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今年の夏休みは「マヨネーズ」を手作りしてみませんか!

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MICHIKO 調味料ソムリエプロ

執筆者
MICHIKO 調味料ソムリエプロ

野菜ソムリエプロ・カレーマイスター・食養生士・料理研究家・調味料研究家・調理師 食と健康と美をテーマに、講師・講演・セミナー・料理レシピ・調味料紹介や批評、開発・コラムの執筆などを手がけ、テレビ・雑誌の出演多数、著書も多い。生活習慣病などの生活や食事アドバイスもしている。

暮らしに欠かせない食品の値上げニュースは、止まる気配がありません。なかでも、最近は加工食品に代わり、調味料の値上げがトップに立ち、長引く可能性さえあります。そんな調味料ですが、手作りすることで、節約と健康効果の両方を手に入れられる機会です。そこで、マヨネーズを手作りしてみませんか? 市販のマヨネーズも美味しいけれど、シンプルに手作りを楽しむのはもちろん、アレンジが楽しめるのも、手作りの良いところです。マヨネーズは分離してしまい、難しい…と聞いたことがある方も多いと思いますが、初めて作る方でも、手軽に、失敗知らずに作る方法をお伝えします。さぁ、手作りマヨネーズの世界へ!

手作りマヨネーズとは 

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マヨネーズは卵黄、酢、塩など混ぜ合わせてから、油を少しずつ加える作り方がおなじみです。ですが、このレシピだと、どうしても分離しやすいです。油と酢は、油と水なので、なかなか混ざり合わないんですね。

そこで、最初に卵黄と油をよく合わせ、硬くなったところで酢を入れて、溶きほぐせば、完成!水分と油分がしっかり混ざり、分離することが少ないのが魅力です。なめらかなマヨネーズができあがります。初めて作られる方でも手軽に作ることができますよ。慣れてきたら、材料の酢や塩、油などの種類を変えて、味の変化を楽しみましょう。

原材料を選ぼう

マヨネーズの原材料は、卵、植物油、醸造酢、塩と、とてもシンプル!だからこそ、使う材料にはこだわりたいもの。特に、マヨネーズはそのまま生で食べることが多いので、品質の良いものを選びましょう。

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卵は卵黄だけ使う場合と全卵を使う場合がありますが、ここでは卵黄だけを使います。残った卵白は、スープにでも使いましょうね。卵は完全栄養食品といわれていますが、卵黄のほうが栄養価は高く、たんぱく質だけではなく、ビタミンやミネラルが豊富に含まれています。

ちょっと黄色みがかった色合いと濃厚な旨みとコクは卵黄によるものです。卵黄に含まれるレシチンという成分が乳化剤になるので、卵黄がないとマヨネーズはできあがりません。また、マヨネーズのなめらかな口当たりは、卵と油によるものなんですよ。

卵は新鮮なものを使いましょう。卵黄だけを使うので、全卵の卵から、卵黄だけを取り出します。新鮮でないと、卵黄と卵白がきれいに分離しません。

卵黄1個につき、オイルの量は200mlくらいまでが乳化させやすい量です。

植物油

マヨネーズの原料のうち、いちばん多く占めているのは植物油です。油は三大栄養素のひとつ「脂質」、身体の神経組織や細胞膜、ホルモンなどを作り、1g当たり9kcalのエネルギー量があります。マヨネーズに植物油を加えることで、味に深みとボリューム感を与えられます。

植物油は普段は炒め物や揚げ物など加熱して使うことが多いですが、古くなったりして酸化している油は分離してしまい、マヨネーズができないことがあるので、注意しましょう。

マヨネーズに使う植物油は、お好みのもので良いのですが、オイルの選び方によって、マヨネーズの味わいや健康効果に違いがでますよ。

おすすめは、サラダ油とグレープシードオイルです。理由は、冷蔵庫に保存したときに固まらないからです。マヨネーズを冷蔵庫保存したときに、入っているオイルによっては固まってしまったり、分離してしまうことがあります。サラダ油は名前の通り、サラダ用に開発されていて、冷蔵庫保存しても固まりません。

亜麻仁油やえごま油、MCTオイルなどに多く含まれているオメガ3脂肪酸は血液をサラサラにする働きや細胞の老化を防ぐ作用などがあります。使う量は、基本的にサラダ油などを使い、最後に風味づけ(全体のオイル量の10~20%くらい)として加えるのがおすすめ。また、調理加熱に向かないオイルなので、加熱せずに生使いします。

