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梅雨の時期の頭痛のツボ

梅雨の時期の頭痛のツボ
瀬戸 郁保 鍼灸師・登録販売者・国際中医師

執筆者

鍼灸師・登録販売者・国際中医師

瀬戸 郁保

1970年神奈川県箱根町出身。青山学院大学経営学部卒業後、日本鍼灸理療専門学校にて学び、鍼灸師・按摩指圧マッサージ師免許を取得。さらに北京中医薬大学日本校(現・日本中医学院)で中医学・漢方薬を学び、国際中医師を取得。2004年東京の表参道に源保堂鍼灸院を開院し、その後漢方薬店薬戸金堂も併設。『黄帝内経』『難経』などの古医書を源流にした古典中医鍼灸を追究しながら、併せて漢方薬や気功など、東洋医学・中医学を幅広く研究し、開業以来多くの患者様のからだとこころの健康をサポートしてきている。さらに現在は東洋遊人会を主宰し、後進の指導にもあたっている。(株)薬戸金堂の代表取締役。著書に『長生きをしたければ、「親指」で歩きなさい』(学研)がある。

梅雨の湿気で起きる二つの頭痛

梅雨の時期は雨が多く、また雨が降らなくてもどんよりと曇った日が多くなります。このような高くジメジメした湿度、そして日照不足による気分の落ち込みによるストレスの増大。こういった状況で頭痛が頻発するという方も少なくありません。この時期に起きやすい頭痛について、東洋医学的な見解で解説をしていきます。

東洋医学では梅雨の時期に高まる湿気が身体にはびこると考えます。万物に潤を与える湿気も、過剰になると潤いを通り越してペタペタ、ジメジメした不快なものに変わっていきます。東洋医学では、身体に悪影響を与える不快な湿気のことを湿邪といいますが、ジメジメするこの季節特有の感触と同様に、身体の中もジメジメしていき、さまざまな部位に湿邪が入り込みます。そして湿邪には、血流などの流れを悪くする性質があると考えています。

この湿邪が頭皮の下にある筋膜に入り込みますと、筋膜が滑らかに動かなくなります。イメージでいうと、筋肉の膜がこすれる感じです。これはとても微妙な差なのですが、身体は繊細にそれを感知し、頭痛につながっていきます。このような筋膜の滞りによる頭痛のことを、「筋膜性頭痛」といいます。

また、筋膜が湿邪によって動きが悪くなりますと、頭皮が突っ張ってきて緊張することがあります。このように緊張して起きる頭痛を「緊張型頭痛」といいます。緊張型頭痛は、頭皮の緊張だけではなく、ストレスによる心の緊張も関係してきます。梅雨の時期は日照不足になって気持ちも落ち気味になりますので、ストレスが溜まりやすくなります。鬱々とした気分のときは、どうも頭がうまく働かなくてそれが緊張型頭痛になることも。

以上のように、東洋医学で見ていくと、湿気が多くなる梅雨時期は、「筋膜性頭痛」と「緊張型頭痛」という二つの頭痛が多く発生することになります。そしてそれを解決するツボとしては、頭皮にある筋膜の血流を良くすることが重要となりますので、頭部にあるツボが使われることが多くなります。

筋膜性頭痛に効果があるツボ

筋膜性頭痛の場合は、頭皮の筋肉を緩めてあげることが一番の解消法になります。そのため、頭部にあるツボがおすすめです。さらにその中でも、梅雨の時期ということを考えますと、湿気と関係が深い臓器(この場合は東洋医学で考える臓器になります)につながるツボを使っていくとより効果的ということになります。東洋医学では、湿気と関係する経絡としては膀胱経(ぼうこうけい)、大腸経(だいちょうけい)、胆経(たんけい)といったものが中心となります。

天柱(てんちゅう)

天柱(てんちゅう)

首から頭皮にかけての血流の改善を図るツボです。天柱がある位置は、ちょうど頭の重さがずっしりと首にかかるところです。この加重が血流を妨げて頭皮の筋膜が堅くなります。天柱はその位置にありますので血流改善になります。

  • 場所:後頭部の首の付け根にあります。
  • 効果:首の筋肉・こりを緩めて頭皮へ血流を改善していきます。
  • 押し方:目の方向に向けて、斜め前方に押していく。

率谷(そっこく)

率谷

率谷というツボは、耳の上、側頭部にあります。頭の筋膜が張ってくると、この側頭部がパンパンに腫れた状態になりますので、率谷を使って張ってしまった筋膜にゆとりを持たせるようにします。

  • 場所:耳上の角の上方、髪の生え際から指2本分上
  • 効果:側頭部の筋膜を緩めて頭皮の可動域を広げてくれます
  • 押し方:指三本くらいで幅広く当てて軽く押さえながら回していきます

