしにくさを感じたときは、肩を冷やさないことが大切です。
急に肩に激痛が走る
炎症がピーク状態を迎えると、肩や腕を動かすだけで激しい痛みを感じます。肩の痛みを放置してしまうと炎症期に入り、特定の部位だけでなく肩全体に炎症が広がる可能性があります。四十肩の可能性がある症状は以下の通りです。
- 肩を動かすと激痛が走る
- 何もしなくても痛む
- 夜間に痛みが増す
痛みを我慢してしまうと慢性化してしまうため、回復するまでの時間もかかります。激痛を感じた場合は、整形外科やクリニックなどで早めに受診することをおすすめします。
肩の痛みが1ヵ月以上続く
肩の痛みが1ヵ月以上続く場合は、四十肩の可能性が高いです。1ヵ月ほど経過しても、肩が上がらなかったり、痛みが取れなかったりする場合は、早めに医療機関で受診することをおすすめします。
腱板断裂などに気付かずそのまま放置していると、結果的に手術が必要になる可能性があります。肩の痛みが解消されない場合は、放置せずに早めに相談しましょう。
四十肩・五十肩は、何もせず放置しておいても良くなるケースもありますが、そうならないケースも多く、放置で良くなったとしても、数年かかる場合があります。さらに放置で良くなった場合は、「なぜ良くなったのか?」原因がわからないため、対策ができず、再発する可能性が高くなります。
そのため肩に痛みがあり、それが続くようでしたら、我慢せずに専門家に相談し、きちんと治療やリハビリをしていきましょう。そして良くなった後も、そこで教わったリハビリなどを続けてください。そうすれば再発を予防することができます。
四十肩の症状を解消する5つの方法
四十肩は日頃から運動や食事に気を使ったり、身体を温めたりすることで改善されやすくなります。ここからは、四十肩の症状を解消する5つの方法について解説しています。
習慣的に運動する
身体を動かすと筋肉の緊張がほぐれ血行が促進されるため、四十肩防止につながります。肩こりを解消したい場合、以下の有酸素運動がおすすめです。
- ウォーキング
- ジョギング
- 水泳
- エアロビクス
- 自転車
有酸素運動を行うと血流が促され、酸素や栄養が循環しやすくなります。ご自身に合わせて、楽しく続けられそうなものを選択しましょう。
肩を温める
患部を温めると血行が促進され筋肉の緊張も緩むため、四十肩のこりや痛みが予防できます。また、精神的なリラックス効果も期待できるため、ストレス解消にもつながります。
自宅で簡単に温める方法は入浴です。湯船にお湯を張りゆっくり浸かることで、全身の血行が促進され、疲労回復につながります。冬の時期はカイロを利用するなどして、患部を冷やさないようにしましょう。
なかなか湯船に浸かることが難しい場合は、蒸気の出る温熱シート「めぐりズム」を使用することもおすすめです。慢性の肩こり・腰痛をじっくりあたためてほぐします。ぜひチェックしてみてくださいね。
肩を冷やす
肩の痛みが激しく熱を持ったような感覚の場合には、患部を冷やすのがおすすめです。冷湿布を貼ると痛みが軽くなります。ただし、長時間冷やし続けてしまうと、筋肉が硬直してしまいます。痛みがなくなったら温湿布に切り替えて、血行の流れを促進すると効果的です。
炎症期はアイシングですが、拘縮期(こうしゅくき)になったら温めます。これは自己判断でやるのはあまりおすすめできないので(一般人に判断は難しい)、温めるのか?冷やすのか?はかかりつけ医に相談しながらやるようにしてください。
ストレスを溜めない
ストレスを溜めないようにすると、四十肩の予防につながります。ストレスを溜めると自律神経が乱れてしまい、身体のさまざまな機能を調節しづらくなります。
自律神経には、活動的なときに活発になる交感神経と安静時に働く副交感神経があり、ストレスを感じたときは交感神経が活発になります。そのため、血管が収縮し血行が悪くなります。また、ストレスによるこりや痛みを放置すると美容面にも影響します。
ストレスは身体への影響が大きいため、我慢し続けると症状がさらに悪化する可能性があります。ストレスが溜まりやすい環境の場合、生活環境や職場環境を変えてみましょう。
栄養と睡眠バランスを整える
四十肩の予防や、治療・リハビリの効果を高めるためには、食生活や睡眠時間を見直すことも大切です。日々の献立に気を付けることで予防ならびに症状を和らげる効果が期待できます。
りんごや玉ねぎなどにはポリフェノールが多く含まれており、摂取することで血行促進が期待できます。栄養バランスを整えることで、四十肩を予防できるだけでなく身体の不調も改善にも効果が期待できます。ただし、ポリフェノールだけをとれば、症状が和らぐ(痛みが軽減する)とはいえないため、日々の献立を意識して、バランスよく栄養をとるようにしましょう。
四十肩・五十肩を解消するには、治療やリハビリが大事ですが、その効果を最大化するには、自身での運動や生活習慣を整える事が必要です。運動しなければ肩の動きはどんどん悪くなっていきますし、生活習慣が乱れていたら、肩の炎症はなかなか治まらず、治療やリハビリの効果が減少してしまいます。それだともったいないですよね。