オリーブオイルには油の分解物が含まれているため、分離するリスクが上がります。使いたいときには最後に風味づけ(全体のオイル量の10~20%くらい)として加えるか、それでもオリーブオイル100%で作りたいときは、最初から根気良くオイルを少量ずつ加えて、よく撹拌することで、分離せずに作ることができます。血管の老化を防ぐ作用があり、酸化しにくいオレイン酸も豊富なオイルです。

醸造酢

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酢はマヨネーズの酸味と旨みを決める大事な調味料ですが、酢の健康効果も忘れてはなりません。酢の主成分で酸味のもとである酢酸やクエン酸は、疲労回復や生活習慣病予防、健康と美容に良いとされています。また、マヨネーズに使う量は少量ですが、甘みをつけたり、旨みをアップしたり、全体の味わいの決め手になります。細菌の繁殖を抑え、防腐効果を高める働きもありますよ。

マヨネーズに使われる酢は、酢といっても原材料は、穀物や米、くだもの、ワインなど、さまざまです。米酢を使うと、スッキリ系に。リンゴ酢などのフルーツ系を使うと、フルーティな味わいに。黒酢を使うと、まろやかで甘みやコクのある味わいに。

オイルと相性の良い酢、お好みの味わいを探しましょう。レモン汁やホワイトバルサミコ酢などもよく合います。

塩 

塩はマヨネーズの塩の風味を決めてくれます。マヨネーズに使う塩は、お好みのものを使いましょう。精製塩や食塩、岩塩など、塩化ナトリウムの量が多いは、パンチのあるストレートな塩味が強く感じられます。海水塩や天日塩など、にがりなどのミネラルを含んだ塩は、まろやかさとコク、複雑な味わいがあります。

マスタード

マスタード類はお好みでかまいません。ただし、マスタードの種子には乳化を安定させる作用があるといわれています。量が少量なので、特に辛みが強くなることはありません。和からし、粒マスタード、ディジョンマスタードなどがあります。

保存はどうするの

完成した手作りマヨネーズは、容器に入れて、マヨネーズの表面を直接ラップなどで覆い、さらに、容器のふたをして保存しましょう。(直接、マヨネーズが空気に触れて酸化するのを遮断するためです。)

冷蔵庫のドアポケットや入口付近に置き、数日で食べきりましょう。大量に作らずに、少量ずつ作り、新鮮なものを食べるのがコツです。

0℃以下だと油が分離してしまうので、冷凍庫保存は避けましょう。(数日なら、オリーブオイル等で作ったものでも冷蔵庫内で分離しません。)冷蔵庫に入れて保存すると、出した時に少し硬くなりますが、酢や水(小さじ1/2~1)を加えて、よく混ぜるとなめらかになります。

どうやって使うの

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ビタミンC豊富な生野菜と一緒に摂ることで、美味しく健康効果もアップしてくれます。野菜サラダと合わせるのが一番いいんですね。他には、マヨネーズをオイルの代わりに使ったり、その他の調味料として使います。

例えば

  • 唐揚げの漬けだれに揉みこんで加えると、肉が柔らかく、臭みも消せます。
  • 天ぷらの衣に加えるとサクサクの仕上がりになります。
  • 卵料理、オムレツ、炒り卵、卵焼きに加えるとふんわりと仕上がります。
  • チャーハン、油の代わりにマヨネーズを使うとパラパラになります。
  • ハンバーグのたねに加えると、ふんわりとジューシーになります。
  • ホットケーキの生地に加えると、ふんわりとサクサクになります。
  • グラタン、野菜や肉の上に、マヨネーズをのせて焼くとマヨグラタンになります。
  • サンドイッチのパンに塗れば、旨みと水分がパンに染み込むのを防ぎます。
  • おにぎり、ごはん、さらに納豆に混ぜます。マヨネーズにいろいろな調味料や食材を加え、マヨディップとして使うのも楽しめます。
  • 味噌(麦や白みそも)、豆板醤、コチュジャン、カレー粉、柚子胡椒、わさび、らっきょう、胡麻(すりごま)、海苔の佃煮、たらこ(明太子)、クリームチーズ、アンチョビ、パセリやバジルなどのハーブ類、アボカドや枝豆(ペースト)など。
  • タルタルソース(ゆでたまご、玉ねぎ、ピクルス、パセリなど)、アイオリソース(おろしにんにく)、オーロラソース(ケチャップ)など。

美味レシピ3選

まずはマヨネーズを作る!

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材料
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オイルを少量ずつ垂らす
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オイルを全て加えたあと
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酢を加えたあと
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完成!