緊張性頭痛に効果があるツボ

太陽(たいよう)

太陽

太陽というツボは、目の疲れを取るときに使われることが多いのですが、脳の疲れを癒す時にも絶大な効果を発揮してくれます。緊張性頭痛の場合はストレスも多く、目の疲れの蓄積で起きることもありますので、太陽を使って頭の緊張と目の疲れを同時に取り除いてほしいと思います。とくに眼精疲労から頭痛に移行する人に効果的です。

  • 場所:眉尻とまなじりの交差するくぼみ
  • 効果:目の血流を改善し、脳の疲労を取り除き、頭や脳の緊張を取り除きます。
  • 押し方:頭の中心部に向かってじんわりと押していきます。

天牖(てんゆう)

天牖

天牖は胸鎖乳突筋(きょうさにゅうとつきん)と呼ばれるの筋肉の後縁にあります。緊張のストレスが溜まってくると、頭を支える胸鎖乳突筋が硬くなって緊張型頭痛の要因となります。

  • 場所:胸鎖乳突筋の上の方にあります。
  • 効果:首を支える胸鎖乳突筋の疲れを取り除きます。喉にも良く、言葉とも関係が深いツボですので、言いたいことが言えないストレスがあって緊張する方にとくにおすすめです。
  • 押し方:左右の両方からゆっくりとじわっと押してください。ただしあまり強くなりすぎないように注意が必要です。

梅雨の気圧の変化で起きやすい頭痛

梅雨の気圧の変化で起きやすい頭痛

偏頭痛の特徴は、ズキズキとした拍動する痛みを伴います。これは、脳の中の血管が膨張するため、その血管の拍動が神経に触って起きる痛みとされています。血管が膨張する原因はストレスや不規則な睡眠、肉体の疲労、ホルモンの変動といったものが考えられており、場合によっては吐き気を催したり、閃輝暗点といって、頭痛の前に目がチカチカするなど、症状としてはかなり強いものが出てくるのが特徴です。

梅雨の季節は湿気だけでなく、気圧の変化もあります。最近では天気の変化によって起きる症状のことを気象病といったりもしますが、そのなかでも気圧の変化による症状が注目されています。例えば台風などは温帯性低気圧と呼ばれますが、日本からまだ遠く離れているところで発生した段階でも身体に変調をきたすそうです。そこで東洋医学として考えてみると、この気圧の変化で起きる頭痛を分類すると、「偏頭痛」です。

身体の七割近くは水分でできていますが、細胞を満たす水分や、身体に巡る血液やリンパ液など、身体のすみずみに行き渡る水分だからこそ、気圧の影響も受けやすくなると東洋医学では考えています。


そこで水分に関係するツボということになりますが、この水分の調整をしているのが三焦経という経絡です。三焦は、東洋医学独特な概念で、身体に流れる水分の通り路になります。諸説ありますが、現代医学でいう主にリンパ液と関係するといわれています。三焦経の中でも、偏頭痛に効果的なツボをご紹介いたします。

関衝(かんしょう)

関衝

関衝は三焦経という経絡が始まるスタートの位置にあります。三焦経全体の流れを整える作用がありますので、身体の水分の調整をして偏頭痛にも効果を発揮していきます。

  • 場所:薬指の爪の外側の脇
  • 効果:気圧によって変動する身体の水分の分布を調整します
  • 押し方:指先で感覚が強いところです。痛きもちいい程度でぎゅっと押します

四瀆(しとく)

四瀆

四瀆も水の流れと関係する三焦経の上にあります。四瀆というツボの名前は、中国に流れる長江、黄河、淮河、済水という四つの大河から由来していますので、“とても大きな流れ”という意味が込められています。

  • 場所:四瀆は腕の外側で、手首と肘を結んだ真ん中よりも約3cm上
  • 効果:身体の水分全体を調整することで気圧からの影響を軽減します
  • 押し方:じっくりと強めに押しましょう

その他のアドバイス

筋膜性頭痛にしても、緊張型頭痛にしても、頭にある五感器の疲労も頭痛の原因に拍車をかけます。特に現代社会はスマホにパソコンが日常生活にありますから、目の疲労は多くなります。こういった目の疲労を解消するだけでも頭痛を緩和することにもなりますので、たまにはパソコンやスマホから離れた生活をすることも大切な養生となります。

以上のように主に起きる頭痛を3つに分類しましたが、特に最初の二つの「筋膜性頭痛」「緊張型頭痛」は重なる部分もありますので、どちらのツボを使っても有効なことがありますので、この分類に限らず、ご自身の頭痛に合ったツボを見つけてみてください。

また、頭痛は命にかかわる脳の病気などが隠れていることもあります。頭痛だけでなく、めまいなどがあるときや、以上のツボを使って改善しないとときは、しっかりと病院での検査をしてみてください。

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