そのため、大変かと思いますが、無理なくできる範囲で取り組んでみてください!ご自身のできることからやっていきましょう。
四十肩の症状を改善する5つのストレッチ
四十肩の人は肩が動かないので、できるものが限られてします。そのため、ご自宅で簡単にできるセルフマッサージをご紹介します。ただし、これは四十肩が片方の肩だけの方にしかできません。両肩とも四十肩の人はできるものとできないものがありますのでご注意ください。
四十肩を我慢して放置しておくと、最終的に恐ろしい病気を引き起こす危険があります。四十肩は、ストレッチを行うことで解消可能です。ここからは、四十肩の症状を改善する5つのストレッチを紹介しますので、参考にしてみてください。
全て座りながらできるものなので、仕事や家事の合間にお試しください。
肩の負担を減らすストレッチ【肋骨ほぐし】
肩の負担を減らすには、肩甲骨の可動域を広げるストレッチが効果的です。ストレッチの手順は以下のとおりです。
肋骨の上に肩甲骨が乗っているため、肩甲骨の動きを良くするには肋骨の柔軟性も大切です。
手順は以下のとおりです。
- 椅子に座って姿勢を正す
- 両手の力を抜く
- 背骨を動かさないように肩をゆっくり上げる
- 背骨はそのままで肩をゆっくり下げる
- 肩の上下運動を10回程度繰り返す
- 四十肩側に身体を傾ける
- 肋骨の中に指を入れる
- 「気持ち良い〜痛気持ち良い強さ」で30-60秒ほぐす
肩の痛みを抑えるストレッチ【胸ほぐし】
肩の痛みを抑えたい場合、肩甲骨と上腕骨の間に遊びを作るストレッチがおすすめです。関節に負担をかけずに血行を促進する効果が期待できます。手順は以下のとおりです。
胸の筋肉は、肩甲骨とつながる鎖骨についています。そのため胸をほぐすと鎖骨・肩甲骨の動きが良くなるため、しっかりとほぐしていきましょう。
- 腰ぐらいの高さのテーブルを準備する
- 少し前屈みになって片手をつく
- もう片方の手を垂らし前後・左右・円を描くように揺らす
- それぞれ10往復ぐらい繰り返す
- 鎖骨下に指を当てる
- 中心よりから肩よりまで満遍なくほぐす
- 「気持ち良い〜痛気持ち良い」強さで30-60秒行う
姿勢を改善するストレッチ【脇の下ほぐし】
姿勢を改善したい場合は、大胸筋や股関節を伸ばすストレッチが効果的です。猫背姿勢の方は背中が張った状態となり、首の筋肉が硬直して血行が悪くなります。
また、リンパも詰まってしまうため、顔がむくんで疲れた表情になります。姿勢を正すストレッチの手順は以下の通りです。
脇の下には背中につながる筋肉や、肩甲骨のインナーマッスルがあり、四十肩の方はこれらの筋肉も固まっています。なのでしっかりほぐしていきましょう。
- 椅子に座る
- 背中を丸めて前屈みになる
- お腹から胸辺りを見る
- 上体を前に倒しながら背中を反らす
- 脇の凹みに親指、後ろ側に残りの4本指を当てて、脇の下をつまむ
- 揺らしながらほぐす
- 「気持ち良い〜痛気持ち良い」強さで30-60秒行う
胸骨の動きを高めるストレッチ【肩の上ほぐし】
四十肩には胸骨の動きを高めるストレッチが効果的です。肋間筋を刺激することで脇腹が伸び、胸骨の動きが良くなります。胸骨の動きを高めるストレッチは以下のとおりです。
四十肩の方は腕を動かすと肩がすくみ、肩の上の筋肉が固まってしまいます。この筋肉も肩甲骨を動かす筋肉なので、しっかり緩めて動きを良くしていきましょう
- 肘を壁に固定する
- 身体を壁と逆方向へ向ける
- ゆっくり出す身体を前にゆっくり出す
- 肩の上をつまむ
- そのまま肩甲骨を前後に回す
- 「気持ち良い〜痛気持ち良い」強さで30-60秒行う
肩の可動域を広げるストレッチ【肩の端ほぐし】
肩の可動域を広げることで四十肩の解消が期待できます。さらに肩甲骨周りの筋肉をほぐすことで姿勢も改善され、血行促進の効果も期待できます。肩甲骨の可動域を広げる手法は以下のとおりです。
肩の端っこには肩関節を動かす筋肉です。その奥には肩のインナーマッスルがあります。ここが固まると肩の動きが悪くなるので、しっかりとほぐしていきましょう。
- 真っ直ぐ立ち両腕を身体側におろす
- 右腕を真上に伸ばす
- 肘を伸ばしたままゆっくり下げる
- 右手が腰の高さと平行になるまでおろす
- 反対側も繰り返す
- 肩の端っこに指先を当てる
- グリグリとほぐす
- 「気持ち良い〜痛気持ち良い」強さで30-60秒行う
痛みの場所や期間で四十肩かどうかチェックはできますが、そこから自己判断で対処するとうまくいかない場合があります。こちらに記載してあるストレッチなどの対処法は、あくまでも治療やリハビリありきの内容なので、四十肩の可能性がある方や、現在四十肩の方は、しっかり専門家に診てもらいながら、こちらのコラムも参考にして、四十肩を解消してください。
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