【材料】できあがり約100g

卵黄 1個分、ディジョンマスタード(からし) 小さじ1、塩 小さじ1/3(約2g・ふたつまみ)、サラダ油 100ml、酢 小さじ2

【作り方】

*材料は全て室温に戻しておきます。(特に卵黄は、冷蔵庫から出したての低温状態だと、分離しやすいです。)

① ボウルに卵黄とマスタード、塩を入れて、泡だて器でしっかりと混ぜ合わせる。

② ①にサラダ油を糸状に少しずつ垂らしながら加え、よく混ぜ合わせる。なめらかになったら、徐々に量を増やしながら混ぜていき、全て加える。

*最初にオイルを入れるときは、ごく少量を入れ、しっかりと乳化したことを確認し、よく混ざったらオイルを少量加えることを繰り返します。

③ 酢を数回に分けて加えながら、しっかりと混ぜ合わせる。

*酢を少なめにすると固く、多めにすると柔らかくなります。

*ボウルの下に濡れたふきんを置くと、混ぜやすいです。

*泡だて器で混ぜるだけでなく、ハンドミキサーを使用しても良いでしょう。

手作りマヨネーズで作る「ポテトサラダ」

  • 手作りマヨネーズの味わいを楽しむ!
  • 塩もみした野菜の食感と、ねっとりとしたじゃがいもがマヨネーズによく合う、王道のポテサラ!
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【材料】2人分

ハム 40g、じゃがいも(中) 2個、きゅうり 1/3本、にんじん 2cm、こしょう 少々、マヨネーズ 大さじ3

【作り方】

① じゃがいもはよく洗い、皮付きのまま1個ずつラップに包み、電子レンジ(600w)で4分ほど加熱し、数分そのまま置く。熱いうちに皮をむいてボウルに入れ、フォークの背などで軽くつぶし、こしょうを加えて混ぜて冷ます。

② ハムは細切りにする。ボウルにきゅうりとにんじんを千切りにして、塩ひとつまみ(分量外)を振って混ぜ合わせる。しんなりすればサッと水洗いし、水気を絞る。

③ ボウルに①と②、マヨネーズを加えて、混ぜ合わせ、器に盛る。

*マヨネーズの量はお好みで。

夏野菜とベーコンのマヨ焼き

  • 野菜を炒めて、マヨネーズをのせて焼くだけ、手間いらず!
  • いい香り、ツヤツヤ、まろやかな旨みがたまらない!
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【材料】2人分

ベーコン(角切り) 60g、ズッキーニ 1/3本、しめじ 1/3パック、パプリカ(赤・黄) 各1╱4個、オリーブ油 小さじ2、マヨネーズ 大さじ3強

【作り方】

① ベーコンと野菜は食べやすい大きさに切る。

② フライパンにオリーブ油を熱し、①を炒め合わせる。

③ グラタン皿に②をのせ、上にマヨネーズにのせる。

④ オーブントースターで焦げ目がつくまで焼く。

*グラタン皿にオリーブ油を少量(分量外)塗っておくと、後で洗いやすい。

オム豚キムチ

  • おなじみの豚キムチもマヨネーズを加えると、コクとまろやかさをプラス!
  • 卵料理にマヨネーズは必須! ふわふわに!
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【材料】2人分

豚もも肉 120g、ゴーヤ 1/3本、ねぎ 7cm、ごま油 小さじ2、オリーブ油 小さじ2

(A)マヨネーズ 大さじ1、白菜キムチ 80g、醤油 小さじ1

(B)マヨネーズ 大さじ1、卵 2個、牛乳 大さじ1、塩、こしょう 各少々

【作り方】

① 豚肉は一口大に切り、酒を振り入れる。ゴーヤは縦に半分に切り、種とワタを取り、7mm幅に切る。ねぎは小口切りにする。

② フライパンにごま油を熱して①を炒め、混ぜ合わせた(A)を加えて炒め合わせて、豚肉に火が通れば、器に盛る。

③ ボウルに(B)をよく混ぜる。別のフライパンにオリーブ油を熱して(B)を流し入れ、大きく混ぜ、半熟状になれば火を止め②にのせる。

おわりに

いかがでしたか。ひとくちに、手作りマヨネーズといっても、使う材料でずいぶん味わいが違います。家計にやさしいサラダ油を主体にして、一部を健康に良い油にすることで、生活習慣病の予防も期待できます。お好きな酢を最後に加えるなど、自分流でアレンジできるのも手作りの良いところ。

手作りしたマヨネーズの美味しさは格別です。材料も身近にあるものばかり、3~4分もあれば作ることができます。ポテサラを作る前にトライしたり、夏休みにお子さんと一緒にゆっくり手作りしたりするのも楽しいですね。手作りマヨネーズで素敵な食卓を囲んでください。是非、お試しあれ!

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